2003年度

沿岸海洋研究


311065
石狩湾堆積物中の高いC/N比の有機物と重金属
濱原和弘* ; 重光雅仁* ; 乗木新一郎* ; 福山龍次* ; 荒巻能史 ; 乙坂重嘉
沿岸海洋研究 41(1), p.53-60(2003) ; (JAERI-J 20516)

 北海道石狩湾の北緯43度30分,東経141度20分の地点で重力式採泥器を用いて約40cmの柱状試料を採取した.Cs-137法によって堆積速度を0.56cm/yrと求めた.1945年から1981年の間に有機炭素/有機窒素比が20という大きな比を持つ有機物が堆積していた.放射性炭素によれば,当該試料が周辺に対して200-300パーミル低い値を示し,石炭等の放射性炭素を含まない物質の混入をうかがわせた.また,この有機物部分には,鉄,銅,亜鉛そしてクロムが濃縮されていた.1981年以降の堆積物は,有機炭素/有機窒素比は約10-15に減少した.また,微量金属の濃縮も顕著ではなかった.石狩湾の化学環境は1930年以前にもどりつつある.


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