2003年度

Environmental Toxicology and Chemistry


311015
Association mechanisms of Europium(III) and Curium(III) with Chlorella vulgaris
尾崎卓郎 ; 木村貴海 ; 大貫敏彦 ; 吉田善行 ; Francis, A. J.*
Environmental Toxicology and Chemistry 22(11), p.2800-2805(2003) ; (JAERI-J 20466)

 有害金属の環境中での挙動は,種々の無機または有機物質により支配される.本研究では,環境中に広く存在し,有害元素の環境挙動に影響を与えるクロレラ(Chlorella vulgaris)を対象として,Cm(III)及びEU(III)との相互作用を評価した.バッチ評価によりpH3〜5の溶液からのクロレラへのCm(II)及びEu(III)の分配比を測定した.両イオンの分配比は3分以内に最大に達し,その後は徐々に減少した.これは,Cm(III),Eu(III)に配位能を有する物質をクロレラが溢泌し,細胞上に吸着した同イオンが時間とともに溢泌物により脱着されることを示唆する.また,両イオンの分配比は高pHほど低く,溢泌物と両イオンとの親和性または溢泌量にpH依存性があることがわかった.時間分解レーザー誘起蛍光分光法によりクロレラ上に吸着したEu(III)の配位状態を調べ,吸着したEu(III)の内圏に存在する水分子の数が水溶液中のそれと同一であることがわかった.また,同手法により,クロレラ細胞上のEu(III)の吸着部位が細胞壁主成分であるセルロースであることも明らかにした.


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