2003年度

Journal of Applied Polymer Science


320179
Preparation of crosslinked carboxymethylated chitin derivatives by irradiation and their sorption behavior for Copper(II) ions
Zhao, L.* ; 三友宏志* ; 吉井文男 ; 久米民和
Journal of Applied Polymer Science 91(1), p.556-562(2004) ; (JAERI-J 20702)

 水溶液中の金属イオンを捕集するため,カルボキシメチルキチン(CM-キチン)及びカルボキシメチルキトサン(CM-キトサン)のハイドロゲルをペースト状放射線橋かけにより合成した.CM-キチン及びCM-キトサンの最適な銅イオン吸着条件を求めた結果,pHは5.5,浸漬時間は2時間であった.銅イオンはpHを酸性側に移行させることにより脱着し,ゲルは再利用できることがわかった.CM-キトサンゲルによる銅イオンの最大吸着量は,グルタルアルデヒドの化学橋かけによる吸着よりも2倍ほど高く,172mg銅/1g乾燥ゲルという値を得た.この結果より,汚れた水や水道水からの微量の金属イオンの除去に有効な吸着剤になることが期待できる.


310728
Syntheses of hydroxypropyl methylcellulose phthalate hydrogels in Na2CO3 aqueous solutions with electron-beam irradiation
Xu, L.* ; 長澤尚胤* ; 吉井文男 ; 久米民和
Journal of Applied Polymer Science 89(8), p.2123-2130(2003) ; (JAERI-J 20241)

 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)は弱アルカリ性の炭酸ナトリウム水溶液に溶解した.そこでHPMCPと炭酸ナトリウム水溶液とのペースト状で照射した結果橋かけ反応が起こることを見いだし,橋かけ反応へのHPMCPの濃度や炭酸ナトリウムの濃度の影響を調べた.HPMCPは高濃度ほど橋かけしやすく,炭酸ナトリウム濃度としては4〜5%が最も有効であった.ゲルの分解と橋かけの割合をチャールスビー・ロジャックの式で求めた値が実験値とよく一致した.HPMCPゲルは水のほかにメタノールのような有機溶媒も吸収し膨潤ゲルとなる.


310528
Radiation crosslinking of poly(butylene succinate) in the presence of low concentration of trimethallyl isocyanurate and its properties
Suhartini, M.* ; 三友宏志* ; 長澤尚胤* ; 吉井文男 ; 久米民和
Journal of Applied Polymer Science 88(9), p.2238-2246(2003) ; (JAERI-J 20082)

 生分解性プラスチックは耐熱性が低いため,応用分野が限られている.放射線橋かけは耐熱性の改善に有効な方法であるため,アクリレート,メタクリレート及びアリル化合物の1分子内に二つ以上の二重結合をもつ多官能性モノマーを添加し橋かけ促進効果について調べた.その結果,生分解性のポリブチレンサクシネート(PBS)の橋かけ助剤にトリアジン環をもったトリメタアリルイソシアヌレート(TMAIC)が1%という極めて低い濃度で効率的に橋かけを起こすことを見出した.ゲル分率から評価した橋かけ収率は,TMAICを添加しない試料は50kGyでほとんど橋かけしないのに対し,1%TMAIC添加試料は85%のゲル分率が得られた.この橋かけにより耐熱性が著しく向上し,熱湯水で全く変形の起こらないものが得られた.土壌中での生分解性は,橋かけ試料でもオリジナル試料とほぼ同様に分解した.


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