2004年度

IEEE Transactions on Nuclear Science


320811
Neutron storage characteristics of CaBPO5:Ce3+ based phosphors
坂佐井馨 ; 片桐政樹 ; 松林政仁 ; 中村龍也 ; 近藤泰洋*
IEEE Transactions on Nuclear Science 51(4), p.1712-1716(2004) ; (JAERI-J 21225)

 CaBPO5:Ce3+系蛍光体の輝尽性蛍光体としての中性子ストレージ特性を調べた.CaBPO5:Ce3+は中性子照射によってわずかに輝尽性蛍光を示した.一方,CaF2をCaBPO5:Ce3+に添加すると,輝尽性蛍光が飛躍的に増大することを見いだした.これは,CaF2添加によって電子トラップセンターの数が増大したためと考えられる.CaBPO5:Ce3+とCaF2をモル比で1:1に製作した蛍光体の場合,輝尽性蛍光量の増大量は20倍以上であった.また,本蛍光体の単位中性子束あたりの輝尽性蛍光量は中性子エネルギーの-0.5乗に比例していることも確認された.さらに,本蛍光体は中性子照射量にも比例しており,中性子イメージング用輝尽性蛍光体として極めて有望である.


320810
Usage of a capillary plate as a pre-gas-amplification device for a neutron microstrip gas chamber
中村龍也 ; 正岡聖* ; 山岸秀志 ; 坂佐井馨 ; 曽山和彦 ; 相澤一也
IEEE Transactions on Nuclear Science 51(4), p.1519-1523(2004) ; (JAERI-J 21224)

 前段ガス増幅素子としてキャピラリープレートを適用した中性子検出用マイクロストリップガスチャンバー(MSGC)の高ヘリウム3ガス圧下における検出器性能を評価した.中性子捕獲により生成された初期電子はキャピラリープレートによりその数を増大し下流に配置されたMSGCにより収集され中性子入射位置を検出する.キャピラリープレートとMSGC素子間の電圧・電界配置を最適化することでMSGCにおける電荷収集効率を最大17%まで高めることに成功し,3気圧10%エタン混合ガスにおいて検出器システムの実効ガスゲイン600を達成した.さらに,キャピラリープレートの信号波高が信号対雑音比に優れる点に着目し,キャピラリープレートの波高値を用いてバックグランド(電子回路雑音,γ線による信号など)との明確な弁別を行いそのうえでMSGCアノード信号と同期のとれたもののみを計測する手法を適用することで検出器システムの低バックグランド化が図れることを実証した.


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