研究開発報告書類


JAERI-Review
1998年


26197
ホット試験室施設の運転と技術開発;平成8年度
ホット試験室
JAERI-Review 98-001;Feb. 1998, 92p.

 平成8年度のホット試験室の活動について燃料試験施設,WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理と技術開発についてまとめたものである.燃料試験施設では,関電・高浜3号機で使用されてPWR燃料集合体,東電・福島第2発電所で使用されたBWR燃料集合体の照射後試験及び動燃・ふげんで照射された集合体の部材試験等を行うとともに,所内利用に応えて,NSRR及びJMTRでの再照射に供する燃料棒の短尺加工,高燃料度燃料の照射後試験,安定化プルトニウム燃料燃焼法にかかわる照射後試験を実施した.ホットラボでは,NSRRバーンアップ燃料,HTTR用燃料・材料,核融合炉用材料及び原電・東海発電所の燃料及び鋼材のモニタリングを行った.WASTEFでは,高レベル廃棄物処理処分の研究にかかわる試験を継続して行った.


26198
Studies of high-level waste form performance at Japan Atomic Energy Research Institute
馬場恒孝・三田村久吉・蔵本賢一・稲垣八穂広*・上薗裕史
JAERI-Review 98-002;Feb. 1998, 23p.

 処分条件下でのガラス固化体の長期性能評価を目的として,その浸出挙動を変質層の役割,地下水による影響及び酸化還元雰囲気の影響の観点から研究を進めた.その結果,次のことが明らかになった.(1)浸出の過程で表面に形成した変質層内での結晶成長のような反応は,固化体からの元素の浸出がほとんど止まっても進行する.(2)水和したケイ酸変質層は,脱イオン水中よりも還元性の合成地下水中の方でFeを伴って溶解し易い傾向がある.(3)酸化還元両条件ともにPu2xH2O(am)の形成がPuの浸出を支配し,還元条件下でのおもな可溶性化学種はPu(OH)40である.セラミック固化体に関する研究では,シンロックの構成鉱物の一つであるペロブスカイトのα崩壊損傷を調べ,9×1017α/gの蓄積線量で1.3%の密度減少を観察した.また,ペロブスカイトの浸出率は蓄積線量の増加で増える傾向のあることが分かった.さらに,ジルコニア及びアルミナを主成分とするセラミックの結晶学的安定性,化学的耐久性等をCe及びNdを用いて調べた結果,イットリア安定化ジルコニアが目的とする固化体として優れた特性を有することが明らかとなった.


26303
国際原子力総合技術センターの活動;平成8年度
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 98-003;Feb. 1998, 97p.

 国際原子力総合技術センターにおける平成8年度の活動状況をとりまとめたものである.東京研修センター及び東海研修センターにおいて実施した研修ならびに技術交流推進室が実施した業務の内容を中心に,研修のための技術開発や事業運営管理などについて述べた.東京,東海の両研修センターでは,年度当初に計画した国内及び国外向けのすべての研修を予定どおりに実施でき,合計1,863名の修了生を送り出すことができた.また,本年度新設された技術交流推進室では,アジア・太平洋原子力研究推進にかかわる業務及び国際研修にかかわる計画立案等を順調に進めることができた.


26304
Annual report of JMTR, FY1996;April 1, 1996-March 31, 1997
材料試験炉部
JAERI-Review 98-004;Feb. 1998, 77p.

 JMTRは,1996年度118,119サイクルの合計2サイクルの運転を行い,軽水炉,高速増殖炉,高温ガス炉及び核融合炉開発ならびにRI製造等に利用された.また,JMTRで実施されている技術開発では,照射試料位置における中性子スペクトル評価精度を向上させるための技術開発,燃料棒内部の化学的基礎データ測定のための酸素センサ等の開発を行った.核融合炉開発に関しては,ブランケット照射挙動に関する研究を進めた.本報告書は,1996年度JMTRで行った運転実績と技術開発についてまとめたものである.


