2004年度

Nuclear Technology


330091
Validation of simplified evaluation models for first peak power, energy, and total fissions of a criticality accident in a nuclear fuel processing facility by TRACY experiments
野村靖* ; 奥野浩 ; 三好慶典
Nuclear Technology 148(3), p.235-243(2004) ; (JAERI-J 21510)

 臨界事故時の第1ピーク出力,エネルギー及び全核分裂数を予測するための簡易評価式が,1点炉近似動特性方程式を用いた理論的考察により開発された.溶液燃料中の核種組成依存性は,評価式導出に用いた密度及び比熱の実験式の適用範囲によって決まる.臨界事故時の温度上昇は,フランスのCRAC実験により評価され,評価式による予測値の上限及び下限を与える.評価式は,元々ステップ状反応度投入の状況を仮定して導かれたが,ランプ状の反応度投入に対しても近似値に成立することが理論式による考察によって示され,原研のTRACY実験で取得されたデータによって検証された.これにより,ここで述べる簡易評価式は,高濃縮ウランを用いたフランスのCRAC実験ばかりでなく,低濃縮ウランを用いたTRACY実験によっても検証された.


320526
Counter-permeation of deuterium and hydrogen through INCONEL 600
武田哲明 ; 岩月仁*
Nuclear Technology 146(1), p.83-95(2004) ; (JAERI-J 20974)

 高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムにおいては,中間熱交換器や水蒸気改質器に使用されている高温耐熱材料中の水素同位体透過は重要な問題である.本研究では管の外側に存在する水素が重水素の透過量に及ぼす影響を調べることが目的である.管内の重水素の分圧が100Paより低く,外側の水素分圧が10kPaより高いとき,管外の水素分圧が増大すると重水素の透過量が減少した.対向透過における重水素透過量は,金属表面での水素,重水素,HD分子の平衡状態を考慮し,重水素拡散係数に対する効果係数を用いた解析により定量的に予測することができた.これより,HTTRの1次系から水素製造システムへ移行するトリチウム量は,改質器反応管内の高分圧水素の存在により,少なくすることができると予想できる.


320525
Analytical study on fire and explosion accidents assumed in HTGR hydrogen production system
稲葉良知 ; 西原哲夫 ; 新田芳和*
Nuclear Technology 146(1), p.49-57(2004) ; (JAERI-J 20973)

 高温ガス炉(HTGR)を用いた水素製造システムでは,原子炉に水素製造プラントを接続し,多量の可燃性流体を取り扱うことになるが,これによって原子炉の安全性が低下することがあってはならず,特に火災・爆発事故対策は安全上最も重要な課題の1つである.現在,日本原子力研究所では,高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する天然ガスを用いた水蒸気改質法による水素製造システムを計画中である.そこで,実用規模のHTGR水素製造システムへの適用までを視野に入れた火災・爆発事故対策を検討し,HTGR水素製造システム及びHTTR水素製造システムで想定される火災・爆発事故について,事象推移と影響を詳細に解析するためのコードシステムP2Aを開発・整備した.本論文では,HTGR水素製造システムで想定される3つの事故シナリオ,P2Aの構造,P2Aを用いた解析の手順及び事故シナリオに基づいた数値解析の結果について述べ,P2AがHTGR水素製造システムにおける火災・爆発事故の解析に対して有効なツールであることを示した.


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