研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
2001年


290270
JCO臨界事故の投入反応度推定のためのバイアス評価
山本俊弘 ; 中村剛実* ; 三好慶典
JAERI-Data/Code 2001-001; Feb.2001,30p.

 JCO臨界事故における投入反応度を臨界計算から推定するために,臨界計算手法のバイアス評価を行った.臨界計算にはMNCP4Bを使用し,断面積ライブラリーとしてはポイントワイズのJENDL-3.1,JENDL-3.2,ENDF/B-Vを用いた.これらを用いて濃縮度10wt.%の溶液ウランを用いたSTACYの臨界実験解析と,Rocky Flats Plantで行われた濃縮度93.2wt/%の臨界実験の解析を行った.その結果,JCOの溶液燃料の濃縮度18.8wt%に対してJENDL-3.1,JENDL-3.2,ENDF/B-Vを用いた場合の実効増倍率のバイアス値はそれぞれ0.0%,+1.2%,+0.6%となった.


290271
国際原子力事象尺度(INES: International Nuclear Event Scale)に基づく事故・故障事例集; 和訳版,2
渡邉憲夫
JAERI-Data/Code 2001-002; Mar.2001,129p.

 国際原子力事象尺度(INES)は,IAEAとOECD/NEAが運営している事象報告システムであり,原子力施設において発生した事故・故障情報を,迅速かつわかりやすい形で提供し,原子力関係者と,マスコミ及び公衆の間での情報交換に役立てることを目的としている.各事象には,その重要度を示す「尺度」が付けられる.この尺度は,安全上重要ではない事象に対するレベル0から,広範囲に及ぶ健康・環境影響を伴う重大な事故に対するレベル7までを包括する.原研では,これまでに約500件のINES情報を入手し迅速に和訳を行って,関係機関・部署に提供するとともに,随時インターネットを介して公開してきた.本報告書は,INES和訳情報を収録した事例集の第2報であり,1998年6月から2000年12月末までに入手した約70件のINES情報についてまとめたものである.


290454
可視化デバッガの改良; データ取得機能の高速化と複数のプログラムの比較,組み合わせ表示機能の開発
松田勝之* ; 武宮博*
JAERI-Data/Code 2001-003; Mar.2001,27p.

 科学技術計算プログラムのデバッグ作業を支援する可視化デバッガvdebugにおけるデータ取得を高速化した.また,複数のプログラムを比較したり,組み合わせて表示する機能を追加した.データ取得の高速化では,SX-4のdbx,pdbxで100倍以上,SR2201のndbで10倍以上の成果を得ることができた.複数のプログラムの比較では,SPとONYXのうえで実行したプログラムが各計算ステップでほぼ同じ値を示していることを容易にチェックできることを確認した.本報告書では,このvdebugのデータ取得機能に対して行った改良とその結果,並びに複数プログラムの比較方法と実施例について述べる.


290352
Compilation of nuclear decay data used for dose calculation; Revised data for radionuclides listed in ICRP publication 38
遠藤章 ; 山口恭弘
JAERI-Data/Code 2001-004; Mar.2001,157p.

 ICRP Publication 38(Publ.38)に収録されている817核種及び新たな6核種のアイソマーに対して,線量計算に用いる新しい崩壊データを編集した.崩壊データの編集には,1997年8月版の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データセットを用いた.各崩壊データセットについて,放出放射線のエネルギー及び放出率の計算に重要な基本性質を,核レベル・崩壊データベースNUBASEとの照会により更新を行った.また,エネルギー,強度バランス等に不具合のあるデータセットに対しては,データセットのフォーマット,レベルスキーム,規格化定数等を分析し,修正を行った.評価,修正後の崩壊データセットをもとに,EDISTRコードを用い,崩壊に伴い放出されるα線,β線,γ線,内部転換電子,X線,Auger電子のエネルギー及び放出率を計算した.編集された崩壊データは,Publ.38及びNUCDECAYの2種類の形式のデータファイルとして整備された.本データは,放射線防護における内部及び外部被ばく線量評価に広く利用されるとともに,ICRP Publ.38の改訂のための有用な情報を提供するものと考えられる.


