研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
2000年


280018
ICRPの内部被ばく線量評価法に基づく空気中濃度等の試算
河合勝雄・遠藤章・桑原潤・山口武憲・水下誠一
JAERI-Data/Code 2000-001; Jan.2000,87p.

 本報告書は,ICRP1990年勧告の国内法令への取り入れについての検討に供することを目的に,ICRPの内部被ばく線量評価法に基づく放射性核種毎の作業者に対する空気中濃度及び一般公衆に対する排気中,排水中濃度の試算について報告するとともに,それらの試算値を放射線審議会基本部会の「外部被ばく及び内部被ばくの評価法にかかわる技術的指針」に示すところに従って書式化し,一覧表として掲載したものである.また,核種毎の濃度等が規定されていない場合の空気中濃度等をα線放出核種及び物理的半減期の区分毎に求めて掲載した.さらに,これらの試算において問題となったICRP刊行物間での放射性核種の吸収に関するパラメータの違いや化合物の表現方法等についても記述した.


280084
異機種並列計算機間通信ライブラリ: Stampi; 利用手引書第二版
今村俊幸・小出洋・武宮博*
JAERI-Data/Code 2000-002; Feb.2000,75p.

 異なる並列計算機を任意に組み合わせ計算を行うために,MPIを通信のための単一のインターフェイスとする異機種並列計算機間通信ライブラリStampiを開発した.StampiはMPI2のインターフェイス仕様に基づき,異なる計算機への動的なプロセス生成とMPIのセマンティクスを保ったまま外部との通信を可能としている.Stampiの主な特徴は次のようにまとめられる.(1)外部通信と内部通信とのプロトコル自動選択機能,(2)通信中継モジュールによるメッセージ中継機能,(3)動的なプロセス生成,(4)異なる2種類の通信路(Master/Slave,Client/Server)の動的形成方法サポート,(5)Java Appletとの通信.従来,ベンダー提供のライブラリでは提供されていなかったこれら外部へのプロセス生成と通信の機能等を実現し,これにより異機種の並列計算機を同時に用いた計算が可能となった.現在Stampiは計算科学技術推進センター所有の並列計算機群COMPACSの5台の並列機とグラフィックサーバ,ほかに8種の並列計算機に実装(計14機種)され,それら計算機間での任意の通信を可能としている.本稿では,Stampiの利用方法を中心に報告している.


280085
grasp92によるHe原子基底状態Dirac-Coulombエネルギーの高精度計算手順
内海隆行*・佐々木明
JAERI-Data/Code 2000-003; Feb.2000,30p.

 grasp92コードは,多電子配位原子の相対論的波動関数をMulti-configuration Dirac-Fock(MCDF)法で解く公開されたプログラムであり,原子特性計算に広く利用されている.grasp92コードはプログラムの集合体であり,genisoによる原子特性値(ISO)ファイルの生成,gencslによるコンフィギュレーション状態関数(CSF)ファイルの生成,genmcpによる角運動量結合係数(MCP)ファイルの生成,erwfによる動径成分波動関数(RWF)の初期推定計算,rscf92による平均エネルギーレベル(AL)計算,rci92によるコンフィギュレーション相関(CI)計算,oscl92による振動子強度計算については計算手順も明確であり,数値的に安定な計算を実行することができる.しかし,高精度計算の中心的役割を果たすrscf92による最適エネルギーレベル(OL)計算では,計算手順の自由度の高さから明確な手順が存在せず,しばしば数値不安定性を伴い高精度計算への障害となっている.このことから,本報告ではHe原子基底状態を例にとり数値安定的なEOL計算の手順の基本指針を示す.


280086
ニューラルネットワークによる原子炉設計における多次元設計ウィンドウ探索システム
久語輝彦・中川正幸
JAERI-Data/Code 2000-004; Feb.2000,97p.

 原子炉炉心設計において多用されるパラメータサーベイによる設計作業を支援するシステムを開発した.本システムにより,設計ウィンドウ,すなわち設計基準や要求仕様を満足する設計変数の範囲を多次元空間において効率的に得ることができる.本方法の原理は,解析コードにより得られた教師信号を階層型ニューラルネットワークに学習させ,それを解析コードの代わりに用いることによって計算時間の短縮を図るというものである.本システムはワークステーション上で稼動し,利用者が容易に入出力処理を行うためのマンマシンインターフェースを充実させた.本報告書は,手法の原理,システム構成,システム使用方法,ニューラルネットワークの学習方法,解析計算に必要な入力変数等を解説したユーザマニュアルである.


280087
データ可視化機能を持つ並列プログラムデバッグツール: vdebug; vdebug利用手引書
松田勝之*・武宮博*
JAERI-Data/Code 2000-005; Feb.2000,66p.

 並列科学技術計算プログラムのデバック作業を支援するデバッガvdebugについて報告する.大量のデータの正誤判断を行う必要があるため,数値データをそのまま画面に表示する従来のデバッガを用いて科学技術計算プログラムをデバッグすることは困難である.この困難を軽減するために,われわれはデータを可視化表示することにより大量のデータの正誤判断を可能とするデバッグツールvdebugを開発してきた.これまでvdebugを用いたデバッグ対象は逐次プログラムに制限されていたが,7種の並列計算機で提供されているデバッガへの対応を図ると同時に,個々の並列プログラムに散在するデータを統合し可視化表示する機能を実現することで,並列プログラムの容易なデバッグを可能とした.本報告書では,並列プログラムへの対応を実現したvdebugの使用方法と並列プログラムデバッグ実施例について述べる.


