2003年度

Reports on Progress in Physics


310671
Neutronics of pulsed spallation neutron sources
渡辺昇*
Reports on Progress in Physics 66(3), p.339-381(2003) ; (JAERI-J 20185)

 核破砕パルス中性子源の中性子工学に関する最近の研究の進展について詳述したレビュー論文で,中性子散乱研究,中性子ビームを用いた基礎物理研究等に必要な中性子はどんなものか,それをどのように効率よく作ることができるか,技術的問題は何か,等々について,中性子散乱や中性子源の開発にたずさわる研究者のみならず,広く関連分野の研究者に理解してもらい,将来この種の中性子源の一層の高性能化を目指すことを目的としている.特に筆者らの研究を含むターゲット,モデレータ系の最近の進歩について広範囲に論証し,現在世界で進行しているMW級の核破砕中性子源で実現できると期待される中性子源の性能,パルス特性について,最近の研究成果をもとに予測している.その性能は中性子散乱研究に新たな研究分野を開くに足りるものである.


310408
Review of soft X-ray laser researches and developments
大道博行
Reports on Progress in Physics 65(10), p.1513-1576(2002) ; (JAERI-J 19986)

 X線レーザー開発は1960年代の再結合型の提唱に始まる.本論文では,初期の提案,70年代の分光学的研究,80年代の疑う余地のないX線レーザーの実現,その後の短波長レーザー,放電型レーザー,長波長レーザーの発振について詳細にレビューしている.方式は電子衝突励起型,再結合励起型を中心に紹介している.次に極短波長域X線レーザー(h,ν>1keV)の開発につながる光励起方式,内殻電離方式等,これまで成功は収めてないものの,超短パルス高出力レーザー励起方式により新しい展開の望める方式を紹介している.最後に主として電子衝突励起方式X線レーザーを用いたX線レーザー干渉計,ラジオグラフィー,モアレディフレクトメーター,顕微鏡等のX線レーザー応用研究の系統的レビューを行っている.最後のまとめで,今後の開発計画に対する見解を述べている.


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