26392
大洗地区における環境放射線等監視結果と統計解析
田村勝裕・芝沼行男・高崎浩一*・北野匡四郎・大畑勉
JAERI-Review 98-005;Mar. 1998, 203p.

 本資料は,大洗研究所における現環境監視体制が確立された昭和60年度から平成6年度までの10年間の環境監視結果をまとめるとともに,統計解析したものである.日常の環境監視業務の中で,地理的条件,気象条件等による日変動や季節変動を包含した線量率や放射能濃度から異常値を検出するためには,各監視項目毎の長期的変動調査から通常の平均値と変動幅を知るとともに,統計解析結果から異常値の出現確率を予測しておくことが必要である.本資料では,環境監視結果の統計値を示すとともに,各核種の農産物への移行係数や,海産物の濃縮係数,全データの分布性について解析している.


26305
受動的安全設備を有する次世代軽水炉熱流動解析の現状と課題
原子炉熱流動解析コード高度化専門部会
JAERI-Review 98-006;Mar. 1998, 194p.

 国内外で進められている受動的安全設備を有する次世代軽水炉熱流動解析について,その現状と課題を日本原子力研究所原子力コード委員会原子炉熱流動解析コード高度化専門部会での調査内容及び議論をもとにまとめた.本調査は今後の原子炉熱流動解析コードの高度化研究に資する目的で進められた.最初に,今までに提案された種々の炉型に対し,そのシステム解析及び各種受動的安全系の性能評価の現状と課題をまとめた.つぎに,摘出された課題の中で特に重要と考えられた多次元二相流解析手法の現状と課題をレビューするとともに,各手法の評価・検証用に必要となるデータベースを気泡流及び環状噴霧流に対して調査した.本報告書でまとめられた内容は軽水炉熱流動解析の最前線,及び近年進展の著しい多次元二相流解析の最新の知見を含んだものであり,今後原子炉熱流動解析コードの高度化を図るうえで極めて貴重な情報を提供するものと考えられる.


26393
平成8年度研究炉部年報;運転・利用と研究・技術開発
研究炉部
JAERI-Review 98-007;Mar. 1998, 220p.

 研究炉部は,JRR-2,JRR-3M及びJRR-4の各原子炉施設を運転管理し,利用に供するとともに,関連する研究・技術開発を実施している.本報告書は,平成8年度における当部の業務を記したものであり,種々の技術的事項についても詳細に説明している.具体的業務として,運転・保守・整備・照射利用・中性子ビーム実験利用に加え,新燃料・使用済燃料及び水・ガスの管理を含む技術管理,関連する研究・技術開発並びに放射線管理等を行っている.また,主として開発途上国との間で,原子力施設の運転管理・照射技術・安全解析等を中心に国際強力を鋭意実施している.以上のほかに,利用の便を考慮し,付録として研究炉部の組織,業務,研究成果等も集録した.


26394
第9回高温超伝導研究会報告
北條喜一・岡安悟・笹瀬雅人*
JAERI-Review 98-008;Mar. 1998, 81p.

 この研究会は,科学技術庁超伝導研究「マルチコアプロジェクト II」計画の一環として行われたもので,基礎理論及び各種の実験結果さらに高エネルギーイオン照射による材料改質効果に関連した発表の概要を紹介した.


26395
原子力人材養成40年の活動
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 98-009;Mar. 1998, 185p.

 本報告書は,国際原子力総合技術センターの発足40年に当り,研修事業の活動状況並びに今後の研修事業に対する関係者の期待,意見等をとりまとめたものである.活動状況では,最近5年間の国内,国際研修等について記述するとともに委員会の活動についても述べた.また,56名の関係者から,今後の研修への期待,意見等の提言を収集,記載した.


26396
原子力研究におけるMCNPの使用経験, 2;分散低減法の検討
桜井淳・山本俊弘
JAERI-Review 98-010;Mar. 1998, 303p.

