2003年度

Genetics


310724
Mutation rate and novel tt mutants of Arabidopsis thaliana induced by carbon ions
鹿園直哉 ; 横田幸彦* ; 北村智* ; 鈴木智広* ; 渡辺宏* ; 田野茂光* ; 田中淳
Genetics 163(4), p.1449-1455(2003) ; (JAERI-J 20237)

 高等植物におけるイオンビームの突然変異誘発効果を調べるため,シロイヌナズナにカーボンイオンを照射した.カーボンイオンは電子線に比べ胚発生致死及び葉緑素欠損突然変異体をそれぞれ高頻度(11倍,7.8倍)に誘発した.カーボンイオン照射後の突然変異体選抜の過程で2つの新しいフラボノイド突然変異体(tt18, tt19)を単離した.3系統のtt18のうちの2系統ではLDOX遺伝子内に小さな欠失をもつこと,残りの1系統ではLDOX遺伝子を含む断片に大きな構造変化が起こっていることがPCR及び塩基配列解析からわかった.分離頻度を用いて突然変異率を算出したところ,カーボンイオンは電子線に比べ17倍突然変異率が高いことが明らかになった.新しい突然変異体が単離できたこと,及び突然変異率が高いことは,イオンビームが植物遺伝学において有用な変異原として利用できることを示唆する.


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