290353
分配係数に関するデータベースの開発,1; 分配係数データの収集
武部愼一 ; 阿部昌義
JAERI-Data/Code 2001-005; Mar.2001,344p.

 分配係数は研究所等廃棄物の処分における環境影響評価上極めて重要なパラメータである.安全評価における分配係数値の利用に関して合理的な値を選定することを目的におもに国内を対象にした文献調査を実施した.本報告は,データベースへ入力するための分配係数に関する情報を各文献ごとに整理して,文献情報データとしてまとめたものである.


290354
分配係数に関するデータベースの開発,2; データベースの作成
武部愼一 ; 阿部昌義
JAERI-Data/Code 2001-006; Mar.2001,96p.

 分配係数は研究所等廃棄物の処分における環境影響評価上極めて重要なパラメータである.原研では,安全評価における分配係数値の利用に関して合理的な値を選定することを目的におもに国内を対象にした文献調査を実施し,得られた分配係数の値や測定方法や測定条件等に関する文献情報データから電磁情報であるデータベースを作成した.本報告は,この電磁情報として作成した「分配係数に関するデータベース」の作成概要について解説を加えるとともに,このデータベースの使用手引としてまとめたものである.


290455
High energy particle transport code NMTC/JAM
仁井田浩二* ; 明午伸一郎 ; 高田弘 ; 池田裕二郎
JAERI-Data/Code 2001-007; Mar.2001,128p.

 NMTC/JAERI97コードの改良版として,高エネルギー粒子輸送コードNMTC/JAMを開発した.NMTC/JAMは,核内カスケードモデルとして,高エネルギー核反応コードJAMを導入することにより,その適用エネルギー範囲を原理的には,核子,中間子に対して200GeVまで引き上げた.また,蒸発,核分裂過程に対してGEMモデルを導入することにより,励起した残留核からの軽核生成の記述が可能になった.適用エネルギーの拡張に伴い,核子−原子核の非弾性散乱断面積,弾性散乱断面積,弾性散乱断面積の核分布のデータを新しい系統式を用いて更新した.さらに,ビーム輸送計算に必要な磁場中の粒子輸送を計算できるようにした.また,幾つかのタリー機能が追加され,データの入出力については,ユーザーの利便性を高めるために大きく改良された.このような新しい物理モデルとユーティリティーが導入されたことより,NMTC/JAMは複雑な体系の大きなターゲットシステムのニュートロニクス計算に対して,以前よりも信頼性の高い結果を与えることができるようになった.この報告は,NMTC/JAMコードのユーザーマニュアルである.


290456
可視化容器を用いたJCO沈殿槽の溶液注入試験
渡辺庄一 ; 三好慶典
JAERI-Data/Code 2001-008; Mar.2001,62p.

 JCO沈殿槽の臨界事故における,ウラン溶液注入時の界面挙動を把握することを目的として,沈殿槽の胴体部及び下部鏡板部の形状寸法を模擬した可視化容器(透明容器)を製作し,ウラン溶液注入時を再現した可視化試験を行った.注入液の容器内への拡散状態,可視化容器内への模擬溶液注入時の液面の揺動(スロッシング),ボイドの巻き込み状態等を観察するとともにビデオ撮影した.また,溶液注入時の液面の変動量及び平均上昇液位は,容器内に垂直配置した直読式水深棒を用いて測定した.溶液注入時のボイドの巻き込み量は局所的であった.注入初期の液面の高低差は±3mm程度であり,注入終了時で±2mm程度に減少したことから,液面揺動量は平均液位に対して1%程度以内と考えられる.


290457
原研大洗サイトにおける鉛直アレー地震動観測データベース
蛯沢勝三 ; 山田博幸 ; 堤英明* ; 柴田勝之 ; 安藤和博* ; 馬場治 ; 鈴木偉之
JAERI-Data/Code 2001-009; Mar.2001,96p.

