研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
1998年


26187
Fundamental data on environmental γ-ray fields in the air due to sources in the ground
斎藤公明・P. Jacob*
JAERI-Data/Code 98-001;Feb. 1998, 93p.

 地中に分布した線源によるγ線場の広範な計算結果をまとめたものである.300mまでの12高度の空気カーマをモンテカルロ法を用いて計算した.線源として,単色エネルギーのγ線を放出する地中及び地表面線源,ならびに地中に一様分布する天然核種を考えた.平面線源では,10keV〜5MeVの範囲の18種類の単色エネルギー及び0〜200g/cm2の範囲の22種類の線源深度を想定した.天然核種にたいしては,最近の核データにコンパイルされているすべての放出光子を考慮した計算を行った.これらの計算から得た空気カーマ,光子フルエンス,二次微分γ線場の効果を図表で示した.


26188
高燃焼度PWR燃料の照射後試験データ;燃料棒:B15(燃料集合体:NO1G13)
土内義浩*・石島清見・山原武
JAERI-Data/Code 98-002;Feb. 1998, 24p.

 本報告書は,NSRRでのパルス照射実験の供試燃料棒として,関西電力株式会社より日本原子力研究所に譲渡された照射済燃料棒B15(燃料集合体:NO1G13)に関するもので,大飯1号機における照射試験の後に実施された燃料検査の結果についてとりまとめたものである.当該燃料棒は,軽水炉燃料挙動に対する高燃料度化の影響を評価するため,関西電力株式会社をはじめとするPWR5電力と原子燃料工業株式会社の共同研究として大飯1号機48MWd/kgU先行照射試験において照射された.電力共同研究の一環として,照射試験に引き続き,B15燃料棒に対しては,非破壊試験((1)燃料棒外観検査,(2)燃料棒寸法測定,(3)渦電流探傷試験,(4)酸化膜厚さ測定試験)及び破壊検査((5)パンクチャーテスト)が実施された.高燃焼度燃料の燃料挙動は設計において認められている範囲内であった.


26189
陸域生態圏における被曝線量評価のための汎用動的コンパートメントモデル解析コード:GACOMユーザーズマニュアル
高橋知之
JAERI-Data/Code 98-003;Feb. 1998, 74p.

 陸域生態圏における核種移行及び被曝線量を評価するための,汎用動的コンパートメントモデル解析コードGACOMを開発した.本コードは,動的コンパートメントモデルに関する連立常微分方程式を,フェールベルグ公式と呼ばれる6段5次のルンゲ=クッタ公式を用いて解析する.陸域生態圏における解析対象は極めて多岐にわたるため,コンパートメントの数や核種移行経路等の設定をコード使用者が行う等,本コードは広範な解析対象系に対応するための機能を備えている.本報告書は,GACOMコードの構成及び使用法について記述したものである.


26286
断面積セット作成プログラムMAIL3. 1
須山賢也・小室雄一・高田友幸*・川崎弘光*・大内圭介*
JAERI-Data/Code 98-004;Feb. 1998, 172p.

 本書はSIMCRI,ANISN-JR,KENO IV,KENO V,MULTI-KENO,MULTI-KENO-2そしてMULTI-KENO-3.0のような,輸送計算プログラム用の断面積セットを作成するプログラムMAIL3.1の使用手引書である.MAIL3.1は,1990年に公開されたMAIL3.0の改良版である.MAIL3.1は,MAIL3.0の機能をすべて継承し,以下に示す2つの新しい機能を持つ.1.AMPX形式の断面積セットの作成,2.Hansen-Roach断面積セットの核種識別子の印字.


26190
An Upgraded version of the nucleon meson transport code:NMTC/JAERI 97
高田弘・義澤宣明*・小迫和明*・石橋健二*
JAERI-Data/Code 98-005;Feb. 1998, 101p.

