研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
1999年


27197
地下水中における元素の溶解度及び化学形を推定するための熱力学データの検討,1;Tc, U, Am
山口徹治・武田聖司
JAERI-Data/Code 99-001;Jan. 1999, 74p.

 放射性廃棄物の地層処分の安全評価において放射性核種の溶解度は,廃棄体中の放射性元素が地下水にどの程度溶けるかを決めるものであり,その値は放射性核種の移行解析のソースターム,即ち廃棄体からの核種の溶出量を決めるパラメータとして用いられる.また地下水の化学的特性に応じて放射性核種は様々な化学形をとり,移行特性も多様である.溶解度を計算するとともに,化学形を推定するための熱力学データをTc,Am,Uについて検討し,データベースとしてまとめた.典型的な組成の地下水中で支配的になる可能性の高い加水分解種や炭酸錯体について重点的に検討を行い,その他の化学形については既存のデータベースにおける検討結果を取り入れてデータを設定した.Tc,U,Am以外の注目元素については検討が未了であり,暫定的な利用のために付録としてデータを示した.


27198
放射線による晩発性身体的影響と遺伝的影響を推定するための計算コードHEINPUT
外川織彦・本間俊充・益村朋美*
JAERI-Data/Code 99-002;Jan. 1999, 59p.

 放射線による晩発性身体影響と遺伝的影響を推定するための計算コードHEINPUTを開発した.HEINPUTは原子力発電所の確率論的安全評価(PSA)研究の一環として開発された確率論的事故影響評価コードシステムOSCAARを支援する前処理コードの一つとして位置づけられる.HEINPUTで用いたモデルは,米国原子力規制委員会の報告書「原子力発電所事故影響解析のための健康影響モデル」(NUREG/CR-4214)を基礎とし,広島・長崎の原爆改訂線量に基づくリスク算定結果などの,我が国における最新の研究成果をできる限り取り入れて修正したものである.この報告書には,晩発性身体影響と遺伝的影響を推定するための評価モデルの概要とHEINPUTを使用する際に必要なコード情報,ライブラリデータ,入出力データ及び使用例を含むコードマニュアルをまとめた.


27199
JENDL-3.2に基づくORIGEN2用ライブラリ;ORLIBJ32
須山賢也・片倉純一・大川内靖*・石川眞*
JAERI-Data/Code 99-003;Feb. 1999, 83p.

 本書は,ORIGEN2コードのためのJENDL-3.2に基づく新しいライブラリORLIBJ32の報告書である.ORLIBJ32の一部をなす,軽水炉用ライブラリの作成には,総合化燃焼計算コードシステムSWATが使用された.また,もう一部の高速炉用ライブラリの作成のために,新しいシステムが開発された.本ライブラリを用いた計算結果は,PWR燃料の照射後試験の結果と,良い一致を示した.


270272
Development of dynamic simulation code for fuel cycle of fusion reactor
青木功・関泰・佐々木誠*・新谷清憲*・Y. Kim*
JAERI-Data/Code 99-004; Feb. 1999, 136p.

 核融合実験炉の燃料循環系のシミュレーションコードを作成した.本コードは,パルス運転時のプラズマチェンバ及び燃料循環系内に分布する燃料の時間変化を追跡する.プラズマチェンバ及び燃料循環系における燃料の燃焼,排気,精製,供給の機能を時間当りの処理量に着目してその時間変化を追跡した.プラズマチェンバ及び燃料循環系各サブシステムごとに状態方程式と出力方程式を定め,燃料の燃焼,排気,精製,供給の機能をモデル化し,時間に関し定常となるサブシステムの常数は,ITERの概念設計書に依拠した.本コードを用いて,燃焼状態と燃料循環系サブシステムの処理機能とに依存する供給量の時間変化と,滞留量の時間変化を示した.


270273
原子力施設の解体作業に関する管理データ計算モデルの開発(受託研究)
助川武則・大島総一郎・白石邦生・柳原敏
JAERI-Data/Code 99-005; Feb. 1999, 65p.

 JPDRの解体作業データの分析結果に基づき,基本となる作業ごとに単位作業係数(例:機器重量と作業人工数の関係)を整理し,種々の解体作業に対して適用可能な計算モデルを整備した.また,解体作業は基本となるいくつかの作業が繰り返して行われることから,より効率よく計算モデルが適用できるよう代表的な作業構成を作成した.これらの計算モデルや作業構成を原子炉デコミッショニング管理のための作業コードシステム(COSMARD)に適用することにより,原子力施設の解体に関する管理データを精度よく予測することが可能となった.


270401
BETA:βeff実験解析プログラム
加藤雄一*・岡嶋成晃・桜井健
JAERI-Data/Code 99-006; Mar.1999,71p.

 βeff実験と解析に必要なパラメータを計算するコードBETAを開発した.BETAは,Driven因子,中性子相関実験での空間補正因子(g因子),随伴中性子束で重みづけたg因子,炉心全体の核分裂率,随伴中性子で重みづけた炉心全体の核分裂率を計算する.また,BETAは,種々の遅発中性子データから実行遅発中性子割合を計算する.これらの計算には,SLAROM,POPLARS,TWOTRAN-IIで得る中性子束,随伴中性子束に用いる.本レポートでは,BETAの入力データ及びJCLに関するマニュアル,計算に必要なファイル,入出力例を示した.


270274
Accelerator-driven transmutation reactor analysis code system: ATRAS
佐々敏信・辻本和文・滝塚貴和・高野秀機
JAERI-Data/Code 99-007; Mar. 1999, 65p.