 原研では,大洗研究所に高温工学研究炉(HTTR: High Temperature Engineering Test Reactor)を建設するにあたって,地震時の敷地基盤の振動特性を把握するために加速度地震計4台(GL-1.2m,GL.-31m,GL.-95m,Gl-174m(せん断波速度Vs: 1020m/sの地盤))からなる鉛直アレー地震動観測システムを設置し,1987年12月から観測を開始した.観測は,東西(EW),南北(NS)の水平2成分と鉛直(UD)1成分からなるサーボ型加速度計である.2000年3月までに71地震を観測した.これらのデータは,(財)震災予防会のフォーマットで整理している.本報告書は,1987年12月から2000年3月までの鉛直アレー地震動観測システムによって得られた観測地震動をデータベースとしてまとめたものである.観測記録に加えて,敷地内地盤のせん断波速度等の物性値や観測地震動の周波数特性も集録している.


290355
MPIベンチマークプログラムライブラリの開発
上原均*
JAERI-Data/Code 2001-010; Mar.2001,41p.

 大規模な数値シミュレーションの実現や数値シミュレーションの高速実行のために,メッセージ通信を用いた分散並列プログラムが開発されている.このメッセージ通信のプログラム仕様として最も主要なものがMPIであり,メッセージ通信を用いた通信部分の性能は,分散並列プログラム全体の性能に直接的に影響する.このMPIは,現在開発中の地球シミュレータ上でも利用が予定されている.このため,MPIの通信性能を詳細に測定し,かつ移植性の高いベンチマークプログラムライブラリ(MPI benchmark program library,以降MBLと略記)を開発した.MBLでは,ユーザの使用頻度の高い1対1送信関数/集合通信関数の性能測定と,実際のアプリケーションに頻繁に見られる通信パターン時の性能測定を行う.本報告では,このMBLの詳細と,MBLによるNEC SX-4上でのMPIの性能計測結果を示す.


290458
確率論的破壊力学コードPASCALの開発と使用手引き
柴田勝之 ; 鬼沢邦雄; ; Li, Y.* ; 加藤大輔*
JAERI-Data/Code 2001-011; Mar.2001,233p.

 軽水炉構造機器の健全性に関する研究の一環として,平成8年度から確率論的破壊力学コードPASCAL(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR)の開発を行っている.このコードは,原子炉圧力容器に加圧熱衝撃(PTS: Pressurized Thermal Shock)等の過渡荷重が発生した場合の破損確率を解析するコードである.破壊力学の最新の知見や計算機性能の向上を踏まえ,新規解析法や詳細解析法の導入により解析精度と信頼性向上を図ることを目標に開発を進め,これまでにPASCAL-Version 1開発をおおむね完了している.本コードは,自動階層別モンテカルロ法,弾塑性破壊評価基準,半楕円亀裂の詳細進展評価機能,焼鈍効果の評価機能等に改良モデル等を導入していることが特徴的である.また,温度・応力分布作成用の専用入力データプロセッサーも用意している.ベンチマーク問題による検証解析及びケーススタディにより解析機能の検証を終えコードが良好に作動することを確認してる.本報告書は,上記開発経過を踏まえPASCALの使用方法と解析理論及び手法等をまとめたものである.


290459
核燃料サイクルシステム安全性評価のための基礎データ
野村靖 ; 玉置等史 ; 伊藤千浩* ; 三枝利有*
JAERI-Data/Code 2001-012; Mar.2001,118p.

 我が国の原子力エネルギー政策を推進する立場から,種々考えられる核燃料サイクルのオプションに対して,安全性,経済性,社会的受容性の側面から比較検討し,最適なシステム構築の提案するために,原研及び電中研が開発整備した評価手法を評価例とともに紹介する.また,主として核燃料サイクル関連施設の安全性評価を行ううえで参照されるような,重要なデータ及び手法に関わる情報について,原研及び電中研がこれまで調査して得られた結果の中から主要事項をまとめる.