 これまでに用いてきた高エネルギー核子・中間子輸送コードNMTC/JAERIについて,物理モデルに新しい計算オプションを追加する改良,核子・原子核断面積の更新,多重配列システムによる結合型幾可形状記述方式及びインポータンスサンプリング手法を新規に導入する改良を加えて,NMTC/JAERI97を完成させた.新しいコードにはタリー機能も導入したため,モンテカルロ計算のヒストリーファイルを計算終了後に改めて編集することなく中性子エネルギースペクトル,発熱量及び核種生成率等の物理量を求めることができる.また,本コードはUNIX上で実行できるようにチューニングされている.本レポートでは,NMTC/JAERI97の機能,物理モデル及び幾可形状記述方式等の計算手法を解説し,コードの使用法についても説明する.


26287
Descriptive data of JENDL-3.2
柴田恵一・成田孟
JAERI-Data/Code 98-006 Part1
JAERI-Data/Code 98-006 Part2
; Feb. 1998, 959p.

 JENDL-3の第2改訂版(JENDL-3.2)が,1994年に公開された.このライブラリーには核分裂炉,核融合炉の設計及び遮蔽計算に必要な340核種の評価済中性子核データが収納されている.本報告書には,核データの評価者及び利用者にとって有益な情報であるJENDL-3.2のFile-1に与えられている評価方法に関する記述を掲載した.


26288
光量子分子動力学コード[QQQF, MONTEV]のベクトル化及び並列化
加藤香*・くぬぎ資彰・小竹進*・芝原正彦*
JAERI-Data/Code 98-007;Mar. 1998, 104p.

 本報告書は,光量子物質相互作用シミュレーション用に開発されている,量子分子動力学コードQQQFのFujitsu VPP上でのベクトル並列化及び,VPPからIntel Paragon XP/Sへの移植及び並列化,ならびに光モンテカルロ-分子動力学ハイブリッドコードMONTEVに対するVPPからParagon XP/Sへの移植及び並列化について記述したものである.


26289
Natural background Gamma-ray spectrum;List of Gamma-rays ordered in energy from natural radionuclides
一宮勉*・成田孟・喜多尾憲助*
JAERI-Data/Code 98-008;Mar. 1998, 73p.

 この表は,基礎的なデータである評価済み核構造データファイルから,自然放射性核種が放出するγ線を選び,ゲルマニウム検出器によるγ線スペクトロメトリを行う利用者向けに編集したものである.この表によってバックグラウンドとなる自然γ線の同定を行うことができるが,それとともに例えば野外での環境放射線サーベイやモニタリングのさい,環境に放出された人工放射性核種からのγ線をバックグラウンドと区別し,その人工放射性核種の検知も容易になる.また宇宙線中性子と検出器の周辺にある物質との相互作用による直接γ線,相互作用の結果生成した放射性核種の放出するγ線のうち,放出の割合の大きいものも表に含めた.なお参考として自然放射線のスペクトル図の例を付録として掲げた.


26290
THERMLIB:A Material property data library for thermal analysis of radioactive material transport casks
幾島毅
JAERI-Data/Code 98-009;Mar. 1998, 136p.

 本報告書は放射性物質輸送容器の通常時及び火災時の温度分布解析に必要な材料の熱特性データ,及びその図形処理プログラムTHERMLIBについてまとめたものである.データライブラリーはローレンスリバモア国立研究所において作成されたものである.原研において,データ処理プログラムと図形表示プログラムを作成した.約1000種類の材料データがライブラリーに含まれている.材料データの種類は比重量,熱伝導率,比熱及び溶融・凝固温度とその潜熱である.本報告書はデータライブラリーの説明,THERMLIBプログラム及び入力データ等のユーザガイドについて記述したものである.


26291
動力試験炉(JPDR)の解体における作業データの分析(受託研究)
白石邦生・助川武則・柳原敏
JAERI-Data/Code 98-010;Mar. 1998, 186p.