 日本原子力研究所では,大強度陽子加速器と未臨界炉心から構成されるハイブリッド消滅処理システムの設計研究を進めている.加速器駆動システムの核特性及び燃焼特性の解析は,炉心の未臨界度及びエネルギーバランスの維持という点から,重要である.これらの特性を正確に解析するには,従来の原子炉解析コードでは解析できない高エネルギー領域の反応を考慮する必要がある.著者らは,加速器駆動未臨界炉システムの核特性及び燃焼特性を解析するATRASコードシステムを開発した.ATRASは核破砕中性子源を考慮した燃焼特性解析を行う独自の機能を持つ.ATRASは核破砕解析コード,中性子輸送コード,燃焼解析コードから構成される.また,燃料交換,前/後処理等のユーティリティコードも組み込んだ.


270275
Development of the DCHAIN-SP code for analyzing decay and build-up characteristics of spallation products
高田弘・小迫和明*
JAERI-Data/Code 99-008; Mar. 1999, 87p.

 核破砕核種の崩壊特性を計算するために,核種の崩壊生成解析コードDCHAIN2について,放射性核種に関する崩壊データを改訂するとともに中性子反応断面積データを加えてDCHAIN-SPコードを開発した.崩壊データはEAF3.1,FENDL/D-1及びENSDFデータライブラリから新規に作成した.FENDL/A-2データライブラリから引用した中性子反応断面積も用意し,生成点における中性子場による核種の核変換を考慮する.本コードは,あらゆる崩壊系列における核種の崩壊生成をBeteman法で解き,核種の蓄積量,誘導放射能,α,β及びγ線の放出による崩壊熱,さらにはγ線エネルギースペクトル等を計算する.ここで,高エネルギー核子中間子輸送コードによって評価された核種生成率が入力データとされる.本レポートではDCHAIN-SPコードの使用法を説明する.


270402
HTTR熱利用系炉外技術開発試験熱物質収支解析コードの開発(受託研究)
稲葉良知・稲垣嘉之・林光二・須山和昌*
JAERI-Data/Code 99-009; Mar.1999,93p.

 HTTR水素製造システムのモックアップモデルである炉外技術開発試験装置の試験条件設定,特性評価等を行うために,熱物質収支解析コードを作成した.本解析コードでは,試験装置の静的(通常運転時)及び動的(起動,停止及び異常時等の過渡変化時)状態における熱物質収支(反応ガス,ヘリウムガス,構造物等の温度分布,反応ガス及びヘリウムガスの質量,圧力分布等)及び制御系の特性を解析することが可能である.本報告書は,熱物質収支解析コードに関して,コードのモデル化範囲,構成機器のモデル,入力データや実行手順等,その取り扱い方法についてまとめたものである.


270403
原子力船「むつ」の運転データ
中沢利雄・綿引正行*・高橋博樹・京谷正彦
JAERI-Data/Code 99-010; Mar.1999,61p.

 これまで原子力船「むつ」の実験データの保管・管理については,原子力船データベースを中心に整備を進めてきた.原子力船データベースは,出力上昇試験,実験航海等で実施した試験及び実験時のデータをデータベース化したものであるが,原子力船の運航全体を通じて試験及び実験時以外の船及び原子炉の運転記録等が磁気テープに収録された.これらのデータは「むつ」研究開発の貴重なデータであるが,膨大であり,これまでデータベースに登録されず利用が不便であった.そのため,これらのデータを収録密度の高いディジタルオーディオテープに格納するとともにテキスト形式に変換するプログラムとデータリストを作成した.これにより,これらのデータは,データベースで容易に利用できるとともに市販のパソコン等のソフトウェアでの利用も容易になった.なお,データの保管スペースの減容化も図られた.


270404
A Fortran code CVTRAN to provide cross-section file for TWODANT by using macroscopic file written by SRAC
山根剛・土橋敬一郎*
JAERI-Data/Code 99-011; Mar.1999,46p.

 CVTRANコードは2次元Sn輸送コードTWODANT用にその標準入出力ファイルの一つXSLIBの形式で巨視的断面積を準備する.入力ファイルはSRACで作成しPDS形式で納められた断面積ファイルである.SRACコードシステムはすでにLANLで作成された2次元Sn輸送コードTWOTRANが収容されているが,オリジナル版にあったαサーチ,密度サーチ,厚みサーチやいろいろの出力編集機能が削除されている.TWODANTが発表されて以来,その短い計算時間,収束の早さ,豊富な出力編集機能は利用者にとって魅力的である.このCVTRANコードは巨視的断面積をカードイメードファイルXSLIBに用意することで,SRACの利用者はTWODANTを容易に利用できる.CVTRANコードはさらに,CVLIBと名づけた別のカードイメージファイルに,物質依存の核分裂スペクトル,群別の中性子速度,エネルギー群境界や物質名を書き込む.これらはTWODANTの入力に,cut-and-paste操作で,利用できる.


270405
緊急時における放射能放出源推定システムの開発
北端秀行*・茅野政道
JAERI-Data/Code 99-012; Mar.1999,47p.

 国内のモニタリングポストの複数で異常を検出し,国内のサイトから事故の通報がないような場合には,国外からの放射能の流入が考えられる.このような緊急時に備え,モニタリングと拡散計算から,ブラックボックスである放出地点や放出量を,精度良く,かつ迅速に推定できる新たな手法の開発を行った.この方法は,従来的な逆流跡線解析手法ではなく,想定される複数の放出条件(放出地点,放出開始時間,放出継続時間)の組合せについて,実際に並列計算機で拡散計算を実行する.そしてその結果から,観測値と統計解析によって最も一致度の高い放出条件を推定するというものである.なお,本システムは原研の世界版緊急時線量予測システムWSPEEDIをベースに開発を行った.