280150
並列計算機クラスタ上のツール間通信を支援するライブラリ: Starpc; Starpc利用及び開発手引書
武宮博*・山岸信寛*
JAERI-Data/Code 2000-006; Feb.2000,172p.

 並列計算機間の通信を支援する遠隔関数呼び出し型通信ライブラリStrarpcについて述べる.Starpcは,Java Applet-Cプログラム間及びCプログラム−Cプログラム間の通信を支援する.Starpcは,以下の3つの特徴を持つ.(1)一般に,Java Appletはセキュリティ上の制約からWebサーバとの通信しか許されていないが,Starpcはセキュリティを保持しつつJava Appletと任意の計算機上のCプログラムとの通信を可能にしている.(2)Argonne研究所において開発されたNexus通信ライブラリを利用することにより,多様な通信プロトコルに対応している.(3)8種の並列計算機,4種のWSサーバを含む多様な計算機上で利用可能である.本報告書では,Starpcの利用方法及びStarpcを用いたアプリケーションの構築方法について述べる.


280151
異機種並列計算機間通信ライブラリStampi設計書
今村俊幸・武宮博*・小出洋
JAERI-Data/Code 2000-007; Mar.2000,114p.

 計算科学技術推進センターでは,異なる並列計算機やワークステーションを任意に組み合わせた計算を行うために,MPIに基づいた異機種並列計算機間通信ライブラリStampiを開発した.現在,StampiシステムはStampi並びにStampi/Javaという形で構成されており,複合並列計算機COMPACSのみならずWWWブラウザ上で動作するAppletとの通信も可能になっている.本報告書は,開発したStampiシステムの設計方針並びに詳細仕様等を取りまとめたものである.


280088
Measurements of activation reaction rate distributions on a mercury target bombarded with high-energy protons at AGS
高田弘・春日井好己・中島宏・池田裕二郎・猪野隆*・川合将義*・E. Jerpe*・D. Glasgow*
JAERI-Data/Code 2000-008; Feb.2000,84p.

 ASTE共同実験の一環として,ブルックヘブン国立研究所のAGS加速器施設において,厚い水銀ターゲットに1.6,12及び24GeV陽子を入射する核破砕実験を行った.実験では,しきい値で0.3〜70.5MeVにわたる115In(n,n')115mIn,93Nb(n,2n)92mNb,209Bi(n,xn)などの反応を放射化検出器として用いて,ターゲット側面における反応率分布を測定した.115In(n,n')115mIn反応率分布から,1.6GeV陽子入射の場合に核破砕中性子強度分布は水銀ターゲットの半球状入射面の頂点から11cmの位置でピークとなり,ピーク位置は入射エネルギーの増加とともにターゲット底面方向に移る特性があることがわかった.同様な結果はほかの放射化検出器の反応率分布においても観測された.本レポートでは,実験方法及びすべての実験結果を数値データとしてまとめた.


280152
熱水力解析用重水蒸気表作成プログラムの開発
佐藤猛・玉置等史
JAERI-Data/Code 2000-009; Feb.2000,120p.

 重水の熱的物性値を,文献をもとにニュートン法による陰関数計算を用いて,重水の基本蒸気表作成プログラムとして作成した.このプログラムは,熱水力解析コードの中で,蒸気が圧力とエンタルピを独立変数とする表が必要とされるため,圧力とエンタルピで表が出力される.しかしながら,実用的には簡単な熱計算でも使用できるように温度と圧力を独立変数とする蒸気表を出力できるようにしている.


280153
並列分散科学技術計算支援ツール: TME(Task Mapping Editor); TME設計報告書
武宮博*・山岸信寛*・今村俊幸・上野浩一*・小出洋・辻田祐一・長谷川幸弘*・樋口健二・松田勝之*・平山俊雄
JAERI-Data/Code 2000-010; Feb.2000,49p.

 計算科学技術推進センターでは,並列処理基盤技術開発にかかわる研究開発の一環として,複数の計算機を用いた科学技術計算の並列分散処理を支援する環境PPExeを構築している.TME(Task Mapping Editor)は,PPExeを構成するツールの一つであり,一連の処理の定義や計算機割付けを利用者が対話的に定義できるビジュアルプログラミング環境を提供する.TMEを用いることにより,利用者はプログラム間のデータ依存関係をデータフローに基づき視覚的に定義することができる.また,定義された処理を実行する計算機の指定もGUIを介して容易に行うことができる.本報告書では,TMEにおいて実現された種々の機能をまとめ,それらの機能の実装方式について説明する.


280089
知的原子炉設計システム(IRDS)用核設計モジュール及びデータベースアクセスモジュール
久語輝彦・土橋敬一郎*・中川正幸・井戸勝*
JAERI-Data/Code 2000-011; Feb.2000,138p.

 新型炉の概念設計を支援することを目的として,簡便かつ効率的に核分野の設計及び評価を行うことのできる炉心核設計モジュール及び炉心設計データを格納するデータベースアクセスモジュールを開発した.これらは,知的原子炉設計システムIRDSの一部として機能する.これらの利点として,各種炉型が扱えること,炉心概念の変更に柔軟に対応できること,炉型や設計内容に対応するため汎用解析コードSRACを内蔵していること,さらに短時間かつ容易に解析計算を行うため入出力処理を自動化していること等の機能を有している.これらは,エンジニアリングワークステーション上で動作し,マンマシンインターフェースを充実させている.本報告書は,モジュールの構成,操作方法,炉心設計データの取り扱い方法等について記したユーザーマニュアルである.