 原研においては昭和61年から進められてきたJPDRの解体作業が平成8年3月までに完了した.この解体作業では,解体作業に関係する種々のデータを体系的に収集し,計算機に蓄積して解体データベースを構築するとともにこれらのデータを分析して解体作業の特徴を明らかにした.また,収集整理した作業データの汎用性に関する検討を行うとともに,他の原子力施設の解体作業の計画に適用することを目的にして,データの分析結果を単位作業係数や管理データの予測のための単純な数式として,より一般性のある形にまとめた.作業データの分析結果は将来の商業用原子力発電所の解体計画の作成等に適用できるものである.


26292
Development of a new simulation code for evaluation of criticality transients involving fissile solution boiling
B. Basoglu*・山本俊弘・奥野浩・野村靖
JAERI-Data/Code 98-011;Mar. 1998, 89p.

 核分裂性溶液の臨界時の暴走特性を予測するための新しい計算コードTRACEの開発について報告する.TRACEは簡易な熱水力と一点炉近似とを組み合わせたモデルを採用している.温度,放射線分解ガス効果,沸騰現象は,それぞれ時間依存の熱伝導方程式,Lumped-parameterエネルギーモデル及び簡易沸騰モデルを用いて算定される.これらのモデルの評価を,計算結果とCRAC実験の結果を比較することで行った.両者の一致は十分満足のいくものであった.


26293
FCA XVIII集合体における特性試験及び臨界性解析
安藤真樹・大杉俊隆・辻本和文
JAERI-Data/Code 98-012;Mar. 1998, 35p.

 減速材装荷金属燃料炉心に対する解析精度を評価することを目的として,FCAを用い一連のZrH装荷金属燃料高速炉の模擬実験を行った.実験体系の選定と臨界特性試験の測定結果について述べた.高速炉標準解析手法を用いて実験体系の臨界性について解析を行った.臨界性解析では,実効増倍率の解析精度は,MOX燃料高速炉体系に比べて過小評価する傾向にあることがわかった.


26294
Experimental data on polyethylene shield transmission of quasi-monoenergetic neutrons generated by 43- and 68-MeV protons via 7Li(p, n)reaction
中尾徳晶*・中島宏・中尾誠*・坂本幸夫・中根佳弘・田中進・田中俊一・中村尚司*
JAERI-Data/Code 98-013;Mar. 1998, 46p.

 原研高崎研の90MV-AVFサイクロトロンに設置された,ビーム状準単色中性子発生装置において,43及び68MeV陽子の7Li(p,n)反応により生じる中性子を用いて,厚さ183cmまでのポリエチレン遮蔽体を透過する中性子の測定を行った.中性子のエネルギースペクトルを,BC501Aシンチレーション検出器及びボナーボール検出器を用いて,中性子反応率分布を,核分裂計数管及び固体飛跡検出器を用いてそれぞれ測定した.また,中性子レムカウンターを用いて,中性子線量当量を測定した.本報告書は,ベンチマーク計算に供するために,これら実験データを数値によって公開したものである.


26295
並列計算機上での流体解析のための実時間可視化システムの開発
村松一弘・大谷孝之・松本秀樹*・武井利文*・土肥俊*
JAERI-Data/Code 98-014;Mar. 1998, 35p.

 並列計算機サーバ上での流体解析の結果を,ネットワークで接続されたクライアント上で解析と同時に可視化するとともに,解析及び可視化のための種々のパラメータをクライアントのGUI(Graphical User Interface)で制御する実時間可視化システムを開発した.本システムでは,並列計算機上で流体解析から画像データ生成までの過程を並列処理することにより高速化するとともに,サーバからクライアントへの画像データ転送に画像圧縮技術を用いることにより,ネットワークの負荷を軽減している.可視化処理の並列化は,Owner Computational Ruleに基づいている.またクライアント側はOS非依存の実現方式として,Javaアプレットを利用している.これによりWebブラウザさえインストールされていれば実時間可視化が可能になっている.


26296
酸性雨予測計算コードSTEM2の並列化
北端秀行*・土浦宏紀*・植田洋匡*・相川裕史
JAERI-Data/Code 98-015;Mar. 1998, 34p.

