2003年度

表面科学


320126
リアルタイム光電子分光によるTi(0001)表面酸化反応の「その場」観察
高桑雄二* ; 石塚眞治* ; 吉越章隆 ; 寺岡有殿 ; 水野善之* ; 頓田英樹* ; 本間禎一*
表面科学 24(8), p.500-508(2003) ; (JAERI-J 20660)

 Ti(0001)表面の酸素分子による初期酸化過程の温度依存性を低エネルギー電子回折(LEED)とリアルタイム光電子分光で解析した.LEEDから酸化膜がエピタキシャル成長することが明らかとなった.酸素の光電子分光から酸素の拡散が温度によって促進され,400℃で7nmにもなることが明らかになった.Tiの光電子分光から表面近傍ではTiO2が主であるが界面ではTiOやTi2O3も存在することが明らかになった.


310478
反射高速陽電子回折による表面研究
河裾厚男 ; 一宮彪彦*
表面科学 24(3), p.174-180(2003) ; (JAERI-J 20044)

 これまで原研において,世界で初めて開発した反射高速陽電子回折法の原理からそれを用いたSiC表面構造研究まで,最新のトピックスを含めて解説する.反射高速陽電子回折では,電子の場合には,決して起こらない表面全反射現象が出現する.これは,一宮によって運動学的考察と動力学回折理論の両面から与えられた理論的予測であった.一方,われわれのグループでは,この予測を実証すべく装置開発を推進し,一次ラウエ斑点を含むほぼ完全な回折パターンの観測に至った.その後,S(111)表面の構造解析を行い,赤外吸収や原子間力顕微鏡では,見つけることが難しかった表面ラフネスの検出に成功した.最近では,高温水素処理したSiC表面,犠牲酸化したSiC表面を評価し,Si-Oが表面に付着しており,全反射回折強度のオフブラッグ反射を誘発することが判明した.Si-O結合長距離を決定し,従来の値との比較を進めている.


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