270406
板成形シミュレータITASによる並列ベンチマークコードの開発
渡部弘*・鈴木信太郎*・南一生*
JAERI-Data/Code 99-013; Mar.1999,32p.

 本稿では板成形シミュレータITASによるベンチマークコードの開発について述べる.ITASとは金属板成形のシミュレーションを目的とする,有限要素法による非線型弾塑性解析コードである.今回の並列ベンチマークコード開発では連立一次方程式ソルバの並列化により,計算時間の短縮を図った.このベンチマークコードを日本原子力研究所計算科学技術推進センターに設置された5機種の並列スーパーコンピュータで性能評価したところ,良好な並列性能が得られた.


270407
並列/非並列共用プログラム性能解析ツールの開発
渡部弘*・長尾佐市*・滝川好夫*・熊倉利昌*
JAERI-Data/Code 99-014; Mar.1999,47p.

 日本原子力研究所計算科学技術推進センターでは科学技術計算プログラムの並列化を推進するため,並列/非並列共用プログラム性能解析ツールKMtoolを開発し,評価を行っている.KMtoolはFORTRAN77及びMPIで記述されたプログラムの性能を解析するためのツールであり,並列プログラムを作成する際の負担軽減を目的に開発されている.本稿ではKMtoolの開発目的,設計,利用方法及び試用結果について説明する.


270408
A Molecular orbital study on the oxidative decomposition of HFC-32
望月祐志*
JAERI-Data/Code 99-015; Mar.1999,21p.

 代替フロンは,塩素を含まないためフロンに比して「問題が少ない」とされてきているが,温室効果はフロン以上に大きく,また弗素が分解により環境中に放出されるなど,決して自由に放散が許される代替物ではない.したがって,回収,分解等の処置が望まれる.この報告では,OHラジカルを用いた代替フロンの超臨界水中での分解の素過程をHFC-32(2弗化メタン)を例に取り,非経験的分子軌道計算により解析した事例を述べている.分解反応全体としては,大きく発熱的であること,弗化水素の離脱では触媒として,超臨界水条件下で反応物に接した水分子が働くこと,この2点が重要知見だが,計算スキーム時には密度汎関数法の危険性も明らかになった.


270409
誤差評価ライブラリ(Ver.1.0)理論説明書/利用手引書
市原潔*・志澤由久*・岸田則生*
JAERI-Data/Code 99-016; Mar.1999,183p.

 「誤差評価ライブラリ」は,行列計算の数値解析結果の誤差の分析を支援するためのサブルーチン集である.(1)連立一次方程式誤差評価ルーチン群は,残差ベクトルのノルム,行列の条件数,誤差限界を計算する.(2)エルミート行列誤差評価ルーチン群は,Korn-Katoの公式に基づいて固有値の存在範囲を見積もる.(3)試験行列生成ルーチン群は,数学研究に基づく試験行列,乱数行列,アプリケーション・プログラムに現れる典型的な行列を生成する.本書は,各サブルーチンが使用している理論・公式の要点と利用方法についてまとめたものである.


270276
ALPHA visual data collection STX005-025; Melt drop steam explosion experiments
森山清史・山野憲洋・丸山結・工藤保・杉本純
JAERI-Data/Code 99-017; Mar. 1999, 34p.

 水蒸気爆発は,高温の液体から低温揮発性の液体への急速な伝熱,高温液体の細粒化等の一連の過程が,低温液体の急速な蒸発による衝撃波の発生,伝播とともに進行し,結果的に高温液体の保有する熱エネルギーが機械的エネルギーへと変換される現象である.原子力安全,とくに軽水炉のシビアアクシデントの分野では,溶融炉心と冷却材の接触による水蒸気爆発が格納容器の健全性に対する潜在的脅威として認識され,研究されてきた.原研では事故時格納容器挙動試験(ALPHA)計画の中で,鉄−アルミナテルミット混合溶融物を溶融炉心模擬材として用いた水蒸気爆発実験を行った.本報告は,とくに高速度カメラによる画像情報に重点をおいて実験データを提供するものである.


270410
JMTR照射場の中性子スペクトルを用いた燃焼計算; JMTR予備照射燃料の燃焼計算法の開発
小此木一成*・中村武彦・吉永真希夫・細山田龍二*
JAERI-Data/Code 99-018; Mar.1999,112p.

 NSRRでは,照射済燃料実験の一環として,発電用原子炉で実際に使用された燃料に加え,高濃縮度燃料をJMTRであらかじめ照射した燃料(JMTR予備照射燃料)を用いた実験を実施している.JMTR予備照射終了時の燃料の状態は,NSRRパルス照射実験の初期状態であり,その状態の把握は実験燃料の発熱量及びFP量の評価上,極めて重要である.そこで今回,JMTR炉心の核計算を行い,反射体領域での中性子スペクトルを評価し,この中性子スペクトルを用いたJMTR予備照射燃料の燃焼計算法を開発した.本報告書では,JMTR予備照射燃料の燃焼計算に必要な断面積ライブラリ,燃焼計算用入力フォーマット(ORIGEN2コード用)及びJCL(動作環境:原研-AP3000)を用意した.