 酸性雨影響予測計算コードSTEM2に対し,スカラ並列計算機SP2とベクトル並列計算機VPP30のタイプの違う2機種の計算機を用いて並列化を行った.その結果,スカラマシンのSP2における34並列で13.7倍,ベクトルマシンVPP300の12並列で24.2倍の高速化を実現することができた.STEM2は,有害な一次汚染物質である,NOx,SOxからラジカルな光化学オキシダントにいたるまで,大気中に存在するほとんどすべての大気汚染物質を含んでおり,複雑な化学反応過程をモデルの中に組み込んでいるのが最大の特徴である.本報告書ではこの酸性雨予測計算コードSTEM2に対して行ったベクトル・並列化の方法とそれによる性能向上について報告する.


26297
プログラム並列化支援解析ツールkpx, 2
渡部弘*・折居茂夫*・熊倉利昌*・滝川好夫*
JAERI-Data/Code 98-016;Mar. 1998, 32p.

 kpxは並列処理推進のための共通基盤として開発されたプログラム並列化支援解析ツールである.kpxはプログラムの実行時間及び実行回数を計測するktool,並列化オーバーヘッドを計測するptool,xtool,mtool,vtool及びktool用ポストプロセッサkviewから構成される.現状でParagon,SP2,SR2201,VPP500,VPP300,Monte-4,SX-4,T94において動作が確認されている.


26386
再処理施設の火災・爆発時におけるセル換気系の安全性解析コード:CELVA-1D(受託研究)
西尾軍治*・渡邊浩二*・河野浩二*・山崎昇*・向出恵勇*・吉岡逸夫*
JAERI-Data/Code 98-017;Mar. 1998, 279p.

 この報告書は,再処理施設のセル内で想定される火災・爆発時の放射性物質閉じ込め効果を評価するため開発された計算コード(CELVA-1D)の解析モデルの説明,検証結果,及び使用手引き書から構成されている.この計算コードは,再処理施設内のセル換気系内の温度,圧力,流速の変化を1次元熱流動解析で計算するとともに,放射性物質の移行,沈着,フィルタ捕集等の閉じ込め効果が評価できる.CELVA-1Dの計算値は,セル内の火災・爆発を模擬した実証試験の効果を比較され,よく一致することを確かめた.したがって,CELVA-1Dの数学モデルとプログラムは検証されたとみなしてよい.


26532
CASKET:A Computer code system for thermal and structural analyses of radioactive material transport and/or storage cask
幾島毅
JAERI-Data/Code 98-018;May 1998, 109p.

 放射性物質輸送・貯蔵容器の熱・構造解析コードシステムCASKETについて記述したものである.CASKETは輸送・貯蔵容器の放熱や火災時の熱伝導計算用2次元解析及び落下衝突計算,さらには地震時のロッキング振動計算のための簡易解析コードを集めたものである.CASKETには計算に必要なデータ:伝熱解析用データ,構造解析用データ,フィンエネルギー吸収データが付属している.本コードシステムを構成しているコード及びデータライブラリーはそれぞれ別途JAERI-Data/Codeとして報告されている.


26533
Programs OPTMAN and SHEMMAN version 5, 1998;Coupled channels optical model and collective nuclear structure calculation
E. Sukhovitskii*・Y. Porodzinskii*・岩本修・千葉敏・柴田恵一
JAERI-Data/Code 98-019;May 1998, 48p.

 プログラムOPTMANはベラルーシの放射線物理化学研究所において光学模型計算のツールとして開発され,核データ評価に使用されてきた.このコードは20年以上にわたり改良が加えられ,多くのオプションが追加されてきている.近年ISTCプロジェクトのもと日本の財政支援によってマイナーアクチナイドの核データ評価に使用され成功を収めている.プログラムSHEMMANは集団原子核構造を計算し,原子核ハミルトニアンのパラメータを推定する.得られたパラメータはOPTMANによる光学模型計算に使用される.このレポートはこの2つのコードの使用方法について,報告を行う.