290623
BWRポストCHF試験データレポート; 過渡事象炉心伝熱流動試験計画(受託研究)
井口正 ; 伊藤秀雄 ; 木内敏男 ; 渡辺博典 ; 木村守* ; 安濃田良成
JAERI-Data/Code 2001-013; Mar.2001,502p.

 原研は大型再冠水効果実証試験第2期計画として,過渡事象炉心伝熱流動試験計画を実施した.本試験計画では,従来型の軽水炉の定格条件を模擬でき,模擬燃料15本(ほかに非発熱棒1本の合計16本で4×4管群を構成する.)から構成される模擬炉心を有する過渡事象炉心伝熱流動試験装置を用いて試験を行い,軽水炉の異常な過渡変化及び事故時の炉心冷却の実証と安全余裕の定量化を行う.本試験計画の一環として,ポストCHF熱伝達に関するデータを取得した.本試験データは,軽水炉の炉心ヒートアップ後の炉心温度を評価するには必須のデータである.これまでのこの種の試験データに比べて,極めて高温の条件,低圧から高圧までの広い圧力範囲をカバーしているところに特徴がある.また,従来の多くの研究では,最も早くヒートアップした領域を対象としているが,ヒートアップ域の拡大や縮小,ヒートアップ域の軸方向の相違などについてはあまり議論されていない.本試験では,炉心下端から上端までの広い範囲の被覆管温度を取得した.本報告書では,ポストCHF熱伝達試験の試験条件,被覆管温度データ,ポストCHF伝達率などのデータをまとめ,試験データを解析する際の資料とする.


290460
Measurement of profile and intensity of proton beam by an integrated current transformer and a segmented parallel-plate ion chamber for the AGS-Spallation Target Experiment (ASTE)
明午伸一郎 ; 中島宏 ; 高田弘 ; 春日井好己 ; 猪野隆* ; 前川藤夫 ; Hastings, J.* ; 渡辺昇* ; 大山幸夫 ; 池田裕二郎
JAERI-Data/Code 2001-014; Mar.2001,23p.

 1.94,12及び24GeV陽子を水銀ターゲットに入射し,ターゲット内の温度,圧力波及び中性子特性を測定するAGS核破砕ターゲット実験における入射ビームのプロファイルと強度の測定を行った.入射陽子ビームプロファイルのオンライン検出器としてセグメント化された平行平板電離箱(CHIDORI)を用いた.また,プロファイルはアルミ箔を陽子ビームで放射化し,これから生成するγ及びβ線の強度分布をイメージングプレート(IP)で検出する方法を測定した.ビーム強度の測定には積分型カレントトランスフォーマー(ICT)及び銅箔の放射化法を用いた.CHIDORI及びIPによるプロファイルの結果は良い一致を示した.また,ICT法と放射化法によるビーム強度の結果は,12及び24GeV陽子に対し3%以内で良い一致を示した.さらに,これらの値はAGSのチームが設置したセグメント型ワイヤー電離箱(SWIC)及び二次放出電離箱(SEC)による結果と良い一致を示した.以上より,モニター手法を確立し温度及び圧力波等の実験解析が入射陽子あたりで 規格化できるようになった.


290522
The GEM code: A simulation program for the evaporation and the fission process of an excited nucleus
降旗志おり* ; 仁井田浩二* ; 明午伸一郎 ; 池田裕二郎 ; 前川藤夫
JAERI-Data/Code 2001-015; Mar.2001,90p.

