研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
2003年


310189
銀媒体電解酸化法によるMOX溶解シミュレーションコードの開発(受託研究)
木田孝 ; 梅田幹 ; 杉川進
JAERI-Data/Code 2003-001; Mar.2003,29p.

 燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)では,臨界実験で使用する硝酸プルトニウム溶液を調製するために,銀媒体電解酸化法によるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)粉末の溶解を計画している.この溶解運転の支援のために,MOX溶解シミュレーションコードの開発を行なった.本報は,開発したシミュレーションコードの概要,実験データとの比較及び溶解速度に及ぼすMOX粉末溶解パラメータについてまとめたものである.本コードは,Ag2+によるPuO2粉末溶解に対するZundelevichのモデルに基づいて作成し,Ag2+の収支式に亜硝酸による影響を加えるとともに,MOX粉末の表面積は粒径分布により算出する方式を採用した.また,コードの妥当性を確認するために,実験データとの比較を行なった.この結果,本コードにおいて溶解速度定数等のパラメータに適切な値を用いることで,溶解挙動を良く模擬できることを確認した.また,溶解速度に及ぼす影響が最も大きいパラメータは,MOX粉末粒径であることが判明した.


310308
気象データ統計解析コード(W-View)の開発
橘晴夫 ; 関田勉 ; 山口武憲
JAERI-Data/Code 2003-002; Mar.2003,46p.

 気象データ統計解析コードは,「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」(昭和57年1月28日原子力安全委員会決定,平成13年3月29日一部改定)に基づく気象統計解析を行うものであり,原子炉施設の設置(変更)許可申請に伴う国の安全審査時における平常運転時及び想定事故時の線量評価用の気象データの統計解析に用いることができる.また,原子炉施設設置(変更)許可申請書の添付書類に記載する気象データ統計資料の図表等を作成することが可能である.本コードは,従来大型計算機用のコードとして開発し運用してきた気象統計解析コードを,処理の手軽さと汎用性を考慮したパーソナルコンピュータで計算可能とするために改良したものである.


310426
耐熱セラミックス複合材料の照射後試験データ集; 97M-13A照射後試験
馬場信一 ; 石原正博 ; 相沢静男 ; 関野甫
JAERI-Data/Code 2003-003; Mar.2003,394p.

 高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた高温工学に関する先端的基礎研究の研究テーマの一つである「耐熱セラミックス複合材料の照射損傷機構に関する研究」として,材料試験炉(JMTR)を用いて第1次から第3次までの照射試験を実施した.本報告は,その第1次照射後試験で得た照射誘起寸法変化,熱膨張率,X線回折及びγ線スペクトルについてまとめたものである.


310190
Deposition of radionuclides and stable elements in Tokai-mura
上野隆 ; 天野光
JAERI-Data/Code 2003-004; Mar.2003,49p.

 本報告書は,東海村における放射性核種(1993年9月-2001年3月)及び安定元素(1993年9月-1995年10月)の降下量のデータをまとめたものである.大気から地表面への放射性核種及び安定元素の移行を評価するため,降下物試料を1993年9月-2001年3月に原研構内(東海村)で高度別(地表面からの距離を1.5m,4m,10m)に設置した水盤にて月毎に採取した.採取された水盤試料は,蒸発濃縮による前処理を行い,得られた残渣試料を井戸型のGe半導体検出器によるγ線スペクトルメトリーにて7Be,40K,137Cs及び210Pbを定量した.その結果,降下物重量及びこれらの放射性核種の降下量には,春にピークのある明瞭な季節変化があることがわかった.降下量の相関解析により,これらの放射性核種は2つのグループに分けられることが示された.乾燥試料の一部が安定元素の放射化分析のためにJRR-4において中性子照射され,安定元素の降下量が評価された.


310309
フェライト磁場計算コードFEMAGの開発
浦田一宏*
JAERI-Data/Code 2003-005; Mar.2003,36p.