280154
並列プログラム開発環境PPDEの利用手引
上野浩一*・太田浩史*・武宮博*・今村俊幸・小出洋・松田勝之*・樋口健二・平山俊雄
JAERI-Data/Code 2000-012; Mar.2000,125p.

 計算科学技術推進センターでは,並列処理にかかわる共通基盤技術の研究開発の一環として,並列プログラムにおける途切れのない思考を支援するSTA基本システム(Seamless Thinking Aid)を開発した. STA基本システムでは,並列プログラム開発環境PPDE(Parallel Program Development Environment)がプログラムの開発に必要なツールであるエディタ,コンパイラ,デバッガ及び性能評価ツールの統一的な利用環境を提供している.PPDEでは,プログラム開発に中心的な役割を果たすエディタと各ツールとの情報交換を円滑に行い,エディタ上のプログラムのソース行に対応付けてツールの解析情報を表示することにより,並列プログラム開発における途切れのない思考の支援を実現している.本報告書では,PPDEの利用方法について述べる.


280155
並列分散科学技術計算支援ツール: TME(Task Mapping Editor); TME利用手引書
武宮博*・山岸信寛*・今村俊幸・上野浩一*・小出洋・辻田祐一・長谷川幸弘*・樋口健二・松田勝之*・平山俊雄
JAERI-Data/Code 2000-013; Mar.2000,52p.

 計算科学技術推進センターでは,並列処理基盤技術開発にかかわる研究開発の一環として,複数の計算機を用い科学技術計算の並列分散処理を支援する環境PPExeを構築している.TME(Task Mapping Editor)は,PPExeを構成するツールの一つであり,一連の処理の定義や計算機割付けを利用者が対話的に定義できるビジュアルプログラミング環境を提供する.TMEを用いることにより,利用者はプログラム間のデータ依存関係をデータフローに基づき視覚的に定義することができる.また,定義された処理を実行する計算機の指定もGUIを介して容易に行うことができる.定義された一連の処理は,TMEにより決定された実行順序にしたがって,PPExeを構成するほかのサブシステム,メタスケジューラ,計算資源利用状況モニタ,及び実行マネジャにより実施される.本報告書では,TMEの利用方法について述べる.


280156
データ可視化機能を持つ並列プログラムデバッグツール: Vdebug; Vdebugプログラム設計書
松田勝之*・武宮博*
JAERI-Data/Code 2000-014; Feb.2000,121p.

 並列科学技術計算プログラムのデバッグ作業を支援するデバッガvdebugについて報告する.大規模な科学技術計算では大量のデータの正誤判断を行う必要があるため,数値データをそのまま画面に表示する従来のデバッガを用いては科学技術計算プログラムをデバッグすることが困難である.この困難を軽減するために,われわれはデータを可視化表示することにより大量のデータの正誤判断を可能とするデバッグツールvdebugを開発してきた.これまでvdebugを用いたデバッグ対象は逐次プログラムに制限されていたが,7種の並列計算機で提供されているデバッガへの対応を図ると同時に,個々の並列プログラムに散在するデータを統合し可視化表示する機能を実現することで,並列プログラムの容易なデバッグを可能とした.本報告書では,並列プログラムへの対応を実現したvdebugのシステム構成及び各サブシステムの設計について述べる.


280157
人間信頼性評価のための解析支援システムJASPAHR ver.1.5使用マニュアル
横林正雄・木下直樹*・田村一雄*
JAERI-Data/Code 2000-015; Mar.2000,102p.

 人間信頼性解析(HRA)手法は種々開発されているが,いずれもそれらを用いるためには熟練を要し, 実施にはイベントツリー(ET)の作成や不確定幅の計算などの煩雑さを伴う.さらにいずれの方法も単独で評価するには不十分である.そこでHRAを実用的,効率的に実施するために,PC上で稼働するHRA支援システムJASPAHRを開発した.JASPAHRは,詳細な評価方法としてHRA-ET/DeBDAとOATを組み合わせた方式を,簡単な評価方法としてTHERPを簡略化したASEP法を用いており,評価方法により使い分けている.評価に必要なヒューマンエラー率については,データを収集し,支援システムと連動して使用可能なデータベースとして用意されている.誤診断解析手法としてINTENT法を加えるとともに使いやすさ等の面でも改善を行うなどして改良を図った.本報告書はこの改良版JASPAHR(ver.1.5)のマニュアルである.


280158
原子力コードの高速化(スカラ並列化編); 平成10年度作業報告書
箭竹陽一*・足立将晶*・久米悦雄・川井渉*・川崎信夫*・根本俊行*・石附茂*・小笠原忍*
JAERI-Data/Code 2000-016; Mar.2000,43p.

 本研究書は,平成10年度に情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,Paragonにおけるスカラ並列作業部分について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成10年度に12件行われた.これら作業内容は大別して「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「スカラ並列化編」では,連続エネルギー粒子輸送モンテカルロコードMCNP4B2,連続エネルギー及び多群モデルモンテカルロコードMVP/GMVP及び光量子による固体溶融蒸発シミュレーションコードPHCIPを対象に実施したParagon向けのスカラ並列化作業について記述した.