 GEMコードは励起原子核の脱励起を記述するシミュレーションプログラムである.このコードはGE(Generalized Evaporation Model)とAtchisonの核分裂モデルから成り立つ.Bertiniの核内カスケードモデルとGEMとを組み合わせた計算モデルにより,陽子入射におけるBeのような軽いフラグメント生成断面積を精度良く予測できることが示された.また,Atchisonモデルに使用されているパラメータを再評価することにより,Auに陽子を入射する場合に生成する核分裂片の断面積を改善することが示された.本レポートでは,GEMコードの詳細と使用方法について記述し,Bertini核内カスケードモデルとGEMコードを組み合わせた計算(INC/GEM)によるベンチマーク計算の結果を示す.さまざまなターゲットに陽子を照射した場合における中性子スペクトル及び同位体生成断面積をINC/GEMを用いて計算した.これらの計算結果を実験値と比較するとともに,LAHETによる計算結果との比較も行った.その結果INC/GEMによる計算は,AlとPuの中性子放出の二重微分断面積の実験値を再現することがわかった.Agから生成される同位体はOより重いフラグメントの生成が過小評価されるものの,He,Li,Beの生成については50%以内で実験と良い一致を示すことがわかった.また,LiやBe等の軽核の生成断面積,特に重いターゲット核においてLAHETによる計算結果より良い一致を示すことがわかった.さらに,INC/GEMによる計算はLAHETによる計算よりも核分裂片生成断面積の予測精度が良いことが示された.


290461
DCHAIN-SP 2001: 高エネルギー粒子誘導放射能計算コード
甲斐哲也 ; 前川藤夫 ; 小迫和明* ; 春日井好己 ; 高田弘 ; 池田裕二郎
JAERI-Data/Code 2001-016; Mar.2001,82p.

 原研/KEKの大強度陽子加速器計画諸施設の誘導放射能にかかわる安全設計計算に資するため,高エネルギー粒子誘導放射能計算コードDCHAIN-SPの高度化を行い,2001年版を作成した.高度化の内容は以下の3点である.(1)核分裂収率データを組み込み,核分裂性物質を取り扱う長寿命放射性廃棄物の核変換のため実験施設設計への応用を可能にした.(2)20MeV以下の放射化断面積データの改訂を行った.特に水銀,鉛,ビスマス,トリチウム生成の断面積について詳細な検討を行った.(3)入出力に関するユーザインタフェイスの強化を行った.また,コードの使用に必要なマニュアル,インストールと実行手順,及びサンプル問題を付録として添付した.


290749
モンテカルロ崩壊γ線輸送計算システムの開発; モンテカルロ粒子輸送計算コードと誘導放射能計算コードとの連結システム
佐藤聡 ; 川崎信夫* ; 久米悦雄
JAERI-Data/Code 2001-017; Jun.2001,99p.

 DT核融合炉の遮蔽設計において,運転停止後の崩壊γ線生体線量率を精度良く評価することが重要課題である.そこで,運転停止後のγ線生体線量率が精度良く評価できるよう,モンテカルロ粒子輸送計算コードと誘導放射能計算コードを連結しモンテカルロ法により崩壊γ線輸送計算を行うシステムを開発した.本計算システムは現状,2次元円柱体系においてのみ適用可能である.計算時間の飛躍的な短縮を計るため,発生線源へのバイアス化システムも併せて開発し,本システムに組み込んでいる.


290624
三次元幾何形状の多機能表示プログラム(GIFT-PC)の開発
津田修一 ; 山口恭弘
JAERI-Data/Code 2001-018; May 2001,50p.

 GIFT(Geometric Information for Target)は,三次元幾何形状の図形出力,領域の体積計算,定義形状の検証等を行う目的で,米国Ballistic Research Laboratoryにおいて開発されたコードである.GIFTコードのCG(Combinatorial Geometry; 幾何形状パッケージ)図形表示機能を用いると,直投影または,透視投影によって表現される三次元構造物の外形や断面図を多様に描くことができる.本報告書は,大型計算機からパーソナルコンピュータへのGIFT使用環境の移植と,より有益な本コードの使用環境の開発に関して記述したものである.


290846
Comparison of (n,2n) and (n,3n) reaction cross sections for fission products in JENDL-3.2 with available experimental and other evaluated cross section data
Manokhin, V. N.* ; 小田野直光 ; 長谷川明
JAERI-Data/Code 2001-019; Jul.2001,169p.

 JENDL-3.2に格納されている核分裂生成物核種のしきい反応断面積の妥当性検証のため,Ge〜Tbの155核種について,(n,2n)及び(n,3n)反応断面積を,実験データ,様々な評価済み核データライブラリ,系統式による評価結果と比較した結果をまとめた.本報告書では,断面積データの比較のためのプロット図をまとめるとともに,JENDL-3.2の断面積データの問題点についても議論した.