26613
レベル1・2並列ベンチマーク仕様及びそれに基づくスカラ並列計算機SP2のベンチマークテスト
折居茂夫*
JAERI-Data/Code 98-020;Jun. 1998, 45p.

 数値計算を対象にした並列計算機の性能評価のためのベンチマーク仕様を提案する.従来のコード全体の処理時間を用いて性能を評価するベンチマークをレベル1とし,その性能が如何にして実現されるかを評価するレベル2ベンチマークを新たに設けた.この仕様に基づき,スカラ並列計算機SP2の性能を並列化分子動力学コードを用いて評価した.その結果,レベル2ベンチマークにより,並列性能を阻害するおもな原因が通信のバンド巾,立ち上り時間の両方から生じていることがわかった.特にこの立ち上がり時間は,プロセッサ数のみならず,粒子数にも比例して増加することが,明らかになった.


26682
Data collection of fusion neutronics benchmark experiment conducted at FNS/JAERI
前川藤夫・今野力・春日井好己・大山幸夫・池田裕二郎
JAERI-Data/Code 98-021;Aug. 1998, 93p.

 原研・核融合中性子工学研究用中性子源(FNS)施設において,核融合中性子工学ベンチマーク実験を行っている.本レポートは,1996年末までに行われた体系内測定実験のうち未公開のものを収録している.測定対象となったのは,ベリリウム,バナジウム,鉄,銅,タングステンの5物質であり,全エネルギーにわたる中性子スペクトル,ドシメトリ反応率,γ線スペクトル,γ線核発熱率の実験データが取得されている.これらの実験データは既に公開している一連のデータとともに,JENDL等の評価済み核データファイルに収められた断面積データの精度検証に対して有効である.


26775
世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)モデルコード;広域用3次元風速場モデルWSYNOP
山澤弘実・茅野政道・古野朗子
JAERI-Data/Code 98-022;Aug. 1998, 64p.

 WSPEEDIの3次元風速場モデルWSYNOPについて,モデル方程式,コード内容,モデル使用法及び関連情報をまとめた.WSYNOPは質量保存則を満たす風速場を計算する診断型モデルであり,気象庁数値予報データを入力として,地形を考慮した数千kmスケールの3次元風速場を計算する.モデルコードは並列ベクトル化されている.又,モデルコードはUNIX-OSであれば機種間の移行は容易であり,現在,VPP300,VPP500及びワークステーションで稼働している.


26853
国際原子力事象尺度(INES:International Nuclear Event Scale)に基づく事故・故障事例集;和訳版
渡邉憲夫・及川哲邦・平野雅司
JAERI-Data/Code 98-023;Sep. 1998, 488p.

 国際原子力事象尺度(INES)は,原子力発電所等の原子力施設において事故・故障等(原子力事象)が発生した場合に,迅速かつわかりやすい情報を提供し,原子力関係者と,マスコミ及び公衆の間での情報交換に役立てることを目的とした事象報告システムであり,IAEAとOECD/NEAによって運営されている.INESには,加盟各国で発生した事故・故障事例が報告されるが,各事例ごとに,事故の重要度指標として共通した「尺度」を付けることとなっている.この尺度は,安全上重要ではない事象に対するレベル0から,広範囲に及ぶ健康・環境影響を伴う重大な事故に対するレベル7までを包含する.本報告書では,INES情報の幅広い利用に供するよう,これまでに科学技術庁を経由して入手した約430件のINES情報についての和訳情報をまとめた.併せて,INES情報の理解の助けとするため,INESの基本的考え方や適用範囲等について簡単に記述した.


26968
Compilation of benchmark results for fusion related nuclear data
前川藤夫・和田政行*・市原千博*・牧田陽*・高橋亮人*・大山幸夫
JAERI-Data/Code 98-024;Nov. 1998, 174p.