280159
原子力コードの高速化(移植編); 平成10年度作業報告書
根本俊行*・川崎信夫*・久米悦雄・川井渉*・足立将晶*・石附茂*・箭竹陽一*・小笠原忍*
JAERI-Data/Code 2000-017; Mar.2000,99p.

 本研究書は,平成10年度に情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,AP3000への移植作業部分について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成10年度に12件行われた.これら作業内容を「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「移植編」では,連続エネルギー粒子輸送モンテカルロコードMCNP4B2,軽水炉安全解析コードRELAP5のAP3000への移植作業について記述している.


280160
原子力コードの高速化(ベクトル/並列化編); 平成10年度作業報告書
石附茂*・小笠原忍*・川井渉*・根本俊行*・久米悦雄・足立将晶*・川崎信夫*・箭竹陽一*
JAERI-Data/Code 2000-018; Mar.2000,217p.

 本研究書は,平成10年度に情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち, VPP500(一部AP3000含む)におけるベクトル化/並列化作業部分について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成10年度に12件行われた.これら作業内容は今後同種の作業を行ううえでの参考となるうるよう,作業を大別して「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「ベクトル/並列化編」では,汎用トカマク回路シミュレーションプログラムGTCSPを対象に実施したベクトル化作業について,イオン性融体分子動力学計算コードmsp2,渦電流解析コードEDDCAL,受動的冷却システム解析コードTHANPACT2,及びMHD平衡コードSELENEJを対象に実施したベクトル並列化作業について記述している.


280161
第一原理分子動力学法プログラムの並列化
渡部弘*・小林一昭*・新井正男*
JAERI-Data/Code 2000-019; Mar.2000,33p.

 第一原理分子動力学法プログラムの並列化について報告する.並列化したプログラムは2本である.1つは伝統的な第一原理分子動力学法プログラム,もう1つは,近年,高速化という観点から注目されている実空間分子動力学法プログラムである.ターゲットマシンはSX-4であり,並列化手法としては共有メモリ型並列化手法を採用した.並列化の結果,第一原理分子動力学法プログラムで3.7倍の高速化を,実空間分子動力学法プログラムで3.9倍の高速化を達成した.


280162
高並列可視化処理時におけるZバッファ画像合成処理
金子勇*・村松一弘
JAERI-Data/Code 2000-020; Mar.2000,16p.

 多数のプロセッサを有する高並列計算機上においては,領域分割による数値計算手法が用いられる.ここで,解析規模の増大してきている現状では,これらの解析結果の可視化を計算本体と同時に各プロセッサで同時に行う手法が現実的なものとなりつつある.特に,リアルタイムに計算結果を可視化するという,実時間可視化を行う際には,この手法は必須のものである.そして,このような多数のプロセッサを用いて画像レンダリングを行う手法の場合,各プロセッサのレンダリング結果を最終的に一つの画像に合成する処理を行う必要があり,これは,Zバッファを用いた画像合成手法で処理が行われる.しかし,数十プロセッサを超える規模でそのZバッファ画像合成手法を行うと,処理の低速化並びに各プロセッサでのローカルメモリ不足という問題が発生する.そこで本報告では,Zバッファ画像合成処理を演算子と考え,これがReduceオペレータという特殊な演算子であることを用いた並列化手法,並びに背景情報の削除によるバッファ圧縮という,この問題に対する二つの解決法を新たに提案する.また実際に,並列計算機Paragonで評価を行った結果を示し,これらの手法の有効性を検証する.


280163
実時間可視化システムのためのボリュームレンダリング・モジュールの開発
大谷孝之・村松一弘
JAERI-Data/Code 2000-021; Mar.2000,26p.

 ボリュームレンダリングは,3次元の解析空間における物理量の分布について物理量の境界面のみならず内部の情報構造も透かして観ることのできる可視化手法である.そのため科学技術計算における計算結果データの解析等の際には非常に有用な可視化機能であるが,反面,ほかの可視化に比べて計算時間が膨大になるという短所をもつ.本報告では,並列計算機上での流体解析のための実時間可視化システムの機能の一つとして開発したボリュームレンダリングモジュールについて記述する.このモジュールは構造格子を用いて計算された結果を直接可視化できる.また,発見的な手法を用いることでレンダリングの一部を高速化している.さらに,並列処理によるボリュームレンダリングの高速化についても考察する.


280164
MNCP4BのMPI化及びMNBP4Bをもとにした並列BMTコードの開発
小林穣*
JAERI-Data/Code 2000-022; Mar.2000,85p.

 日本原子力研究所計算科学技術推進センター(CCSE)では,これまで原子力分野の典型的なコードから構成されている並列ベンチマーク・テスト(BMT)コードを開発・整備してきている.これらのコード群は,計算機の性能を評価するのに有効であり,また利用者が性能評価結果を参照しながら類似コードを並列化することも可能である.CCSEで開発・登録されているBMTコードは数値計算法により分類されており,分子動力学,PIC法,有限差分法及び有限要素法コードである.今回,モンテカルロ法のコードが新たに並列BMTコードに追加された.モンテカルロ法の並列BMTコードのもととなるコードは原子力分野の粒子輸送問題で広く使用されているMCNPである.最新版であるMCNP4BのPVM版をもとにして,MPI版を作成し,原研内の4種類のスカラー並列計算機で性能測定を実施した.さらに,MPI版MCPN4Bをもとに,モンテカルロ法を用いた並列BMTコードの開発を行った.本コードは,解析対象により臨界計算と固定源問題の2種類用意している.