270411
JACSコードシステム計算誤差評価表の基礎データ
村崎穣*・奥野浩
JAERI-Data/Code 99-019; Mar.1999,103p.

 この報告書は,「臨界安全ハンドブック」に記載されている計算誤差評価表の元になるデータを明らかにすることを意図した資料である.同表は,臨界安全評価コードシステムJACSのベンチマーク計算結果を体系により分類して得られたもので,一般形状のものと反射体付き単純形状のものの2種類がある.ベンチマーク計算結果は,さらに燃料の均質・非均質の別,燃料の種類(ウラン,プルトニウム,その混合など)により8つの燃料グループに区分されている.一般形状の計算誤差評価表について,根拠となるデータを網羅するのはこの報告書が初めてである.反射体付き単純形状については,1987年に技術報告書が出されたが,その後,臨界安全ハンドブック作成のワーキンググループにて均質低濃縮ウラン体系についてさらにデータの取捨選択が行われた.本報告書は,この結果にも触れる.さらに,OECD/NEAにて臨界安全ベンチマーク実験の評価が行われたのを受けて,同評価結果も取り入れた.


270412
原子力コードのVPP500におけるベクトル化,並列化及び移植(並列化編); 平成9年度作業報告書
川井渉*・川崎信夫*・渡辺秀雄*・根本俊行*・石附茂*・田邊豪信*・小笠原忍*・足立将晶*・久米悦雄
JAERI-Data/Code 99-020; Mar.1999,168p.

 本報告書は,平成9年度に情報システム管理課で行った原子力コードのVPP500における高速化作業のうち,並列化作業部分について記述したものである.原子力コードのVPP500(一部AP3000)における高速化作業は,平成9年度に14件行われた.これらの作業内容は,今後同種の作業を行ううえでの参考となりうるよう,作業を大別して,「並列化編」,「ベクトル化編」,及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の並列化編では,円筒座標系直接数値解析コードCYLDNS44N,放射能粒子拡散予測コードWSPEEDI,拡張量子分子動力学コードEQMD及び三次元熱流体解析コードSTREAMを対象に実施した並列化作業について記述している.


270413
定常臨界実験装置STACYにおける線量評価コードにかかわる整備(受託研究)
桜井淳・三好慶典・中村剛実*・佐藤理*
JAERI-Data/Code 99-021; Mar.1999,99p.

 日本原子力研究所・燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)の定常臨界実験装置STACYでは,ドシメトリーの一環としてNEUPAC-JLOGコードを用いて測定値及び応答関数の誤差を考慮してスペクトル・アンフォールディングを行うことを予定している.NEUPAC-JLOGは,これまでおもに高速炉のドシメトリーに用いられてきたため,本報告書では熱中性子系用にNEUPAC-JLOGを改良した.おもな改良点は,中性子エネルギー群を200群まで拡張,熱群の影響が高速群まで敏感に及ぼさないように結合係数を小さくしたこと,及び箔の厚さを考慮した箔吸収自己遮蔽効果を厳密に評価したことである.これらの処理結果については,STACYの中性子スペクトルを用いて試計算を行い検討及び評価を行った.


270414
A Database on tritium behavior in the chronic HT release experiment, 1; Meteorological data and tritium concentrations in air and soil
野口宏・横山須美・福谷哲*・木内伸幸・村田幹生・天野光・安藤麻里子
JAERI-Data/Code 99-022; Mar.1999,125p.

 本報告書は,核融合施設から大気中に放出されたトリチウムによる影響を評価するためのモデルの開発と検証に役立つデータをまとめたものである.このデータはカナダのチョークリバー研究所において1994年に行われたトリチウムガス野外連続放出実験で得られたものである.まとめたデータは,気象条件,土壌データ,空気中HT及びHTO濃度,土壌水分中HTO濃度,水表面へのHTO沈着などである.また,地表面からの蒸発散量と大気の乱流拡散係数の推定値も含まれている.さらに,気象観測の方法及び空気や土壌試料の採取方法等も記述した.


270541
原子力発電プラントデータベースインターネット版
山本信夫
JAERI-Data/Code 99-023; Apr.1999,65p.

 原子力発電プラントデータベースは,原子炉設置許可申請書を情報源として,国内の軽水型原子力発電所50基分の設計情報をデータベース化したものであり,平成7年度に日本原子力研究所大型計算機版を公開した.今回構築したインターネット版は,大型計算機版の格納情報のうち,「原子炉設置許可申請書・添付書類八 原子炉施設の安全設計に関する説明」に関する部分について,インターネットを通じて情報を提供できるようにしたものであり,設備や機器の形状,寸法,性能などの64,000点の情報を格納している.本報告書は,本インターネット版のデータベース構造,プログラム仕様,検索機能についてまとめたものである.


270542
大気-土壌-植生1次元モデルの開発
永井晴康・山澤弘実
JAERI-Data/Code 99-024; Apr.1999,88p.

 大気-土壌-植生複合系内の放射性核種移行の媒体である空気及び水の動的挙動を表す1次元モデルを開発した.大気部分は,水平風速成分,温位,比湿,霧水量,乱流運動エネルギー及び乱流長さスケールを予報的に解く.土壌部分は,温度,体積含水率及び土壌空気中の比湿に関する予報方程式で構成される.大気-土壌間は,地表面での熱及び水収支式により結合されている.植生部分は,葉面温度を計算する熱収支式,葉面液体水及び植生層内液体水鉛直フラックスの予報方程式で構成される.大気,土壌及び植生を多層に分割し,解法として差分法を用いている.


