研究開発報告書類


JAERI-Review
1999年


270296
教職員を対象とした原子力実験セミナー
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 99-001; Feb. 1999, 304p.

 日本原子力研究所国際原子力総合技術センターは,科学技術庁からの受託事業として高等学校及び中学校の教職員を対象として,講義だけでなく実験も効果的に加えて原子力に関する正しい知識を普及するため,平成2年度から9年度まで「原子力実験セミナー」を実施してきた.本報告書は,その経緯と成果について述べるとともに,事業として平成4年度から発行された小冊子「セミナー通信」1〜17号を掲載している.「セミナー通信」は受講者のフォローアップを目的として,実験セミナーの詳細な内容,受講者の感想・提言及び授業実践の報告等をまとめたものであり,今後の原子力教育の参考になるものと考えられる.参照の便を図るため各号の目次を一括してまとめた.なお,本事業のうち一部は,平成9年度より(財)放射線利用振興協会に移管され残りも平成10年度から移管された.


270297
ビチューメン放射性廃棄物固化体の耐浸出性; 文献調査
秋元利之・中山真一・飯田芳久・永野哲志
JAERI-Review 99-002; Feb. 1999, 165p.

 フランス核燃料公社(COGEMA)からの返還廃棄物の一部はビチューメン固化体であり,日本国内に地中処分される予定である.処分の性能評価のためには,地下環境におけるビチューメン固化体の浸出率のデータが必要である.ビチューメン固化体の浸出試験を行うにあたり,ビチューメン固化体に関する国内外の文献を調査し,地中処分の観点からビチューメン固化体に関する最新のレビューとして本書をまとめた.調査項目は,ビチューメンの物理的・化学的性質,ビチューメン固化体の製法,性質,及び耐浸出性であり,固化体の耐浸出性に重点をおくために,とくに浸出試験と既往の研究結果について詳述した.超ウラン元素の浸出率データ,及び地下環境に特有である低酸素濃度雰囲気下における浸出率データは今までほとんど得られていない.


27211
Progress report on neutron scattering research;April 1, 1997-March 31, 1998
鈴木淳市・藤原悟・相澤一也
JAERI-Review 99-003;Feb. 1999, 119p.

 先端基礎研究センターに所属する中性子散乱グループの研究を中心に,改3号炉(JRR-3M)を利用した所内の中性子散乱研究,所外との協力研究及び共同研究の1997年4月〜1998年3月の期間における成果をまとめたものである.


270298
人口・エネルギー・環境問題の統計−予測集
傍島眞
JAERI-Review 99-004; Mar. 1999, 64p.

 世界の人口が急速に増加する中で,人類は今後何世紀にもわたってそれぞれに住む場所を見つけ,食糧を確保し,生活に必要なエネルギーを平和に入手しなければならないという地球規模の問題に直面しようとしている.このため,人間は有限な地球環境の中でどのような行動をとるべきであるかを考え,話し合い,合意実行していかなければないない.エネルギーは長い間生活向上のシンボルのように崇められ,求められ,使われてきたが,これからは地球環境を悪化させる利用は制限しなければならない.環境にコストをかけないエネルギーは十分にあるのか.その一つとされる原子力の資源量と市場競争力は長期的にあるのか.放射能を恐れる社会にその受容が限定されるとき,それを補う他の新エネルギーの実現性はどの段階にあるのか.将来有望なものがあるのか.エネルギーの研究にかかわるものは知らずにはいられない.ここに集めた統計資料は,その目的に役立つと考えられるもので,過去の実態を基本に将来の予測に及んでいるものを多く採り上げた.予測の研究は未来への対策のために重要なものであり,このデータベースをより精度よいものに改良していく研究の基礎となることを期待する.


