2004年度

Vacuum


320701
Orientational ordering of iron silicide films on sputter etched Si substrate
五十嵐慎一* ; 勝俣敏伸* ; 原口雅晴* ; 齊藤健* ; 山口憲司 ; 山本博之 ; 北條喜一
Vacuum 74(3-4), p.619-624(2004) ; (JAERI-J 21133)

 イオンビームスパッタ蒸着法を用いて「環境に優しい」半導体であり,受発光素子などへの応用も期待されるβ-FeSi2薄膜作製を行った.従来までの著者らの検討により,イオン照射によるSi基板処理と照射後の加熱によって良好なβ-FeSi2薄膜の得られることが明らかとなっている.本研究においては基板処理条件の最適化を目的とし,照射イオン(Ne+)のエネルギーを1〜10keVまで変化させることにより,それぞれの条件において得られた基板を用いて成膜を行った際の薄膜の結晶性及びその配向性について透過型電子顕微鏡,X線回折により検討を行った.この結果から,3keVで照射を行った場合がそれ以上のエネルギーに比べて良好な膜質となることを明らかにした.これは3keV程度の照射によって生成する基板表面の欠陥生成量とその深さが成膜のためのFe-Siの相互拡散に最も適していたためと考えることができる.


320548
Development of alumina ceramics vacuum duct for the 3GeV-RCS of the J-PARC project
金正倫計 ; 齊藤芳男* ; 壁谷善三郎* ; 田尻桂介* ; 中村止* ; 阿部和彦* ; 長山毅俊* ; 西沢代治* ; 荻原徳男
Vacuum 73(2), p.187-193(2004) ; (JAERI-J 20996)

 J-PARC 3GeV-RCS用アルミナセラミックス真空ダクトの開発を行っている.このダクトは,四極電磁石用として使用される長さ約1.5m円形断面の円筒形状のものと,偏向電磁石用として使用される長さ約3.5mレーストラック形断面の15度湾曲した形状のものに大別される.これらダクトは,長さ0.5-0.8mのユニットダクトをメタライズ後ロウ付けにより必要な長さに成形される.このダクトの最大の特徴は,ビームが誘起する電磁波を遮蔽し,さらにビームが誘起する映像電流を円滑に流すために,ダクト表面に銅箔を電鋳により施している.また,内面には二次電子を抑制するために,TiNコーテイングを施してある.今回,開発に成功したので報告を行う.


320387
Gamma-ray irradiation experiment of turbo molecular pump
金正倫計 ; 荻原徳男 ; 和田薫* ; 吉田素朗* ; 中安龍夫* ; 大和幸郎*
Vacuum 73(2), p.175-180(2004) ; (JAERI-J 20854)

 J-PARC 3GeV-RCSで使用するための耐放射線性に優れたターボ分子ポンプの開発を行っている.ポンプの放射線ダメージを見るために,γ線照射試験を実施した.これまで,約3.5MGy程度でゴム製真空シール部から漏れが発生することがわかった.また,ポンプに使用されている大半の部品は,7MGy以上の線量でも問題なく動作することがわかった.4月から真空シールにゴムを用いない新型のターボ分子ポンプの試験を開始している.


[ page top ]
JAEA > JAEA図書館 > JOPSS > 学会誌等掲載論文[バックナンバー] >  累積情報(2004年度) > 当ページ
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)