 将来の核融合装置の設計において,低放射化フェライト鋼をプラズマ対向材料,及びリップル低減デバイスとして使用することを計画している場合,プラズマに対する誤差磁場評価,及びリップル低減検討を行うために,フェライト磁場の計算が必要となる.しかし,フェライト鋼磁気特性(B-Hカーブ)の非線形性から収束計算が不可欠となるため,設計ツールとして要求される計算の高速実行は難しくなる.トカマク装置の特徴である強いトロイダル磁場中ではフェライトが磁気飽和することから,磁場源である磁荷分布を一意的に決定することができる.さらに実際に使用するフェライト板形状は薄板に限られ,またその薄板の配置がトロイダル磁場に沿うことからも,計算の高速化を図ることが可能となる.以上のようなトカマク装置特有の状況を活用することにより,高速なフェライト磁場計算コード「FEMAG」を開発した.本報告書は,「FEMAG」コードの定式化,「FEMAG」コードの使用法,及び「FEMAG」コードの妥当性検討(3次元有限要素法コードとの比較,及びJFT-2M装置における磁場実測値との比較による)を詳述したものである.計算実行例として,現在原研で計画を進めているJT-60改修装置設計における各種検討結果を示した.


310505
環境被ばく線量評価コード(EDAS)の開発
滝光成 ; 菊地正光 ; 小林秀雄* ; 山口武憲
JAERI-Data/Code 2003-006; May 2003,99p.

 本コードは,国の安全審査時における原子炉施設の設置許可及び設置変更許可申請に伴う平常運転時の線量評価と想定事故時の一般公衆の線量評価に用いられている.評価方法は,ICRP 1990年勧告を取り入れて平成13年3月に改訂された原子力安全委員会から出されている「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」,「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針」及び「発電用軽水型原子炉施設の安全審査における一般公衆の線量評価について」に基づいていた評価式及びパラメータを用いて行っている.本報告は,計算処理の簡便性と他事業所等での汎用性を考慮し,従来別々に使用してきた計算コード群をパーソナルコンピュータで一括して使用できる環境被ばく線量評価コードとして開発したものである.なお,本コードは英語版も作成しており,その取扱マニュアルも別途用意している.英語版は国際協力に役立つことが期待できる.


310506
ナノマテリアルデザインコード整備
宮崎幹也*
JAERI-Data/Code 2003-007; May 2003,55p.

 新物質や新デバイスなどの研究開発は,これからの社会の発展を支える中心的な役割を果たすと考えられているが,経験的・実験的なアプローチが主体となったこれまでの取り組みは,もはや限界に達している.今後は物質の構造をより微細な状態で取り扱う必要があり,これまでの古典的な理論を用いた計算手法では既に,精度上の限界が生じている.これらの問題を解決する手法として,量子力学に基礎を置く最先端の電子状態計算手法についての研究が進められている.第一原理計算による物性予測に基づいた,このマテリアルデザインの手法は,このような状況におけるブレークスルーとなる可能性が極めて高いと考えられている.本報告書は,2002年9月17〜21日にかけて原研ITLB棟及び国際高等研で行われた,「コンピュテーショナル・マテリアルズ・デザイン ワークショップ」(大阪大学「計算機ナノマテリアルデザイン」プロジェクト主催)において講習を実施したMACHIKANEYAMA-2000及びOSAKA-2000をPCクラスタシステムに導入した際に行った,サンプル計算問題を用いた動作確認の結果についてまとめたものである.さらに,これらの計算コードの利用環境整備の一環として,Graphical User Interface(GUI)環境の整備について検討を行った.


310577
プラズマ過渡事象解析コードSAFALYの改訂,1
仙田郁夫* ; 藤枝浩文* ; 閨谷譲 ; 多田栄介 ; 荘司昭朗
JAERI-Data/Code 2003-008; Jun.2003,37p.

 トカマク装置の安全評価にかかわるプラズマ過渡解析を行うことを目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行った.改訂では,プラズマのモデル化及び計算アルゴリズムを修正したほか,新たにプラズマ電流の時間変化機能の追加,プラズマ制御系モデル化の強化など,新規の機能追加を行った.また,プラズマ対向機器のモデル化が容易にできるよう修正した.そのほか,プラズマ対向面間の輻射による熱相互作用にかかわる形状行列など,解析に必要なデータを揃えるためのコード体系の整備を行った.報告書は2部で構成される.本書第一部ではプラズマ及び真空容器内機器のモデル化,解析パラメータの詳細,及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告する.第二部では,プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する予定である.


310621
原子力コードの高速化; 平成13年度
秋山光永* ; 片倉郁茂* ; 川崎信夫* ; 根本俊行* ; 鶴岡卓哉* ; 足立将晶* ; 石附茂* ; 久米悦雄
JAERI-Data/Code 2003-009; Jul.2003,307p.