270638
Annual report of JMTR, FY1997,April 1,1997 - March 31,1998
材料試験炉部
JAERI-Review 99-005; Mar.1999,79p.

 1997年度は,軽水炉及び核融合炉の研究開発,燃料・材料の基礎研究及びRI生産等の照射利用のために120,121及び123サイクルの合計3サイクル運転を行った.照射利用の技術に関して,照射場評価として照射試料位置における中性子スペクトル評価精度を向上させるための開発を進めた.一方,照射技術に関しては照射試料の垂直移動,再照射,応力負荷が行える照射キャプセルの開発を行うとともに,要素技術としての燃料棒用酸素ポテンシャルセンサ等の開発を行った.照射後試験技術に関して,交流電位差法を用いたき裂長さ測定技術及び遠隔操作による微小試験片加工技術の開発を行った.核融合開発に関しては,ブランケット照射挙動及び関連材料に関する照射研究を進めた.本報告書は,1997年度中にJMTRにおける運転,照射試験,技術開発の概要をまとめたものである.


270430
材料試験炉−運転と技術開発,No.12; 1997年度
材料試験炉部
JAERI-Review 99-006; Mar.1999,79p.

 1997年度は,軽水炉及び核融合炉の研究開発,燃料・材料の基礎研究及びRI生産等の照射利用のために120,121及び123サイクルの合計3サイクル運転を行った.照射利用の技術に関して,照射場評価として照射試料位置における中性子スペクトル評価精度を向上させるための開発を進めた.一方,照射技術に関しては照射試料の垂直移動,再照射,応力負荷が行える照射キャプセルの開発を行うとともに,要素技術としての燃料棒用酸素ポテンシャルセンサ等の開発を行った.照射後試験技術に関して,交流電位差法を用いたき裂長さ測定技術及び遠隔操作による微小試験片加工技術の開発を行った.核融合開発に関しては,ブランケット照射挙動及び関連材料に関する照射研究を進めた.本報告書は,1997年度中にJMTRにおける運転,照射試験,技術開発の概要をまとめたものである.


270431
研究炉利用における研究成果集; 平成9年度
豊田政幸*・小山芳己
JAERI-Review 99-007; Mar.1999,528p.

 平成9年度における研究炉での実験利用,照射利用を行った利用者(原研外を含む)からの成果の提出を受け,これを取りまとめたものである.


270299
相対論電子状態計算法(DV-DFS)を用いた重元素科学研究の現状
平田勝・T. Bastug*・関根理香*・尾上順*・中松博英*・向山毅*
JAERI-Review 99-008; Mar. 1999, 29p.

 京大,静岡大,理研及び原研で進めている相対論電子状態計算法(DV-DFS)を用いた重元素科学研究に関する最近の研究成果を取りまとめた.本報告書は,日本化学会第74回春季年会(1998年3月)での特別企画講演及び原研で開催した,XAFS・相対論電子状態計算によるアクチノイド研究ワークショップ(1998年11月)で講演した内容をまとめたものである.


270432
第10回高温超伝導研究会報告
北條喜一・岡安悟・笹瀬雅人*
JAERI-Review 99-009; Mar.1999,123p.

 この研究会は,科学技術庁超伝導材料研究「マルチコアプロジェクトII」計画の一環として行われたもので,基礎理論及び各種の実験結果さらに高エネルギーイオン照射による材料改質効果に関連した発表のアブストラクトである.


270433
先進各国における原子力受容
傍島眞
JAERI-Review 99-010; Mar.1999,25p.

 原子力発電の普及の国による著しい違いは,その国のエネルギー事情などのおかれた環境が大きく支配しているものの,それぞれの国のエネルギー政策の進め方によるところが大きい.また,そのような政策を作り出し,受け入れるかどうか決める国民の意識の差も大きいとの指摘もある.特にフランスは,伝統的にリスクのコントロールができないとする国民の認識のほか,政府や専門家に高い信用を抱えているとし,その反対に,アメリカ人はリスクを自らコントロールしようと行政に介入し,専門的判断にも変更を加えようとする,との分析は世界の原子力普及の二極化の一面を説明する.日本人は,近年に続く官僚の不祥事の影響もあってか,行政を信用しなくなり,情報の公開を求め発言する機運が強まっているが,このことが,原子力の停滞の背景にある.温暖化など地球的問題の解決には,少なくとも原子力技術の専門家が,事故や不祥事によって失われかけている信用を着実な行動で取り戻し,信任の得られる原子力の開発計画の全体像を示し,再び国民の付託を得ることが,一層必要になっている.


