2003年度

Radiation Research


311061
Characterization of neutron beams for boron neutron capture therapy; In-air radiobiological dosimetry
山本哲哉* ; 松村明* ; 山本和喜 ; 熊田博明 ; 堀直彦 ; 鳥居義也 ; 柴田靖* ; 能勢忠男*
Radiation Research 160(1), p.70-76(2003) ; (JAERI-J 20512)

 ホウ素中性子捕捉治療(BNCT)において生成される線量成分に対する生存率曲線及びRBEは,JRR-4の中性子ビームに対して別々に決定された.10Bを添加又は添加しないV79細胞の生存率は,熱外中性子ビーム(ENB),熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)及び熱中性子ビーム(TNB-2)を利用して得られた.10Bの有無で中性子ビームの殺細胞効果は,使用する中性子ビームに高く依存し,ビーム中の熱外中性子及び高速中性子に依存している.ENB,TNB-1及びTNB-2に対してホウ素捕獲反応のRBEはそれぞれ4.07,2.98及び1.42であり,水素の反跳及び窒素の捕獲反応に基づく,高LET線量成分のRBEはそれぞれ,2.50,2.34及び2.17であった.RBEの実験的決定のアプローチは,中性子ビームの各線量成分に対するRBE-荷重線量を与え,BNCT臨床試験を実施中及び計画している異なる設備間の正確な中性子ビームの相互比較に寄与するものである.


310562
Analysis of dose distribution for heavily exposed workers in the first criticality accident of Japan
遠藤章 ; 山口恭弘
Radiation Research 159(4), p.535-542(2003) ; (JAERI-J 20116)

 1999年9月,茨城県東海村において,日本で初めての臨界事故が発生した.この事故により,事故現場で作業をしていた2名の従業員が,核分裂反応により発生する中性子及びγ線により,著しく不均等に被ばくした.この被ばく状況は,その後の2名の臨床経過に深く影響を及ぼした.本研究では,医療グループからの依頼により,計算シミュレーション手法を用いて被ばくした従業員の線量分布を詳細に解析した.本論文では,皮膚,胴体内部における中性子,γ線の線量分布,さらにこれらを症状と対比し,これまでに知られている高線量被ばくによる症状との違いについて述べる.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)