学会誌等掲載論文
※下記の研究開発成果は資料名順に並んでいます。

2008年6月


36000795
Application of laser-induced photoacoustic spectroscopy for determination of plutonium concentration in nuclear waste solutions
駿河谷 直樹; 佐藤 宗一; 実方 秀*; 綿引 優
Analytical Sciences 24(4), p.527-530(2008) ; (JAEA-J 04114)
 レーザー誘起光音響分光法による硝酸溶液中のPuの測定を試みた。PuはCe(IV)により定量的にPu(VI)酸化され、光音響信号を取得した。光音響信号はPu(VI)の最大吸収波長である830.5nmを用いて測定され、その強度は濃度に一次に比例し定量性が示された。検出下限は0.5μg/mLと評価され、本法による液体廃棄物中のPuの定量に適用できた。

36000796
Simultaneous generation of a proton beam and terahertz radiation in high-intensity laser and thin-foil interaction
匂坂 明人; 大道 博行; 菜島 茂喜*; 織茂 聡; 小倉 浩一; 森 道昭; 余語 覚文; Ma, J.-L.; 大東 出; Pirozhkov, A. S.; Bulanov, S. V.; Esirkepov, T. Z.; 清水 広平*; 細田 誠*
Applied Physics B 90(3-4), p.373-377(2008) ; (JAEA-J 04115)
 超短パルス高強度レーザーと物質との相互作用により、高エネルギーのイオンや電子,X線,テラヘルツ領域の電磁波などが発生する。高エネルギー粒子とテラヘルツ波を同時に発生させることで、粒子単独で発生させた場合とは異なる利用研究が期待される。本研究では、プロトンとテラヘルツ波の同時発生を目的として実験を行った。日本原子力研究開発機構設置のチタンサファイアレーザー(JLITE-X)を用いて、チタンの薄膜ターゲットに照射した。集光強度は、ビームウエストで∼2×1017W/cm2であった。レーザーのプリパルスに対するプロトンとテラヘルツ波発生の依存性を調べた結果、プリパルスを抑制することでプロトンとテラヘルツ波が同時に発生していることがわかった。

36000797
Soft X-ray source for nanostructure imaging using femtosecond-laser-irradiated clusters
福田 祐仁; Faenov, A. Y.; Pikuz, T. A.*; 神門 正城; 小瀧 秀行; 大東 出; Ma, J.-L.; Chen, L. M.; 本間 隆之; 川瀬 啓悟; 亀島 敬; 河内 哲哉; 大道 博行; 木村 豊秋; 田島 俊樹; 加藤 義章; Bulanov, S. V.
Applied Physics Letters 92(12), p.121110_1-121110_3(2008) ; (JAEA-J 04116)
 HeとCO2の混合ガスから生成させたCO2クラスターにフェムト秒チタンサファイアレーザーを照射することにより、軟X線の生成量が増加することを見いだした。この軟X線とLiF結晶を検出器に用いて、100nm厚のモリブデンフォイルのイメージングを行った。その結果、非常に広範囲(mm2スケール)に渡り、高分解能(800nm)のイメージング像の取得に成功した。また、±3%の精度でナノメートル厚フォイル中の不純物による軟X線の吸収量の変化を計測した。

36000798
Radioactivity and radon emanation fraction of the granites sampled at Misasa and Badgastein
迫田 晃弘*; 花元 克巳*; 石森 有; 永松 知洋*; 山岡 聖典*
Applied Radiation and Isotopes 66(5), p.648-652(2008) ; (JAEA-J 04117)
 ラドン治療で世界的に有名な三朝とバドガシュタインで採取された花崗岩試料の特徴を調査するために、化学成組成分析,放射能測定,ラドン散逸量と散逸割合の測定を行った。三朝の花崗岩は石英,ソーダ長石,微斜長石が主成分だった。バドガシュタインの花崗岩は石英と白雲母が主成分だった。三朝の花崗岩はラドン散逸量と散逸割合は、その226Ra放射能濃度にもかかわらず、バドガシュタインの花崗岩のそれらよりもかなり高かった。

36000799
Extension of IMPMC code toward time evolution simulation
清水 勝宏; 滝塚 知典; 川島 寿人
Contributions to Plasma Physics 48(1-3), p.270-274(2008) ; (JAEA-J 04119)
 トカマク装置のダイバータによる粒子・熱制御を研究するため、プラズマ/中性粒子/不純物の挙動を総合的に扱うダイバータ統合コードSONIC(SOLDOR/NEUT2D/IMPMC)の開発を進めている。SONICコードの特徴は、不純物輸送に解析精度に優れたモンテカルロ法によるIMPMCコードを組み込むことである。モンテカルロ法は、モデリングの自由度に優れるものの、背景のプラズマの密度,温度は変わらないものとして、IMPMCで不純物の密度分布を計算する必要があった。しかし、プラズマと不純物は相互に強い相互作用があり、その仮定には無理があった。そこで、この欠点を解決し、IMPMCで不純物の時間発展シミュレーションを行えるように拡張する。その際、問題となるのは、テスト粒子がシミュレーションの間、増え続け、計算時間が掛かるようになることである。テスト粒子のほとんどは、主プラズマに存在し、また、ポロイダル方向に一様に分布する。このことに着目し、テスト粒子削減アルゴリズムを考案し、シミュレーションを行い、そのモデルの妥当性を検証した。これによって、時間発展を扱う統合ダイバータコードSONICの開発が可能となった。

36000800
Enhancement of pumping performance of electrochemical hydrogen pump by modified electrode
河村 繕範; 有田 忠昭; 磯部 兼嗣; 洲 亘; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design 83(4), p.625-633(2008) ; (JAEA-J 04120)
 核融合炉のブランケットトリチウム回収システム(BTR)に電気化学水素ポンプの適用が提案されている。SrCe0.95Yb0.05O3-α(SCO)は水素ポンプの候補材の一つである。水素ポンプをBTRに用いるためには水素輸送性能の向上が求められる。電極の改良は水素輸送性能を向上させる手段の一つである。本研究では、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)を電極材とし、スパッタリングにより電極を作成した。そして、それらの電気電導度,プロトン電導度を測定し、従来のPtペーストを用いた電極と比較した。スパッタ電極は従来の電極より水素輸送量が大きく、特にPdを用いた場合、水素濃度0.1%では従来の電極の4倍から5倍の輸送量を示した。

36000801
Adsorption capacity of hydrogen isotopes on mordenite
河村 繕範; 大西 祥広*; 奥野 健二*; 山西 敏彦
Fusion Engineering and Design 83(4), p.655-660(2008) ; (JAEA-J 04121)
 核融合炉では、システムの運転制御の安全性の観点からトリチウムを含む水素同位体のモニタリングが必要であり、水素同位体分析測定技術の開発は重要課題である。低温ガスクロマトグラフは水素同位体分析方法の一つであるが、液体窒素を用いるため分析時間が長く、取り回しも困難である。比較的高い温度で十分な分離性能を示すカラム材の開発は解決方法の一つである。モレキュラーシーブ5Aのような合成ゼオライトは分離カラムの候補材料で、結晶構造はシリカとアルミナの比率や陽イオンの種類などに左右される。もし水素同位体吸着特性に影響する因子がわかれば、分離カラムに適したゼオライトの開発も可能になる。そこで本研究ではモルデナイト型、及びY型ゼオライトの軽水素及び重水素の吸着等温線を調べた。吸着等温線は2種類のラングミュア式の和で表すことができ、モルデナイト単位重量あたりの水素吸着量はモレキュラーシーブ5Aより大きくなった。

36000802
Updating legacy CAMAC-based data acquisition system for extended pulse duration of JT-60U
佐藤 稔; 清野 公広; 大島 貴幸; 坂田 信也; 木島 滋; 小関 隆久
Fusion Engineering and Design 83(2-3), p.334-336(2008) ; (JAEA-J 04122)
 JT-60Uの計測システムは、制御・データ収集にCAMACシステムを使用している。データ収集においては、旧式のトランジェントレコーダーを用いていた。しかし、放電時間伸長に伴うデータ量の増加によって、メモリ不足のため放電時間内に従来のサンプリング時間ですべてのデータを収集することが困難になった。このため、現行のCAMAC制御を維持しながら、放電時間によって変化するデータ量に対応するため、これまでのトランジェントレコーダーに代わって大容量のメモリを持ったVMEデータ収集システムを開発し、この新システムをボロメータ計測システムに適用した。

36000803
An Intense terahertz radiation source at the Compact ERL
原田 健太郎*; 島田 美帆*; 羽島 良一
Infrared Physics & Technology 51(5), p.386-389(2008) ; (JAEA-J 04124)
 JAEA,KEK,東京大学が共同で建設を進めているコンパクトERLでは、フェムト秒の電子パルスを大電流で加速できる。このフェムト秒電子パルスから発生されるコヒーレント放射光は、テラヘルツの波長領域で極めて高い強度を有する。コンパクトERLの電子ビームパラメータに基づいて、テラヘルツ光源の特性を評価する。

36000804
Separation of emission lines of multiply charged ions against background of a very noisy spectrum of femtosecond laser plasma
Gasilov, S. V.*; Faenov, A. Y.
Instruments and Experimental Techniques 51(2), p.205-212(2008) ; (JAEA-J 04125)
 At high intensities of interaction of femtosecond laser pulses with various targets, numerous high energy particles emitted from plasma in all directions lead to the appearance of parasitic peaks in the X-ray spectra of femtosecond laser plasma (FLP) during detection of these peaks with a detector based on a charge coupled device. The algorithm proposed in this study allows identification of parasitic peaks in a series of experimental spectra, which are recorded for each pixel of the CCD detector independently of other pixels, and removal of these peaks. The algorithm is able to detect peaks in the presence of both variations in the intensities of spectral lines and very intense noise. The efficiency of the algorithm has been confirmed via testing with the use of a series of model spectra and spectra of Fe and Al ions recorded in experiments devoted to studies of the interaction of ultrahigh-intensity and ultrashort laser pulses with solid targets.