 本レポートは,核融合炉の核設計で使われる評価済み核データの精度検証を目的として行ったベンチマークテストの結果をまとめたものである.一部の成果はシグマ委員会と炉物理委員会の合同で組織された核融合炉ニュートロニクス積分テストワーキンググループの活動として得られた.原研FNS及び大阪大学OKTAVIANの2つのD-T中性子源施設を用いて行われたベンチマーク実験の解析により,3種の評価済み核データファイル(JENDL-3.2,JENDL核融合ファイル,FENDL/E-1.0)及びFENDL/E-2.0に選択された核データの中から,実験値の存在する総計21元素の中性子及び2次γ線データに対するベンチマーク計算結果を実験値と比較した結果が収録されている.


26969
MOSRA-Light;ベクトル計算機のための高速3次元中性子拡散ノード法コード
奥村啓介
JAERI-Data/Code 98-025;Oct. 1998, 243p.

 MOSRA-Lightは,4次の多項式展開ノード法(NEM)に基づく,X-Y-Z体系3次元中性子拡散計算コードである.4次のNEMはメッシュ幅に敏感でないため,20cm程度の粗メッシュを使用しても正確な計算が可能である.未知数の数が劇的に少なくなるため,非常に高速な計算が可能となる.さらに,本コードではベクトル計算機に適した「境界分離チェッカーボードスウィープ法」を新たに開発して採用した.この方法は,問題の規模が大きくなるほど高速化率も増大するため,極めて効率的である.PWR炉心計算の例では,スカラー計算との比較で20倍〜40倍の高速化率が得られた.ベクトル化と粗メッシュ法の両効果を合わせると,従来の有限差分法に基づくスカラーコードに比べて1000倍以上の高速化率となる.


26970
長期野外拡散試験データ;1991年, 秋
林隆・茅野政道・山澤弘実・永井晴康・森内茂*・石川裕彦*・安達隆史*・岡野博*・小島啓美*・小田川文明*
JAERI-Data/Code 98-026;Oct. 1998, 347p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」において得られた観測データである.データの内容は1991年東海村周辺で実施された長期野外拡散試験の秋季分で,トレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データが記載されている.


26971
長期野外拡散試験データ;1992年, 春
林隆・茅野政道・山澤弘実・永井晴康・森内茂*・石川裕彦*・安達隆史*・岡野博*・小島啓美*・小田川文明*
JAERI-Data/Code 98-027;Oct. 1998, 290p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」において得られた観測データである.データの内容は1992年東海村周辺で実施された長期野外拡散試験の春季分で,トレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データが記載されている.


26972
長期野外拡散試験データ;1992年, 夏
林隆・茅野政道・山澤弘実・永井晴康・森内茂*・石川裕彦*・安達隆史*・岡野博*・小島啓美*・小田川文明*
JAERI-Data/Code 98-028;Oct. 1998, 282p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」において得られた観測データである.データの内容は1992年東海村周辺で実施された長期野外拡散試験の夏季分で,トレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データが記載されている.


26973
長期野外拡散試験データ;1992年, 冬
林隆・茅野政道・山澤弘実・永井晴康・森内茂*・石川裕彦*・安達隆史*・岡野博*・小島啓美*・小田川文明*
JAERI-Data/Code 98-029;Oct. 1998, 288p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」において得られた観測データである.データの内容は1992年東海村周辺で実施された長期野外拡散試験の冬季分で,トレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データが記載されている.


26974
Paragon上でのスカラー超並列プログラム開発ガイド
上島豊*・荒川拓也*・佐々木明・横田恒*
JAERI-Data/Code 98-030;Oct. 1998, 69p.

 ここ4,5年前までは,最も高速な計算機といえば,いわゆるスーパーコンピュータと呼ばれるベクトル型計算機であった.この型の計算機は4,5年で計算速度が10倍ずつ高速になってきた.しかし,現在,1CPUの演算速度が限界に達してきている.日本でこれを超える計算機として100並列を越える並列計算機が,実際に行われるようになったのは,つい数年前ほどからである.日本原子力研究所(原研)のIntel製Paragon XP/S 15GP256<那珂研究所(那珂研)>,75MP834<関西研究所(関西研)>は,このような計算機の先駆けとして光量子,核融合の大規模超並列計算を行う目的に導入されている.これらの計算機を使って超並列計算を行うために,多くの超並列計算プログラムが移植や新規作成されている.しかし,超並列計算機に関しては,ユーザ数が極めて少ないため,ノウハウの集積と環境の標準化が大変困難な状況にある.そのため,原研関西研究所におけるParagon XP/S 75MP834上での超並列計算プログラム開発において得た情報をParagon上での超並列プログラム開発の指針としてまとめた.


