2003年度

Plant Cell


311055
Disruption of the AtREV3 gene causes hypersensitivity to Ultraviolet B light and γ-rays in Arabidopsis; Implication of the presence of a translesion synthesis mechanism in plants
坂本綾子 ; Lan, V. T. T.* ; 長谷純宏 ; 鹿園直哉 ; 松永司* ; 田中淳
Plant Cell 15(9), p.2042-2057(2003) ; (JAERI-J 20506)

 われわれは高等植物における紫外線応答機構を解明する目的で,イオンビームを照射を行ったシロイヌナズナから紫外線感受性変異株rev3-1を単離した.rev3-1の幼植物体に対してUV-B照射を行うと,暗条件下及び明条件下において根の伸長が抑制されるという表現型を示した.rev3-1の染色体構造を詳しく解析したところ,rev3-1株では第一染色体が3か所で切断されて,生じた断片が転座や逆位をおこしており,これによって損傷トレランス機構に関与するとみられるAtREV3遺伝子が破壊されていた.rev3-1変異株はDNAの複製を阻害することが知られているγ線やMMCなどの処理に対しても高い感受性を示した.また,紫外線照射後の幼植物体の根にBrdUを取り込ませてDNA合成効率を調べると,rev3-1株では野生型に比べてDNA合成効率が低下していた.以上のことから,rev3-1ではAtREV3遺伝子の欠損のために,紫外線で生じた損傷によってDNA複製が停止し,その結果根の伸長が阻害されているという可能性が示唆された.


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