36000805
The Refinement of the rate determining process in sulfur trioxide electrolysis using the electrolysis cell
鈴木 知史; 中桐 俊男; 青砥 紀身
International Journal of Hydrogen Energy 32(12), p.1771-1781(2007) ; (JAEA-J 04126)
 ハイブリット熱化学法による水素製造のエネルギー効率を向上させるために、水素製造効率を決定するプロセスである三酸化イオウ(SO3)の電気分解における電解セルの抵抗を、低減させる必要がある。そのために、三酸化イオウの電気分解の反応機構についての検討を行った。まず、電解セルを用いた三酸化イオウの電気分解実験と予備実験としての空気透過実験を行った。いずれの実験においても、固体電解質の電気抵抗は全体の中のわずかであり、抵抗は主として電極反応によることがわかった。また、SO3の電極反応において、三酸化イオウはPt表面に吸着していないと推定された。実験結果を解析するために、水崎他の提案した固体電解質を用いた酸素分子の電極反応のモデルをもとにして、三酸化イオウの電極反応のモデルを導出した。これらの電極反応のモデルを用いて、空気透過実験と三酸化イオウの電気分解実験の解析を行った。この結果、空気透過実験では三相界面における反応律速であると推定された。また、SO3の電気分解実験では、450∼500℃で三相界面の反応律速、500∼600℃で電極表面の拡散律速であると推定された。また、固体電解質を流れる酸素の供給源は、SO3分子であると考えられた。さらに、この解析をもとに電極性能の向上の可能性について考えると、三酸化イオウの圧力の向上とともに導電率が向上しているため、可能な限り高圧化することが必要であった。また、電極粒子の微細化することが必要であった。

36000806
The Positron emitting tracer imaging system (PETIS); A Most-advanced imaging tool for plant physiology
藤巻 秀
ITE Letters on Batteries, New Technologies & Medicine 8(4), p.404-413(2007) ; (JAEA-J 04128)
 旧日本原子力研究所と浜松ホトニクスが共同開発したPositron Emitting Tracer Imaging System (PETIS)は、植物体に投与したポジトロン放出核種標識トレーサの分布を非侵襲的かつ経時的に画像化するシステムであり、この10年余り植物生理学・植物栄養学の分野において多くの研究に用いられてきた。本総説は、PETISの原理,特徴,利用可能なトレーサの一覧などの技術的側面と、これまでのPETISを利用した主な植物研究の概要、また今後期待される数理的モデル解析について、平易に解説したものである。

36000807
Dissociative adsorption of nitric oxide on Si(111)-(7×7) surface
橋之口 道宏*; 伊藤 裕規*; 寺岡 有殿; 盛谷 浩右*; 岡田 美智雄*; 笠井 俊夫*
Japanese Journal of Applied Physics 47(3), p.1672-1676(2008) ; (JAEA-J 04129)
 Si(111)-7×7表面でのNO分子の解離性吸着を330Kから600Kの表面温度で光電子分光法で研究した。Si(111)-7×7表面でのNOの解離性吸着が温度に大きな依存性を持つことがNO供給量の関数としてのN原子とO原子の吸着曲線から示唆された。表面温度が高くなるにつれてNOの解離性吸着の速度は減少した。これは前躯体の存在を表している。加えて、表面でのN/O比が330Kでは1.0であったが、600Kでは1.2になった。この表面温度とともにN/O比が増加するということは、もうひとつの反応経路が高温で開けることを示唆している。

36000808
Behavior of transition into inductively coupled plasma mode with internal radio frequency multiturn antenna
中垣 圭太; 山内 俊彦; 管野 善則*; 小林 清二*; 竹本 亮*
Japanese Journal of Applied Physics 47(3), p.1745-1747(2008) ; (JAEA-J 04130)
 多数巻きアンテナをチャンバー内に取り付けたCVD装置を開発した。容量結合型プラズマ(CCP)と誘導結合型プラズマ(ICP)間に突然発生する遷移現象の研究を行った。単一の標準遷移以外に、繰返し遷移することを初めて観測した。標準遷移では、CCPモードへの遷移に対するRF吸収パワーの閾値は、Arのガス圧10∼100Paでほぼ一定であったが、1.5∼8Paのところで閾値は劇的に上昇した。遷移時間は10Paで8マイクロ秒と速く、さらにガス圧の上昇とともに閉じ込めが改善し、長くなった。CCPモードからICPモードへの突然遷移のトリガーは、電子温度の上昇によると考えられる。

36000809
Synthesis of americium trichloride by the reaction of americium nitride with cadmium chloride
林 博和; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 湊 和生
Journal of Alloys and Compounds 456(1-2), p.243-246(2008) ; (JAEA-J 04131)
 窒化アメリシウムと塩化カドミウムの混合物を600から660Kで真空引きしながら加熱することによって三塩化アメリシウムを合成した。合成した試料は六方晶系で格子定数はa0=0.7390nm, c0=0.4215nmであった。この方法によってオキシクロライドを含まない高純度の三塩化アメリシウムを腐食性の強い試薬を使用せずに合成することができた。窒化物と塩化カドミウムの反応による塩化物の調製方法は高純度の塩化アクチノイド及び塩化ランタノイドの合成に適していることを示した。

36000810
Depositional records of plutonium and 137Cs released from Nagasaki atomic bomb in sediment of Nishiyama reservoir at Nagasaki
國分 陽子; 安田 健一郎; 間柄 正明; 宮本 ユタカ; 桜井 聡; 臼田 重和; 山崎 秀夫*; 吉川 周作*; 長岡 信治*; 三田村 宗樹*; 井上 淳*; 村上 晶子*
Journal of Environmental Radioactivity 99(1), p.211-217(2008) ; (JAEA-J 04132)
 長崎西山貯水池堆積物中の240Pu/239Pu比及び239+240Pu, 137Cs濃度の深度分布を調べ、240Pu/239Pu比からプルトニウムの起源を推定し、長崎原爆爆発直後に堆積したプルトニウム及び137Csを含む堆積物を特定した。またその堆積物の下層から長崎原爆に起因するフォールアウトの蓄積の証拠となる微粒炭も検出した。本報告は長崎原爆直後から現在に至るまで西山貯水池堆積物に蓄積した長崎原爆由来のプルトニウム及び137Csの全容を核実験由来の成分と区別して初めて明らかにしたものであり、今後のプルトニウムの長期環境挙動解析の指標となる。

36000811
Application of real time PCR for the quantitative detection of radiation-induced genomic DNA strand breaks
山内 恵美子*; 渡辺 立子; 及川 美代子*; 藤本 浩文*; 山田 明徳*; 斎藤 公明; 村上 正弘*; 橋戸 和夫*; 土田 耕三*; 高田 直子*; 普後 一*; Tu, Z.*; 前川 秀彰*
Journal of Insect Biotechnology and Sericology 77(1), p.17-24(2008) ; (JAEA-J 04133)
 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いて、Cs-137γ線照射によるpBR322プラスミドDNAの両方の鎖それぞれに生じた1本鎖切断の収率を測定する方法を確立した。本研究では、PCRによる増幅を経時的に測定することで、増幅率をreal-time PCRがDNA切断数の収量の絶対値測定に応用・有用であることを初めて示した。この方法によるSSB収率の実験結果は、モンテカルロシミュレーションによる計算結果と非常によい一致を示したことによっても実証された。

36000812
Microbial transformations of plutonium
Francis, A. J.; Dodge, C. J.*; 大貫 敏彦
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences 8(2), p.121-126(2007) ; (JAEA-J 04134)
 Pu(IV)のクエン酸錯体のP. fluorescensによる分解挙動及びPu(VI)のB. subtilisと粘土との混合物への吸着挙動を実験により調べた。その結果、クエン酸は速やかに分解され、Pu(IV)はポリマーとして沈殿すること、及びPu(VI)はB. subtilisに偏在することを明らかにした。

36000813
Thermal conductivity of neptunium dioxide
西 剛史; 伊藤 昭憲; 高野 公秀; 沼田 正美; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials 376(1), p.78-82(2008) ; (JAEA-J 04135)
 二酸化ネプツニウム(NpO2)の熱伝導率を測定した熱拡散率,比熱及び密度を用いて評価した。NpO2の熱拡散率をレーザフラッシュ法により473から1473Kまでの温度範囲で、NpO2の比熱を投下型熱量法により334から1071Kまでの温度範囲で測定した。NpO2の熱拡散率は温度の上昇とともに減少し、NpO2の比熱はUO2の比熱よりもわずかに大きく、PuO2の比熱よりも約7%小さいことが明らかとなった。また、NpO2の熱伝導率は873から1473Kの温度領域ではUO2及びPuO2の熱伝導率の間に位置することが明らかとなった。

36000814
Lattice thermal expansions of NpN, PuN and AmN
高野 公秀; 赤堀 光雄; 荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials 376(1), p.114-118(2008) ; (JAEA-J 04136)
 マイナーアクチノイド含有窒化物燃料の構成要素となるNpN, PuN及びAmNの格子定数を、高温X線回折装置を用いて室温から1478Kの範囲で測定し、線熱膨張を温度の関数として定めた。293Kから1273Kの平均線熱膨張係数は、NpN, PuN及びAmNについて、それぞれ8.78, 11.1及び11.2×10-6K-1であった。線熱膨張係数と分解温度の関係を検証するため、遷移金属窒化物のTiN, ZrN, HfN、及びアクチノイド窒化物のUN, NpN, PuNについて、窒素1気圧下での分解温度の逆数に対して293K及び1273Kでの線熱膨張係数をプロットした結果、一部の例外を除きほぼ直線関係にあることがわかった。この関係がAmNにも成立すると仮定した場合、AmNの窒素1気圧下での分解温度は2700±100K程度と予想される。

36000815
A Global dispersive coupled-channel optical model potential for actinides
Capote, R.*; 千葉 敏; Soukhovitskij, E. Sh.*; Quesada, J. M.*; Bauge, E.*
Journal of Nuclear Science and Technology 45(4), p.333-340(2008) ; (JAEA-J 04137)
 0.001から200MeVのエネルギー領域での核子とアクチノイド原子核の反応を記述する汎用分散型チャンネル結合光学ポテンシャル(DCCOM)を提案する。このポテンシャルでは幾何学的パラメータに質量数Aに比例する依存性を与え、変形度を調整することで、232Thから241Amの全断面積を非常に高い精度で再現できることがわかった。さらに、232Thと238Uの全断面積の差も200MeVまでよく再現できることから、ポテンシャルのアイソベクター部分についても検証できている。非分散型の他ポテンシャルの予測値との比較も行った。

36000816
Fission gas release in BWR fuel with a burnup of 56 GWd/t during simulated reactivity initiated accident (RIA) condition
天谷 政樹; 杉山 智之; 永瀬 文久; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology 45(5), p.423-431(2008) ; (JAEA-J 04138)
 商用炉で照射されたBWR燃料(燃焼度56GWd/t)から調製した試験燃料棒に対し、反応度事故条件を模擬したパルス照射実験を行った。実験後の燃料棒パンクチャ試験及び燃料ペレットのEPMA分析結果に基づき、パルス照射実験中のFPガス放出挙動を調べた。パルス照射後のペレット局所Xe濃度は、ベース照射後のペレットのそれに比べ相対半径で0∼0.8の範囲で低下した。この局所Xe濃度の低下は11%のFPガス放出率に相当し、パルス照射実験後のパンクチャ試験結果と同等であった。燃料ペレットの組織変化と結晶粒界でのFPガス保持量を考慮すると、パルス照射実験中のFPガス放出は燃料ペレットの周辺部よりも中間部で生じた粒界分離の影響を受けたものと考えられる。

36000817
Proposal of nondestructive radionuclide assay using a high-flux γ-ray source and nuclear resonance fluorescence
羽島 良一; 早川 岳人; 菊澤 信宏; 峰原 英介
Journal of Nuclear Science and Technology 45(5), p.441-451(2008) ; (JAEA-J 04139)
 エネルギー回収型リニアックの高輝度大電流電子ビームと先進レーザ技術を組合せたレーザコンプトン散乱で、大強度準単色γ線の発生が可能になる。このγ線を光源として核共鳴散乱の反応を起こすことで、同位体の非破壊分析が可能になる。本論文では、光源の構成と性能を述べ、核燃料サイクルから排出される放射性廃棄物を対象とした非破壊分析の検出限界を議論する。

36000818
Temporal and spatial variations of radiocarbon in Japan Sea Bottom Water
熊本 雄一郎*; 荒巻 能史*; 渡邉 修一*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 外川 織彦; 森田 昌敏*; 下島 公紀*
Journal of Oceanography 64(3), p.429-441(2008) ; (JAEA-J 04140)
 1995年と2000年に、日本海において全溶存無機炭素中の放射性炭素比(Δ14C)を測定した。日本海は西部北太平洋における準閉鎖系の縁辺海であり、深層水及び底層水は内部で形成される。これらの測定データを歴史的な放射性炭素データとともにまとめ、2000m以深の底層水における放射性炭素の時空間的変動を明らかにした。日本海盆西部及び大和海盆の底層水におけるΔ14Cは、1977/79年から1995年までの間に約20‰増加し、1995年から1999/2000年までの間には変化しなかった。これは、前者では底層水交換によって表層の核実験起源の放射性炭素が底層に侵入したこと、後者は底層水交換が停滞したことを示唆した。日本海盆東部では、底層水のΔ14Cは1977/79年から2002年までの間に約10‰増加し、底層水交換がより弱いことを示唆した。日本海盆東部及び大和海盆における放射性炭素,トリチウム及び溶存酸素の時間的変動は、1979年から1984年までの間に底層水交換が散発的に発生したこと、1984年から2004年までの間に底層水交換が停滞したことを意味した。前者は、1976/77年の厳冬に日本海盆西部で新しく形成された底層水が日本海の深層循環によって輸送されたと考えられる。後者は底層水における核実験起源137Cs及フロン-11の時間的変動と矛盾していない。