 平成8年度に原子力コード評価専門部会に「MCNP使用経験」ワーキンググループを設置し,本年度は分散低減法の検討を中心に活動を行ってきた.本報告書では,(1)核融合炉体系の中性子及びγ線輸送計算,(2)加速器駆動消滅処理システムの概念設計,(3)JMTR炉心計算,(4)即発中性子減衰定数の計算,(5)被爆評価のための中性子及びγ線輸送計算,(6)遮蔽体系の中性子及びγ線輸送計算,等における分散低減法について検討を行った.当ワーキンググループでは,さらに,将来モンテカルロ計算の指針となり得るような「モンテカルロ計算ガイドライン」についての検討を開始した.付録として,最近公開されたMCNP 4Bの使用経験,高エネルギー荷電粒子のモンテカルロ法による計算例を示してある.


26443
ウラン濃縮研究棟火災事故調査委員会報告書
ウラン濃縮研究棟火災事故調査委員会
JAERI-Review 98-011;Mar. 1998, 151p.

 昨年11月20日に発生したウラン濃縮研究棟の火災について,事故調査委員会が関係者へのインタビュー,試料の分析・評価等を行い,学識経験者等の意見を聴取して,火災事故の原因,連絡通報,初期消火活動の状況を明らかにするとともに,事故の再発防止策並びに的確なる初期対応への改善策をまとめたものである.


26860
The Premixing and propagation phases of fuel-coolant interactions;A Review of recent experimental studies and code developments
A. R. Antariksawan*・森山清史・H. Park*・丸山結・Y. Yang*・杉本純
JAERI-Review 98-012;Sep. 1998, 66p.

 蒸気爆発とは,高温液体(燃料)が低温の揮発性液体(冷却材)にその内部エネルギーを与え,低温液が急速に蒸発して高圧を発生し,周囲に仕事を与える過程である.蒸気爆発は従来から4段階の過程,すなわち初期粗混合,トリガリング,伝播及び膨張の過程から成ると考えられており,20年以上の間研究が行われてきたが,基礎的物理の未解明な部分が残されており,研究が継続されている.本報告は,初期粗混合及び伝播過程に関する最近の研究についての情報を収集したものである.実験では実燃料を用いた大規模なもの(〜150kg)に重点が置かれている.解析コードの検証のため,固体粒子を用い境界条件を明解にした単純な体系の実験も行われている.解析コードは一般に多相・多次元のより洗練されたものになっているが,物理モデルの不十分な部分があり,さらに改良を要する.


26861
原子力発電プラントにおけるディジタル計測制御系の安全性及び信頼性に関する課題と米国原子力規制委員会の対応(調査報告書)
渡邉憲夫・鈴土知明
JAERI-Review 98-013;Sep. 1998, 78p.

 近年,原子力発電プラントの計測制御系にディジタル技術が導入されつつある.しかし,これに伴い,設計,施工,安全及び許認可に関する新たな問題,特に,ソフトウェアに関する問題も生じている.したがって,原子力発電プラントの安全性を,現在の高いレベルに維持あるいは向上させるためには,規制側ならびに産業界は,こうした問題に対処すべく,安全評価の方法や,技術基準,規制指針等の見直しを行うことが必要となる.本報告書では,米国研究協議会が実施した調査研究の結果と,そこで提示された勧告に対する米国原子力規制委員会(USNRC)の見解を紹介する.研究協議会による調査研究では,ディジタル計測制御技術の適用に際しての重要課題として,6つの技術的課題と2つの施策的課題を摘出し,それぞれについて,USNRCがどう対応すべきかを勧告として提示した.これらの勧告についてUSNRCは自らの対応見解を示したが,多く勧告については同意している.


27015
Progress report on safety research on radioactive waste management for the period April 1996 to March 1998
大貫敏彦・村岡進・馬場恒孝
JAERI-Review 98-014;Oct. 1998, 112p.

 人工バリア研究室,天然バリア研究室及び地質環境研究室において,平成8年及び9年度に実施した放射性廃棄物処理処分の安全性研究に関する研究成果をまとめたものである.おもな内容としては,セラミック固化体の開発に関する研究,還元雰囲気におけるガラス固化体からの浸出挙動に関する研究,緩衝材への収着挙動に関する研究,放射性核種の移行に及ぼす腐植物質の影響に関する研究,岩石中の拡散挙動に関する研究,深地下条件における核種の挙動に関する研究及びナチュラルアナログ研究である.