270543
ASREP:非分離共鳴パラメータ自動探索コード
菊池康之*・中川庸雄・中島豊*
JAERI-Data/Code 99-025; Apr.1999,46p.

 JENDL等の評価済み核データライブラリーでは,中性子エネルギーの低いところを分離共鳴領域として扱い,個々の共鳴のパラメータを与える.それよりエネルギーの高いところで,ドップラー効果が効くエネルギー領域(通常は数十keV以下)を非分離共鳴領域と呼び,平均断面積を再現する平均の共鳴パラメータを与える.ASREPは,平均断面積を再現するパラメータを自動探索するプログラムである.結果はENDFフォーマットで出力される.ASREPは日本の評価済み核データライブラリーJENDLのための核データ評価で,長年にわたって使用されてきた.本レポートでは,ASREPで使用する式,ASREPの使用法及び使用例を説明する.


270544
原子力コードのVPP500におけるベクトル化,並列化及び移植(ベクトル化編); 平成9年度作業報告書
川崎信夫*・石附茂*・田邊豪信*・根本俊行*・川井渉*・小笠原忍*・足立将晶*・渡辺秀雄*・久米悦雄
JAERI-Data/Code 99-026; May.1999,91p.

 本報告書は,平成9年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードのVPP500における高速化作業のうち,ベクトル化作業部分について記述したものである.本報告書では,多次元二流体モデル構成方程式用コードACE-3D,原子核統計崩壊計算コードSD及びHENDEL炉内構造物実証試験部(T2)3次元熱伝導解析コードSSPHEATを対象に実施したベクトル化作業について記述する.


270545
原子力コードのVPP500におけるベクトル化,並列化及び移植(移植編); 平成9年度作業報告書
石附茂*・田邊豪信*・根本俊行*・川崎信夫*・川井渉*・足立将晶*・小笠原忍*・渡辺秀雄*・久米悦雄
JAERI-Data/Code 99-027; May.1999,39p.

 本報告書は,平成9年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,移植作業部分について記述したものである.本報告書では,沸騰水型原子炉熱水力解析コードTRAC-BF1,連続エネルギー粒子輸送モンテカルロコードMCNP4AのAP3000への移植作業,及び汎用図形処理解析システムIPLOT用ライブラリの改良作業について記述する.


270628
New options of coupled channels optical model code OPTMAN Version 6 (1999)
E. S. Sukhovitskii*・岩本修・千葉敏・柴田恵一
JAERI-Data/Code 99-028; May 1999,11p.

 軟回転体模型に基づくチャンネル結合光学模型計算コードOPTMANに付与された新しい機能を説明する.この新しい機能により,200MeV程度までの中性子と陽子入射により引き起こされる反応を同時に解析することが可能になった.


270546
ワークステーションクラスターによる格子ガス二相流シミュレーションコードの並列計算
渡辺正・海老原健一・加藤克海*
JAERI-Data/Code 99-029; May.1999,38p.

 格子ガス法による2次元二相流シミュレーションコードをMPIライブラリーを用いて並列化し,ネットワークにより接続された4台のワークステーションからなるクラスターを用いて並列計算を行った.並列化効率をスカラー並列型計算サーバAP3000並びにベクトル並列型スーパーコンピュータVPP500と比較することによりワークステーションクラスターの性能評価を行った.ワークステーションクラスターのプロセッサ間データ転送性能は100Mb/sであり,並列計算機の専用ネットワークより劣るものの,並列計算機と比べて実用上十分な並列化効率が得られた.


270629
共鳴パラメータ格納検索システムREPSTORの補助プログラム; XTOREP,ETOREP,REPTOINP,REPRENUM,REPIMRG,TREP,PASSIGN,JCONV
中川庸雄・菊池康之*・深堀智生
JAERI-Data/Code 99-030; Jun.1999,81p.

 共鳴パラメータを収集し,評価するための計算機プログラムREPSTORの補助プログラムとして作成した8本のプログラムの機能と使用法をまとめた.それらは,EXFORに格納された実験データをREPSTORの入力形式に変換するXTOREP,ENDFフォーマットの評価済みデータをREPSTORの入力形式に変換するETOREP,REPSTORファイル形式のデータをREPSTORの入力形式に変換するREPTOINP,レベル番号の付け替えをするREPRENUM,XTOREPの出力データの整理をするREPIMRG,REPSTORファイルを処理し,共鳴パラメータの平均値や個々の共鳴の中性子幅等の計算を行うTREP,軌道角運動量をBayse理論を用いて決めるPASSIGN,未定の全スピン値を決定するJCONVである.


270630
PEGASUS:A Preequilibrium and multi-step evaporation code for neutron cross section calculation
中川庸雄・飯島俊吾*・杉暉夫*・錦織毅夫*
JAERI-Data/Code 99-031; Jun.1999,78p.

 PEGASUSは励起子模型前平衡理論及び多段階蒸発理論による中性子反応断面積を計算するために開発したコードである.γ線スペクトル及び,核分裂過程は考慮していない.断面積と放出粒子スペクトルを複合核弾性散乱,(n,γ),(n,n'),(n,p),(n,α),(n,d),(n,t),(n,3He),(n,2n),(n,n'p),(n,n'α),(n,n'd),(n,n't),(n,2p),(n,3n)反応について計算する.また,核子放出の二重微分断面積も計算する.結果はENDFフォーマットで磁気ディスクに出力される.レベル密度,質量欠損,放射捕獲幅,逆反応断面積を格納したパラメータファイルや,これらの系統性式を用意しており,計算の入力データはごく少なくて済む.