26854
Potential energies for the two lowest 1A′ electronic states of H3+
市原晃・横山啓一・岩本修
JAERI-Data/Code 98-031;Nov. 1998, 18p.

 基底及び第一電子励起1A′状態におけるH3+のポテンシャルエネルギーを701の異なる空間構造に対して計算し,その結果を表にまとめた.これらのポテンシャルエネルギーは,[8s6p2d1f]ガウス型基底関数を用いた,非経験的分子軌道論に基づく完全な配置間相互作用法により計算された.ポテンシャルの計算値を内挿することにより,二つのポテンシャル面間のavoided crossingや基底状態ポテンシャル面のエネルギー極小値付近の形状を表現することが可能である.ポテンシャルエネルギーは三つの核間距離の関数として0.6から10.0ボーアの範囲内で与えられており,H++H2衝突に関する分子動力学の研究に適している.


27005
ETC-Relコード;トカマクにおける相対論的電子の軌道解析
徳田伸二・樋口高年*
JAERI-Data/Code 98-032;Nov. 1998, 36p.

 トカマクにおける相対論的電子の軌道を追跡するコードETC-Relを開発した.このコードの開発のために,相対論的電子の案内中心運動に対する正準ハミルトン形式を新たに導いた.このとき,案内中心の運動方程式はBoozer座標で記述される.そのため,軌道を実空間(デカルト座標)で可視化するための写像ルーチンも開発した.また,ETC-Relコードを用いてシミュレーションを行い,ディスラプション時の磁場揺動が逃走電子の無衝突損失を引き起こすことを実証した.この予測は,逃走電子発生を回避するプラズマ緊急停止に関して最近行われたJT-60U実験とよく一致する.


26975
再処理施設の爆発安全性解析のための3次元熱流動コード;CELVA-3D(受託研究)
西尾軍治*・山崎昇*・河野浩二*・渡邊浩二*・村崎穣*
JAERI-Data/Code 98-033;Nov. 1998, 235p.

 CELVA-3Dは,再処理施設のセル内で想定される爆発時の熱流動現象と放射性物質の移行挙動を評価するため開発された計算コードである.この計算コードでは,3次元熱流動解析によりセル内の温度,圧力,流速を,熱流動を考慮した物質移流解析によりセル内の放射性物質の閉じ込め効果を計算する.また,CELVA-3Dは爆燃用解析のCELVA-3D(M)と爆轟用解析のCELVA-3D(R)に分かれている.ここで,CELVA-3D(M)の数値解法はSIMPLE法及びSIMPLEST法(半陰解法)が,CELVA-3D(R)はICE法(陽解法)が採用されている.CELVA-3Dの解析モデルは,再処理施設の想定爆発を模擬した安全性実証試験の結果と比較することにより検証された.


26976
異機種並列計算機間通信ライブラリ:Stampi;利用手引書
今村俊幸・小出洋・武宮博*
JAERI-Data/Code 98-034;Nov. 1998, 28p.

 異なる並列計算機を任意に組み合わせ計算を行うために,MPIを通信のための単一のインターフェイスとする異機種並列計算機間通信ライブラリStampiを開発した.StampiはMPI2のインターフェイス仕様に基づき,異なる計算機への動的なプロセス生成とMPIのセマンティクスを保ったまま外部との通信を可能としている.従来,ベンダー提供のライブラリでは提供されていなかった外部へのプロセス生成と通信の両機能を実現し,これにより異機種の並列計算機を用いた計算が可能となった.現在Stampiは計算科学技術推進センター所有の並列計算機群COMPACSの5台の並列計算機とグラフィックサーバの計6機に実装され,それら計算機間での任意の通信を可能としている.