280216
並列プログラム開発環境PPDEの利用手引き, 第2版
上野浩一*・太田浩史*・武宮博*・今村俊幸・小出洋・松田勝之*・樋口健二・平山俊雄
JAERI-Data/Code 2000-023; Mar.2000,287p.

 計算科学技術推進センターでは,並列処理にかかわる共通基盤技術の研究開発の一環として,並列プログラムにおける途切れのない思考を支援するSTA基本システム(Seamless Thinking Aid)の機能拡張を行った.今回の拡張では,STA基本システムの中核である並列プログラム開発環境PPDE(Parallel Program Development Environment)に以下の機能を追加した.(1)メイクファイルと実行シェルスクリプトファイルの自動生成,(2)1つのツール実行操作で全対象計算機のツールを同時に実行させるマルチツール実行機能,(3)ツール実行結果(エディタであればソースコードやデータの編集結果)を全対象計算機に同時に反映させるミラー構成.これらの追加機能により,複数の計算機を対象にプログラム開発を進める場合の作業効率を飛躍的に高めることが可能となっている.また,逐次プログラムから並列プログラムを作成する作業一連の効率化を図るために,逐次プログラムからHPFプログラムへ変換する自動並列化ツール並びにHPFトランスレーターとの連携を実現している.本報告書では,機能拡張版PPDEの利用方法について述べる.


280217
格子ガス気液モデルのシミュレーションコードの並列化
川井渉*・海老原健一・久米悦雄・渡辺正
JAERI-Data/Code 2000-024; Mar.2000,151p.

 MPI(Message Passing Interface)ライブラリを用いて,格子ガス気液モデルによる流体現象のシミュレーションコードの並列化を行った.並列化によって,より大規模なシミュレーションを行うことが可能となった.また,分散メモリ型ベクトル並列計算機VPP500,分散メモリ型スカラ並列計算機AP3000,ワークステーションクラスタにおいて実行した結果,実行時間がほぼプロセッサ台数に比例して減少した.


280355
PARASOLコードの開発
細川哲成*・滝塚知典
JAERI-Data/Code 2000-025; May 2000,55p.

  ITER等のトカマク型核融合炉において,ダイバータは熱除去や不純物の遮蔽等について重要な役割を果たす.ダイバータの性質は流体モデルによる包括的なシミュレーションによって研究されているが,その妥当性の検証には粒子シミュレーション等の運動論的な手法が必要である.そこで粒子コードPARASOLを開発し,SOLとダイバータプラズマのシミュレーション研究を行っている.PARASOLコードでは,ダイバータ板に挟まれた領域において,イオンと電子の運動を静電的PIC法に基づき追跡する.クーロン衝突効果はモンテカルロ法二体衝突モデルで模擬する.中性粒子の運動も荷電粒子と同時的に追跡する.本報告書は,PARASOLの物理モデル,数値計算法,プログラム構造,入出力形式,計算結果例,並列計算法及び並列計算効率についてまとめている.


280423
大強度陽子加速器計画施設の概略遮へい計算システム
益村朋美*・中島宏・中根佳弘・笹本宣雄
JAERI-Data/Code 2000-026; Jun.2000,40p.

 大強度陽子加速器計画施設の概略遮へい設計に適用する目的で,簡易計算式(Moyerモデル,Teschの式)に基づくバルク遮へい計算,経験式(Stapletonの式)に基づく中性子スカイシャイン計算から構成される概略遮へい計算システムを,ユーザーの利便性を考慮してMicrosoft Excel上に作成した.本報告書では,作成した概略遮へい計算システムのマニュアルを提供するとともに,大強度陽子加速器計画施設の施設基本設計に反映させる必要遮へい厚さの計算で使用した,Moyerモデルのパラメータ等の遮へい計算条件を整理して示した.例に示されている数値は1999年12月8日現在のデータに基づいている.


280424
統合化燃焼計算コードシステムSWAT改訂版
須山賢也・清住武秀*・望月弘樹*
JAERI-Data/Code 2000-027; Jul.2000,88p.

 SWATは,照射後試験,消滅処理,そして燃焼度クレジットの解析を目的に開発された統合燃焼計算コードシステムである.本レポートは,改訂されたSWATの概要とそのマニュアルである.本改訂は,機能拡充,対応マシンの増大,そしてこれまでに報告された不具合の修正より成っている.


280619
WSPEEDI国際情報交換ネットワーク使用手引き
高橋正俊*・永井晴康・茅野政道
JAERI-Data/Code 2000-028; Sep.2000,105p.

 チェルノブイル事故を契機として,原研では世界の原子力事故に対して,最大で半地球規模までの放射能の拡散をリアルタイムで予測できるシステムWSPEEDIの開発を行ってきたが,今般,国際的なシステム評価研究などを通して,システムが実用的に用いることのできる段階にあると判断した.そのため国際的な情報交換ネットワーク(地球環境安全ネットワーク)を米国,欧州やアジアの原子力研究機関に展開し,事故情報や予測情報の迅速な交換手段の確立を図ることとした.本手引きでは,事故時の環境データや予測計算結果の専用ホームページへの登録,検索,管理と,電子会議システムの使用方法について述べる.