27207
保健物理-管理と研究, No. 40;1997年度
東海研究所保健物理部・那珂研究所管理部安全管理課・高崎研究所管理部安全管理課・大洗研究所管理部放射線管理課・関西研究所管理部寝屋川事務所・むつ事業所管理部保安管理課
JAERI-Review 98-015;Dec. 1998, 239p.

 本報は,1997年度の日本原子力研究所の東海,那珂,高崎,大洗,関西研究所及びむつ事業所における保健物理の事業について,放射線管理,技術開発及び研究の3部門に分けて概要を記述したものである.


26983
TIARA annual report 1997
放射線高度利用センター
JAERI-Review 98-016;Oct. 1998, 288p.

 本年次報告は,原研イオン照射研究施設で,1997年4月1日から1998年3月31日までの間に行われた研究活動の概要をまとめたものである.(1)宇宙用半導体,(2)バイオテクノロジー,(3)放射線化学及び有機材料,(4)無機材料,(5)材料解析,(6)核化学及びラジオアイソトープ製造,(7)加速器施設の放射線遮蔽,(8)加速器技術の8部門にわたる90編の研究報告に加えて,施設の運転・利用状況,公表された文献,企業・大学等との研究協力関係,研究開発・施設運営組織を収録する.


26984
JAERI Tandem & V. D. G annual report 1997;April 1, 1997-March 31, 1998
物質科学研究部
JAERI-Review 98-017;Oct. 1998, 126p.

 本年次報告書は,東海研の原研タンデム及びバンデグラフ加速器で,1997年4月1日から1998年3月31日までの間に行われた研究活動をとりまとめたものである.(1)加速器の運転と開発研究,(2)核構造,(3)核反応,(4)核理論,(5)原子分子物理・固体物理及び材料の放射線効果の5部門にまたがる40編の研究報告,公表された文献,関与した職員及び大学等との協力研究のリストを収録している.


26985
国際原子力総合技術センターの活動;平成9年度
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 98-018;Nov. 1998, 91p.

 本報告書は,日本原子力研究所の国際原子力総合技術センターにおける平成9年度の業務概要をまとめたものである.東京研修センター及び東海研修センターにおいて実施した研修ならびに技術交流推進室が実施した業務の内容を中心に,研修のための技術開発や事業運営管理などについて述べた.東京,東海の両研修センターでは,年度当初に計画した国内及び国外向けのすべての研修を予定どおりに実施でき,合計1,384名の修了生を送り出すことができた.また,2年目を迎えた技術交流推進室では,アジア・太平洋原子力研究推進にかかわる業務及び国際研修にかかわる計画立案等を順調に進めることができた.一方,研修内容の改善に資するための技術開発や新しい知見を得るための研究等も進めており,着実な成果を上げている.


26986
Annual report of Naka Fusion Research Establishment from April, 1997 to March 31, 1998
那珂研究所
JAERI-Review 98-019;Nov. 1998, 135p.

 原研那珂研究所における平成9年度の研究開発活動について報告する.JT-60では,W型のセミクローズド・ダイバータへの改造を5月に完了し,これによりITERの長時間燃焼維持に必要なヘリウム排気性能を世界で初めて実証した.JFT-2Mにおいては,コンパクトトロイド入射装置の実験を開始した.核融合炉工学のR&DはITER/EDAに関連する分野を重点的に実施してきた.中心ソレノイド・モデルコイルや真空容器セクタ等大型機器の製作が進み,ダイバータの受熱板の開発も進展した.遠隔保守機器の開発ではシステムの性能試験を開始し,プラズマ加熱装置の性能が向上した.また,ITER工学設計活動の最後の設計報告書である最終設計報告書が完成した.