26977
POST:SRAC95を使用した臨界計算のための断面積処理プログラム
須山賢也・高田友幸*
JAERI-Data/Code 98-035;Nov. 1998, 24p.

 “POST”は,臨界計算のための,SRAC95によって作成されたライブラリの処理システムである.作成されたライブラリは,ANISNあるいはAMPX作業形式ライブラリのフォーマットを有している.そのライブラリを使用することで,SRAC95によって作成した実効断面積を用いて,KENO-IVあるいはKENO-Vaによる臨界解析が可能となる.


27006
可視化デバッガ・システム, vdebug;利用手引
松田勝之*・武宮博*・川崎琢治*
JAERI-Data/Code 98-036;Dec. 1998, 49p.

 可視化システムAVSとデバッガを連携させ,プログラムのデバッグ作業中に任意の配列データを可視化できる可視化デバッガvdebugを開発した.これによりプログラムの開発過程で各種のデータをプログラムを再コンパイルすることなく可視化できる.各種のデータが可視化できることで,プログラム中のエラーの発見も効率よく行えるようになる.この可視化デバッガvdebugの使用方法と実例を報告する.


27007
110万kW級BWRプラントを解析対象とした熱水力解析コードTRAC-BF1用入力データの作成
玉越武*・渡邉憲夫・平野雅司
JAERI-Data/Code 98-037;Nov. 1998, 193p.

 商用BWRで実際に起きた事故・故障事例の解析や複数の炉に共通する安全問題の解析等に適用することを目的として,電気出力110万kW級BWRを解析対象とした熱水力解析コードTRAC-BF1用入力データを作成した.本報告書は,作成した入力データの内容を記述するとともに,その適用性と問題点を検討するために実施した計算の結果についてとりまとめたものである.入力データの作成に際しては,国内の複数のBWRの設置許可申請書,米国におけるBWRの最終安全解析書及びその他の公開文献を参照した.したがって,解析対象炉は特定のBWRではなく,いわば仮想的なものである.


27008
GARDEC;A Computer code for estimating dose-rate reduction by garden decontamination
外川織彦
JAERI-Data/Code 98-038;Dec. 1998, 21p.

 チェルノブイル事故後の研究によると,都市環境における長期の外部被曝線量に対して,庭や公園というopen areaに沈着した放射性セシウム同位体が最も大きく寄与していることが明らかになった.計算コードGARDECは,庭の除染による線量率低減を推定するために開発された.このコードは,3通りの除染手段を考慮している.それらは,(1)特別な方法による庭の掘削,(2)汚染土壌の上部層の除去,(3)非汚染土壌による遮蔽である.計算コードの性能を評価するために試計算を実施した.線量率低減に関して,モデル予測と実測値には相違が見られた.これらは,計算と測定における様々な条件の相違に起因していると考えられる.このような相違にもかかわらず,庭の除染は線量率を低減するために大きな効果を持つことが計算でも確認された.


27107
湿潤大気力学モデルの開発
古野朗子・山澤弘実
JAERI-Data/Code 98-039;Dec. 1998, 36p.

 世界版緊急時環境線量情報予測システムWSPEEDIは,大気拡散計算により万一の事故時における広域への影響を迅速に予測するシステムである.WSPEEDIで入力する全球予報データには混合層や雲・降水の情報がほとんど含まれていないため,大気拡散モデルGEARNでは乱流拡散過程及び降雨洗浄過程を単純にパラメタライズしている.そのため本研究では,混合層過程及び湿潤過程を予測できる大気力学モデルPHYSICをWSPEEDIに導入することを目的とする.今回はその第一段階としてPHYSICに対して(1)水蒸気の移流拡散方程式,(2)グリッドスケールで表現できる雲の形成消滅過程,(3)層状雲からの降水過程を導入した.本報告は,モデル内容,改良後の計算コードの詳細及び試験計算例についてまとめたものである.


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