研究開発報告書類


JAERI-Research
2003年


310188
Evaluation of covariances for resolved resonance parameters of 235U, 238U, and 239Pu in JENDL-3.2
河野俊彦* ; 柴田恵一
JAERI-Research 2003-001; Feb.2003,36p.

 235U,238U,239Puの分離共鳴パラメータの共分散を評価した.主要アクチニド核種では非常に多くの分離共鳴が観測されているが,原子炉計算では,分離共鳴そのものの誤差よりも,平均断面積の誤差の方が重要である.分離共鳴パラメータの共分散を推定する簡便な手法を開発した.本手法は,平均断面積の誤差に基づいて分離共鳴パラメータの共分散行列を求めるものである.この方法を用いて,JENDL-3.2に格納されている重要なアクチニド核種の分離共鳴パラメータの共分散を求め,その結果をJENDL-3.2共分散ファイルに収納した.


310300
D-T中性子照射による核融合炉材料中での逐次反応に関する実験的研究
堀順一* ; 佐藤聡 ; 山内通則* ; 落合謙太郎* ; 西谷健夫
JAERI-Research 2003-002; Mar.2003,50p.

 本研究では,低放射化フェライト鋼(F82H)と酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼に対してD-T中性子照射を行い,逐次反応による56Co生成実効断面積を測定した.F82H,ODSフェライト鋼に対する56Co生成実効断面積は,鉄の約1.5倍となった.さらに,6種類の核融合炉材料(鉄,銅,バナジウム,チタン,タングステン,鉛)とF82Hに対して,水素化合物との接触面領域での逐次反応実効断面積の分布を測定した.水素化合物との接触面で逐次反応率は同一材料の場合と比べて20倍以上となり,F82Hに対しては50倍となった.核融合冷却水配管表面で生成される56Coによる放射能は,1次中性子反応で生成される54Mnによる放射能の3〜10%に至ることを示した.逐次反応実効断面積を(n,xp), (p,n)反応断面積,陽子放出スペクトル,陽子阻止能を用いて評価し,実験値との比較を行なった.


310301
PWR型低減速軽水炉心の設計研究; シード・ブランケット燃料集合体採用炉心の検討
嶋田昭一郎* ; 久語輝彦 ; 大久保努 ; 岩村公道
JAERI-Research 2003-003; Mar.2003,72p.

 PWR型低減速スペクトル炉心設計研究の一環として,軽水冷却のシード・ブランケット燃料集合体採用炉心の検討を行った.最適化検討の結果,シード13層・ブランケット5層の集合体を採用し,この集合体を163体配列した炉心についてMVP-BURNによる計算を行い,次の炉心性能が得られた.3バッチ取替え方式で,各サイクルの運転期間15ヶ月とすると,取り出し燃料燃焼度は集合体平均(内部ブランケットを含む)約25GWd/tである.転換比は約1.0で,ボイド反応度係数はBOCで約-26.1pcm/%void,EOCで-21.7pcm/%voidである.Pu中に約10%のMAを混入させると,同じ燃焼度を得るためには転換比が約0.05減小する.ボイド反応度係数は大幅に増加するので,対策が必要である.また,全Pu重量の約2%のFPが同伴すると,反応度が約0.5%Δk/kだけ減少し,ボイド反応度係数は多少正側に移行するが,いずれも設計余裕の範囲である.プルトニウムマルチリサイクルの検討として,サイクル末期に取り出された燃料を再処理して得られるプルトニウムをリサイクルする計算を第4サイクルまで行った.MA,FPのリサイクルは考慮していない.Pu富化度15.5wt%でマルチサイクルが可能である.


310302
A Systematics of fission product mass yields with 5 gaussian functions
片倉純一
JAERI-Research 2003-004; Mar.2003,19p.

 核分裂生成物の核分裂収率を予測するシステマティックスを検討し,新たなシステマティックスを提案した.このシステマティックスは30年程前に提案された森山−大西システマティックスに基づいている.森山−大西システマティックスの後に測定されたデータをもとにパラメータを見直し,新たな関数型によるパラメータを決定した.このパラメータを用いて核分裂収率を計算し,測定データと比較した.さまざまな核分裂による収率について自発核分裂から高エネルギー粒子による核分裂まで広い範囲で測定との良い一致を得た.


310303
Off-line tests on pitting damage in mercury target
二川正敏 ; 粉川広行 ; Tsai, C.-C.* ; 石倉修一* ; 池田裕二郎
JAERI-Research 2003-005; Mar.2003,70p.

 世界的にMWクラスの核破砕中性子源ターゲットの開発が行われている.陽子ビーム入射時に核破砕に伴う瞬時発熱により水銀中に圧力波が発生する.圧力波の伝播過程で構造/液体水銀界面で負圧が生じ,キャビテーションの発生・崩壊によるピッチング損傷が容器構造体内壁に形成されると考えられる.ピッチング損傷はターゲット容器の寿命支配因子となることから,その発生条件,損傷形態,程度を評価し,設計に反映することが必要である.そこで,ピッチング損傷に関する2種類のOFF-LINE実験;ホプキンソン棒衝撃負荷実験(SHPB),電磁力衝撃負荷実験(MIMTM),を実施した.1000万回に及ぶ衝撃負荷後の損傷形態に関するデータをMIMTMにより取得した.さらに,古典的音響振動法により得られた平均壊食深さの結果と比較した.その結果,壊食挙動は,一定の質量減少率を示す定常状態と定常状態に至るまでの潜伏期に大別でき,定常状態における質量減少は規格化統一線図により整理され,潜伏期間は材料特性,負荷圧力の大きさにより決定されることを明らかにした.