270300
原子力受容問題の論点
傍島眞
JAERI-Review 99-011; Mar. 1999, 200p.

 原子力発電はこれまで,将来に大きな重点をしめるエネルギー源として,国策で立地が進められ,近年では化石燃料の利用がもたらす地球温暖化を抑制しうる手段として期待がもたれるようにもなっているが,この利用拡大に反対する立場あるいは慎重論の立場からは,放射能管理に関する危険性の指摘などの技術論のみならず,エネルギー論,政策論,生活文化論などからの社会不適合論があげられている.立地地域における貢献の評価にも様々な賛否論が広がっている.しかしながら議論の論点の幅は広く,またしばしば専門的で理解が困難なため,あるいは思いこみや固定した不信感が障壁となって,それぞれの主張が相手によく理解されないという焦燥感や諦観が支配するに至る討論も多いように見える.それぞれの立場の利害が一致を見出しにくくなっている社会状況にあって,政策に何らかの合意の方向を見出すには,可能な限りの議論によって互いの論点を知り,理解の誤りを正し,一致点を広げていくこと以外にはないように思われる.ここに原子力受容を巡る様々な立場,角度からの論点を,無為に続く膠着状態がよい合意に向かって歩を進めるための参考となりうるようにとりまとめた.


270434
OECD/NEA,SCORPIO-VVERプロジェクト; VVER型原子力プラントの炉心監視機能の高度化
鴻坂厚夫・鈴土知明
JAERI-Review 99-012; Mar.1999,22p.

 旧東欧支援の一環として,西側PWR用に開発された炉心監視システムSCORPIOを旧ソ連型PWRプラント(VVER)に移植するOECD/NEAプロジェクトが科学技術庁の財政的支援により1996〜7年度に実施された.プロジェクトはSCORPIOの開発元であるノルウェーハルデン炉計画と,設置先であるチェコ電力公社ドゥコヴァニ・プラントが中心となって実施された.報告者らはプロジェクト運営委員会の日本代表を勤め,プロジェクト実施に関して技術的なアドバイス等を行うことによりプロジェクトの運営に参加した.本報告書はプロジェクトの概要と技術的情報をまとめたものである.


270435
原子力研究におけるモンテカルロシミュレーション; 原子力コード評価専門部会平成10年度活動報告
桜井淳・山本俊弘
JAERI-Review 99-013; Mar.1999,63p.

 本報告書は,原子力コード委員会原子力コード評価専門部会の平成10年度の作業内容をまとめたものである.「モンテカルロシミュレーション」ワーキンググループで調査・検討した高エネルギー領域のモンテカルロ計算の現状や「MCNP高温ライブラリー作成」ワーキンググループで整備したMCNP断面積自動編集システムについて記されている.


271153
核融合原型炉構造材料開発に関する検討
構造材料研究開発推進専門部会
JAERI-Review 99-014; Apr.1999,104p.

 原子力委員会で定められた第三段階核融合研究開発基本計画及び核融合会議計画推進小委員会報告「核融合炉構造材料の開発について(中間報告)」に基づいて,日本原子力研究所東海研究所原子力材料研究委員会構造材料研究開発推進専門部会において核融合炉構造材料の開発戦略について検討してきた.ここでは,それらの検討をまとめて当専門部会の核融合原型炉構造材料開発の進め方に関する報告書とした.本報告書では,構造材料の中でも使用条件が厳しく開発の難度が最も高いブランケット用構造材料を取り上げ,材料開発の対象を主として低放射化フェライト鋼,SiC/SiC複合材料,バナジウム合金とし,各材料の核融合原型炉での使用条件と設計要件を明らかにした.それに基づいて,各材料の開発の現状と課題を概説した.さらにブランケット用構造材料開発では,照射特性の向上とその評価が特に重要であることから,照射施設,特に加速器型核融合近似中性子源及び照射施設としての核分裂炉の整備について記述した.これらの作業の中で,現在の開発の進捗状況から低放射化フェライト鋼を先進材料とし,SiC/SiC複合材料,バナジウム合金を次世代先進材料として,適宜チェック・アンド・レビューにより開発計画の見直しを行うこととした.なお,本報告書において,第1章から第5章までは検討の要約であり,第6章において上記三つの材料と照射施設に関する詳論が記述されている.