290940
WWWを利用した核種組成データベースシステムSFCOMPO on WWW Ver.2
望月弘樹* ; 須山賢也 ; 野村靖 ; 奥野浩
JAERI-Data/Code 2001-020; Aug.2001,394p.

 「SFCOMPO on WWW Ver.2」は1997年に公開された使用済燃料核種組成データベースシステム「SFCOMPO on WWW」の改良版である.「SFCOMPO on WWW Ver.2」はリレーショナルデータベースソフトPostgreSQLの導入により,データベースの管理が可能となっており,さらに多様な検索方法を利用することができる.また,核種組成の解析に必要なすべてのデータをこのシステムのウェブサイトから入手することができる.本報告では,SFCOMPO on WWW Ver. 2のシステム概要,インターネットを利用した検索方法について記す.また,登録されている軽水炉14基(PWR 7基,BWR 7基)の組成データ,炉心概要について記す.


290941
炉心耐震解析コード「SONATINA-2V」のユーザーズマニュアル
塙悟史 ; 伊与久達夫
JAERI-Data/Code 2001-021; Aug.2001,150p.

 炉心耐震解析コード「SONATINA-2V」は,六角柱状の黒鉛ブロックが積層されたHTTR炉内黒鉛構造物の地震時の挙動を解析するコードである.本コードは,本体プログラムの他にSONATINA-2Vへの入力データを作成するためのプリ・プロセッサー及び解析結果のデータ処理,図形処理等を行うためのポスト・プロセッサーから構成される.「SONATINA-2V」コードは,原研の大型計算機「MSPシステム」にて稼働するよう開発されたものであるが,計算機の技術進歩に伴い大型計算機「MSPシステム」が廃止されたため,コードを原研のUNIX機「SR8000」で稼働できるよう本解析コードの改良及び整備を行った.本書は,UNIX機で稼働する「SONATINA-2V」の使用方法についてまとめたものである.


300711
Oscillator strength, transition rates and lifetimes for n=3 states in Al-like ions
Safronova, U. I.* ; 左高正雄 ; Johnson, W. R.* ; Safronova, M. S.*
JAERI-Data/Code 2001-022; May 2002,60p.

 原子番号z=10〜100までの原子のアルミニウム様イオンのn=3のレベル間の可能な遷移についてのデータ集である.遷移確率,振動子強度等について図及び表にまとめた.データはBreit相互作用を含む,相対論的多体摂動法により計算したものである.


290942
マンマシンシステム動特性シミュレーションシステムJACOS
吉田一雄 ; 横林正雄 ; 田辺文也 ; 川瀬勝美* ; 古宮明敏*
JAERI-Data/Code 2001-023; Aug.2001,118p.

 JACOSは,原子力発電所の異常時における運転員の認知行動と原子炉系の挙動が影響を及ぼし合ったマンマシンシステムの挙動を模擬する計算機シミュレーションシステムである.マンマシンシステムの評価に際して,運転員の認知行動とそれに影響を受けた原子炉系の挙動に関する詳細な情報の提供を目的とする.シミュレーションシステムは,動的に結合された運転員モデルと原子炉モデルから成る.前者ではAI手法の一つである「黒板」モデルに基づく分散協調推論手法を用いた.異常への対応のための認知行動は,Rasmussenの梯子モデルを参考にした.ルールベース行動は,If-Thenタイプルールの知識表現を用いてシミュレーションした.また,知識ベース行動を模擬するために機能的知識を多層流れモデル(Multilevel Flow Modeling)で表現し,それを定性理論で探索する方法を開発した.さらに,認知特性として短期記憶での容量の限界と減衰,注意の狭窄,知識の想起の特性をモデル化した.また,原子炉モデルは,詳細熱水力解析コードRELAP5/MOD2を核として開発した.本報告書は,JACOSのマニュアルとして,第1部には両モデルの説明,第2部には,プログラムのインストールの手順,運転員モデルの知識の作成方法,シミュレーションの実施手順,結果の分析方法,第3部ではシミュレーション実行例について記す.


