2003年度

Plant Cell Reports


311056
Sexual modification of female spinach seeds (Spinacia oleracia L.) by irradiation with ion particles
駒井史訓* ; 鹿園直哉 ; 田中淳
Plant Cell Reports 21(7), p.713-717(2003) ; (JAERI-J 20507)

 雌雄異花及び雌雄異株の植物は,交配によって生じる後代のヘテロ性が高く,育種的に良い形質を保持するのが難しい.花の性変化を起こすことができれば,ホモの植物体を効率よく得ることができる.ホウレンソウ(品種:次郎丸)の雌植物体では自殖によって種がとれるが,自殖種子のとれる雌植物体の割合は5.6-14.3%と低く,ホモの植物体は得にくい.この雌植物体にHeイオンを照射したところ,雌花と両性花をもつ偏雌間性株と雄花と両性花をもつ偏雄間性株を生じ,Cイオンを照射したところ偏雌間性株を生じることを見いだした.すなわち,ホウレンソウにイオンビームを照射することにより,植物の性変化が起こることを初めて明らかにした.本研究結果を利用すればホウレンソウ雌植物体から効率よくホモの種子が得られると考えられ,育種的に大きな意義をもつ.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2003年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)