270550
核融合研究開発専門部会評価結果報告書
研究評価委員会
JAERI-Review 99-015; May.1999,44p.

 研究評価委員会は,「日本原子力研究所における研究開発評価の基本指針」及び「研究所評価委員会及び研究評価委員会規程」に基づき,核融合研究開発専門部会を設置し,核融合研究開発関連の研究課題について今後5年間の計画の事前評価を実施した.本報告書はその評価結果である.


270729
確率論的構造力学解析における並列計算プログラムの基本設計
加治芳行・荒井長利・W. Gu*・中村均*
JAERI-Review 99-016; Jun.1999,61p.

 これまでセラミックス製構造物の新たな構造信頼性評価解析法の開発を目的として,潜在欠陥に関する微視的破壊力学をベースとする材料強度理論と連続体構造力学モデルとを融合させる,超並列計算システム対応の計算力学的手法を検討してきた.本論文は,その一環として計算力学プログラムの基本設計のうち主な項目に関係している確率論的構造力学の原理,定式の基礎事項及び並列処理計算のプログラミング手法について調査し,概要をまとめたものである.


270891
NERI(Nuclear Energy Research Initiative)計画で採択された研究課題の概要
岩村公道・大久保努・碓井修二*・嶋田昭一郎*・鍋島邦彦・白川利久*・角田恒巳・石川信行・鈴土知明・中塚亨・新谷文将・吉田啓之
JAERI-Review 99-017; Aug.1999,60p.

 NERI(Nuclear Energy Research Initiative)とは,米国エネルギー省(DOE)が1999会計年度から19M$の予算で開始した公募型研究プログラムである.NERI計画の目的は,米国における原子力科学技術のインフラストラクチャーを維持・発展させ,原子力分野での国際競争力を確保することにある.DOEは1999年5月にNERI計画初年度分の研究課題として45件を採択した.採択課題は以下の5項目の研究分野に分類できる.(1)核不拡散型原子炉・燃料サイクル関連,(2)新型炉関連,(3)先進燃料関連,(4)核廃棄物管理の新技術関連,(5)原子力基礎科学研究関連.NERIは米国政府が出資する戦略的な原子力研究開発計画であり,その動向は日本国内の原子力産業界はもとより原研等の原子力研究機関における研究開発の将来計画にも影響を及ぼすと考えられる.本報は,NERI採択課題の要旨を分析しまとめたものである.


271054
環境問題と廃棄物
三田村久吉・馬場恒孝・前田敏克・石山孝
JAERI-Review 99-018; Aug.1999,47p.

 「環境モニタリングと修復・保全技術の開発」を進めるにあたり,必要となる予備知識を得,その技術開発の方向性をさぐるため,書籍や論文等のレビューを行った.環境問題と廃棄物とのかかわりに注目し,おもに地球環境の成り立ち,環境先進国の取り組み,日本の廃棄物問題,環境保全技術の適用例について述べている.


271055
セラミックス系新素材の高温照射試験計画に関する調査
石野栞*・寺井隆幸*・奥達雄*・荒井長利・林君夫・伊藤久義・矢野豊彦*・本橋嘉信*・北村隆行*・筑本知子*・熊倉浩明*・佐々木優吉*・白石稔*・山田能生*・石原正博・星屋泰二・高橋常夫*・柴田大受・相原純
JAERI-Review 99-019; Aug.1999,238p.

