2003年度

International Journal of Radiation Biology


310828
Reduction of survival and induction of chromosome aberrations in tobacco irradiated by carbon ions with different linear energy transfers
長谷純宏 ; 山口樹紀* ; 井上雅好* ; 田中淳
International Journal of Radiation Biology 78(9), p.799-806(2002) ; (JAERI-J 20321)

 植物におけるイオンビームの生物学的効果比(RBE)と線エネルギー付与(LET)との関係を調査するため,タバコ種子に92〜260keV/μmのLETを持つカーボンイオンを照射し,生存率並びに根端細胞での染色体異常を調査した.γ線に対するRBEは,生存抑制効果についてはD37,染色体異常誘起効果については50%の染色体異常頻度を誘発するために必要な線量の比よりそれぞれ求めた.RBEはLETの増加に伴って増加し,230keV/μmのLETでピークに達した.γ線に対するRBEの最大値は生存抑制効果については65.0,染色体異常誘起効果については52.5であった.LET-RBEの関係は両指標についてよく似たパターンを示した.発芽直後の根端分裂組織で観察される染色体異常のタイプは放射線の種類によって差がみられなかった.根が伸長するにしたがって染色体異常頻度は序々に低下した.また,染色体断片は染色体橋に比べて速く減少した.カーボンイオンを照射した根ではγ線を照射したものに比べて染色体異常の消失の速度が遅いようであった.


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