2004年度

Journal of Alloys and Compounds


330017
Luminescence study of lanthanide(III) ions in non-aqueous solutions containing azide ions
Lis, S.* ; 木村貴海 ; 吉田善行 ; But, S.*
Journal of Alloys and Compounds 380(1-2), p.173-176(2004) ; (JAERI-J 21446)

 時間分解レーザー誘起蛍光分光法と蛍光光度法を用いて,アジ化物イオン(N3-)を含む非水溶媒中のランタノイド(III)イオン,Ln3+(Ln=Eu, Gd, Tb)の発光寿命と発光強度を測定し,Ln3+に対するN3-の消光効果を検討した.N3-共存下でのEu3+の発光特性をジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,メチルホルムアミド,ホルムアミド,及びメタノール中で測定した.Ln3+の発光強度または発光減衰定数と溶液中のN3-濃度の関係から,Ln3+の発光準位と基底状態間のエネルギー差の順序はGd>Tb>Euであるが,N3-の消光効果はGd>Eu>Tbの順であることを明らかにした.Eu3+にみられる消光パターンの不規則性は,エネルギー移動による消光に加え,Eu2+への還元が起きているためである.種々の溶媒中で測定したEu3+の消光速度定数は溶媒のアクセプター数が大きいときほど小さくなることを見いだした.


320736
Speciation study on uranium(VI) hydrolysis at high temperatures and pressures
桐島陽* ; 木村貴海 ; 杤山修* ; 吉田善行
Journal of Alloys and Compounds 374(1-2), p.277-282(2004) ; (JAERI-J 21159)

 放射性廃棄物の処分が計画されている地下環境では,地下水の温度が80℃程度になることがある.このため地中でのアクチノイド元素の移行挙動評価には,このような高温,高圧環境での加水分解の評価が必要となる.しかし,実験の難しさからこのような条件での研究報告は非常に少ない.そこで本研究では加水分解の挙動解明や熱力学モデルの検証などを目的とし,20-100℃,0.1-40MPaの条件でU(VI)の加水分解の反応挙動を時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて検討した.実験結果から各錯体種の蛍光寿命の温度依存性を整理し,高温・高圧状態においても常温・常圧状態の場合と同様に,蛍光スペクトルや蛍光寿命によるスペシエーションが可能であることを明らかにした.


320925
Hydrogen migration in electron irradiated Pd based dilute alloys around the 50 K anomaly
山川浩二* ; 知見康弘 ; 石川法人 ; 岩瀬彰宏*
Journal of Alloys and Compounds 370(1-2), p.211-216(2004) ; (JAERI-J 21326)

 Pd系希薄合金(Pd-1at.% Fe-H及びPd-1at.% Ag-H)における水素の移動について,50K付近の電気抵抗測定により調べた.0.5MeV電子線を15K以下で照射することにより不規則化した水素原子は,試料の昇温中に原子移動により規則化した.このときの電気抵抗の回復曲線には,電子線照射した試料では2つのサブステージが,急冷した試料では1つのステージのみが見られた.各ステージでの水素の移動エネルギーは,規則化に起因する電気抵抗変化をクロスカット法で解析することにより得られた.低温ステージでの移動エネルギーは高温ステージよりも小さく,高温ステージでの値は急冷の場合と同程度であった.Pd系合金に関して,照射による水素原子の不規則化と急冷によるものとの違いについて議論する.


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