2004年度

Physics of Plasmas


330200
Global structure of zonal flow and electromagnetic ion temperature gradient driven turbulence in tokamak plasmas
宮戸直亮* ; 岸本泰明* ; Li, J.*
Physics of Plasmas 11(12), p.5557-5564(2004) ; (JAERI-J 21602)

 トカマクプラズマ中の電磁的イオン温度勾配駆動乱流−帯状流結合系を,グローバル電磁ランダウ流体コードを用いて調べた.帯状流の振る舞いは安全係数の大きさにより変化する.低安全係数領域では静的な帯状流が励起され,乱流を効果的に抑える.高安全係数領域では帯状流とポロイダル非対称な圧力揺動が結合し,帯状流が振動する.この振動帯状流のエネルギーがポロイダル非対称な圧力揺動を介して非線形的に乱流へ輸送されていることが同定された.このため,高安全係数領域では帯状流が乱流輸送を抑えることができない.帯状流の振る舞いの観点から,トカマクプラズマの閉じ込め改善には静的な帯状流が支配的となる低安全係数領域を作ることが好ましい.


320975
Kinetic reversed-shear Alfven eigenmodes
Konovalov, S. V.* ; Mikhailovskii, A. B.* ; Shirokov, M. S.* ; Kovalishen, E. A.* ; 小関隆久
Physics of Plasmas 11(9), p.4531-4534(2004) ; (JAERI-J 21376)

 負磁気シアプラズマにおけるアルフェン固有モードを有限ラーマー半径効果を考慮して理論的に検討した.正磁気シアプラズマの運動論的アルフェン固有モードと類似して,負磁気シアプラズマにおいても,運動論的固有モードのブランチがあることが予測できた.ここでは,これをKinetic Reversed-Shear Alfven Eigenmodes(KRSAEs)と呼ぶ.


320974
Head-on injection of a high quality electron beam by the interaction of two laser pulses
小瀧秀行 ; 益田伸一* ; 神門正城 ; Koga, J. K. ; 中島一久*
Physics of Plasmas 11(6), p.3296-3302(2004) ; (JAERI-J 21375)

 レーザートリガーによる極端パルス電子発生は,オプティカルインジェクションとして知られている.高品質の電子ビームを発生させるため,2つのレーザーパルスの衝突型のオプティカルインジェクションについて研究した.これについての理論解析及び粒子シミュレーションを行い,数%という低エネルギー分散で10fsの超短パルス,1mm mrad以下の低エミッタンスの高品質電子ビーム発生を見いだした.この理論解析とシミュレーション結果は非常によく一致し,これにより,高エネルギー高品質電子ビーム発生の可能性を示唆することができた.


320697
High-beta steady-state research and future directions on the Japan Atomic Energy Research Institute Tokamak-60 Upgrade and the Japan Atomic Energy Research Institute Fusion Torus-2 Modified
石田真一 ; JT-60チーム ; JFT-2Mグループ
Physics of Plasmas 11(5), p.2532-2542(2004) ; (JAERI-J 21129)

 JT-60UとJFT-2Mにおいて,経済性と環境適合性の高い魅力的な核融合炉を目指して進めている定常高ベータ化研究の成果を発表する.JT-60Uでは,bN=2.7の高ベータプラズマを7.4秒維持したが,その性能は新古典テアリングモード(NTM)で制限された.電子サイクロトロン波入射と電子温度揺動計測を組合せてNTMの実時間制御法を開発し,NTMの完全抑制に成功した.負イオン中性粒子入射を用いて高性能化を行い,完全電流駆動プラズマで世界最高の核融合積を達成した.23keVの高電子温度プラズマに電子サイクロトロン波電流駆動を行い,極めて高い電流駆動効率を達成した.JFT-2Mでは,真空容器内に低放射化フェライト鋼を全面に装着した後,内部輸送障壁を伴う閉じ込め改善により,bN=3.3に達する高ベータプラズマの生成に成功し,先進材料プラズマ適合性試験の見通しを得た.JT-60Uでは,2003年度の後半から,加熱時間を30秒へ伸長した実験を開始する.また,JFT-2Mでは2003年度の後半に,フェライト鋼壁がプラズマ安定性に及ぼす影響を調べる予定である.JT-60のコイルを超伝導化するJT-60定常高ベータ化計画は,トカマク国内重点化装置計画として科学技術・学術審議会で承認され,その詳細な検討を大学等との連携の下に進めている.


320633
Numerical study of zonal flow dynamics and electron transport in electron temperature gradient driven turbulence
Li, J.* ; 岸本泰明
Physics of Plasmas 11(4), p.1493-1510(2004) ; (JAERI-J 21072)

 トカマクプラズマにおける電子温度勾配(ETG)駆動乱流が,断熱イオン応答を仮定した3次元ジャイロ流体モデルに基づいて解析された.論文ではおもに,ETG乱流が生成する帯状流のダイナミックスとそれに伴う電子の熱輸送が議論されている.高い電子のエネルギー閉じ込めが弱磁気シア領域において見いだされ,それらは,弱磁気シアに伴うETG乱流の抑制効果よりも,帯状流形成に伴う乱流の自己形成の結果であることを示している.特に,弱磁気シアはETG乱流における帯状流成分の増大により有利であることが示された.


320973
On the poloidal localization and stability of multi-faceted asymmetric radiation from the edge (MARFE)
Chankin, A. V.*
Physics of Plasmas 11(4), p.1484-1492(2004) ; (JAERI-J 21374)

 実験的に観測されているMARFEの安定なポロイダル局在位置について考察した.MARFEはSOLに存在する新古典理論から予測される径電場によるE×B流によりその安定存在位置が決まる.つまり,磁場勾配によるイオンのドルフと方向がX点に向かうときにはMAEFEはX点近くに局在するが,磁場の方向を反転するとE×B流が変化し,X点と反対方向の安定点にシフトする.


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