36000819
Numerical diagonalization study on a phonon-assisted hole pairing mechanism of an extended t-J-Holstein model
坂井 徹
Journal of Physics; Conference Series 108, p.012026_1-012026_4(2008) ; (JAEA-J 04141)
 銅酸化物高温超伝導体のCuO2面の物理的性質をよく記述するt-J-Holsteinモデルに対する数値的厳密対角化による研究の結果を報告する。本研究の計算結果によると、従来はホール・ペアリングを抑制すると思われていたブリージングモードと呼ばれる格子振動についても、ホールのホッピング・パラメータの繰り込み効果を考慮すると、ペアリングを助長する可能性があることが示された。

36000820
Aerodynamic design, model test, and CFD analysis for a multistage axial helium compressor
Yan, X.; 滝塚 貴和; 國富 一彦; 伊高 英彦*; 高橋 邦雄*
Journal of Turbomachinery 130(3), p.031018_1-031018_12(2008) ; (JAEA-J 04142)
 300MWe級原子力ガスタービンの多段軸流ヘリウム圧縮機の空力設計研究及びその設計検証の結果を報告する。ヘリウム圧縮機は多段,狭流路となり、損失が大きくなりやすいことから、その設計は容易ではない。ヘリウム圧縮機特有の問題を克服し、高効率を達成するために、先端的な空力設計技術を採用した。縮尺モデルによる圧縮機空力性能試験及び3次元粘性CFD解析を行って、設計を検証した。さらに、実機圧縮機の空力性能を予測する性能モデルを構築した。レイノルズ数及び表面粗さが圧縮機の空力性能に大きな影響を与えることを示した。

36000821
Radiation-induced reaction of sulfonamide-containing polymers in the film state for color imaging
前川 康成; 加藤 順*; 片貝 正史*; 石原 雅昭*; 榎本 一之; 萩原 時男*; 石井 達人*; 伊藤 和男*; 越川 博; 吉田 勝
Macromolecular Chemistry and Physics 209(6), p.625-633(2008) ; (JAEA-J 04143)
 ナノスケールの微細パターンニングに適した電子ビームを利用した高密度メモリなどの電子材料システムの構築を目的に、高分子薄膜の電子線発色反応の解析とそのナノカラーイメージングへの応用について検討した。電子線感受性の高いスルホンアミド(SO2 -NH)骨格を有するポリマーを合成し、その有機薄膜の電子線反応性及び電子線反応部位の化学修飾反応によるナノ発色パターン形成性を調べた。スルホンアミド骨格を有するポリマーは、電子線照射でスルホンアミド部位の化学選択的な開裂によりFries転位生成物を与えることを見いだした。ポリスルホンアミドの電子線反応によるアニリン誘導体の生成は、酸性物質が塩基性物質に化学変換される興味深い反応である。電子線照射後の薄膜は、塩基性部位(アミノ基)のエーリッヒ反応により黄∼橙色に発色した。次いで、上記薄膜の電子線描画装置によるナノ発色パターン形成性を評価し、300nmの分解能で発色パターンを示すことから、電子ビームによる高分子薄膜中のFries転位反応がナノカラーイメージングに有効であることを実証した。

36000822
Mapping the intake of different elements in vegetal tissues by dual-energy X-ray imaging at DaΦne synchrotron light source
Reale, L.*; Kaiser, J.*; Reale, A.*; Lai, A.*; Flora, F.*; Balerna, A.*; Cinque, G.-F.*; Fanelli, M.*; Ruggieri, F.*; Faenov, A. Y.; Pikuz, T.*; Tucci, A.*; Poma, A.*; Zuppella, P.*; Liška, M.*; Malina, R.*
Microscopy Research and Technique 71(3), p.179-185(2008) ; (JAEA-J 04144)
 This article reports on the first utilization of the soft X-ray beamline at the DaΦne synchrotron light source for mapping the intake of different elements in plant tissues. As a test, the method of dual-energy X-ray microradiography was applied to the investigation of the natural sulfur content in dried leaf and root samples. Our ultimate goal was to monitor the pollutant lead and its intake, which was added in controlled doses to the hydroponic medium of laboratory-controlled samples of vegetal species. The results obtained by the nondestructive X-ray radiographic analysis are compared to the values of concentrations determined by a standard chemical analysisutilizing atomic absorption spectroscopy. From this comparison the validity of the X-ray detection of heavy metals in biological samples has been confirmed. The superposition of the dual energy results on the simple planar radiography shows the representation of the pollutant intake directly on the sample structures.

36000823
Investigation on spent fuel characteristics of Reduced-Moderation Water Reactor (RMWR)
深谷 裕司; 大久保 努; 内川 貞夫
Nuclear Engineering and Design 238(7), p.1601-1611(2008) ; (JAEA-J 04145)
 低減速軽水炉(RMWR)における使用済燃料特性の検討をSWATコードとORIGENコードを用いて行った。この評価においてはRMWR用のORIGENライブラリが必要であったが、公開されたものが存在しなかったため本研究においてSWATコードを用いて作成した。RMWRの使用済燃料特性を検討するために崩壊熱,放射能,各核種の組成をORIGENを用いて評価した。また、これらについてほかの炉型に対する評価も行った。RMWRの使用済燃料における崩壊熱と放射能はフルMOX軽水炉やFBRのものよりも低く、高燃焼度PWRと同程度のものであることがわかった。加えて、廃棄物処理の観点から、発熱性元素,白金族元素, Mo, LLFPについての検討も行った。

36000824
Response of fusion gain to density in burning plasma simulation on JT-60U
竹永 秀信; 久保 博孝; 末岡 通治; 川俣 陽一; 吉田 麻衣子; 小林 進二*; 坂本 宜照; 飯尾 俊二*; 下村 浩司*; 市毛 尚志; 平塚 一; 坂本 隆一*; 三浦 幸俊
Nuclear Fusion 48(3), p.035011_1-035011_6(2008) ; (JAEA-J 04146)
 JT-60Uでは、DT核融合反応率の温度依存性を考慮した燃焼模擬実験手法を開発してきた。ここでは、密度とイオン温度の実時間計測値を用いてアルファ加熱模擬用の加熱パワーを計算している。核融合炉での燃料密度制御による燃焼制御性を解明するために、模擬外部加熱パワー一定のもとでの模擬核融合増倍率の密度に対する応答を調べた。イオン温度10∼20keVでの温度依存性に相当するイオン温度の2乗に比例する核融合反応率を仮定した場合には、密度の2乗より強い模擬核融合増倍率の密度依存性を観測した。1.5次元輸送コードの解析により、この強い密度依存性は閉じ込め特性の変化と圧力分布の変化により引き起こされていることを明らかにした。一方、イオン温度40∼100keVでの温度依存性に相当するイオン温度に依存しない核融合反応率を仮定した場合には、閉じ込め特性の変化や圧力分布の変化によらず模擬核融合増倍率は密度の2乗に比例した。

36000825
Off-axis current drive and real-time control of current profile in JT-60U
鈴木 隆博; 井手 俊介; 及川 聡洋; 藤田 隆明; 石川 正男; 関 正美; 松永 剛; 波多江 仰紀; 内藤 磨; 濱松 清隆; 末岡 通治; 細山 博己; 中里 命; JT-60チーム
Nuclear Fusion 48(4), p.045002_1-045002_9(2008) ; (JAEA-J 04147)
 高βプラズマにおいて高い閉じ込めと安定性のための電流分布の最適化を目指して、周辺電流駆動を用いた安全係数最小値qminの実時間制御システムを開発した。低域混成波の入射パワーを制御することで、時間的に変化する目標値にそってqminを1.3から1.7まで制御した。本制御を新古典テアリングモード(NTM)のある高β放電に適用したところ、安全係数最小値が2を超えたときにNTMと共鳴する磁気面が消えてNTMは安定化され蓄積エネルギーは16%上昇した。さらに、周辺部での中性粒子ビーム電流駆動(NBCD)による駆動電流分布を初めて測定した。モーショナルシュタルク効果計測によると駆動電流は周辺部に空間的に局在しており、中性子放出分布計測によっても同様の結果を得た。NBCD電流総量はACCOMEコードによる理論計算と合う一方で、電流駆動位置は計算結果より外側にずれていることが明らかになった。

36000826
Dimensionless parameter dependence of H-mode pedestal width using hydrogen and deuterium plasmas in JT-60U
浦野 創; 滝塚 知典; 鎌田 裕; 大山 直幸; 竹永 秀信; JT-60チーム
Nuclear Fusion 48(4), p.045008_1-045008_9(2008) ; (JAEA-J 04148)
 Hモードの周辺ペデスタル幅の性質をJT-60Uにおける軽・重水素プラズマを用いて調べた。燃料粒子質量を変えたデータベース解析及び詳細実験の両方において、ペデスタル幅は粒子質量、又はρpol* (∝ m0.5)に非常に弱い依存性を示した。周辺部のρpol*分布は約1.4倍異なるにもかかわらず、周辺イオン温度分布Tiは軽・重水素両プラズマにおいて、ほぼ同一の分布を示した。周辺部のβpolを変化させる実験も実施した。周辺部のρpol*はほぼ同じ条件下において、高βpolプラズマは高い周辺Ti値を示し、ペデスタル幅も広くなった。無次元パラメータスキャン実験に基づいて、ペデスタル幅の比例則Δped ∝ a ρpol*0.2 βpol0.5が得られた。

36000827
Improved design of an ITER equatorial EC launcher
高橋 幸司; 梶原 健; 小林 則幸; 春日井 敦; 坂本 慶司
Nuclear Fusion 48(5), p.054014_1-054014_9(2008) ; (JAEA-J 04149)
 ITER水平ポートECランチャーの構成機器の中でフロントシールド、可動ミラー,伝送系は重要な機器である。これまでのフロントシールドの設計に改良を加え、電磁力に耐えうる設計を確立した。可動ミラーについては、拡散接合の技術を応用して設計に基づいた実機相当の可動ミラーに成功し、設計通りの冷却水の流力性能を実証した。さらに、ランチャー製作の信頼性,保守性を向上させることを目的として導波管伝送の一部を取り除き、大型ミラーを導入することにより達成可能な空間伝送方式への設計変更を提案し、ミリ波伝播解析の結果、伝送損失は1.1∼2.2%となり導波管伝送時とほぼ同等となること、ミラー上での最大熱負荷が55%減になることを明らかにした。