 本報告書は,平成13年度に計算科学技術推進センター情報システム管理課で行った原子力コードの高速化作業のうち,東海及び那珂研究所のスーパーコンピュータにおける高速化作業について記述したものである.原子力コードの高速化作業は,平成13年度に10件行われた.本報告書では,中性子ラジオグラフィー3次元CT用コードNR3DCTの並列化,内部欠陥を有する材料に対する非定常熱伝導解析コードTHERMO3Dの高速化,MHD用初期化コードMHDTM_INITの高速化,核熱利用系動特性解析コードHAMBACの高速化,汎用モンテカルロ粒子輸送コードMCNP4C3の並列化,多種粒子・高エネルギー用モンテカルロ粒子輸送計算コードシステムMCNPX V2.1.5の整備,核融合炉誘導放射能計算コードCINAC−V4の整備,生体分子向け分子動力学計算コードAmber5のインストール,多次元二相流解析コードACE3DへのVisLib関数埋め込み,GS8500用実験データ処理コードシステムの移植について記述している.


310622
分散コンピューティング・システム整備; コントロールサーバの開発
磯貝健太郎*
JAERI-Data/Code 2003-010; Aug.2003,28p.

 今日,さまざまな研究分野において大型計算機を利用した大規模シミュレーション(計算)が行われているが,研究者にとって無駄な労力を課せられている場合がある.それは,計算機の大型化・高性能化により取り扱うことのできるデータが多種大量となってきたため,その入出力データの管理が十分なものではなくなっていることや,計算しようとしている入力パラメータ・環境設定が,実は同じ分野を研究している他の研究者が既に計算済であるにもかかわらず,情報を共有できていない,もしくは計算結果を紛失したなど,再度長時間を要する計算を実行しなければならず,研究者が本来の研究活動とは無縁なところで時間を費やしていることである.このように,入出力データを一元管理し,かつ,過去のデータを自由に,労することなく参照できるシステムの必要性が生じてきた.また,超並列計算機や可視化計算機,データベースサーバなど複数のサーバを連携して大規模シミュレーションを遂行できるよう,ITBL利用推進室では,研究者にとって研究活動を促進するためのシステムの構築を目指し,大規模シミュレーションを支援する分散コンピューティング・システムの開発・整備を行ってきた.本報告書では,分散コンピューティング・システムの紹介及びその中で特にコントロールサーバの解説を行う.


310623
The Libraries FSXLIB and MATXSLIB based on JENDL-3.3
小迫和明* ; 山野直樹* ; 深堀智生 ; 柴田恵一 ; 長谷川明
JAERI-Data/Code 2003-011; Jul.2003,38p.

 JENDL-3の第3改訂版(JENDL-3.3)は2002年5月に公開された.このライブラリーは種々の分野で利用される.今般,MCNPやANISN等の輸送計算コード用にJENDL-3.3に基づく2つのライブラリーFSXLIB-J33とMATXSLIB-J33を整備した.これらのライブラリーは,申し込みにより利用可能である.


310624
プラズマ過渡事象解析コードSAFALYの改訂,2
仙田郁夫* ; 藤枝浩文* ; 閨谷譲 ; 多田栄介 ; 荘司昭朗
JAERI-Data/Code 2003-012; Jul.2003,73p.

 トカマク核融合プラズマのシステム応答解析を目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行い,コードの解析パラメータについて感度解析を実施した.報告書は2部で構成される.第一部ではプラズマ及びプラズマ対向機器のモデル化,解析パラメータの詳細,及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告した.本書第二部では,プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する.これらの感度解析の結果は,SAFALYコードを用いた解析結果の妥当性や保守性を検討する際の重要な情報となる.感度解析は,プラズマ初期状態に対する感度解析と解析パラメータに対する感度解析に分けて実施した.プラズマに加わる擾乱として,燃料過剰注入,プラズマ閉じ込め性能改善,及び過剰外部加熱を検討した.はじめに,各擾乱について,プラズマ初期状態に対する感度解析を実施し,擾乱とその擾乱に対して最も大きな出力変動を与える初期状態を求める.次に,SAFALYコードの解析パラメータに関する感度解析として,最大出力変動を与える初期状態を用いて,解析パラメータの変化が結果に与える影響を評価した.


