2004年度

原子力バックエンド研究


320997
プラズマ加熱による耐火物,セラミックフィルタ,アスベスト,焼却飛灰の溶融処理
星亜紀子 ; 中塩信行 ; 中島幹雄
原子力バックエンド研究 10(1-2), p.93-101(2004) ; (JAERI-J 21398)

 日本原子力研究所で計画されている雑固体廃棄物のプラズマ溶融処理に資するための技術的検討の一環として,融点が高いものやハンドリングが難しいと思われるものに着目し,アルミナるつぼ,マグネシアスピネルるつぼ,セラミックフィルタエレメント,アスベスト,模擬焼却飛灰についてプラズマ溶融試験を行い,溶融方法の検討を行った.その結果,るつぼ,アスベストは,装荷条件や廃棄物組合せを工夫することにより均質な溶融固化体が製作できることを確認した.また,還元性雰囲気の溶融炉でセラミックフィルタエレメントを溶融するためには,スラグ成分を酸化性に調整する必要があること,模擬焼却飛灰中の低沸点重金属成分は,スラグ組成の調整により揮発が抑制され,溶融固化体中に残存する割合が高くなることがわかった.


330036
高レベルガラス固化体の性能評価に関する研究; 現状と信頼性向上にむけて
稲垣八穂広* ; 三ツ井誠一郎* ; 牧野仁史* ; 石黒勝彦* ; 亀井玄人* ; 河村和廣* ; 前田敏克 ; 上野健一* ; 馬場恒孝* ; 油井三和*
原子力バックエンド研究 10(1-2), p.69-83(2004) ; (JAERI-J 21465)

 地層処分における高レベルガラス固化体の性能評価の現状について総説した.ガラス固化体の水への溶解及び核種浸出に関する現象理解は過去20-30年で大きく進展し,現時点で保守的な性能評価は可能であると考えられる.しかしながら,評価の信頼性向上の観点からは,長期の処分期間におけるガラス溶解反応メカニズムや各国で異なる実際の処分環境の影響についての基礎科学的理解をさらに深めるとともに,それらの成果を十分に反映した性能評価モデルの構築が望まれる.これら基礎研究の進展は処分システム全体の性能評価の信頼性向上,さらには処分システムの合理性や経済性の向上にも寄与できるものと期待される.我が国におけるガラス固化体の性能評価研究は,米国,フランス等における多角的な研究と比較して十分なものとは言えず,さらなる拡充が望まれる.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2004年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)