36000828
Macro-particle simulation study on transverse halo collimator for J-PARC linac
大川 智宏; 池上 雅紀*; Qiang, J.*; Saha, P. K.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 589(1), p.1-12(2008) ; (JAEA-J 04150)
 円形加速器への入射のために要求される横方向エミッタンスを実現するために、荷電変換型横方向ハローコリメータシステムがJ-PARCの線形加速器で開発されてきた。この型のコリメータシステムでは、テイルの部分の負水素イオンが薄いフォイルコリメータにて陽子に荷電変換される。そして、生成された陽子は、偏向電磁石にて分離され、ビームダンプに輸送される。2種類のビームがコリメータシステムに沿って輸送されるので、ビーム輸送系に沿っての制御できないビーム損失を避けるため、特別な注意を払う必要がある。このために、空間電荷効果を考慮したトラッキングと荷電変換フォイルでの散乱のモデル化の両方が可能な正確な数値モデルを開発することが実用的である。この論文では、3次元解析コードIMPACTとモンテカルロシミュレーションツールGEANTを使って、コリメータシステムの数値モデルを開発した。コリメータシステムに沿っての制御できないビーム損失をこのモデルを使って評価し、コリメータシステムの最適なフォイル厚を決定した。

36000829
Structural and gasochromic properties of epitaxial WO3 films prepared by pulsed laser deposition
山本 春也; 井上 愛知; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 266(5), p.802-806(2008) ; (JAEA-J 04151)
 パルスレーザー蒸着法によりα-Al2O3単結晶基板上に三酸化タングステン(WO3)のエピタキシャル膜の形成条件を探索し、膜の構造及び水素によるガスクロミック特性について調べた。ラザフォード後方散乱法,X線回折法及びラマン分光法を用いて作製したWO3膜の構造を評価した結果、単斜晶WO3(001)膜がα-Al2O3 r-面上に成長し、蒸着中の基板温度及び酸素圧が高くなるとともに膜の結晶性が向上することがわかった。さらに、作製したWO3膜の水素によるガスクロミック特性は、膜の結晶性の向上とともに低下する傾向にあり、膜の結晶構造に強く依存することが示唆された。

36000830
Synthesis of actinide nitrides in molten cadmium
荒井 康夫; 岩井 孝; 赤堀 光雄; 湊 和生
Nuclear Technology 162(2), p.244-249(2008) ; (JAEA-J 04152)
 乾式再処理を用いた窒化物燃料サイクルを閉じるためには、溶融塩電解精製により核分裂生成物と分離したアクチノイドを再び窒化物に転換する必要がある。本研究では、電解精製で液体カドミウム陰極に回収したプルトニウム及びウランを窒化物に転換する反応について検討した。実験では、プルトニウム及びウランを含むカドミウム合金を窒素気流中で加熱することによりアクチノイドの窒化とカドミウムの蒸留を同時に行える条件を見いだし、その反応機構を明らかにした。さらに、回収したプルトニウム,ウラン窒化物粉末を用いた窒化物燃料ペレットの製造試験を行った。一連の実験結果から、乾式法を用いた窒化物燃料サイクルが技術的に成立する見通しを得ることができた。

36000831
The H-Invitational Database (H-InvDB); A Comprehensive annotation resource for human genes and transcripts
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; 谷野 元彦*; 小柳 香奈子*; Barrero, R. A.*; Gough, C.*; Chun, H. W.*; 羽原 拓哉*; 花岡 秀樹*; 早川 陽介*; Hilton, P. B.*; 金子 弥生*; 菅野 雅子*; 川原 善浩*; 川村 俊之*; 松矢 明宏*; 長田 直己*; 西片 健作*; 野田 彰子*; 塗本 真*; 最知 直美*; 坂井 寛章*; 三本松 良子*; 司馬 理恵*; 鈴木 満美*; 高林 和彦*; 高橋 愛子*; 田村 卓郎*; 田中 政之*; 田中 進*; 富所 布紗乃*; 山口 香織*; 山本 直行*; 大城戸 利久*; 真島 淳*; 橋爪 亜紀*; Jin, L.*; Lee, K. B.*; Lin, Y. C.*; 野崎 あさみ*; 酒井 勝永*; 多田 正仁*; 宮崎 智*; 牧野 隆司*; 大柳 一*; 大里 直樹*; 田中 信彦*; 鈴木 善幸*; 池尾 一穂*; 斎藤 成也*; 菅原 秀明*; O'Donovan, C.*; Kulikova, T.*; Whitfield, E.*; Halligan, B.*; Shimoyama, M.*; Twigger, S.*; 由良 敬; 木村 耕一*; 安田 知弘*; 西川 哲夫*; 秋山 泰*; 本野 千恵*; 向井 有里*; 長崎 英樹*; 諏訪 牧子*; Horton, P.*; 菊野 玲子*; 小原 収*; Lancet, D.*; Eveno, E.*; Graudens, E.*; Imbeaud, S.*; Debily, M. A.*; 林崎 良英*; Amid, C.*; Han, M.*; Osanger, A.*; 遠藤 俊憲*; Thomas, M. A.*; 平川 美夏*; Makalowski, W.*; 中尾 光輝*; Kim, N. S.*; Yoo, H. S.*; De Souza, S. J.*; Bonaldo, M. F.*; 新村 芳人*; Kuryshev, V.*; Schupp, I.*; Wiemann, S.*; Bellgard, M.*; 塩生 真史*; Jia, L.*; Thierry-Mieg, D.*; Thierry-Mieg, J.*; Wagner, L.*; Zhang, Q.*; 郷 通子*; 蓑島 伸生*; 大坪 正史*; 花田 耕介*; Tonellato, P.*; 磯貝 隆夫*; Zhang, J.*; Lenhard, B.*; Kim, S.*; Chen, Z.*; Hinz, U.*; Estreicher, A.; 中井 謙太*; Makalowska, I.*; Hide, W.*; Tiffin, N.*; Wilming, L.*; Chakraborty, R.*; Soares, M. B.*; Chiusano, M. L.*; 鈴木 豊*; Auffray, C.*; 山口 由美*; 伊藤 剛*; 日紫喜 光良*; 福地 佐斗志*; 西川 建*; 菅野 純夫*; 野村 信夫*; 舘野 義男*; 今西 規*; 五條堀 孝*
Nucleic Acids Research 36(Database), p.D793-D799(2008) ; (JAEA-J 04153)
 ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。

36000832
High-energy, diode-pumped, picosecond Yb:YAG chirped-pulse regenerative amplifier for pumping optical parametric chirped-pulse amplification
赤羽 温; 青山 誠; 小川 奏; 辻 公一; 時田 茂樹*; 河仲 準二*; 西岡 一*; 山川 考一
Optics Letters 32(13), p.1899-1901(2007) ; (JAEA-J 04154)
 利得による狭帯域化現象を利用したダイオード励起低温冷却Yb:YAG再生増幅器を開発した。1.2nsパルス幅の周波数チャープしたシードレーザー光は再生増幅器内で増幅と同時にパルス圧縮され、外部でのパルス圧縮器なしに35ps, 8mJの増幅レーザー光が発生する。増幅光の第二高調波は実際にピコ秒2波長光パラメトリック増幅の励起光源として用いられた。

36000833
High-energy diode-pumped picosecond regenerative amplification at 999 nm in wavelength with a cryogenically cooled Yb:LuLiF4 crystal
赤羽 温; 青山 誠; 杉山 僚; 久保 亮一; 小川 奏; 辻 公一; 山川 考一
Optics Letters 33(5), p.494-496(2008) ; (JAEA-J 04155)
 低温冷却Yb:LuLiF4結晶を用いたダイオード励起再生増幅レーザーを世界で初めて開発した。シード光は周波数チャープさせパルス伸張させた状態で再生増幅器に入力され、増幅器中で増幅と同時にパルス圧縮を受ける。このためこの装置ではパルス圧縮器なしでエネルギー∼6mJ,パルス幅13psの999nm増幅パルスが発生可能である。またこの再生増幅器では999nmと1024nmの2波長同時発振も可能で、THz領域での差周波発生に応用することができると思われる。

36000834
Condition for emergence of complex eigenvalues in the Bogoliubov-de Gennes equations
中村 祐介*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
Physical Review A 77(4), p.043601_1-043601_6(2008) ; (JAEA-J 04156)
 本研究では、ボース・アインシュタイン凝縮体の励起状態を記述するボゴリウボフ・ドジャン方程式の複素固有値の出現条件を、原子間相互作用の強さによらず、厳密に求めた。この複素固有値は実験で観測されている「動的不安定性」を引き起こす原因とされており、これまでに高次量子渦を持つ凝縮体の系や動いている光学格子中の凝縮体の系における凝縮体の崩壊として観測されている。先行研究では、それぞれの対象系について個別に考察されていたが、本研究は方程式の一般論を展開したため、対象系によらない議論である点が特長である。また、解析計算であるにもかかわらず、相互作用の強さによらない議論である点も特長である。

36000835
Intrinsic ferroelectric instability in Pb(In1/2Nb1/2)O3 revealed by changing B-site randomness; Inelastic X-ray scattering study
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 寺内 暉*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 水木 純一郎; 大和 英弘*; 安田 直彦*
Physical Review B 77(9), p.094136_1-094136_8(2008) ; (JAEA-J 04157)
 Pb(In1/2Nb1/2)O3は、Bサイトのランダムネスの効果により反強誘電から強誘電リラクサーまで幅広い状態を取りうる。われわれは基底状態がBサイトイトランダムネスの影響で大きく変わることについての理由を探るべく、高分解能X線非弾性散乱を用いてBサイトランダムネスとフォノンの関係を調べた結果、反強誘電領域においても強い強誘電ソフトモードが存在することを明らかにし、次のようなストリーを提案した。PINにおいては反強誘電不安定性と強誘電不安定性が共存しており、perfectly ordered PINの場合反強誘電不安定性が優勢となっている。そこに、Bサイトランダムネスが導入されると反強誘電不安定性が真っ先に抑制される。一方、強誘電不安定性はランダムネスの影響を受けにくいため、Bサイトランダムネスが導入されても強誘電不安定性は残り、そこで初めて強誘電性が顔を出す。しかし、Bサイトが完全無秩序の場合は長距離秩序に至らないため、ナノスケール強誘電領域にとどまりリラクサー状態が発現する。

36000836
Vacancy defects in electron-irradiated ZnO studied by Doppler broadening of annihilation radiation
Chen, Z. Q.*; 別役 潔*; 河裾 厚男
Physical Review B 77(11), p.113204_1-113204_4(2008) ; (JAEA-J 04158)
 陽電子消滅ドップラー拡がり測定及び局所密度近似による第一原理計算を用いて、電子線照射した酸化亜鉛中の空孔欠陥を評価した。照射直後は亜鉛空孔が陽電子捕獲中心として作用することが明らかになった。亜鉛空孔は200℃以下の熱処理により消失するが、400℃の熱処理でこれとは別の二次欠陥が生成することが見いだされた。詳細な理論計算との照合の結果、これは酸素空孔が変態して生じた亜鉛空孔とアンチサイト亜鉛の複合欠陥であることが解明された。

36000837
Lateral movement of a laser-accelerated proton source on the target's rear surface
中村 龍史; 三間 圀興*; Ter-Avetisyan, S.*; Schnürer, M.*; Sokollic, T.*; Nickles, P.*; Sandner, W.*
Physical Review E 77(3), p.036407_1-036407_5(2008) ; (JAEA-J 04159)
 高コントラスト比を持つ超高強度レーザーの固体照射によるプロトン加速において、加速場の空間依存性を実験及び粒子シミュレーションにより調べた。プロトンが加速される領域のターゲット裏面での移動がトムソンパラボラを用いた実験で観測された。また、ピンホールを2つ使い観測領域を絞ることで、エネルギー幅の狭いプロトンビームが観測された。2次元粒子シミュレーションにより、この現象がターゲット裏面でのシース場の移動により起こることを明らかにし、コントラスト比が高く、相対論的強度領域にあるレーザーを薄膜に斜め照射した場合に固有の現象であることを示した。このプロトン加速場の移動により、ターゲット裏面においてレーザー照射に相当する地点から距離によりプロトンのエネルギー分解が可能であることが示唆された。