270724
WWWのための核図表作成用プログラム
中川庸雄・片倉純一・堀口隆良*
JAERI-Data/Code 99-032; Jun.1999,65p.

 World Wide Web(WWW)サーバーから核図表を公開するため,WWW用核図表(WWW核図表)を作成するプログラムを開発した.このプログラムは,ENSDFフォーマットに似た形式の核種情報ファイルを処理し,一部の核種に半減期の計算値を補充し,WWW核図表用情報データファイルを作成する.そして,その結果をもとに,gif形式の核図表を作成する.ほかに,WWWで公開するために,htmlファイルやimagemapファイルを作成するプログラム,核種ごとの情報表示をするプログラム,指定された核図表を選択するプログラムなどが含まれる.すべてのプログラムはC言語で書かれている.本報告では,使用するファイル形式,プログラムの説明と使用法,さらに本システムを用いて作成した1998年度版WWW核図表について述べる.


270631
埋設濃度上限値を上回る放射性廃棄物処分の総合安全評価コード; GSA-GCL計算コードユーザーズマニュアル
木村英雄・武田聖司・高橋知之*
JAERI-Data/Code 99-033; Jun.1999,54p.

 計算コードGSA-GCLは,埋設濃度上限値を上回る低レベル放射性廃棄物等の処分方策及び処分概念の安全性を検討する目的のために開発されたものである.本評価手法は,特定のサイトを前提とした評価コードではないが,地下水流解析コード等の詳細モデルの解析結果に基づき,処分施設から生態圏に至る移行経路を推定することで,ある程度サイト特性を反映させた解析も可能となっている.本報告書は,本コードの数学モデル,コード構造及び使用法を記述したものである.


270725
高温ガス炉運転中の被覆燃料粒子挙動及び核分裂生成物ガス挙動解析コード
沢和弘・角田淳弥・渡部隆*
JAERI-Data/Code 99-034; Jun.1999,115p.

 高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料に対する設計方針では多少の燃料破損は許容しており,「運転中の追加破損は十分許容しうる小さな値(0.2%)に制限する」こととしている.そのため,HTTRの運転に当たっては,破損率を定量的に推定し異常の有無を判断する必要がある.そのため,これまでに運転中の被覆燃料粒子の破損モデル,希ガス放出率評価モデル,1次冷却材中の希ガス濃度評価モデルを開発してきた.本報は,これらのモデルを併せてコード化した,FIGHT(Fuel Failure and Fission Gas Release Analysis Code in HTGR)について述べたものである.


270879
Compilation of nuclear decay data used for dose calculations; Data for radionuclides not listed in ICRP Publication 38
遠藤章・田村務*・山口恭弘
JAERI-Data/Code 99-035; Jul.1999,355p.

 半減期10分以上の核種の中で,ICRP Publ. 38に収録されていない162核種について,被ばく線量計算用崩壊データを編集した.データの編集には,1997年8月版の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データセットを用いた.対象とするデータセットについて,核レベル・崩壊データベースNUBASEとの照会,ENSDF評価用プログラムによる解析等を行い,データセットの分析及び修正を行った.これらのデータセットから,EDISTRコードを用い,崩壊に伴い放出されるα線,β線,γ線,内部転換電子,X線,Auger電子等のエネルギー及び放出率を計算した.計算結果は,Publ. 38及びNUCDECAY形式のデータファイルとして整備した.この中で,Publ. 38形式のデータ及び崩壊図を,本報告書にまとめた.本データは,放射線防護における内部及び外部被ばく線量評価に幅広く利用できる.


270880
狭域野外拡散試験データ(筑波89)
林隆・茅野政道・山澤弘実・森内茂*・石川裕彦*・安達隆史*・小島啓美*
JAERI-Data/Code 99-036; Aug.1999,322p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」のうち,1989年11月13日〜20日までの8日間にわたり筑波山周辺において実施された狭域野外拡散試験での取得データである.データ内容はトレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データである.


270881
狭域野外拡散試験データ(筑波90)
林隆・茅野政道・山澤弘実・森内茂・石川裕彦*・安達隆史*・小島啓美*
JAERI-Data/Code 99-037; Aug.1999,318p.

 このデータは特別会計受託事業「環境放射能拡散評価安全性実証試験」のうち,1990年11月8日〜15日までの8日間にわたり筑波山周辺において実施された狭域野外拡散試験での取得データである.データ内容はトレーサガス濃度,その放出量,実験時の気象データである.


270882
多次元二流体モデルコードACE-3Dの改良と受動的余熱除去系水プール内熱流動解析への適用
大貫晃・加茂英樹*・秋本肇
JAERI-Data/Code 99-038; Aug.1999,108p.

 受動的安全機器設計を行ううえで重要な二相自然対流現象を詳細に解析するツールを整備するため,報告者が開発した多次元二流体モデルコードACE-3Dを改良した.改良版では,乱流熱流束モデルと熱構造体との連成解析機能を追加し,相変化を伴う熱的に非平衡な流れの解析及び外部との熱交換を伴う体系の解析を可能とした.蒸気が水プール中へ噴出する蒸気噴流の実験データを取得し,そのデータを用いて改良機能を検証した.日本原子力研究所で設計された受動的安全炉JPSRの余熱除去系水プール内の熱流動解析へ適用し,同プールの除熱性能を検討した.その結果,改良したACE-3Dコードにより水プール内の二相自然対流現象を精度よく予測できること,並びにJPSR余熱除去プールの除熱性能の高いことを確認した.


270883
Tables and graphs of cross sections for compound nucleus formation by charged particles
杉暉夫*・中川庸雄・川崎弘光*・飯島俊吾*
JAERI-Data/Code 99-039; Aug.1999,52p.