310625
ペレット入射による燃料供給シミュレーションコードPEPSI
高瀬治彦* ; 飛田健次 ; 西尾敏
JAERI-Data/Code 2003-013; Aug.2003,46p.

 核融合炉において燃料供給は重要な課題の一つである.有力な燃料供給法として,水素固体ペレットを高速に加速し高温プラズマに入射する方法がある.核融合炉の設計上,ペレットの寸法,入射サイクル,入射速度を決定する必要がある.そこで,高温プラズマ中のペレット及びペレットから生成された溶発雲の運動方程式と,1次元プラズマ輸送方程式とを組み合わせた燃料供給シミュレーションコードPEPSI(PEllet injection and Plasma behavior SImulation code)を開発し,これらの設計値を定量的に評価できるようにした.PEPSIは溶発雲の運動を記述する二つの有力な物理モデル(Parksモデル,Straussモデル)を組み込み,輸送解析計算と合わせて核融合出力の時間変化を解析できる特徴を持つ.本報告は,PEPSIの解析モデル,数値計算法,フローチャート,変数の一覧,及び使用方法を説明する.


310804
空心コイル電磁計算プログラム: COIL
吉田清 ; 礒野高明 ; 杉本誠 ; 奥野清
JAERI-Data/Code 2003-014; Aug.2003,38p.

 超伝導コイルを設計する場合には,検討すべき設計パラメータが多いため,磁界とインダクタンスの値を何度も繰返し計算しながら,コイル設計を収束させる必要がある.そのため,磁界とインダクタンスは簡便に計算できないと設計検討は進まない.実際に超伝導コイルを製作・励磁すると,静的磁界やインダクタンスの測定値と計算値は非常によく一致する.それは超伝導コイルのような鉄心を含まない空心コイルの静的磁界やインダクタンスは,数値解析で正確に求めることができるからである.それらの解析方法は1970年代に開発され確立した.本報告書は,その解析手法を実装した計算プログラム:COILについて説明する.さらに,実際に製作した超伝導コイルの磁界とインダクタンスの実測値と計算値の比較を示すことによって,本プログラムの検証とする.COILは,原研で開発中のトカマク型核融合装置で使用されるコイル形状を簡便に定義し,それらのコイルから発生する磁界及びインダクタンスを容易に計算できるプログラムである.最近のコンピュータの性能向上で,複雑で多くのコイルから構成されるトカマク装置であっても磁界とインダクタンスの値は数分間で計算でき,ITERの超伝導コイルなどの設計に利用されている.


310805
高分子系材料の耐放射線特性とデータ集
大強度陽子加速器施設開発センター計画グループ
JAERI-Data/Code 2003-015; Sep.2003,255p.

 本資料は大強度陽子加速器計画施設(J-PARC)の各機器で使用が予想される各種高分子系材料の耐放射線特性について,既刊データの収録と合わせてまとめたものである.日本原子力研究所(原研)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は共同でJ-PARCプロジェクトを進めている.J-PARC加速器はビーム出力1MWの大強度陽子加速器のため,必然的に発生するロスビームが引き起こす材料の放射線損傷の影響に関し,広い範囲の機器について検討を必要としている.その使用予定材料,機器の耐放射線特性は施設稼働後の各装置の寿命・交換時期の評価,さらには保守作業における作業員の放射線被曝予測評価に極めて重要である.材料の耐放射線特性の検討では,使用目的により機械的,電気的,真空的特性などが求められる.それらは放射線の種類・エネルギー,放射線の強度等の違いに大きく依存する.本資料では,前半に高分子系材料の一般的な特徴と放射線劣化メカニズム等について紹介し,後半に材料毎の耐放射線特性を系統別に紹介している.なお,収集したデータは,国内外で刊行された報告書からの抜粋とし,出典が明らかなもののみを扱った.


310983
中性子実験データ格納検索システムNESTOR2
中川庸雄
JAERI-Data/Code 2003-016; Nov.2003,89p.

 中性子入射反応に関する実験データを格納し,検索するためのシステムNESTOR2を開発した.このシステムはFortran77で書かれていて,UNIXのワークステーションまたはWindowsのパソコンで利用できる.NESTOR2への入力は,核データに関する国際協力の下で収集整備されているEXFORのデータを使用する.検索用コードを用いて格納したデータの索引,数値リスト,数値データファイル,コメント情報のリストなどを作成することが可能である.本レポートでは,システムの概要と使用法を説明する.