27016
評価済高エネルギー核データのための実験データの現状及び信頼性評価手法に関する検討;シグマ研究委員会「JENDEL高エネルギー核データファイル積分テストに関するタスクフォース」報告
大山幸夫・馬場護*・渡辺幸信*・河野俊彦*・沼尻正晴*・植木絋太郎*・小田野直光*・山野直樹*・小迫和明*・林克己*・義澤宣明*・中島宏・田中進・前川藤夫・今野力・深堀智生・千葉敏・長谷川明
JAERI-Review 98-020;Nov. 1998, 130p.

 シグマ委員会では近年の加速器利用の進展に伴い,基礎研究,放射性廃棄物の消滅処理研究,核融合炉材料研究,医学診断・治療研究など多岐にわたる分野において共通の基礎データである中高エネルギー領域核データの整備を目的として,JENDL High Energy File(JENDL-HE)の整備作業を実施してきた.一方,そのデータレビュー及び積分テスト手法が未確立であり,JENDL-HEの利用を促すためにも積分的検証が必須である.このため,シグマ委員会ではJENDL-HEに関する積分評価のためのタスクフォースを設置し,問題点の現状を調査・検討し,今後のシグマ委員会における中高エネルギー核データ評価及び整備に対する指針を得ることを目的として調査活動を実施した.本報告書は本タスクフォースの調査検討結果をまとめたものであり,シグマ委員会に対する報告を行うものである.


27017
ジアミド系抽出剤を用いるアクチノイドの溶媒抽出に関する基礎研究
佐々木祐二
JAERI-Review 98-021;Nov. 1998, 198p.

 新規に合成した4種のジアミドを用いてアクチノイド元素の溶媒抽出を試みた.N,N′-ジメチル-N,N′-ジヘキシル-3-オキサペンタンジアミド(DMDHOPDA)により,Eu,Th,U,Np,Amを有機相に抽出することができた.残る3種のジアミドはアクチノイド元素を抽出するのに有効ではなかったが,その理由をジアミドの化学構造の違いによるものと推測した.次に,テノイルトリフルオロアセトン(TTA)とジアミドの協同抽出を検討した結果,協同抽出系ではすべてのジアミドが抽出反応に関わることを確認した.さらに協同抽出系における抽出錯体種を検証し,4種の異なる抽出反応が存在することを究明した.最後にDMDHOPDA及びTTAを抽出剤とするアクチノイド(III),(IV),(V),(VI)の相互分離法を構築することができた.


27018
Reactor Engineering Department annual report;April 1, 1997-March 31, 1998
エネルギーシステム研究部
JAERI-Review 98-022;Nov. 1998, 265p.

 本報告は,平成9年度における原子炉工学部の研究活動状況をとりまとめたものである.当該年度に原子炉工学部において推進された主要な研究活動は,世界最強の自由電子レーザーの発振に成功したこと,及びPWRの設計基準事象における炉心の熱的健全性を実証したことである.また,原子炉工学部では,基礎基盤研究として将来型軽水炉の概念設計,核データと群定数,炉理論及びコード開発,炉物理実験及び解析,核融合中性子工学,原子炉計測及び計装,原子炉制御及び診断,伝熱流動並びに炉工学施設,加速器施設及び伝熱流動施設の技術開発を行っている.さらに,高温ガス炉,核融合等の日本原子力研究所プロジェクト研究及び動力炉・核燃料開発事業団の高速炉研究への協力も推進している.本報告では,原子炉工学部が運営を担当する研究委員会の活動報告もとりまとめられている.


27019
ホット試験室施設の運転と技術開発;平成9年度ホット試験室
JAERI-Review 98-023;Dec. 1998, 97p.

 本報告書は,平成9年度のホット試験室の活動について燃料試験施設,WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである.燃料試験施設では,関電・高浜3号機で使用されたPWR燃料集合体の照射後試験を実施するとともにBWR及びATR燃料集合体の照射後試験が終了したのに伴い燃料集合体再組立を実施した.また,所内利用に応えて,NSRR照射用燃料の短尺加工,安定化プルトニウム燃料の照射後試験,高燃焼度燃料の特殊照射後試験等を実施した.ホットラボでは,NSRR照射燃料,HTTR用燃料・材料,核融合炉用材料及び原電東海1号炉の燃料及び鋼材モニタリングを行った.WASTEFでは,高レベル廃棄物処理処分の研究に係る試験を継続して行った.


