2003年度

Lecture Notes in Computer Science


311085
Development of remote visualization and collaborative visualization system in ITBL grid environment
鈴木喜雄 ; 松本伸子*
Lecture Notes in Computer Science 2858, p.269-277(2003) ; (JAERI-J 20536)

 Information-Technology-Based Laboratory (ITBL)プロジェクトは,日本の研究機関に散在するコンピュータ,プログラム,データなどの知的資源を共有し,日本の研究者間の協力研究を支援するための仮想研究環境を構築することを目的としている.ITBL基盤ソフトウェアはITBLの体制の基礎を形成している.AVS/ITBLはITBL基盤ソフトウェア上の可視化システムの一つであり,商用の可視化ツールAVS/Expressを元にして開発されている.AVS/ITBLではWebブラウザを経由してITBLネットワーク上にあるスーパーコンピュータに置かれたデータを遠隔地からポスト可視化することが可能である.さらに,遠隔地の複数の研究者が同時に同じ可視化画像にアクセスし,表示することが可能であるコラボレーション機能も開発されている.本論文では,このようなAVS/ITBLの全体構成とパフォーマンスについて記述している.


311084
A Visual resource integration environment for distributed applications on the ITBL system
今村俊幸* ; 山岸信寛* ; 武宮博* ; 長谷川幸弘* ; 樋口健二 ; 中島憲宏
Lecture Notes in Computer Science 2858, p.258-268(2003) ; (JAERI-J 20535)

 TME(タスクマッピングエディタ)は分散した計算資源の操作と分散する利用者プログラムの設計に寄与する目的で開発されたITBL(IT Based Laboratory)上での有用なツールである.TMEの画面上では,あたかもドローツールのような簡易な操作によって分散する複数のプログラムやデータの関係図が描画できる.これらの関係図は,アイコンと矢線による極めて単純ではあるものの,その関係を直感的に理解するのに役立つ.また,利用者が定義したプログラムを再利用したり,さまざまなアプリケーションを組み込みカスタマイズ可能な構造になっている.TMEはITBLの通信インフラ等を利用して,プログラムの起動並びにあらかじめデータフローによって定義されたファイルの自動転送などを行うため,利用者は計算資源が分散していることを特に意識することなく,単一計算機上でのプログラム操作を行う感覚で,分散する計算資源を使用することができる.さらに,ITBLの技術を利用することで複数の利用者によるプログラム実行環境や計算機実験のシナリオを共有する場として機能させることも可能である.このようにTMEは初心者ユーザから先進的な高度な利用を期待するユーザまでをカバーできる有用なツールとしてITBLの中核をなすものであり,昨今話題となっているグリッド技術に対して多大な貢献を行うものと考えられる.


320131
Grid computing supporting system on ITBL project
樋口健二 ; 今村俊幸* ; 鈴木喜雄 ; 清水大志 ; 町田昌彦 ; 大谷孝之 ; 長谷川幸弘* ; 山岸信寛* ; 木村和幸* ; 青柳哲雄 ; 中島憲宏 ; 福田正大 ; 矢川元基*
Lecture Notes in Computer Science 2858, p.245-257(2003) ; (JAERI-J 20665)

 日本国内の研究機関共同によるグリッド・プロジェクトのためのミドルウェアのプロトタイプが開発された.このミドルウェアには,仮想研究室の構築に不可欠のいくつかのキーテクノロジが実装され,実際に運用されている計算機・ネットワーク・システム上でその技術検証がなされた.また,いくつかの科学技術計算の応用プログラムが当該ミドルウェア上で既に稼働している.これら一連の結果は,日本のサイエンス・グリッドの分野にとって大きな進歩である.


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