280690
格子ボルツマン法による二相流シミュレーションコードの開発並びに並列化
渡辺正・海老原健一・伊藤豪一*・河野浩二*
JAERI-Data/Code 2000-029; Sep.2000,61p.

 格子ボルツマン法による3次元二成分二相流シミュレーションコードを作成し,MPIライブラリを用いて並列化を行った.サンプル問題として上昇気泡及び気泡の合体のシミュレーションを行い,上昇速度,気泡周囲の流れ場等に関して妥当な結果を得た.異なる機種のワークステーションからなるクラスターを用い,計算速度に応じて領域分割を行うことによりシミュレーションを行った.データ転送量が増えるにつれて計算効率は低下したが,実用上十分な並列化効率が得られた.


280691
Light water reactor fuel analysis code FEMAXI-V(Ver.1)
鈴木元衛
JAERI-Data/Code 2000-030; Sep.2000,280p.

 FEMAXI-Vは軽水炉燃料のふるまい解析を目的とするコードとして,前バージョンFEMAXI-IV(Ver.2)と高燃料燃料解析コードEXBURN-Iを統合し,多くの機能の追加,改良を実施したバージョンである.本報告は,FEMAXI-Vの設計思想,基本理論と構造,モデルと数値解法,採用した物性値を詳述したものである.FEMAXI-Vでは,高燃焼度対応,過渡沸騰解析,そのほかの拡張と改良がなされた.本報告ではまた,コードの有効かつ広範な利用を可能となるため,入出力の種類と方法を詳しく説明し,具体的なサンプル出力を添えた.


290013
地中水中における元素の溶解度及び化学形を推定するための熱力学データの検討,2; Np, Pu
山口徹治
JAERI-Data/Code 2000-031; Nov.2000,131p.

 放射性廃棄物の地層処分の安全評価において元素の溶解度は,放射性核種の移行解析のソースタームを与えるパラメータである.また放射性核種は地下水の化学的特性に応じてさまざまな化学形をとり,化学形に応じて移行特性も多様である.そこで,熱力学データを用いて溶解度を評価し,化学形を推定することが重要となる.溶存種及び化合物の熱力学データをNpとPuについて検討し,データベースとしてまとめた.地下水中で支配的になる可能性の高い加水分解種や炭酸錯体について重点的に検討し,そのほかの化学形については既存のデータベースにおける検討結果を取り入れてデータを設定した.第1編及び本報で検討したTc,U,Np,Pu,Am以外の注目元素については検討が未了であり,暫定的な利用のために付録としてデータを示した.


290014
Stable isotope ratios of the atmospheric CH4, CO2 and N2O in Tokai-mura
Porntepkasemsan, B.* ; 安藤麻里子 ; 天野光
JAERI-Data/Code 2000-032; Nov.2000,43p.

 本報告書は,環境条件の異なる東海村内数地点において,大気中CH4,CO2,N2Oの炭素,酸素,窒素安定同位体比を測定した結果及び考察をまとめたものである.δ13CH4,δ13CO2,δ15N2Oの季節変動は,東海村の4か所のサンプリング地点とコントロールサイト1地点で調べられた.これらの測定により得られたデータは,上記3つの大気中微量ガスの環境中挙動研究に役立てることができる.安定同位体比の測定は,安定同位体比質量分析装置を用いて行われた.1999年の稲栽培時期に水田において測定したこれらのガスの安定同位対比は,明瞭な季節変動を示し,施肥や湛水,排水,収穫等の作業と関連している.より進んだ研究のためには,稲の有機物中炭素のδ13Cの測定が必要である.


290015
現行法令及びICRP Publ.68,72に掲載されていない核種の空気中濃度等の試算; JAERI-Data/Code 2000-001補遺
河合勝雄 ; 遠藤章
JAERI-Data/Code 2000-033; Oct.2000,59p.

 現行法令に規定されている核種に関する国際放射線防護委員会(ICRP)の内部被ばく線量評価法に基づく「空気中濃度」,「排気中または空気中の濃度」,「排液中または排水中の濃度」の計算値については,JAERI-Data/Code 2000-001「ICRPの内部被ばく線量評価法に基づく空気中濃度等の試算」(2000年1月)として報告した.本報告では,JAERI-Data/Code 2000-001に報告した核種以外の,おもに加速器施設及び熱核融合実験炉の管理あるいは設計などにおいて,内部被ばく管理上重要と考えられる81元素248核種について,吸入摂取及び経口摂取した場合の線量係数を算出するとともに,「核種ごとの空気中濃度等」の試算値を示した.また,「核種ごとの濃度が規定されていない場合の空気中濃度等」を求め,JAERI-Data/Code 2000-001の当該空気中濃度値との比較結果を示した.


290082
気体状放出トリチウムの環境媒体中拡散移行解析及び被ばく線量計算コード: TRIDOSE
村田幹生* ; 野口宏 ; 横山須美*
JAERI-Data/Code 2000-034; Nov.2000,214p.