 荷電粒子,p,α,d,t,3Heによる複合核形成断面積を汎用光学模型パラメータを用いて計算した.標的核は,原子番号5から83の元素ごとに最も天然存在比の大きい原子核の(n,p),(n,α),(n,d),(n,t),(n,3He)反応でできる残留核である.入射エネルギーの範囲は0から40MeVとした.計算結果を表とグラフで示す.この計算の目的は,これらの複合核形成断面積の概要をつかむことと,中性子入射による荷電粒子放出反応断面積を計算するための基礎データとして使うことにある.


271044
改良TRAC-BF1コードによる真空容器内冷却材侵入事象の解析
安島俊夫*・栗原良一・関泰
JAERI-Data/Code 99-040; Aug.1999,84p.

 核融合炉における真空容器内冷却材侵入事象(ICE)解析のための原子炉過渡解析コード(TRAC-BF1)の改良及び整備を行った.前報で報告した改良TRAC-BF1コードをベースに,VESSELコンポーネントの平面部構造材モデルに複数のメッシュ分割とメッシュ毎の材質指定を可能とすることで,メッシュ分割の一部に内部発熱を考慮できるようにした.また,真空に近い低圧条件で解析できるように,TRAC-BF1コードにおける蒸気表の適用範囲等を調査し,コードの改良を試みた.本報告書は,これらTRAC-BF1コードの追加改良項目の概要,ICE実験データを用いた評価結果,及び核融合炉実機データを用いた評価結果についてまとめたものである.


271144
CRECTJ:A Computer program for compilation of evaluated nuclear data
中川庸雄
JAERI-Data/Code 99-041; Aug.1999,98p.

 評価済み核データをENDFフォーマットで編集するために,CRECTJを開発した.CRECTJには,CRECTJ5とCRECTJ6の2つのバージョンがある.CRECTJ5は,ENDF/B-IVフォーマットとENDF/B-Vフォーマットのデータ,CRECTJ6はENDF-6フォーマットのデータを取り扱う.これらのプログラムは,日本の評価済み核データライブラリーJENDLの開発に利用されてきた.本レポートでは,CRECTJの入力データと使用例を示す.


271145
JQMD(Jaeri Quantum Molecular Dynamics)コードの開発
仁井田浩二*・丸山敏毅・奈良寧・千葉敏・岩本昭
JAERI-Data/Code 99-042; Sep.1999,73p.

 QMD(Quantum Molecular Dynamics)モデルは重イオン入射反応を記述する有効なモデルとして80年代後半に提案された.原研先端基礎研究センターでは,このQMD理論を発展させ原研版QMD模型を構築し,核子あたり数10MeVから数GeV領域の核子や重イオン入射反応に対する有効性を示し,核物理及び核データ分野で多くの成果を挙げてきた.本報告では,原研版QMD模型に基づく計算コードJQMD(Jaeri Quantum Molecular Dynamics)に含まれる物理モデルとプログラムの解説,利用の手引きとなるいくつかの計算例をまとめた.


271146
高中性子束照射場におけるJENDL Dosimetry File 99の積分テスト
島川聡司
JAERI-Data/Code 99-043; Sep.1999,75p.

 改訂JENDLドシメトリーファイル(JENDL/D-99)の積分テストを,高中性子束をもつ核分裂中性子源であるJMTRの照射場で実施した.解析の結果,JENDL/D-99を用いた8種類のスペクトル平均断面積は,改訂前のJENDL/D-91及びIRDF90v2のスペクトル平均断面積に比べて大きな相異はないが,おおむね計算値と実験値の一致度は改善された.C/E比の範囲は,0.86〜1.08であり,C/Eの平均値は0.956±6.7%であった.テストの結果,JENDL/D-99は高中性子束炉の照射場に対して,有効な評価を与えることが確認できた.


271241
世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)モデルコード,2; 広域用濃度・線量予測モデルGEARN
古野朗子・茅野政道・山澤弘実
JAERI-Data/Code 99-044; Oct.1999,68p.

 世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)の広域用3次元濃度・線量予測モデルGEARNについて,モデル方程式,コード内容,モデル使用法及び関連情報をまとめた.GEARNは多数の粒子群をランダムウォーク法で追跡することで,放射性物質の移流・拡散を計算するモデルであり,質量保存則を満たす風速場を計算する診断型モデルWSYNOPからの3次元風速場を入力して,地形を考慮した数千kmスケールの3次元濃度分布,地表沈着量,公衆への被曝線量を計算する.モデルコードは並列ベクトル化されている.また,モデルコードはUNIX-OSであれば機種間の移行は容易であり,現在,VPP300,VPP500及びSUNワークステーションで稼動している.


271242
種々の反応度印加に対する動特性解析のための簡易プログラム : REARA
島川聡司・田畑俊夫・小向文作
JAERI-Data/Code 99-045; Nov.1999,31p.

 従来,動特性解析に用いられてきたアナログ計算機に替わるものとして,複雑な反応度印加条件に対して簡易かつ迅速に解析可能なデジタル計算機用プログラム「REARA(REActivity Response Analyses program)」を開発した.このプログラムでは,自動制御棒効果や温度フィードバック効果などを考慮した解析,パルス中性子打込みに対する応答解析が可能となっている.本プログラムの解析結果の妥当性は,アナログ解析結果と比較することにより確認した.このプログラムを使用することにより,計算準備作業にかかる時間を飛躍的に節約することができる.また,原子炉運転員の訓練時に,動特性シミュレーションプログラムとしても利用できる.


280013
軽水炉燃料解析コードFEMAXI-V(Ver. 1); 詳細構造とユーザーズマニュアル
鈴木元衛・上塚寛
JAERI-Data/Code 99-046; Nov.1999,261p.