 本報告書は,HTTRによるセラミックス系新素材の照射試験計画を効率的に遂行するため,関連研究動向,HTTR照射試験方法等の調査・検討を,原子力学会に委託した結果をまとめたものである.高温超伝導材料,高温半導体の照射改質,耐熱セラミックス複合材料の照射損傷のほか,新規テーマ(超朔性セラミックス材料の照射効果,変形・破壊のシミュレーション等)を対象とした.本調査により,各研究テーマの目標・意義,HTTR照射試験方法等が明らかになった.本調査は,高温工学に関する先端的基礎研究について,さらに詳細な計画を立案し,実施してゆくための重要な基礎を構築したものである.


271154
中性子科学研究計画/大型ハドロン計画の施設統合計画にかかわる国際レビュー専門部会評価結果報告書
研究評価委員会
JAERI-Review 99-020; Aug.1999,77p.

 研究評価委員会の下に設置された「中性子科学研究計画/大型ハドロン計画の施設統合計画にかかわる国際レビュー専門部会」は平成11年4月26日及び27日に日本原子力研究所本部において開催された.12名の国内外の専門家から構成される同専門部会は,日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構がそれぞれ進めてきた中性子科学研究計画と大型ハドロン計画を統合して一つの施設を建設する統合計画について評価を実施した.評価は当日提出された評価用資料及び被評価者の説明に基づき,あらかじめ定められた評価項目に従って行われた.同専門部会が取りまとめた評価結果は研究評価委員会で審議された.本報告書はその評価結果である.


271155
計算科学技術専門部会評価結果報告書
研究評価委員会
JAERI-Review 99-021; Aug.1999,13p.

 研究評価委員会の下に設置された「計算科学技術専門部会」は平成11年4月26日に開催された.7名の専門家から構成される同専門部会は,計算科学技術推進センターの研究開発課題について,平成12年度からの5年間の計画の事前評価を実施した.評価は,事前に提出された評価用資料及び専門部会開催時における被評価者の説明に基づき,研究評価委員会によって定められた評価項目,評価の視点,評価の基準に従って行われた.同専門部会が取りまとめた評価結果は研究評価委員会で審議された.本報告書はその評価結果である.


271156
Annual report of Naka Fusion Research Establishment from April 1, 1998 to March 31, 1999
那珂研究所
JAERI-Review 99-022; Sep.1999,118p.

 那珂研究所の平成10年度の核融合研究活動の内容について報告する.主な活動は,JT-60とJFT-2M,日米協力によるDIII-Dにおける高温プラズマの研究,及び炉工学技術開発(ITER工学R&D)を含むITER工学設計活動(EDA)である.主な成果としては,JT-60Uでの重水素放電において,透過エネルギー増倍率QDT=1.25の高性能負磁気シアプラズマを生成したことなどである.ITER工学R&Dでは,超伝導磁石の分野で中心ソレノイド・モデルコイル外層モジュールが完成し,那珂研へ搬入されたことなどである.平成10年度6月にITERの最終設計報告書がITER理事会で正式に受理された.米国を除く欧州,ロシア,日本が3年間のEDAの延長に合意し,技術目標の低減とコストを削減した設計を行うべく作業を進めている.


271252
関東北部・東北地方の太平洋側に分布する新第三紀堆積岩の特性調査
奥田勝三*・武部愼一・坂本義昭・萩原茂*・小川弘道
JAERI-Review 99-023; Oct.1999,100p.