36000838
Demonstration of laser-frequency upshift by electron-density modulations in a plasma wakefield
神門 正城; 福田 祐仁; Pirozhkov, A. S.; Ma, J.-L.; 大東 出; Chen, L.-M. ; Esirkepov, T. Z.; 小倉 浩一; 本間 隆之; 林 由紀雄; 小瀧 秀行; 匂坂 明人; 森 道昭; Koga, J. K.; 大道 博行; Bulanov, S. V.; 木村 豊秋; 加藤 義章; 田島 俊樹
Physical Review Letters 99(13), p.135001_1-135001_4(2007) ; (JAEA-J 04160)
 高出力レーザーによって励起されるプラズマ航跡場の中では、パラボラ形状をした密な構造を持つ電子密度変調が生成され、ほぼ光速で伝播する。この構造に、反対からレーザーパルスを入射すると、一部が反射される。この構造が、あたかも相対論的な飛翔鏡のように作用し、反射されるレーザー光は、時間的に圧縮され、二重ドップラー効果により周波数が上昇する。実験では、この周波数向上(50から100倍)が観測された。

36000839
Observation of the 3n evaporation channel in the complete hot-fusion reaction 26Mg+248Cm leading to the new superheavy nuclide 271Hs
Dvorak, J.*; Brüchle, W.*; Chelnokov, M.*; Düllmann, Ch. E.*; Dvorakova, Z.*; Eberhardt, K.*; Jäger, E.*; Krücken, R.*; Kuznetsov, A.*; 永目 諭一郎; Nebel, F.*; 西尾 勝久; Perego, R.*; Qin, Z.*; Schädel, M.*; Schausten, B.*; Schimpf, E.*; Schuber, R.*; Semchenkov, A.*; Thörle, P.*; Türler, A.*; Wegrzecki, M.*; Wierczinski, B.*; Yakushev, A.*; Yeremin, A.*
Physical Review Letters 100(13), p.132503_1-132503_4(2008) ; (JAEA-J 04161)
 By using the complete fusion reaction 26Mg+248Cm, superheavy nuclide 271Hs was produced in the 3n evaporation channel. The experiment was carried out at UNILAC in GSI, Darmstadt, Germany. The fusion products were separated from other reaction products by using an online chemical separation and detection system. The new isotope 271Hs (Z=108) was identified by its α decay properties and excitation functins as function of bombading energy of 26Mg, where excitation functions for 4n and 5n channel isotopes 270,269Hs were also observed. The 271Hs was produced at bombarding energy well below the Bass barrier. Because of the prolate deformation of 238U, Coulomb barrier decreases at polar collisions, allowing the system to fuse even in sub-barrier energies.

36000840
Particle simulation of bursting Alfvén modes in JT-60U
Briguglio, S.*; Fogaccia, G.*; Vlad, G.*; Zonca, F.*; 篠原 孝司; 石川 正男; 武智 学
Physics of Plasmas 14(5), p.055904_1-055904_10(2007) ; (JAEA-J 04162)
 The results of particle-in-cell simulations of a negative neutral beam heated Alfvén-mode experiment in the JT-60U are presented. They seem to match quite well the dynamics of the abrupt large-amplitude event (ALE) experimentally observed in the reference JT-60U discharge. The time scale and frequency spread of the ALE are well reproduced too. The issue of the weaker Alfvén fluctuation phase following the ALEs, characterized by fast frequency sweeping modes, is also investigated and an interpretation of the full JT-60U bursting-mode phenomenology is presented. Finally, the simulation tool is exploited by ad hoc synthetic diagnostics on the fast ion distribution function to get a deeper insight into the ALE nonlinear dynamics. The underlying fast-growing energetic particle mode saturates as resonant energetic ions are scattered out of the resonance region and displaced outwards. The radially displaced ions resonate with outer Alfvén modes and enhance their local drive.

36000841
Genetic Dissection of Hormonal Responses in the Roots of Arabidopsis Grown under Continuous Mechanical Impedance
岡本 崇*; 鶴見 誠二*; 柴崎 杏平*; 尾花 佳美*; 高地 博寛*; 大野 豊; Rahman, A.*
Plant Physiology 146(4), p.1651-1662(2008) ; (JAEA-J 04163)
 機械的な刺激を与えるために透析膜でカバーした培地上で育成したシロイヌナズナの根は、エチレン反応に特徴的な形態を示した。この形態について詳しく調べたところ、エチレンの生産性ではなくエチレンの情報伝達がエチレン応答の増強に重要な役割を担っていることがわかった。さらに、エチレン反応の増加は、根におけるオーキシン応答にも影響を与えていることを明らかにした。以上の結果は、機械的刺激による根の生長変化におけるエチレンの役割について新たな知見を与えるものである。

36000842
Achievement of 1.5 MW, 1 s oscillation by the JT-60U gyrotron
小林 貴之; 森山 伸一; 関 正美; 澤畠 正之; 寺門 正之; 藤井 常幸
Plasma and Fusion Research (Internet) 3, p.014_1-014_3(2008) ; (JAEA-J 04164)
 高性能プラズマ閉じ込め実験において、電子サイクロトロン加熱電流駆動のため高出力ジャイロトロンが用いられる。現在のトカマク実験においては、0.1秒から数秒の高出力発振が必要とされるが、これまで1.5MWレベルでは0.1秒以下の発振しか達成されていなかった。日本原子力研究開発機構では、最新のJT-60Uジャイロトロンを用いて、1.5MWレベルの出力で1秒以上の発振を目指した発振実験を行った。その結果、1.5MW/1秒の発振が、パラメータの精細な調整により得られた。本論文では、1.5MW/1秒発振実験の初期的な実験データと今後のジャイロトロン改造の計画について記述する。

36000843
Solid polymer electrolyte water electrolysis systems for hydrogen production based on our newly developed membranes, 1; Analysis of voltage-current characteristics
澤田 真一; 八巻 徹也; 前野 武史*; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
Progress in Nuclear Energy 50(2-6), p.443-448(2008) ; (JAEA-J 04165)
 架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)電解質膜を用いて固体高分子型水電解を行った。イオン交換容量3.6meq/gの架橋PTFE電解質膜を組み込んだセルを温度50∼80℃,相対湿度95%の環境下におき、これに1.4∼2.5Vの一定電圧を加えることで水電解を行った。電圧とともに電解電流は上昇し、また高温ほど大きな電流が得られた。電流密度の最大値は、温度80℃,電圧2.5Vのときの50mA/cm2であった。電圧-電流特性を解析することにより、水電解性能は膜-電極の界面抵抗に大きく左右されることがわかった。

36000844
Development of safeguards and maintenance technology in Tokai Reprocessing Plant
山村 修; 山本 隆一; 野村 茂雄; 藤井 靖彦*
Progress in Nuclear Energy 50(2-6), p.666-673(2008) ; (JAEA-J 04166)
 東海再処理工場は、1977年9月ホット試験開始から2006年10月末まで1123トンの使用済燃料を処理してきた。この30年間の運転を通し、IAEAの保障措置の適用にあたっても、東海再処理工場は非核兵器国における保障措置概要の実施,国際的な信頼性の向上に大いに貢献した。また、この間の運転を通し、多くの技術的困難を克服し、保守技術の確立を果たし、安定で信頼性のある運転を確保してきた。本報では東海再処理工場の開発してきた保障措置及び保守技術が六ヶ所再処理施設に反映され、かつこれまでの知見が次世代再処理技術の構築に貢献し得る点を述べる。

36000845
Measurement of iodine-129 in seawater samples collected from the Japan Sea area using accelerator mass spectrometry; Contribution of nuclear fuel reprocessing plants
鈴木 崇史; 甲 昭二; 天野 光; 外川 織彦
Quaternary Geochronology 3(3), p.268-275(2008) ; (JAEA-J 04167)
 原子力施設周辺のモニタリングのみならず、海水循環のトレーサーとしての可能性が期待されているので、加速器質量分析装置を用いて海水中の129I測定手法を開発した。海水試料は青森県関根浜沖から採取し、ヨウ素抽出は溶媒抽出法により行った。この抽出法による汚染の影響を評価するため、ブランクテストを行った。ブランクテストから得られたヨウ素同位体比はキャリアー中のヨウ素同位体比と誤差範囲内で一致したことから、汚染の影響はなく適切な前処理方法であることがわかった。海水中のヨウ素同位体比は129I/127I=(9.5±0.4)×10-11であった。この濃度は核実験で放出された129I/137Csから期待される核実験起源の129Iと天然起源の129Iから期待される以上の129I濃度であった。この過剰の129Iは核実験量を見積もる際に使用した137Csと129Iの移行挙動が完全に同じでないためか、もしくは欧州の再処理工場から放出された129Iが当該海域に到達している可能性がある。

36000846
Effects of some physical conditions on leaching rate of radon from radioactive minerals originating from some hot springs
迫田 晃弘*; 花元 克巳*; 石森 有; 永松 知洋*; 山岡 聖典*
Radiation Measurements 43(1), p.106-110(2008) ; (JAEA-J 04168)
 鉱物から水へより多くのラドンを溶出させるための最適な物理条件を決定するために、幾つかの異なる粒径と水温条件下で放射性鉱物からのラドン溶出率を測定した。ラドンの溶出率に、粒径は顕著な影響を与えなかったが、水温は影響を与えた。さらに、より多くのラドンを溶出させる手法として、鉱物と水を混合物に超音波を曝露することを提案した。超音波のキャビテーションにより、水浸した鉱物からより多くのラドンを溶出させるためには、超音波の曝露が効果的である。

36000847
Formation of composite films of ion-track membranes embedded with oblique Cu nanowires for anisotropic infrared absorption
越川 博; 前川 康成; 臼井 博明*
Radiation Physics and Chemistry 77(4), p.453-455(2008) ; (JAEA-J 04169)
 イオン穿孔と電気メッキの組合せにより、膜面に傾斜した銅細線を含む高分子複合膜を形成し、その赤外偏光特性を評価した。ポリエチレンテレフタレート(PET)膜に45°の角度で450MeV, 3×105ion/cm2129Xe23+イオンを照射し、水酸化ナトリウム水溶液によるエッチングで孔径1μmの穿孔を作製した。この微細孔中に硫酸銅水溶液を用いた電気メッキ法により銅細線を析出させ、膜面に対して傾斜した銅細線-PET複合膜を作製した。得られた複合膜の赤外吸収特性は面内で異方性を示し、イオン照射方向と直交方向に透過軸を持つことが見いだされた。

36000848
RCA/IAEA third external dosimetry intercomparisons in east asia region
山本 英明; 吉澤 道夫; 村上 博幸; 百瀬 琢磨*; 辻村 憲雄*; 金井 克太*; Cruz-Suarez, R.*
Radiation Protection Dosimetry 125(1-4), p.88-92(2007) ; (JAEA-J 04171)
 国際原子力機関(IAEA)の地域協力協定(RCA)に基づき、東アジアの16か国から25の個人線量評価機関が参加して第3期外部被ばく線量計測相互比較が実施された。旧原研及び旧サイクル機構で放射線の基準照射を行った個人線量計を各参加国で計測し、得られた外部被ばく線量評価値を持ち寄り相互比較した。その結果、すべての参加国の評価値は放射線防護の実務上必要とされる充分な正確さを有していることがわかった。これにより参加各国における外部被ばく線量評価技術の妥当性が確認できた。

