2004年度

ぶんせき


320993
レーザー共鳴分光法を用いた同位体の高感度分析; クリアランスレベル検認技術への適用をめざして
若井田育夫 ; 宮部昌文
ぶんせき 2004(10), p.585-590(2004) ; (JAERI-J 21394)

 原子力施設の廃止に伴い発生する極濃度放射性廃棄物を一般廃棄するための基準として,クリアランスレベルが定められようとしている.41Caを対象とした濃度基準の検認技術として,現在開発中の半導体レーザー利用コリニア共鳴蛍光法,共鳴電離法を取り上げた.コリニア法は,光源が1台で済み,ドップラー同調により光源の波長掃引が不要であるため操作が簡便である.大きさは2m×3m程度に収められる.同位体比10-7程度のクリアランスレベル測定を,迅速で経済的に実施できる最適な方法となる.共鳴電離法は,複数のレーザー制御を要する困難さはあるが,技術的には可能な段階にある.同位体比感度が10-12に達することから,環境中のクリアランス核種の濃度監視等に有効な技術となる.大きさはより小型で,1m×2m程度に収められる可能性がある.同位体選択性は加速器質量分析法(AMS)の測定領域に及ぶことから,AMSの事前分析や,従来法とAMSの測定領域を補完する手法として期待できる.分析にはトレーサビリティーの確保が要求され,標準試料を用いた直線性の検証が重要となる.従来の分析手法を基本とした精密で正確な標準試料の提供が不可欠で,これを高めつつ新しい手法の開発を進める必要がある.


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