 低レベル放射性廃棄物の埋設処分にかかわる概念構築の一環として,関東北部から東北地方にわたるおもに太平洋側(青森県下北半島東部〜茨城県東海・那珂湊地域)に分布する新第三紀堆積岩を対象に,地質特性の調査・整理を既存文献によって行った.A.下北半島東部,B.三戸−八戸,C.仙台,D.常磐炭田,E.東海・那珂湊の各堆積区に分布する地層は,奥羽脊梁山脈から東方ほど非グリーンタフ相として,地層の褶曲や変形が少なく安定した構造を示し,火成活動に伴う影響が少ない特徴を有している.各堆積区の地質構造タイプと堆積相の関係は,次のようにまとめられる.A.下北半島:緩傾斜ドーム型,二層構成層,B.三戸−八戸:急傾斜ドーム型,多層構成層,C.仙台:逆断層隆起型,多層構成層,一部は一層構成層,D.常磐炭田北部:逆断層隆起型,下位は多層構成層・上位は二層ないし一層構成層,常磐炭田中部:基盤断裂型,二層構成層,常磐炭田南部:盆状型,二層構成相,E.東海・那珂湊:基盤沈降型,一層構成層.このうち,基盤沈降型と緩傾斜ドーム型の堆積区には,安定した泥質岩の厚層が形成されている.これら地層は,埋設処分層としての適性を検討する意義を有するものと考えられる.地下水は,埋設処分上重要な役割を有しており,各区での流動の特徴を想定した.今後,地盤の物性値(透水係数・一軸圧縮強さ等)を求めるとともに,同様な調査を,日本列島全域及び先新第三紀層も対象として行う必要があると考えられる.


271253
昭和51年度から平成12年度までの安全性研究年次計画における「原研が実施すべき研究課題」の変遷
山本信夫
JAERI-Review 99-024; Oct.1999,162p.

 原子力安全委員会(当初は原子力委員会)は,原子力の安全研究を総合的計画的に実施するため,昭和51年度から5年後ごとに「安全研究年次計画」を策定しており,5か年間に実施すべき研究課題及び実施機関を挙げて実施分担の明確化を図っている.原研は計画当初から安全研究の中心的実施機関として多くの研究課題を実施してきており,その成果は,安全基準,指針等の整備や安全審査等に利用されてきた.本報告書では,昭和51年度から平成12年度までの年次計画に挙がっている「原研が実施すべき研究」の内容とその変遷をまとめた.


271254
TIARA annual report 1998
放射線高度利用センター
JAERI-Review 99-025; Oct.1999,298p.

 本年次報告は,原研イオン照射研究施設で1998年4月1日から1999年3月31日までの間に行われた研究活動の概要をまとめたものである.(1)宇宙用半導体,(2)バイオテクノロジー,(3)放射線化学及び有機材料,(4)無機材料,(5)材料解析,(6)核科学及びラジオアイソトープ製造,(7)マイクロビーム応用,(8)放射線遮蔽,(9)加速器技術の9部門にわたる95編の研究報告に加えて,施設の運転・利用状況,公表された文献,企業・大学等との研究協力関係,研究開発・施設運営組織を収録する.


280024
ホット試験室施設の運転と技術開発; 平成10年度
ホット試験室
JAERI-Review 99-026; Nov.1999,118p.

 本報告書は,平成10年度のホット試験室の活動について燃料試験施設,WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである.燃料試験施設では,関電・高浜3号機で使用されたPWR燃料集合体の照射後試験を実施するとともに,核燃料サイクル開発機構「ふげん」炉で照射された被覆管試料及びPWR燃料集合体構成部材にかかわる照射後試験を実施した.また,所内利用に応えてNSRRパルス照射用燃料の短尺加工,安定化プルトニウム燃料の照射後試験等を実施した.ホットラボでは,NSRR照射燃料,HTTR用燃料・材料及び原電東海1号機燃料モニタリングにかかわる総合評価を行った.WASTEFでは,高レベル廃棄物処理処分の研究にかかわる試験を継続して行った.


271255
ソフトウェア信頼性に関する理論及び技術的現状
鈴土知明・渡邉憲夫
JAERI-Review 99-027; Nov.1999,23p.

 平成9年度より行っている「ディジタル計測制御系の信頼性に関する調査」研究の一環として,ソフトウェア開発プロセスにおける信頼性向上を目的として用いられている方法やツール等について,理論と技術的現状を調査した.その結果から,計算機支援のソフトウェア設計及び作成ツール(CASEツール),ソフトウェアの概略的な要求事項とそこから作成された詳細設計仕様との整合性を代数的に検証する手法,及び,開発終了時前の健全性確認段階におけるソフトウェア内部情報を使った効率的な試験方法(ホワイトボックス試験)等が,将来,信頼性向上に大きな役割を果たしていくことが予想される.


