2004年度

Chaos, Solitons and Fractals


320918
An observation of a nascent fractal pattern in MD simulation for a fragmentation of an fcc lattice
近角真平* ; 岩本昭*
Chaos, Solitons and Fractals 23(1), p.73-78(2005) ; (JAERI-J 21319)

 自然界に於けるフラクタルパターンの成因を探索するため,無限fcc結晶格子の破砕に関する分子動力学計算を行った.破砕は,Hubble型の動径方向の膨張を格子粒子の初期条件として課することにより誘起される.時間経過につれて,系の平均密度は減少して密度ゆらぎが成長する.ボックスカウント法を用いると,密度ゆらぎの頻度・サイズの関係が瞬間的に形成され,各ハッブル常数ごとにクロスオーバー点に至るまでの間,普遍的なパワー則を示す.このクロスオーバーのサイズは系の最大密度ゆらぎの大きさに対応しており,動的なスケーリング則に従うことが示される.瞬間的に作られるフラクタルの芽の成因は純粋に動的なものであり,伝統的な臨界概念とは違う新しい形成機構の存在を示している.


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