2003年度

Nature Materials


320192
Congruent melting of gallium nitride at 6 GPa and its application to single-crystal growth
内海渉 ; 齋藤寛之* ; 金子洋* ; 綿貫徹 ; 青木勝敏 ; 下村理
Nature Materials 2(11), p.735-738(2003) ; (JAERI-J 20715)

 現在,GaN系デバイスはサファイアなどの異種結晶基板上に成膜されているために,多くの転位が発生しその性能向上を阻害している.ホモエピタキシャル成長を可能とするGaN基板が切望されているが,その要請を満たす単結晶GaNを得ることは非常に難しい.高温でGaNがGaとN2に分解してしまうため,融液の徐冷による標準的な単結晶育成法が利用できないためである.われわれは,放射光を用いた高温高圧下その場観察実験によって,GaNがある6万気圧以上の高圧下では分解することなく,一致溶融(congruent melting)し,その融液は温度を下げることによって可逆的にGaN結晶に戻ることを明らかにした.この事実は,高圧下でGaN組成の融液を徐冷することによって単結晶GaNを得ることができることを意味する.実際に,この手法により透明なGaN単結晶が得られ,ラマン散乱や単結晶X線振動写真などのキャラクタリゼーションの結果,非常に結晶性の良い試料であることが示唆された.


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