320003
東海研究所気象統計, 1981年〜1995年
関田勉 ; 橘晴夫 ; 松浦賢一 ; 山口武憲
JAERI-Data/Code 2003-017; Dec.2003,106p.

 本統計は,東海研究所敷地内で観測した気象データについて,「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」(昭和57年1月28日原子力安全委員会決定,平成13年3月29日一部改定)に基づく気象統計処理を行ったものである.統計は1981年1月から1995年12月までの15年間における5年ごとの期間について処理したものであり,原子力施設から大気中に放出される放射性物質による一般公衆の線量評価に使用するための風向,風速,大気安定度,風速逆数の総和及び平均等についての統計結果である.


310984
統合核データ評価システムパソコン版W-Indesの試作
中川庸雄
JAERI-Data/Code 2003-018; Dec.2003,50p.

 統合核データ評価システム(INDES)のパソコン版W-Indesを試作した.WWWサーバープログラムをパソコンにインストールしてローカルなWWWサーバーとし,統計模型に基づく理論計算コードCASTHYのインターフェイスプログラムを作成した.これによりCASTHYの入力データ作成と実行が可能になることを確認した.


320004
軽水炉燃料解析コードFEMAXI-6,1;  詳細構造とユーザーズマニュアル
鈴木元衛 ; 斎藤裕明*
JAERI-Data/Code 2003-019; Dec.2003,423p.

 FEMAXI-6は,軽水炉燃料のふるまい解析を目的とするコードとして,前バージョンFEMAXI-Vに対して多くの機能の追加・改良を実施した高度化バージョンである.特に,熱的解析と力学解析の完全連成化を実施し,高燃焼度燃料における被覆管とペレットの間のギャップサイズやペレット被覆管相互作用などの正確な予測を可能にした.またペレット被覆管ボンディングモデル,FPガスバブルスエリングモデルを導入し,詳細な燃焼計算コードとの連係機能の強化を図った.さらに多くの物性値やパラメータを追加したので,高燃焼度燃料の通常時のみならず過渡時ふるまいの解析にたいする強力なツールとなった.本報告は,FEMAXI-6の設計,基本理論と構造,モデルと数値解法,改良と拡張,採用した物性値,モデルの修正方法などを詳述したものである.同時に,本コードの有効かつ広範な利用を可能とするため,入出力の種類と方法を詳しく説明し,具体的なサンプル出力を添えた.


320005
Program CCOM; Coupled-channels optical model calculation with automatic parameter search
岩本修
JAERI-Data/Code 2003-020; Dec.2003,22p.

 アクチニド原子核の核データ評価のために,新たなチャンネル結合光学モデル計算プログラムを開発した.コード独立性の高いモジュールで構成され,大きな融通性を持っている.コードはオブジェクト指向技術を用いて,C++言語で記述されている.プログラムにはパラメータのフィッティング機能があり,複数の原子核に対しても同時に行うことが可能である.計算に必要な式及び数値的取り扱い,入力パラメータについて記述してある.また入力パラメータの例及びその出力結果を示す.


320006
New method for model coupling using Stampi; Application to the coupling of Atmosphere Model (MM5) and Land-Surface Model (SOLVEG)
永井晴康
JAERI-Data/Code 2003-021; Dec.2003,36p.

 地表付近の熱,水及び物質交換の研究に適用する目的で,大気―陸面結合モデルの開発を行っており,並列計算通信ライブラリMPI(Message Passing Interface)を用いたモデル結合手法を考案した.大気モデルにはペンシルバニア州立大学と米国大気研究センターが開発したメソスケール非静力大気モデル(PSU/NCAR-MM5)を,陸面モデルには原研で開発した接地層大気,土壌及び植生を含む詳細なモデル(SOLVEG)を用いた.また,MPIとしては,原研で開発した異機種並列計算機間通信ライブラリ(Stampi)を用いた.各モデルの独立した平行計算において,それぞれの計算結果をMPIにより交換し合うことにより結合を行う.


[ page top ]
JAEA >  JAEA図書館 >  JOPSS >  研究開発報告書類[バックナンバー] >  JAERI-Data/Code(2003年)
Copyright(C), Japan Atomic Energy Agency (JAEA)