 FEMAXI-Vは,軽水炉燃料のふるまい解析を目的とするコードとして,前バージョンFEMAXI-IV(Ver. 2)と高燃焼燃料解析コードEXBURN-Iを統合し,多くの機能の追加・改良を実施したバージョンである.本報告は,FEMAXI-Vの設計,基本理論と構造,モデルと数値解法,改良と拡張,採用した物性値を詳述したものである.本コードの有効かつ広範な利用を可能とするため,入出力の種類と方法を詳しく説明し,具体的なサンプル出力を添えた.


280014
Dose coefficients for intakes of radionuclides by workers; Coefficients for radionuclides not listed in ICRP Publication 68
遠藤章・山口恭弘
JAERI-Data/Code 99-047; Dec.1999,24p.

 半減期10分以上の核種の中で,ICRP Publ. 68に収録されていない149核種に対して,単位摂取量あたりの預託実効線量(線量係数)を計算した.また,不活性ガス核種に対して,実効線量率を計算した.線量係数の計算は,ICRP Publ. 66の呼吸気道モデル及びPubl. 30の体内動態モデルに基づいた内部被ばく線量計算プログラムLUDEPを用いて行った.計算には,評価済み核構造データファイル(ENSDF)から新たに編集した崩壊データを用いた.実効線量率の計算では,放射性雲からの外部照射及び肺中のガスによる肺の照射を考慮した.計算結果は,Publ. 68の表形式にまとめられた.これらは,加速器施設,核融合炉施設において生成される核種に対する被ばく線量評価に利用することができる.


280015
MCNPライブラリ自動編集システムautonjの開発
前川藤夫・桜井淳・小迫和明*・久米悦雄・川崎信夫*・野村靖・内藤俶孝*
JAERI-Data/Code 99-048; Dec.1999,52p.

 原子力コード委員会原子力コード評価専門部会の「MCNP高温ライブラリ作成ワーキンググループ」の活動として,MCNPライブラリ自動編集システムautonjの開発を行った.これはNJOY-97コードを中核とし,JENDL-3.2等の評価済み核データファイルから容易にMCNP用断面積ライブラリを編集できる効果的なシステムである.このautonjにより,JENDL-3.2に基づく6温度点における温度依存ライブラリを作成した.また,これらのautonjシステム及び温度依存ライブラリを原研のAP3000計算機上にインストールした.


280016
沿岸海域における3次元海流モデルの開発
小林卓也
JAERI-Data/Code 99-049; Dec.1999,47p.

 日本の沿岸海域に放出される放射性物質等の移行挙動現象を明らかにするために,プリンストン大学の開発した海水の流動場を定量的に把握・予測する3次元モデルPOMを導入し,試計算を行うとともに,日本域でのシミュレーションのための改良を行った.本報告書ではモデル方程式,数値解法,モデルの改良等について記述するとともに,計算を実施する際に必要となるデータベース及び可視化システムについても言及した.また,試計算は下北地区を対象に行い,境界条件が及ぼす計算結果への影響を明らかにした.


280017
動力試験炉(JPDR)の解体廃棄物に関する特性評価(受託研究)
白石邦生・助川武則・柳原敏
JAERI-Data/Code 99-050; Jan.2000,113p.

 解体実地試験で収集したデータの中から廃棄物に関するデータの分析を進めその特徴をまとめた.この結果,解体実地試験から発生したすべての廃棄物(固体)は24,420トンで,このうち,放射性廃棄物は3,770トンであり,これらは施設全体の機器・構造物の65%及び10%を占めることが明らかになった.さらに,放射能レベル毎の廃棄物発生量の分析では,極めてレベルの低い放射性廃棄物が約80%,比較的レベルの高い放射性廃棄物が4%であった.他方,放射性廃棄物の多くは各種容器に収納して保管しており,その特性に関する分析では,約8,000個の容器が発生し,その平均収納効率は約0.93/m3トンであった.これらの分析結果を解体実地試験が開始される前に予測した廃棄物発生量と比較し,精度良く廃棄物発生量を予測するうえで重要となる要点を明らかにした.


280083
Paragon上での入出力プログラミングガイド
上島豊*・荒川拓也*・佐々木明・横田恒*
JAERI-Data/Code 99-051; Jan.2000,23p.

 日本で100並列を越える並列計算が,実際に行われるようになったのは,つい数年ほど前からである.日本原子力研究所(原研)のIntel製Paragon XP/S 15GP256<那珂研究所>,75MP834<関西研究所>は,本格的超並列計算機の先駆けとして光量子,核融合の大規模,超並列計算を目的に導入されている.これらの計算機を使って超並列計算を行うためは,多くの超並列計算プログラムが移植や新規作成されている.これらのプログラムは,従来,ワークステーションやベクトル計算機上で動作していたものをそのまま移植したものか,並列用にアルゴリズムの変更を施したものである.異なる計算機及びオペレーティングシステム(OS)のもとでのプログラム開発には,細心の注意とノウハウが必要であるが,Paragonに到ってはユーザ数が極めて少ないため,ノウハウの集積と環境の標準化が大変困難な状況にある.原研関西研究所におけるParagon XP/S 75MP834上での超並列計算プログラム開発において得た情報をParagon上でのスカラー超並列プログラム開発ガイドとしてJAERI-Data/Code 98-030にまとめた.本報告書では,超並列計算機が持つ特殊性が際立つ入出力周りにテーマを限定して,より高速かつ安定に入出力を実行できる方法をFortranとCのプログラム実例入りで解説する.


[ page top ]
JAEA >  JAEA図書館 >  JOPSS >  研究開発報告書類[バックナンバー] >  JAERI-Data/Code(1999年)
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)