36000849
Calculations of anisotropy factors for radionuclide neutron sources due to scattering from source encapsulation and support structures
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 百瀬 琢麿
Radiation Protection Dosimetry 126(1-4), p.168-173(2007) ; (JAEA-J 04172)
 Cf-252及びAm-241/Be中性子線源について、線源周囲の構造物による中性子フルエンス分布の非等方性をモンテカルロ計算によって評価した。

36000850
Calculation of energy distributions of charged particles produced by neutrons from 0.14 to 65 MeV in tissue substitutes
津田 修一; 中根 佳弘; 山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry 126(1-4), p.174-177(2007) ; (JAEA-J 04173)
 高エネルギー中性子に対する線量評価においては、中性子と人体構成元素との核反応から生じ、エネルギー付与を行う二次荷電粒子のエネルギースペクトル情報が重要である。これらの荷電粒子スペクトルの詳細解析を行うために、20MeV以下の中性子に対する核データと荷電粒子発生モデルを組み込んだモンテカルロ重イオン輸送計算コードPHITSが開発された。そこでPHITSによる計算値の信頼性を評価するために、0.14MeVから65MeVまでの単色及び準単色中性子照射によって得られる、人体組織代替材料内の荷電粒子スペクトル,カーマ及び吸収線量の測定データについて、計算結果との比較を行った。その結果、計算による解析結果は測定データをよく再現することを明らかにした。これより、PHITSは実験を行ったエネルギー範囲において、人体内でのエネルギー付与過程の詳細解析に応用できると考えられる。

36000851
Extension of applicable neutron energy of DARWIN upto 1 GeV
佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 遠藤 章; 松藤 成弘*; 高田 真志*
Radiation Protection Dosimetry 126(1-4), p.555-558(2007) ; (JAEA-J 04174)
 広帯域エネルギー対応マルチ放射線モニタDARWINは、液体シンチレータからの光出力分布に、線量換算するG関数を適用し、線量を導出する。本研究では、DARWINの中性子に対する測定エネルギー上限値を、これまでの100MeVから1GeVまでに拡張した。G関数の評価に必要となる液体シンチレータの応答関数の計算は、既に開発したSCINFUL-QMDを用いて計算した。この計算において、中性子との核反応により液体シンチレータ内で発生する荷電粒子に対する発光データを、HIMACにおいて測定した実験データに基づき更新し計算精度を向上させた。得られた応答関数を用いてG関数を評価し、これをDARWINに組み込み、1GeV中性子までの線量測定を可能にした。

36000852
Numerical system utilizing a Monte Carlo calculation method for accurate dose assessment in radiation accidents
高橋 史明; 遠藤 章
Radiation Protection Dosimetry 126(1-4), p.595-599(2007) ; (JAEA-J 04175)
 モンテカルロ計算法は、放射線事故の状況に近いモデルを構築できるという利点があるため、事故被ばく者の体内の詳細な線量解析に有効な手法となる。そこで、被ばく者に対する効果的な医療措置に必要となる詳細な線量分布を解析するため、MCNPコードを利用したシステムを開発している。人体の線量解析では、モデルの作成に複雑な手順及び時間を要する。そこで、計算に用いるモデルを記述する入力ファイルを簡便に作成するための二つのツールを開発した。これらのツールは、汎用のパーソナルコンピュータで動作し、入力ファイル作成に必要な情報を対話形式で入力する。一つ目のツールは、放射線源モデルを容易に構築する機能を有する。二つ目のツールは、四肢が可動する人体モデルを使用して被ばく者にかかわる入力ファイルを作成する。このモデルは、任意の性別,体格,姿勢及び位置について定義することが可能である。開発したツールにより与えられた入力ファイルを使用して、過去あるいは仮想した事故条件について線量解析を実行した。開発したツールは、事故時の線量評価用の計算モデルの作成の効率を大幅に改善させた。

36000853
Development and operation of a Cs-free J-PARC H- ion source
小栗 英知; 上野 彰; 滑川 裕矢; 大越 清紀; 近藤 恭弘; 池上 清*
Review of Scientific Instruments 79(2), p.02A506_1-02A506_4(2008) ; (JAEA-J 04176)
 J-PARCで使用するセシウム未添加型LaB6フィラメント点火方式の負水素イオン源の開発を行った。本イオン源は、2006年11月20日より開始されたJ-PARC用リニアックのビームコミッショニング用として稼動している。ビームコミッショニングは2007年6月末までに1回あたり2週間のランを9回実施する予定である。本イオン源は、コミッショニング中、おもにビーム電流5mA、デューティーは0.8%(パルス幅0.32msec,繰り返し率25Hz)で運転されている。ビームコミッショニングの合間にはフィラメント挿入位置などの最適化実験も実施しており、現状、最大ビーム電流39mA,デューティー0.8%のビーム引き出しに成功している。

36000854
石灰石微粉末を用いた低放射化コンクリートの14MeV中性子照射実験
前川 利雄*; 吉松 賢二*; 佐藤 聡
電力土木 (334), p.86-89(2008) ; (JAEA-J 04177)
 原子力機構と熊谷組とで共同研究を行っている低放射化コンクリートの開発について報告する。骨材に石灰石を用い、セメントの一部を石灰石微粉末に置換した低放射化コンクリートを試作した。原子力機構FNSを用いて、試作した試験片に対して、14MeV中性子照射実験を行い、放射化特性を評価した。その結果、普通コンクリートに比べて24Naの誘導放射能が約1/7に低減することを実験的に確認した。また施設の解体(デコミッショニング)時に問題となる長寿命核種の22Na(半減期2.6年)については、普通コンクリートでは、照射後10日において約20Bq/g検出したが、低放射化コンクリートでは検出しなかった。一方、低放射化コンクリートでは石灰石骨材を使用したことによりカルシウム含有量が約4倍になったため、これに起因して生成される47Ca(半減期4.54日),42K(半減期12.4時間),43K(半減期22.4時間)については増加した。

36000855
NaV2O5の逐次電荷不均化による悪魔の花; 悪魔の花を咲かせるIsingスピンの詳細と競合する相互作用の理解
大和田 謙二; 藤井 保彦; 村岡 次郎*; 中尾 裕則*; 村上 洋一*; 野田 幸男*; 大隅 寛幸*; 池田 直*; 菖蒲 敬久; 礒部 正彦*; 上田 寛*
放射光 21(2), p.87-96(2008) ; (JAEA-J 04179)
 常圧下で電荷不均化を示すNaV2O5の温度圧力相図上で「悪魔の花」が観測された。われわれは、X線構造解析的手法と電荷配列に敏感な共鳴X線回折法の相補利用により、低圧側と高圧側に現われる二つの基底状態の構造の関係を電荷配列も含めて明らかにした。その結果、二つの等価な電荷配列パターンがNaV2O5におけるIsingスピンに対応し、それに付随する原子変位はIsingスピンに線型に結合したものであることがわかった。このことからNaV2O5において、逐次電荷不均化による悪魔の花が実現されていると結論した。またわれわれは、競合する相互作用の起源がIsing spin-phonon結合によるものであると推測した。

36000856
規格の体系化及びシステム化
樋口 雅久
保全学 6(2), p.73-76(2007) ; (JAEA-J 04180)
 規格にはいろいろな目的がある。国家の技術レベルを向上するため、規制図書に呼び込まれて、規制の一部となるもの、企業のマニュアルに取り込まれて製品品質を向上させるもの、場合により国際商取引の場で戦略物質になるなど、適用に応じてその目的も異なっている。この中で特に重要な役割に、国民の安全と福祉の向上がある。規格はこのように非常に重要なものであるにもかかわらず、国,産業ひいては国民の規格に対する認識は低く、このままでは、資源が有効に利用できなくなり国の競争力低下、ひいては国民の安全及び福祉の向上をもたらさないものになってしまう。約30年の規格活動を通して得られた知識をもとに規格のあるべき姿を述べる。

36000857
大深度立坑の時間依存性挙動及び破壊挙動の有限要素解析
羽柴 公博; 佐藤 稔紀
Journal of MMIJ 124(3), p.205-212(2008) ; (JAEA-J 04181)
 本研究では、岩石の非線形粘弾性や破壊を表現できる構成方程式を用いて数値シミュレーションを行い、大深度立坑の時間依存性挙動や破壊挙動について検討した。その結果、時間依存性の程度が大きく破壊が延性的な岩盤では、半径方向変位がかなり大きくなっても、急激な破壊は生じにくいことがわかった。時間依存性の程度がより小さく、破壊がより脆性的な岩盤の場合は、坑壁近傍の岩盤が耐荷能力を失って急激な破壊が生じる可能性があることを指摘した。さらに、破壊モードを立坑最深部付近での破壊と立坑一般部での破壊に分け、破壊モードに及ぼす岩盤物性値や応力条件の影響を明らかにした。また、一般的な応力条件下では、破壊直前まで鉛直方向変位は半径方向変位に比べてかなり小さいことがわかった。しかし、鉛直方向応力が破壊挙動に及ぼす影響は比較的大きく、特に破壊が延性的な岩盤では、鉛直方向応力を考慮するかしないかで破壊までの時間が大きく変化することを示した。

36000858
原子力発電所の火災事例
渡邉 憲夫
火災 58(2), p.11-16(2008) ; (JAEA-J 04182)
 原子力施設に対しては、火災の発生防止,検知及び消火並びに影響の軽減という3つの方策を適切に組合せて、火災により原子力施設の安全性を損なうことがないよう設計することが求められている。本稿では、米国原子力規制委員会(NRC)による火災事例の分析結果と、海外の原子力発電所における幾つかのケーブル火災とタービン火災についてその概要を紹介した。NRCの分析結果から、火災事例の多くがタービン建屋で起こっていることが示され、また、過去の事例から、タービン建屋での火災では発電機に使用される水素が漏れ出しそれに引火して爆発が起こったり、タービンミサイルや火災によって設備が損傷し消火水と相まって溢水を引き起こすなど事象が複雑化するという特徴がある。一方、ケーブル火災については、電気機器への影響を懸念して水による消火を迅速に行うことができず、延焼により多数の区画に火災が広がるという特徴がある。以前は大きな被害をもたらした事例があるものの、その後、ケーブルの物理的分離や不燃性/難燃性材料の使用など火災の発生防止と拡大防止の対策が取られ、発生件数は著しく減少し、大きな被害を受けることもなくなってきている。

36000859
放射性廃棄物地層処分のセーフティケース
梅木 博之
金属 77(10), p.1135-1140(2007) ; (JAEA-J 04184)
 高レベル放射性廃棄物など半減期の極めて長い放射性核種を多く含む放射性廃棄物は、例えば数万年以上といった超長期間に渡って人間に危害を及ぼす可能性を持つ危険源となりうる。地層処分は、深部の地層が有する特性を利用して、こうした長寿命の放射性廃棄物を人間とその環境から安全に隔離するための方法である。本論文では、地層処分システムのセーフティケースについて、その役割や概念的特徴について概要を説明した後、これを信頼性の高いものとしていくための材料科学的チャレンジについて紹介する。

36000860
ラドン吸入試作装置によるマウス諸臓器中の抗酸化機能の亢進に関する研究
中川 慎也*; 片岡 隆浩*; 迫田 晃弘*; 石森 有; 花元 克巳*; 山岡 聖典*
Radioisotopes 57(4), p.241-251(2008) ; (JAEA-J 04186)
 ラドン療法の適応症には活性酸素に由来する生活習慣病が多く、その機構のさらなる解明が期待されている。開発したラドン吸入試作装置を用いてマウス諸臓器中の抗酸化機能の変化特性を検討した。400Bq/m3あるいは4000Bq/m3のラドンを吸入させた。その結果、脳,肺,肝臓,腎臓において、抗酸化系酵素であるSODとカタラーゼの両活性が増加し、過酸化脂質が減少した。この抗酸化機能の亢進によって、活性酸素障害の抑制、つまり生活習慣病の予防や症状緩和に効果がある可能性が示唆された。