290943
2階線形微分方程式に対するWaveform Relaxation法
山田進
JAERI-Data/Code 2001-024; Aug.2001,18p.

 Waveform relaxation(WR)法は微分方程式の初期値問題の並列数値解法の1つであり,方程式系をいくつかのブロックに分割し,各ブロックを並列に反復計算する解法である.最も単純なWR法であるPicard反復は積分区間が大きい場合や方程式がstiffな場合などには収束性が悪い.そのため,成分を重複させて分割するoverlapping法や行列指数関数を用いた前処理法などの収束性を向上させるためのさまざまな解法が提案されている.本研究では2階線形微分方程式y"=Qy+gに対するoverlapping法の収束性について考察する.また,実際に並列計算機を用いた数値計算の結果から,収束性が改善された解法の性能及び計算時間を評価する.


290944
PLUTON: Three-group neutronic code for burnup analysis of isotope generation and depletion in highly irradiated lwr fuel rods
Lemehov, S.* ; 鈴木元衛
JAERI-Data/Code 2001-025; Aug.2001,338p.

 PLUTONコードは水炉のUO2燃料,Gd2O3入り燃料,不均一MOX燃料などのペレットにおける発熱密度,燃焼度,超ウラン元素の濃度,プルトニウム蓄積,核分裂性同位元素の減損,核分裂生成元素の濃度などの半径方向プロファイルを平均値とともに時間及び燃焼度の関数として算出する3群中性子反応燃焼解析コードである.本コードはWindows PC上で稼働するプログラムであり,ペレット内中性子減衰の理論的な形状関数を適用したので,非常に高速で正確な計算が容易に実行できる.本コードは,検証のために必要な実験データを提供するHalden炉の照射条件を内蔵している.計算対象の超ウラン元素は92U233-23993Np237-23994Pu238-24395Am241-244及び96Cm242-245である.また,扱うポイゾン性核分裂生成物元素は,54Xe131,133,13548Cd11362Sm149,151,15264Gd154-16063Eu153,15536Kr83,8542Mo9543Tc9945Rh10347Ag10953I127,129,13155Cs13357La13959Pr14160Nd143-15061Pm147である.扱うFPガス及び揮発性生成物元素は,36Kr83-8654Xe129-13652Te125-13053I127-13155Cs133-137及び 56Ba35-140である.解析結果の検証は83GWd/tUの燃焼度までなされ,解析と実測データは満足すべき一致をみた.


291075
Origin 3800システムにおけるPARASOLコードの超並列計算
細川哲成* ; 滝塚知典
JAERI-Data/Code 2001-026; Oct.2001,19p.

 ダイバータ粒子コードPARASOLは,ダイバータ板に挟まれた磁場におけるプラズマの挙動を,静電PIC法と二本衝突モンテカルロ法を用いて自己無撞着に模擬する.PARASOLコードはスカラー並列計算機向きにMPI-1.1に従って並列化され,従来IntelParagonXP/Sシステムで用いられてきた.今回(2001年5月)新しくSGIOrigin3800システムが導入された.このシステムの移行に伴い,PARASOLコードの並列計算の改良を行った.新システムの高性能化とコードの改良の結果,PARASOLのシミュレーションは,前システムに比べ同数のプロセッサで約60倍高速化された.


291076
任意形状の中性子用シンチレータに対する応答関数計算コードSCINFUL-CGの開発
遠藤章 ; Kim, E.* ; 山口恭弘
JAERI-Data/Code 2001-027; Oct.2001,62p.

