2003年度

Solid State Communications


310773
Stress evolution during epitaxial growth of SrO films on hydrogen-terminated Si(111) surfaces
朝岡秀人 ; 町田ユスト* ; 山本博之 ; 北條喜一 ; 斉木幸一郎* ; 小間篤*
Solid State Communications 124(7), p.239-242(2002) ; (JAERI-J 20286)

 Si半導体表面のダングリングボンドに水素終端を行い不活性化した基板上に,面心立法構造のSr金属をエピタキシャル成長させ,酸化処理を行うことによりNaCl構造のエピタキシャルSrO酸化物薄膜を作製した.SiとSrとの格子不整合は12.0%と大きくこれまで良質な薄膜が得られなかったが,不活性化したSi基板面を用いることによって弱い相互作用で物質間結合がなされ格子不整合度による成長物質の制約が緩和されることから良質な金属薄膜の成長が可能となる.1原子層目のSr格子間隔はSi基板表面からの相互作用で圧縮されるが,膜厚の増加とともにSr固有の格子間隔での成長が進行する.膜成長時にレーザービームを用いた基板曲率測定を行った結果,水素終端Si基板上への薄膜は水素終端を行わなかったSi基板と比較し,内部応力が大幅に緩和され,数原子層目から内部応力の存在しない薄膜が成長したことが確認された.また金属成長と酸化過程において薄膜が圧縮応力を受けていた環境から,一転して引張応力へと変化し物質間の格子の大小関係から薄膜内応力の制御が可能であることを示した.


310564
In situ EXAFS study on GeS2 glass under high-pressure
宮宇地晃一* ; Qiu, J.* ; 小路谷将範* ; 川本洋二* ; 北村直之* ; 福味幸平* ; 片山芳則 ; 西畑保雄
Solid State Communications 124(5-6), p.189-193(2002) ; (JAERI-J 20118)

 大容量プレスを用いて,GeS2ガラスを室温で8GPaまで加圧し,8GPaで270℃まで加熱した後,室温で常圧まで減圧した.Ge周辺の局所構造変化をその場EXAFSの手法によって調べた.Ge-S結合長は室温では8GPaまで加えた圧力とともに単調に減少した.しかしながら,試料を8GPaで270℃まで加熱すると,結合長はわずかに伸びた.この伸びた結合長は,室温まで温度を下げた後もほぼそのまま保たれた.減圧過程では,加えた圧力を2GPaまで抜くに従って,加圧過程での変化を逆にたどって結合長は次第に長くなっていった.しかし,2GPa以下では,Ge-S結合長は大きく伸び,初めの値より長くなった.8GPaまでの加圧及び減圧過程において,配位数の顕著な変化は見いだされなかった.この変化は,弾性的及び非弾性的な構造変化の合わさった効果によって説明できる.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)