36000861
階層的遠隔実験及びシミュレーション環境
小関 隆久
シミュレーション 27(1), p.27-34(2008) ; (JAEA-J 04187)
 階層的構造を持つ多様な遠隔コミュニケーション環境の構築及び、データベースや計算機資源の有機的共有による複数の研究機関での研究環境の統合に向けて、大型核融合実験装置JT-60Uによる高度なセキュリティを持った遠隔実験システムを開発し、国際研究協力に基づいて、システムの実証を行った。また、臨場感を持った共同研究に向けて、実験で得られたプラズマを数値的に3次元立体可視化し、遠隔で共有するシステムを開発し、大規模シミュレーションを支援する遠隔共同研究システムを開発した。

36000862
Spectroscopic measurement system for ITER divertor plasma; Impurity influx monitor (divertor)
杉江 達夫; 小川 宏明; 河西 敏*; 草間 義紀
AIP Conference Proceedings 988 , p.218-221(2008) ; (JAEA-J 04188)
 ダイバータ不純物モニターは、200nmから1000nmの波長領域の分光計測により、ダイバータ部での不純物粒子の同定と粒子流入束の測定を行うことを主な目的としており、現在、その詳細設計を進めている。プラズマに近接して設置されるプラズマ対向ミラーは、高エネルギー粒子によるスパッタリング,不純物粒子の堆積などにより、その反射率が低下することが予想されている。本モニターでは、プラズマ対向ミラーの材料として放射線照射及び粒子のスパッタリングに強いモリブデンを選択した。また、ミラー表面を照射する粒子の数を減少させる目的で、小口径の開口部からプラズマを観測する光学系を用いるか、ミラーの前面にバッフル板を設置する設計としている。しかし、ミラーの反射率低下を完全に防止することはできない。そのため、測定系全体の感度変化を運転期間中に遠隔操作で定量的に測定する必要がある。運転期間中に感度較正用光源をダイバータ部に設置することは極めて困難であるため、較正用の光を外部から入射し、測定用光学系前面に設置したマイクロ・レトロレフレクター(逆進鏡)アレイからの反射光を測定して感度の変化を測定する方法を開発している。

36000863
Experience of EDZ studies in Japan and views for the Mizunami URL
杉原 弘造; 松井 裕哉
EDZ Workshop Proceedings (CD-ROM) , 6p.(2008) ; (JAEA-J 04189)
 日本原子力研究開発機構の掘削影響研究は、結晶質岩では、1988年から1997年にかけて、釜石鉱山で行われた。現在、超深地層研究所計画が行われている。超深地層研究所の二本の立坑は200mまで到達しており、深度数百mの水平坑道において掘削影響研究を計画している。これらの概要を発表する。

36000864
Hyperon-quark mixed phase in dense matter
丸山 敏毅; 千葉 敏; Schulze, H.-J.*; 巽 敏隆*
Exotic States of Nuclear Matter , p.290-297(2008) ; (JAEA-J 04190)
 原子核密度の約2∼3倍でハイペロンが現れると状態方程式が軟化し、その結果重い中性子星が存在できなくなるが、これは中性子星の最大質量が太陽質量の約1.5倍以上という観測事実に矛盾する。これに対して、ある密度でクォーク非閉じ込め相転移が起こると、クォークの固い状態方程式によって重い中性子星が可能になるという主張がされた。しかし非一様構造を考慮しない単純な計算では、ハイペロン物質とクォーク物質の混合相が現れると、状態方程式が再び軟化してしまう。そこで、Brueckner-Hartree-Fock理論に基づく現実的な相互作用模型と、混合相の非一様構造を計算する手法により、ハイペロン物質とクォーク物質の混合相の状態方程式を求めた。その結果、混合相の状態方程式はクーロン遮蔽効果によってあまり軟化しないことがわかった。この状態方程式を用いて中性子星の最大質量を計算したところ、非一様構造を考慮しない単純な計算に比べ、観測されている値により近い値を得ることができた。

36000865
Research and development of oxide dispersion strengthened ferritic steels for sodium cooled fast breeder reactor fuels
井上 賢紀; 皆藤 威二; 大塚 智史
Materials Issues for Generation IV Systems , p.311-325(2008) ; (JAEA-J 04191)
 酸化物分散強化型フェライト鋼は、実用化段階のナトリウム冷却高速炉用燃料被覆管の最も有望な候補材料である。その研究開発状況について、合金設計,製造プロセス,組織制御,機械的性質,照射試験,今後の展開をレビューする。

36000866
Advanced neutron guide geometry for the near-backscattering spectrometer at J-PARC
高橋 伸明; 柴田 薫; 佐藤 卓*; 中島 健次; 梶本 亮一; 及川 健一; 新井 正敏; Schanzer, C.*
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (ICANS-18) (CD-ROM) , p.373-381(2007) ; (JAEA-J 04192)
 原子力機構がJ-PARC物質生命科学研究施設に設置を計画している中性子散乱実験装置の一つである、飛行時間結晶アナライザー中性子非弾性散乱分光器(DIANA)は、微少生物試料のダイナミクスを研究対象としているため、低エネルギー領域(数十meV以下)で大強度の中性子ビームが求められる。近年、中性子源から試料へ中性子を導くための中性子輸送導管(中性子ガイド管)の研究が盛んに進められており、断面形状を楕円化することにより大強度化できることが報告されている。われわれは、DIANA分光器にとって最適な中性子ガイド管の仕様を決定するため、数十meV以下の低エネルギーの中性子を最も効率的に試料に導く形状を決定した。これまで検討されてきた直線形状の約1.5倍のゲインが期待されることが明らかとなった。

36000867
Improvement of Emergency Information Clearinghouse (ECHO) for nuclear emergency management
渡辺 文隆
Proceedings of 2nd International Joint Topical Meeting on Emergency Preparedness and Response and Robotics and Remote Systems (CD-ROM) , p.9-14(2008) ; (JAEA-J 04193)
 1999年に起こった東海村核燃料加工施設臨界事故では、事故情報を関係機関が共有するための有効なツールがなく、社会的な混乱や不安を招く結果となった。これらの教訓から日本原子力研究開発機構では、2002年に緊急時情報共有システム(ECHO)を開発した。ECHOは現在、原子力防災ネットワークにおいて運用されている。ECHOは、全国22か所のオフサイトセンター、中央官庁の緊急時対策センター、日本原子力研究開発機構の原子力緊急時支援・研修センターを結んでいる。これまで行われてきた原子力防災訓練において指摘された事項について機能改良を行った。これにより離れた拠点の情報共有を迅速にかつ作業負担なく効果的に取り扱う情報ツールに改善されている。

36000868
Comparison of beam trip frequencies between estimation from current experimental data of accelerators and requirement from ADS transient analyses
武井 早憲; 辻本 和文; 大内 伸夫; 大井川 宏之; 水本 元治*; 古川 和朗*; 小川 雄二郎*; 矢野 喜治*
Proceedings of 5th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators (HPPA-5) , p.181-194(2008) ; (JAEA-J 04194)
 現存する高出力陽子加速器では経験上頻繁にビームトリップが起こるため、加速器駆動核変換システム(ADS)を構成する機器に対して熱疲労損傷を生じる可能性がある。このビームトリップが未臨界炉の各要素に与える影響を調べるため熱過渡解析を実施した。その結果、許容ビーム停止頻度はビームトリップ時間に依存して年間50∼25,000回の範囲となった。次に、ADS用高出力加速器のビームトリップを減少させる方法を探るため、許容ビーム停止頻度と現状の加速器運転データから求められるビーム停止頻度を比較した。その結果、ある条件の下ではビームトリップ時間が10秒以下の停止頻度は許容ビーム停止頻度を満足していることがわかった。一方、10秒を超えるビームトリップについては、熱応力条件を満足するには停止頻度を約30分の1に減少させる必要があることがわかった。

36000869
Research and development programme on ADS in JAEA
大井川 宏之; 西原 健司; 佐々 敏信; 辻本 和文; 菅原 隆徳; 岩永 宏平; 菊地 賢司; 倉田 有司; 武井 早憲; 斎藤 滋; 濱口 大; 大林 寛生; 田澤 勇次郎*; 手塚 正雄; 大内 伸夫
Proceedings of 5th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators (HPPA-5) , p.387-399(2008) ; (JAEA-J 04195)
 原子力機構は長寿命放射性核種の核変換処理を目指した加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を進めている。原子力機構が提案するADSは、30MWの超伝導陽子加速器で熱出力800MWの鉛ビスマス冷却タンク型未臨界炉を駆動するものである。将来のADSの設計研究としては、燃料被覆管の最高温度低減とビーム窓の成立性検証を行っている。J-PARCプロジェクトの核変換実験施設計画については、マイナーアクチニド燃料を取り扱うための実験装置を含めた設計研究を進めている。ADSの研究開発を促進するためには研究開発ロードマップを国際的に共有することが必要である。核変換実験施設計画は、このような国際協力体制の下、基礎的で多様な実験を行うための基盤施設として重要な役割を担うことができる。

36000870
Development of laser driven proton sources and their applications
大道 博行; 匂坂 明人; 小倉 浩一; 織茂 聡; 西内 満美子; 森 道昭; Ma, J.-L.; Pirozhkov, A. S.; 桐山 博光; 金沢 修平; 近藤 修司; 山本 洋一; 下村 拓也*; 田上 学*; 中井 善基; 圷 敦; 長島 章; Bulanov, S. V.; Esirkepov, T. Z.; 木村 豊秋; 田島 俊樹; 根本 孝七*; 大石 祐嗣*; 名雪 琢弥*; 藤井 隆*; 野田 章*; 岩下 芳久*; 白井 敏之*; 中村 衆*; Choi, I. W.*; Yu, T. J.*; Sung, J. H.*; Kim, H. T.*; Jeong, T. M.*; Hong, K.-H.*; Noh, Y.-C.*; Ko, D.-K.*; Lee, J.*
Proceedings of 7th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO-PR 2007) (CD-ROM) , p.77-79(2007) ; (JAEA-J 04196)
 10の17W/cm2以上に集中させた高強度レーザーを用いて、陽子加速器を開発している。プラズマパラメータと陽子エネルギー範囲を、レーザー照射ごとにリアルタイム検出器を用いてモニターした。実用可能なMeV級の陽子エネルギーを安定して得ることに成功した。

36000871
Application of risk information for safety maintenance in fuel material handling process
清野 赳*; 山手 一記*; 玉置 等史
Proceedings of IAEA Topical Meeting on Advanced Safety Assessment Methods for Nuclear Reactors (CD-ROM) , 5p.(2007) ; (JAEA-J 04197)
 リスク評価により得られるリスク情報は、安全に関する意志決定に有益な情報となる。原子炉施設においては、規制,運転管理及び保守を合理的に実施するために、リスク情報を活用する検討を進めている。本報告では、原子炉施設よりリスクが小さいとされる核燃料取扱施設を対象に、リスク情報を施設の保守・管理へ実践的に適用する際の基本的な考え方を示した。ここでは、通常運転に復帰不可能な異常状態に至らないよう運転を維持するために必要な事故進展防止策を重要とする指標を提案した。この指標を用いて事故進展防止策をグレード付けし、着目する防止策を限定することで、効率的な保守管理が可能であることを示した。

