2003年度

Surface and Coatings Technology


310774
Heat stability of Mo/Si multilayers inserted with compound layers
石野雅彦 ; 依田修 ; 竹中久貴* ; 佐野一雄* ; 小池雅人
Surface and Coatings Technology 169-170(1-3), p.628-631(2003) ; (JAERI-J 20287)

 Mo/Si多層膜は,波長13nm近傍の軟X線領域において,高い直入射反射率を示すが,300℃以上の温度においては,多層膜界面での原子拡散やSi化合物の生成により,多層膜構造が劣化し,反射率が減少する.そこで我々は,熱による原子の拡散と化合物の生成を抑制し,Mo/Si多層膜の耐熱性を向上させることを目的として,イオンビームスパッタ法を用いて,界面にSiO2層を挿入したMo/Si多層膜を成膜した.耐熱性評価のため,多層膜試料に対して,真空加熱炉を用いて600℃までの加熱処理を行った.そして,CuKα1線を用いたX線反射率測定を行い,Mo/Si多層膜の構造評価を行った.その結果,従来のMo/Si多層膜は,350℃以上の温度で周期構造が大きく劣化したのに対して,SiO2層を挿入したMo/Si多層膜の構造変化は小さく,耐熱性の向上が確認された.また,軟X線反射率測定の結果からも,SiO2層の挿入は,Mo/Si多層膜の耐熱性に有効であることを確認した.


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