2004年度

日本物理学会誌


330108
フェルミ液体論に基づく異方的超伝導理論の発展
野村拓司 ; 山田耕作*
日本物理学会誌 59(12), p.893-897(2004) ; (JAERI-J 21527)

 格子振動によって媒介される従来の超伝導においては,クーパー対を形成する2粒子間の相対角運動量がs波つまりl=0の散乱振幅が引力になっていることが重要であった.本稿で対象とする異方的超伝導では,散乱振幅のl>0の成分が強い引力になっていることが本質的である.銅酸化物超伝導体をはじめとするさまざまな強相関電子系で実現されている異方的超伝導が,フェルミ液体論に基づいてどのように統一的に理解されているか,最近の発展を踏まえて解説する.


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