2003年度

Journal of Plasmas and Fusion Research SERIES


310486
Spontaneous variation in a rotating magnetosphere
三好隆博* ; 草野完也*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.4, p.536-539(2001) ; (JAERI-J 20052)

 回転する磁気圏と外部プラズマ流の相互作用系における自発的時間空間変動現象を非線形MHDシミュレーションにより調査した.シミュレーション結果より,外部プラズマ流が比較的低速の場合,外部プラズマ流が定常であっても朝側の磁気圏境界が自発的に変動することがわかった.この変動機構は外部プラズマ流と磁気圏内の回転プラズマ流・磁気圏境界における磁気圧の競合過程によって発生すると予想される.一方,外部プラズマ流が比較的高速である場合,はっきりとした自発的変動は観測されなかった.前者と後者の相違は磁気圏の内部状態の違いであると結論づけられた.


310704
Simulation on neoclassical tearing mode stabilization by ECCD for JT-60 superconducting tokamak
林伸彦 ; 小関隆久 ; 濱松清隆 ; 滝塚知典
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.519-522(2002) ; (JAERI-J 20218)

 超電導化改修JT-60における,電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)による新古典テアリングモード安定化のシミュレーションを,1.5次元時間発展コードTOPICSと修正Rutherford式を用いて行った.ECによる磁気島中心の局所電流によってモードは安定化される.しかし,EC電流が磁気島中心から外れると有理面が動き,ECの安定化効率が下がる.EC電流の安定化に必要な位置幅は,EC電流分布をよりピークさせるとともに,ECのパワーが低い時は広くなり,高パワーの時は狭くなる.ECの入射時間が長ければ,この必要幅は広げられる.安定化に必要な最小のECパワーは,EC電流分布をよりピークさせ,磁気島成長の初期に,長く入射することによって,低くすることができる.


310705
Improving the performance of a negative-ion based neutral beam injector for JT-60U
山本巧 ; 梅田尚孝 ; 栗山正明 ; Lei, G.* ; Grisham, L. R.* ; 河合視己人 ; 大賀徳道 ; JT-60 NBI-Team
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.474-477(2002) ; (JAERI-J 20219)

 JT-60U用500keV負イオンNBI装置において,ビームの発散を改善したことにより,設計目標の10秒入射を達成した.また,イオン源の近くで計ったビームの空間分布では,加速電界の歪みによるビームの偏向が観測された.この偏向を補正することによって,入射ポート部のリミターの温度上昇が半減以下に減少した.負イオンビーム分光のドプラーシフトスペクトラム測定から,引出電極中で電子のストリッピングが支配的であることを示した.さらに,接地電極の熱負荷の半分は,ストリッピングに起因することが明らかになった.


310703
Recent progress of the high power ECRF system on JT-60U
関正美 ; 森山伸一 ; 梶原健* ; 池田佳隆 ; 坂本慶司 ; 今井剛 ; 藤井常幸
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.337-341(2002) ; (JAERI-J 20217)

 JT-60U用ECRFシステムは,プラズマ加熱や電流駆動を目的として,大電力の高周波(110GHz)を入射する装置である.大電力の高周波は,主電源の安定性が1%程度でも,エネルギー回収型のジャイロトロンにより効率良く発振できていた.しかし,1MW以上の大電力の発振のために,加速電圧を高くすると過渡的に高くなったボディー電圧により加速電源での過電流が発生し運転の障害となっていた.そこで,加速電圧の立ち上がり速度を10から50msへ最適化することにより,安定な発振を得た.1MWの発振を2秒程度に伸ばす場合には,寄生発振によるビーム電流の急激な増加が問題であった.寄生発振対策として,RF吸収体をジャイロトロン内部に取付ける改良を行い,1.1MW-3.2秒の発振に成功した.アンテナへと導く伝送系は,約60mの円形導波管からなり伝送効率は約60%と低かったが,導波管の敷設を精度良く再度実施することで,80%の高い伝送効率を達成できた.これらの成果により,2.8MWの大電力入射による負磁気シアプラズマの加熱を実施し,約13keVの高電子温度の発生に成功した.


310702
Effect of ECH/ECCD on sawtooth oscillations in NB-heated plasmas in JT-60U
諫山明彦 ; 井出俊之 ; 池田佳隆 ; 鈴木隆博 ; 梶原健* ; JT-60チーム
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.324-327(2002) ; (JAERI-J 20216)

 鋸歯状振動はプラズマの中心部で発生するMHD不安定性の一種であり,鋸歯状振動を利用すればプラズマ中心部の熱や粒子を制御できる可能性がある.しかし,同時に,鋸歯状振動はプラズマ性能を制限したり新古典テアリング不安定性の種磁気島を生成したりすることが知られているので,鋸歯状振動を制御することが重要となる.鋸歯状振動は高速イオンにより安定化されることが知られているが,このときに電子サイクロトロン(EC)波を入射して局所的な加熱や電流駆動を行ったときの効果を調べた前例はほとんどないので,今回中性粒子ビームにより安定化された鋸歯状振動をEC波により制御できるか調べた.その結果,プラズマ中心部にEC波を入射することにより鋸歯状振動の周期を短縮できることがわかった.特に,プラズマ電流と同方向に電流駆動を行うと,ジュール加熱時の鋸歯状振動から予想される周期の10分の1位程度にまで短縮することがわかった.また,プラズマ電流と逆方向に電流駆動を行うと,振幅が小さい状態でジュール加熱時の鋸歯状振動周期程度にまで短縮できることがわかった.


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