2004年度

高分子ゲルの最新動向


320661
放射線合成ハイドロゲルの応用
吉井文男
高分子ゲルの最新動向, p.150-163(2004) ; (JAERI-J 21100)

 高分子ゲル最新動向の本出版依頼があり,放射線合成ハイドロゲルの応用について執筆を担当した.ハイドロゲルについて,水溶性の合成系ポリマーと天然ポリマーについて放射線合成法とそれの応用について述べた.合成系では,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコールの固体,水溶液及び溶融照射の橋かけ挙動を比較し,橋かけに有利な水溶液照射を利用して,傷口に貼り治癒を促進し,はがす時に痛みを与えない創傷被覆材について解説した.天然ポリマーのハイドロゲルについては,多糖類誘導体のカルボキシメチルセルロースやカルボキシメチルデンプンが水をよく混合し,濃度10%以上の糊(ペースト)状で照射を行うと橋かけ反応が起き,ハイドロゲルになる.橋かけには,ペーストの濃度やカルボキシメチル基の置換度に著しく影響され,両因子とも大きいほど橋かけに有利である.応用としては,ペースト試料を波形マットに注入し,照射したマットは保温性がよく,体圧分散が生じるため床ずれが防止できる.


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