 計算コードTRIDOSEは,核融合関連施設からトリチウム(T2)の気体状放出があったとき,環境への影響を評価するために開発された計算コードである.TRIDOSEは,トリチウムの大気拡散→沈着→蒸発散(再浮遊)→大気拡散のサイクルを解析し,環境媒体中のHTO濃度は被ばく線量を評価する.コードには,トリチウムの野外放出実験を通して近年明らかになりつつあるT2ガス特有の環境中での挙動の多くがモデル化して取り入れられている.TRIDOSEによる計算結果は,カナダで実施されたT2ガスの短時間放出事故を模擬した野外実験の結果と比較され,そのモデルは検証された.また,本報告書はコードの使用マニュアルとしても使えるように配慮されている.


290016
JASMINE-pro: A Computer code for the analysis of propagation process in steam explosions; User's manual
Yang, Y.* ; Nilsuwankosit, S.* ; 森山清史;丸山結 ; 中村秀夫 ; 橋本和一郎
JAERI-Data/Code 2000-035; Dec.2000,86p.

 蒸気爆発とは,高温液体が低温の揮発性液体にその内部エネルギーを与え,低温液が急速に蒸発して高圧を発する現象である.軽水炉の安全研究の分野では,シビアアクシデント時に圧力容器や格納容器の健全性を損なう恐れのある現象のひとつとして,溶融炉心と冷却材の接触による蒸気爆発がとりあげられ,研究されてきた.日本原子力研究所(原研)では,このような蒸気爆発が原子炉のバウンダリに及ぼす影響を評価するため,蒸気爆発解析コードJASMINEを開発した.JASMINEコードは,蒸気爆発の「粗混合」及び「伝播」過程を扱うJASMINE-pre及び-proの2つの部分から成るが,このうちJASMINE-proは,蒸気爆発伝播過程における伝熱流動現象を混相流の多流体モデルに基づいて解析するものである.本報告書は,JASMINE-proコードの使用法及び,ユーザーがコードの動作を理解するうえで必要な情報を提供するユーザーズマニュアルである.


290017
JENDL-3.2に基づく軽水炉MOX燃料用ORIGEN2ライブラリ
須山賢也 ; 尾上昌晃* ; 松本英樹* ; 笹原昭博* ; 片倉純一
JAERI-Data/Code 2000-036; Nov.2000,35p.

 ORIGEN2コードで使用する軽水炉MOX燃料用ライブラリをJENDL-3.2により作成した.今後国内で使用されることが予想されるMOX燃料の仕様を用いて,SWATにより作成した.作成したライブラリの検証は,欧州のPWRで行われた照射後試験の解析によって行った.また米国のPWRで行われた照射後試験の解析によって,ライブラリ作成時に仮定した条件と照射条件の相違がある場合の実験値と計算値の比較を示した.これらの新しいMOX燃料用ライブラリは,1999年に公開されたJENDL-3.に基づくORGEN2用ライブラリORLIBJ32に組み込まれた.


290083
無機水銀化合物の物理及び熱化学物性値集
小林薫* ; 神永雅紀 ; 芳賀勝洋 ; 木下秀孝 ; 麻生智一 ; 粉川広行 ; 日野竜太郎
JAERI-Data/Code 2000-037; Dec.2000,69p.

 水銀を用いる核破砕ターゲットシステムの放射線安全を検討するためには,固体,液体,気体状の無機水銀化合物の物理及び熱化学データを準備する必要がある.そこで,文献調査を実施し,208個の固体状の無機水銀化合物,9個の液体化合物,22個の気体化合物についてデータを整備した.本報では,これら化合物の主要物性値である密度,融点,沸点,標準生成エンタルピー,標準生成ギブスエネルギー,定圧熱容量,蒸気圧,水銀の溶解度などを掲載した.特に,熱容量については,温度の関数であるKelley方程式で再評価した.蒸気圧は,上記の熱化学データを用いて,化学反応・平衡ソフトウェアHSCで計算した.水銀と水銀以外の元素の相互作用は2元状態図で示した.


290084
原子力コードの高速化(スカラ並列化編); 平成11年度作業報告書
箭竹陽一* ; 久米悦雄 ; 川井渉* ; 根本俊行* ; 川崎信夫* ; 足立将晶* ; 石附茂* ; 小笠原忍*
JAERI-Data/Code 2000-038; Dec.2000,57p.

 本報告書は,平成11年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,Paragonにおけるスカラ並列化作業部分について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成11年度に18件行われた.これらの作業内容は,今後同種の作業を行ううえでの参考となりうるよう,作業を大別して「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「スカラ並列化編」では,高エネルギー核子・中間子輸送計算コードNMTC,ブラソフプラズマシミュレーションコードDA-VLASOV及び中性子・光子結合モンテカルロ輸送計算コードMCNP4B2を対象に実施したParagon向けのスカラ並列化作業について記述している.


290172
原子力コードの高速化(移植編); 平成11年度作業報告書
川崎信夫* ; 根本俊行* ; 川井渉* ; 小笠原忍* ; 石附茂* ; 久米悦雄 ; 箭竹陽一* ; 足立将晶*
JAERI-Data/Code 2000-039; Jan.2001,134p.

 本報告書は,平成11年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,VPP500またはAP3000への移植整備作業について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成11年度に18件行われた.これらの作業内容は,今後同種の作業を行ううえでの参考となりうるよう,作業を大別して「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「移植編」では,生体分子の分子動力学パッケージAMBER5,(連続・多群)汎用中性子・光子輸送計算モンテカルロコードMVP/GMVP,MCNPライブラリ自動編集システムautonj,SPECTER/SPECOMPコード,核融合炉事故解析コードMELCOR-FUS及びサブチャンネル解析コードCOBRA-TFのVPP500及びAP3000への整備について記述している.