 高エネルギー中性子スペクトル測定等に用いられている有機シンチレータに対する応答関数の計算には,モンテカルロコードSCINFULが広く利用されている.しかし,SCINFULの機能は,円柱形状のNE213及びNE110シンチレータに対する計算のみに限定されている.本研究では,SCINFULをもとに,幾何形状指定機能及び高エネルギー中性子に対する輸送断面積データを新たに組み入れた計算コードSCINFUL-CGを開発した.SCINFUL-CGでは,検出器形状の指定に,CG(Combinatorial Geometry)による幾何形状指定機能を拡張したMARS-CGを導入するとともに,CGで定義された領域ごとに中性子スペクトルを評価する機能を加えた.また,ガラスシンチレータの主成分である珪素及び酸素,検出器カバーのアルミニウムについて,LA150を用い,100MeVまでの中性子輸送計算の断面積データを組み込んだ.SCINFUL-CGの計算結果の妥当性は,SCINFUL及びMCNPによる計算結果との比較並びに中性子照射実験によって確認した.SCINFUL-CGは,高エネルギー中性子スペクトルメータ,中性子モニタの検出器の設計計算等において有効なツールになることが期待される.本報告書では,開発したコードの概要を述べるとともに,コードの使用方法について説明する.


300006
動力試験炉(JPDR)の解体における作業者被ばく線量の分析(受託研究)
白石邦生 ; 助川武則 ; 柳原敏
JAERI-Data/Code 2001-028; Nov.2001,86p.

 JPDR解体実地試験で収集した作業者の被ばくに関するデータを分析し,その特徴をまとめた.この結果,作業者の被ばく線量は306人・mSvであり,個人の累積最大被ばく線量は8.5mSvであること,大部分の被ばくが放射化した機器(炉内構造物,原子炉圧力容器,生体遮へい体等)の解体作業で生じていること,作業者の被ばく線量分布は施設の保守作業と類似した混成対数正規分布になることなどが明らかになった.さらに,作業領域の線量当量率に応じて作業を3グループに分類し,それに基づき平均線量当量率に対する作業者の被ばく寄与割合を算出した.これらは,将来の商業用原子力発電所の解体における被ばく評価に重要な知見となるものである.


300007
燃焼度クレジット評価のための等価均一燃焼度及び等価初期濃縮度に関わるデータの整備
野村靖 ; 村崎穣* ; 奥野浩
JAERI-Data/Code 2001-029; Nov.2001,120p.

 原研で取得されたPWR使用済燃料照射後分析データをもとに,使用済燃料貯蔵プール及び輸送容器モデル体系を対象に,燃焼度クレジットを考慮した臨界安全性評価に簡便法として用いられる「等価均一燃焼度」及び「等価初期濃縮度」を導入・整備した.これらの簡便法は,ORIGEN2.1燃焼計算コードとKENO-Va臨界計算コードにより,使用済燃料中軸方向燃焼度分布やその他の誤差変動要因の影響を考慮しないで,使用済燃料輸送・貯蔵体系の中性子増倍率を簡便に求めるために使用される.「等価均一燃焼度」は,これを用いた簡便な解析結果と,核種組成実測値を用いて軸方向燃焼度分布を考慮し燃焼履歴等の影響を保守側に見積もった臨界解析結果が,反応度等価になるように設定した.一方,「等価初期濃縮度」は,同じく核種組成実測値を用いて詳細な条件設定による保守側の解析結果と反応度等価になるように,新燃料の仮定により臨界解析する場合の初期濃縮度として設定した.


300135
トカマク平衡コードMEUDASのモジュール解説
鈴木昌栄* ; 林伸彦 ; 松本太郎 ; 小関隆久
JAERI-Data/Code 2001-030; Jan.2002,175p.

 軸対称・磁気流体力学(MHD)平衡の解析は,装置の設計,理論的研究,実験結果の解析等,トカマク研究の基礎となるものである.その中でも,DCR法とグリーン関数の組み合わせを用いた自由境界平衡コードMEUDASは,圧力及び電流分布を任意に指定でき,高速性と高精度を合わせ持つコードとして,幅広い物理課題の解析に応用されてきた.一方,MEUDASで実行される収束計算手法は,多岐にわたり利用され,また,新しく開発される計算コードのモジュールの1つとして組み込まれるなど,多方面へ応用されている.本報告書においてMEUDASにおける平衡解の収束計算を行うための各モジュールについての詳細な解説をまとめた.


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