27208
高温ガス炉の伝熱・流動分野における研究開発の歩み
佐野川好母*・宮本喜晟・秋野詔夫・椎名保顕・菱田誠*・小川益郎・文沢元雄・稲垣嘉之・武田哲明・高田昌二・滝塚貴和・日野竜太郎・蕪木英雄・國富一彦・井岡郁夫・高瀬和之・下村寛昭・河村洋・くぬぎ資彰・藤井貞夫
JAERI-Review 98-024;Jan. 1999, 403p.

 原研は昭和44年5月に,1000℃の高温核熱を炉外に取り出して種々の目的に利用する多目的高温ガス実験炉(VHTR)の計画を立てた.それ以来この炉の設計・製作に不可欠なデータの取得と,高温のヘリウムガス循環技術の確立を目指して,約30年間にわたって研究開発を行ってきたが,この報告書は,そのなかでも伝熱・流動分野のおもな成果の要点を,実際にその研究開発に従事した研究者自身が執筆したものをまとめたものであり,そのなかには,従来の学問上の定説を書き換えた研究もいくつかある.しかしながら,この長い年月の間には,実際に研究開発に従事した者の多くは原研を去り,また資料が散逸してしまったものもあって,すべてを収録することはできなかったが,貴重な知見として現在の高温工学試験研究炉(HTTR)の設計や技術に直接生かされているものばかりである.また,今後の高温ガス炉(HTGR)の研究開発ばかりではなく,高温を取り扱うすべての機器の技術開発にも役立つ貴重な資料である.


270295
日本原子力研究所研究開発課題評価報告書
研究評価委員会
JAERI-Review 98-025; Nov. 1998, 64p.

 本報告書は,原研が「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」に基づいて設置した,外部の専門家や学識経験者で構成される研究評価委員会によって,原研における研究開発課題全般の主要成果について評価されたものをまとめたものである.


27209
SKI SITE-94;深地層処分場性能評価プロジェクト要約
中山真一
JAERI-Review 98-026;Jan. 1999, 106p.

 SITE-94レポートは,スウェーデン原子力発電検査局(SKI)によって作成された,使用済み核燃料の仮想的処分場に関する総括的性能評価の演習であり,1997年2月に公開された.本報告書は,そのうちのメインレポートの要約(Summary)に対する翻訳である.SITE-94は,地層処分の実施主体であるスウェーデン核燃料廃棄物管理会社SKBが行う処分の提案を,規則当局であるSKIがレビューできるように,SKIの能力とツールを発展させることが目的である.スウェーデンは地層処分の研究開発が最も進んでいる国のひとつであり,そこで開発される手法に世界の地層処分関係者が注目している.このような状況に鑑み,本書が広く日本の地層処分関係者の参考になるようにと考え,日本語への翻訳を行った.


27210
平成9年度研究炉部年報;運転・利用と研究・技術開発
研究炉部
JAERI-Review 98-027;Jan. 1999, 205p.

 研究炉部では,JRR-2,JRR-3M及びJRR-4の各原子炉施設を運転管理し,利用に供するとともに関連する研究・技術開発を実施している.本報告書は,平成9年度における当部の業務を記したものであり,種々の技術的事項についても詳細に説明している.具体的業務として,運転・保守・整備・照射利用・中性子ビーム実験利用に加え,新燃料・使用済燃料及び水・ガスの管理を含む技術管理・関連する研究・技術開発ならびに放射線管理等を行っている.また,主として開発途上国との間で,原子力施設の運転管理・照射技術・安全解析等を中心に国際協力を鋭意実施している.以上のほかに,利用の便を考慮し,付録として研究炉部の組織,業務,研究成果等も集録した.


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