280025
JAERI TANDEM & V.D.G. Annual Report 1998; April 1, 1998-March 31, 1999
物質科学研究部
JAERI-Review 99-028; Dec.1999,123p.

 本年次報告書は,東海研究所の原研タンデム及びバンデグラフ加速器で,1998年4月1日から1999年3月31日までの間に行われた研究活動をとりまとめたものである.(1)加速器の運転と開発研究,(2)核構造,(3)核反応,(4)核理論,(5)原子分子物理・固体物理及び材料の放射効果の5部門にまたがる38編の研究報告,公表された文献,関与した職員及び大学等との協力研究のリストを収録している.


280026
国際原子力総合技術センターの活動; 平成10年度
国際原子力総合技術センター
JAERI-Review 99-029; Nov.1999,94p.

 本報告書は,日本原子力研究所の国際原子力総合技術センターにおける平成10年度の業務概要をまとめたものである.東京研修センター及び東海研修センターにおいて実施した研修及び技術交流推進室が実施した業務の内容をはじめ,研修のための技術開発や事業運営管理などについて述べた.東京,東海の両研修センターでは,年度当初に計画した国内及び国外向けのすべての研修を予定どおりに実施でき,合計1,156名の修了生を送り出すことができた.また,3年目を迎えた技術交流推進室では,アジア・太平洋原子力研究推進にかかわる業務及び国際研修にかかわる計画立案等を順調に進めることができた.一方,研修コース開催のほかに,研修内容の改善に資するための技術開発や新しい知見を得るための研究等も進めており,着実な成果を上げている.


271256
日本原子力研究所機関運営評価報告書
研究所評価委員会
JAERI-Review 99-030; Nov.1999,25p.

 本報告書は,「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」に基づいて設置された,外部の専門家や学識経験者で構成される研究所評価委員会が,日本原子力研究所の機関運営全般について評価した結果をまとめたものである.


280027
Nuclear Energy System Department Annual Report; April 1, 1998 - March 31, 1999
エネルギーシステム研究部
JAERI-Review 99-031; Jan.2000,320p.

 本報告書は,平成10年度におけるエネルギーシステム研究部の研究活動状況をとりまとめたものである.エネルギーシステム研究部は,平成10年度より新たに編成された部であり,将来型炉等新たなエネルギーシステムを視野に入れた基礎基盤的な研究を進めている.エネルギーシステム研究部の研究分野は,核及び原子分子データの評価や低減速スペクトル炉の概念設計研究,高速中性子体系における炉物理実験及び解析,炉特性解析コードの開発,原子炉制御及びセンシング技術の開発,伝熱流動実験及び解析,原子力用新材料の開発及び経年挙動研究,新型燃料の研究,舶用炉及び原子力船システムの研究等の研究開発にわたっている.このほか,エネルギーシステム研究部の各種炉工学施設の維持・管理も行っている.本報告では,エネルギーシステム研究部が運営を担当する研究委員会の活動報告もとりまとめられている.


280099
平成10年度研究炉部年報;運転・利用と研究・技術開発
研究炉部
JAERI-Review 99-032; Feb.2000,232p.

 研究炉部は,JRR-3M及びJRR-4の各施設を運転管理し,利用に供するとともに,JRR-2の廃止措置,関連する研究・技術開発を実施している.本報告書は,平成10年度における当部の業務を記したものであり,種々の技術的事項についても詳細に説明している.研究炉部においては,具体的な業務として,原子炉施設の運転保守・整備,照射利用,中性子ビーム実験利用に加えて,新燃料,使用済み燃料及び水・ガスの管理を含む技術管理,関連する研究・技術開発等を行っている.また,JRR-2の廃止措置及び開発途上国との間で原子炉施設の運転管理,照射技術,安全解析を中心に国際協力を実施している.以上のほかに,利用の便を考慮し,付録として研究炉部組織,業務,研究成果等も集録した.


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