290173
JT-60Uにおけるプラズマパラメータ分布解析
白井浩 ; 清水勝宏 ; 林伸彦 ; 板倉洋文* ; 高瀬計三*
JAERI-Data/Code 2000-040; Jan.2001,214p.

 JT-60Uプラズマにおける測定データを磁気面量として分布データに処理し解析する方法をまとめた.MHD平衡計算・登録ソフトFBEQUにおいて得られたMHD平衡は,データベースとしてショットごとに保存される.JT-60Uのポロイダル断面上の異なる幾何学的配置で計測される多数のプラズマ実験データは,実験データ時間断面モニターソフトSLICEにより,MHD平衡磁気面上にマッピングされ,体積平均小半径ρの関数に加工される.SLICEでマッピングされたデータは,フィッティングされた後,分布データベースファイルMAP-DBに保存される.さらに,SLICEはMHD平衡と自己無撞着なプラズマ電流解析コードACCOME,粒子軌道追跡モンテカルロ・コードOFMC,トカマクプラズマ予測解析コードシステムTOPICSの実行用データTOKRDを作成する.


290174
クリアランスレベル設定のための確率論的解析コードシステム; PASCLRユーザーズマニュアル
高橋知之* ; 武田聖司 ; 木村英雄
JAERI-Data/Code 2000-041; Jan.2001,108p.

 原子炉施設等から発生する放射性廃棄物のうち,放射性核種濃度が極めて低いために,それに起因する線量が自然界の放射線レベルに比較して十分に小さく,人の健康へのリスクが無視できるものであれば,当該物質を放射性物質としての規制管理からはずすことが考えられている.この行為をクリアランスといい,その核種濃度をクリアランスレベルという.原子力安全委員会のクリアランスレベル導出にあたっては,パラメータ値に平均的な値あるいは保守的な値に対する決定論的手法が用いられた.また,決定論的手法により導出されたクリアランスレベルの妥当性を確認するため,あわせて確率論的解析を実施した.この解析を行うため,モンテカルロ法による確率論的解析コードシステムPASCLRを開発した.本報告書は,PASCLRコードの構成及び使用法について記述したものである.


290175
Measurement of activation reaction rate distribution on a mercury target with a lead-reflector and light-water-moderator for high energy proton bombardment using AGS accelerator
春日井好己 ; 高田弘 ; 明午伸一郎 ; 前川藤夫 ; 中島宏 ; 池田裕二郎 ; 猪野隆* ; 佐藤節夫* ; Jerde, E.* ; Glasgow, D.*
JAERI-Data/Code 2000-042; Feb.2001,62p.

 ASTE (AGS Spallation Target Experiment)共同実験の一環として,ブルックヘブン国立研究所のAGS加速器を使って,鉛反射対及び軽水減速材付き水銀ターゲットからGeV領域の陽子入射によって発生する核破砕中性子の特性を実験的に調べた.入射陽子のエネルギー1.94,12及び24GeVについて,水銀ターゲットに沿った位置における種々の反応率を放射化法で測定した.放射化検出器としては,インジウム,ニオブ,アルミニウム,コバルト及びビスマスを用い,0.33〜4.09MeVのしきいエネルギーをカバーした.本レポートは,実験方法及びすべての実験結果をまとめたものである.


290176
原子力コードの高速化(ベクトル/並列化編); 平成11年度作業報告書
足立将晶* ; 石附茂* ; 小笠原忍* ; 久米悦雄 ; 箭竹陽一* ; 根本俊行* ; 川崎信夫* ; 川井渉*
JAERI-Data/Code 2000-043; Feb.2001,220p.

 本報告書は,平成11年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,VPP500(一部SX-4含む)におけるベクトル化/並列化作業部分について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成11年度に18件行われた.これらの作業内容は,今後同種の作業を行ううえでの参考となりうるよう,作業を大別して「ベクトル/並列化編」,「スカラ並列化編」及び「移植編」の3分冊にまとめた.本報告書の「ベクトル/並列化編」では,JAMコード及び3次元熱流体解析コードSTREAMを対象に実施したベクトル化作業について,相対論的分子軌道法コードRSCAT,相対論的密度汎関数法コードRDFT及び高速3次元中性子拡散ノート法コードMOSRA-Lightを対象に実施したベクトル並列化作業について記述している.


290177
実効線量評価のための光子・中性子・β線制動輻射線に対する遮へい計算定数
坂本幸夫 ; 遠藤章 ; 津田修一 ; 高橋史明 ; 山口恭弘
JAERI-Data/Code 2000-044; Jan.2001,191p.

 放射性物質や放射線発生装置を扱う施設の遮へい計算では,スペクトル計算をすることなく,遮へい計算定数を用いて線量を直接評価する方法が,簡便かつ有効であり,広く用いられている.ICRP1990年勧告の国内制度等への取り入れで今後実効線量の評価が必要となる.本報告は,光子・中性子及びβ線からの制動輻射線に対して,実効線量を評価するための遮へい計算定数をまとめたものである.単色光子に関して,ピルドアップ係数,実効換算係数,及び線量の透過率を整備した.RIからのγ線・X線,β線源からの制動輻射線及び中性子源に対して線量率定数及び遮へい体での線量の透過率を整備した.


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