36000872
Code development for core disruptive accidents in sodium-cooled fast reactors
越塚 誠一*; Liu, J.*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; Zhang, S.*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 内藤 正則*; 白川 典幸*; 細田 誠吾*; 上原 靖*; 山本 雄一*; 氷見 正司*; 小境 博*; 平野 悦丈*; 清水 泉介*; 大上 雅哉*
Proceedings of IAEA Topical Meeting on Advanced Safety Assessment Methods for Nuclear Reactors (CD-ROM) , 9p.(2007) ; (JAEA-J 04198)
 ナトリウム冷却高速炉における炉心損傷事故(CDA)のさまざまな複合現象に対して、COMPASSと名付けられたコンピューターコードを開発している。圧縮性と非圧縮性流れのための統一アルゴリズム,固体デブリを有する流動、及び自由界面に対するアルゴリズムの改善について、理論的研究も実施している。コード検証の流れは、SIMMER-IIIコードの検証の経験を活用して構築された。COMPASSはCDAにおける個別現象に対して用いられるが、全炉心を対象とするときはSIMMER-IIIにより解析される。COMPASSは大型高速炉のCDAにおける再臨界を回避するためのダクト破損と燃料流出過程を詳細に明らかにすることが期待される。

36000873
Current status of chemical sputtering of graphite and related materials
松浪 紀明*; 仲野 友英
Proceedings of International Symposium on EcoTopia Science 2007 (ISETS '07) (CD-ROM) , p.321-322(2007) ; (JAEA-J 04199)
 Graphite and graphite-based materials are candidates for plasma-facing components in fusion devices, because of low atomic number (low erosion rate), high performance in mechanical property and thermal conductivity. A drawback of graphite is that the erosion (or sputtering) yield goes up to ∼0.1 C/H, in comparing with the maximum physical sputtering yield of ∼0.01, when graphite at elevated temperature of several hundred K is bombarded with energetic hydrogen or deuterium ions. This is known as chemical sputtering and originates from formation of hydro-carbons and easy release of them from the graphite. The current status of the chemical sputtering of graphite will be presented.

36000874
Charge collection efficiency of 6H-SiC diodes damaged by electron irradiation
岩本 直也; 大島 武; 小野田 忍; 菱木 繁臣*; 村上 允; 中野 逸夫*; 河野 勝泰*
Proceedings of the 26th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University , p.27-30(2007) ; (JAEA-J 04200)
 SiCダイオードは、高い耐放射線性を有する粒子検出器として有望視されている。検出器の実用化には、粒子検出特性の放射線による影響を明らかにすることが重要であることから、本研究では、電子線照射により6H-SiC n+pダイオードに放射線損傷を導入し、重粒子の入射に対する電荷収集効率(CCE; Charge Collection Efficiency)を評価した。電子線照射前のCCEの飽和値は93%であり、電子線のフルエンスが1×1015cm-2以下では、変化は見られなかった。一方、フルエンスが1×1015cm-2以上ではCCEの低下が観測された。特に6×1015cm-2ではCCEは高バイアス領域において飽和しなかった。これらピーク値及びCCEの低下は、電子線照射によりダイオード中に再結合中心となる欠陥の密度が増大し、生成された電荷の寿命が収集時間よりも短くなったためと考えられる。電子線照射によってSiCダイオードの電荷収集効率に放射線劣化が見られるものの、依然として入射粒子の検出が可能であることが判明した。

36000875
Decrease in ion beam induced charge of 6H-SiC diodes
小野田 忍; 岩本 直也; 大島 武; 平尾 敏雄; 河野 勝泰*
Proceedings of the 26th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University , p.35-40(2007) ; (JAEA-J 04201)
 高エネルギー物理学における粒子検出器開発の観点から、軽イオン等が半導体素子に入射した時の電荷収集効率(Charge Collection Efficiency; CCE)に関する研究が盛んに行われている。これに対してわれわれは、材料開発で使用する加速器用の粒子検出器、さらには宇宙でのシングルイベント効果の理解にも重要となる重イオンが半導体素子に入射したときのCCEに関する研究を進めてきた。その結果、入射するイオンビームの原子番号が大きくなるに従い、6H-SiCダイオードに誘起される電荷量、すなわちCCEが低下する現象が観測された。本研究では、重イオンにより誘起された電子及び正孔がオージェ過程を経て再結合する可能性を半導体デバイスシミュレータ(Technology Computer Aided Design; TCAD)により検討した。その結果、オージェ係数が3×10-29cm6/sのとき、実験値と計算値がよく一致した。以上のことから、SiCにおいてCCEが低下する原因の一つに、従来のSiでは考慮する必要のなかった高密度キャリアによるオージェ再結合が挙げられることが明らかとなった。

36000876
keV領域軟X線高効率多層膜回折格子の開発とその応用
小池 雅人; 今園 孝志; 川添 忠*; 大津 元一*; 佐野 一雄*
電気学会光・量子デバイス研究会資料OQD-08-34 , p.15-18(2008) ; (JAEA-J 04202)
 放射光や軟X線レーザー等の強力な励起光に加え、局所照射が可能な電子線励起を含め軟X線域での発光現象を利用した計測・研究の必要性が高まっている。このため、数keV領域で使用可能な高効率軟X線発光分光器の開発が必要とされている。発表では著者らが最近開発した軟X線多層膜をコーティングすることで2keV程度までの領域において回折効率を著しく向上させた平面結像多層膜ラミナー型球面ホログラフィック回折格子の設計・製作・評価について述べる。

36000877
放電核融合中性子源の隠蔽核物質探知技術への応用
春山 満夫; 高峰 潤; 高瀬 操; 山口 聡
日本保全学会第1回「検査・評価・保全に関する連携講演会」 , p.122-125(2008) ; (JAEA-J 04207)
 従来のアクティブ中性子法を用いて、セメントのような物質で固化された放射性廃棄物が測定するとき、表面と中心における径方向の感度分布が100倍以上異なるので、定量精度の問題が発生する。この問題を解決するために、マトリクス自身によって減速された中性子が引き起こす核分裂中性子を測定する手法を開発した。この新しい手法を用いることによって、位置感度差が10%程度に改善された。近年、世界中で核分裂性物質の密輸を水際で防ぐための手法が要望され、現在この新しい手法を、その探知に適用するための研究開発を進めている。この研究の中で計算機シミュレーションを行い、その有効性を確認した。

36000878
熱化学法水素製造プロセスのための耐食被覆システムの検討
千葉 智行*; 田中 伸幸; 岩月 仁; 渡邉 豊*
日本機械学会東北支部第43期総会・講演会講演論文集 , p.19-20(2008) ; (JAEA-J 04208)
 熱化学法ISプロセスでは、耐食性の確保が大きな課題である。本研究では、腐食性の強い液相硫酸環境の装置材料課題の克服のために、ソーダ石灰ガラスによる耐食被覆と交流インピーダンス法を用いた欠陥発生検知・位置推定から成り立つ耐食被覆システムを提案し、耐食被覆材の耐熱性評価,ソーダ石灰ガラスの耐食性評価及び欠陥発生検知モニタリング・位置推定試験により評価を実施することで、その成立性を示した。

36000879
Development of ceramic electrolysis method for processing high-level tritiated water
磯部 兼嗣; 鵜澤 将行*; 山西 敏彦; 栗田 晃一*
STI/PUB/1284 (CD-ROM) , 7p.(2007) ; (JAEA-J 04221)
 核融合炉で発生する高濃度トリチウム水からのトリチウムの回収は、インベントリー管理や燃料循環の観点から重要な課題である。ITERでは高分子電解膜を用いた水処理法が採用されるものの、この処理法では放射線劣化のため高濃度トリチウム水の処理には対応できない。このような高濃度トリチウム水処理に適用可能な方法として、放射線劣化のないセラミック固体電解質を用いた水処理法がある。そこで、セラミック固体電解質を用いた水処理法に必要とされる水分解効率の高い電極の開発を行っている。今回、新たには酸化セリウム(セリア)を用いた2種類の電極を作製し、その水分解効率を評価したところ、最大で従来電極の3倍の効率を達成した。

36000880
AMSによるI-129測定のための海藻試料の簡便な前処理法の開発
桑原 潤; 鈴木 崇史; 天野 光
KEK Proceedings 2007-16 , p.184-186(2008) ; (JAEA-J 04225)
 海藻等の生物試料中のヨウ素同位体をモニタリングするために、多数の試料の前処理を効率的かつ安全に実施するため、従来法より低い温度で灰化を行う前処理法を検討した。粉末状に粉砕した乾燥ヒジキを磁製るつぼにはかり取り、マッフル炉中で500℃まで加熱し2から3時間燃焼させた。灰化試料に蒸留水を加え、メンブランフィルタを用いて不溶成分を除去した後、アンモニア水を加え塩化銀沈殿の生成をマスクしつつ、硝酸銀溶液を滴下してヨウ化銀沈殿を生成した。メンブランフィルタにより沈殿を回収後、乾燥させAMS測定用ターゲットピースを作製し、AMSによる測定を行った。本前処理法で調製した試料はすべて、測定に支障を与えることなく極めて高い再現性でヨウ素同位体比を得ることができた。本前処理法は従来法と比べて極めて簡便であり、特にイオン交換や溶媒抽出を行わないものの、測定に支障をきたさない程度の純度でヨウ化銀の沈殿を得ることができたことから、生物試料中ヨウ素同位体比測定のための前処理法として非常に有効である。

36000881
マウスファントムの内部被ばく線量評価
木名瀬 栄
NIRS-M-212 , p.57-62(2008) ; (JAEA-J 04226)
 本報告では、これまでに原子力機構で実施した、マウスの内部被ばく線量評価法研究について述べる。具体的には、マイクロCT画像データを利用して構築されたボクセルマウスについて、電磁カスケードコードを用いたモンテカルロ計算により評価した、光子及び電子の臓器吸収割合(特性の線源組織内で特定の種類の放射線として放出されたエネルギーのうち、特定の標的組織に吸収される割合)、計算結果である光子及び電子の臓器自己吸収割合を用いて算定した、ベータ線放出核種のS値(線源組織に単位累積放射能の線源が存在するときの標的組織の吸収線量)について紹介する。さらに、光子及び電子の臓器自己吸収割合について、マウスとヒト間の外挿法について紹介する。

36000882
「常陽」原子炉出力自動制御方式の検討
寺門 嗣夫; 伊澤 修
UTNL-R-0466 , p.8-1-8-11(2008) ; (JAEA-J 04227)
 「常陽」では、平成16年度から照射機能の拡大,多様化のための方策について検討を進めている。燃料・材料にかかわる温度変動の少ない照射データを蓄積するためには、目標とする照射条件に相当する原子炉出力を維持することが有効である。また、「常陽」での高精度な過渡試験を実施するためには、1次冷却材温度変化率50℃/hを制限値とする出力変化率5MW/10分の範囲内で計画的な出力上昇,下降を正確かつ確実に行うことが重要である。これらを運転員の負担増又は技量によらず可能とするため、手動操作よりも制御棒の操作頻度を増やす自動操作により精密に原子炉出力を制御することを検討した。その結果、「常陽」の原子炉出力自動制御を制御棒全数を対象として、あらかじめ設定された時間間隔で、約2mmの引抜き又は挿入を行った場合、原子炉設置変更許可申請書に記載の範囲で保守的な設定を行っても、出力変化率5MW/10分の範囲内で正確な出力制御が可能であることが確認できた。また、制御棒駆動機構についても、ソフト・ハード両面からこれらの制御に十分に耐えられることを確認した。これにより、「常陽」をより精密な運転とするための原子炉出力自動制御の成立性を確認できた。

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