310304
高温ヘリウム漏えい箇所特定システムの開発,3; 放射線センサの開発(共同研究)
坂場成昭 ; 中澤利雄 ; 川崎幸三 ; 浦上正雄* ; 最首貞典*
JAERI-Research 2003-006; Mar.2003,65p.

 高温ヘリウム漏えい箇所特定システムの開発の最終段階として,小規模漏えい検知のための放射線センサを開発した.本研究では,漏えいしたヘリウムガス中に含まれるFPから漏えいを検知する方法に加え,微小な漏えいを検知するため,空気とヘリウムガスの放射線の阻止能差により漏えいを検出する新しい検出法(アクティブ検出法)を開発した.開発したアクティブ検出法では,微小漏えいとして想定した漏えい量0.2cm3/sを,最短10分で検出可能であることが明らかとなった.


310305
Analytical study of two-region TCA critical experiments with PWR-type MOX fuel by using Monte Carlo code MVP
Rahman, M.* ; 須崎武則 ; 森貴正
JAERI-Research 2003-007; Mar.2003,68p.

 原研のTCAにおいてPWR型MOX燃料を含む炉心を用いて実施された一連の臨界実験について解析を行った.炉心中央にテスト格子として10×10本の4.91%富化MOX燃料棒を水対燃料体積比2.40又は2.96にて配列し,周囲に臨界調整用ドライバ領域として2.6%濃縮UO2燃料棒を水対燃料体積比1.50にて配列した.核分裂性Puの含有率は91.4%であった.可溶性ほう素を309.4及び554.0ppm混入した2種の炉心,テスト格子中に等間隔で4個の水ホールを設けた炉心,及び中心に十字型水ギャップを有する炉心を含む6種の炉心について,臨界水位,MOX領域の出力分布,及び金線放射化率分布が測定された.これらの実験値に対応して,実効増倍率,核分裂率分布,及び金の捕獲反応率分布の計算を,連続エネルギーモンテカルロコードMVP及び2種の核データJENDL3.2及びJENDL3.3を用いて行った.計算結果は,実効増倍率について0.27%以下,出力分布について3.0%以下,全領域にわたる熱中性子放射化率分布について5.9%以下,及び炉心領域の熱外中性子放射化率分布について4.3%以下の差で実験値と一致した.


310306
大強度陽子加速器計画における中性子分光器開発のためのシミュレーション,1; モデレーター・コンポーネント作成
田村格良* ; 相澤一也 ; 原田正英 ; 柴田薫 ; 前川藤夫 ; 曽山和彦 ; 新井正敏*
JAERI-Research 2003-008; Mar.2003,34p.

 大強度陽子加速器計画における物質・生命科学実験施設に設置するパルス中性子分光器の開発のためモンテカルロ・シミュレーションを行っている.物質・生命科学実験施設に設置されるパルス中性子源には「結合型水素モデレーター」,「非結合型水素モデレーター」と「非結合型ポイゾンド水素モデレーター」の3種類のモデレーターが設置される. パルス分光器では線源の特徴が分光器の性能に強い影響を与える.そのため実際に得られるスペクトルを正確に記述した線源のコンポーネントを作成しなければ詳細なシミュレーションを行うことができない.NMTC/JAERI97とMCNP4Aのコードを用いて各ビームポートごとに得られた72点のパルスシェイプをもとに,各ビームポートにおけるモンテカルロ・シミュレーションMcStas用の線源のコンポーネントを作成した.「結合型水素モデレータ」を線源とするビーム取り出し口ポート16と「非結合型水素モデレータ」を線源とするビーム取り出し口ポート11のそれぞれ1つのコンポーネントを作成した.


310307
J-PARC計画のためのドラプキン型エネルギー・フィルターの開発
山崎大* ; 曽山和彦 ; 海老澤徹* ; 田崎誠司*
JAERI-Research 2003-009; Mar.2003,29p.

 大強度陽子加速器計画(J-PARC)では大強度核破砕中性子源の建設が計画されている.この大強度中性子ビームのうち,結合型モデレータから得られるパルス中性子は,中性子強度は高いが,テールが長く,高分解能の実験には向いていない.しかし,用途によってこのテールをカットし,高分解能パルスを利用できるようになれば,実験の選択肢,分光器の可能性が大きく高まる.ドラプキン型エネルギー・フィルターは,空間的中性子スピン共鳴を利用して,磁場との相互作用でパルス整形を行なおうという装置である.本稿では,まずドラプキン型エネルギー・フィルターの主要部分であるドラプキン型スピン・フリッパーのスピン反転率を量子力学的に厳密に導出し,共鳴スピン反転の性質について詳細に記述した.さらに,ドラプキン型エネルギー・フィルターをパルス中性子用のパルス整形器として用いるための,スィープ・モードでの駆動及びサブピークの抑制について,数値計算による予測を行った.周期数10のドラプキン型スピン・フリッパーを開発し,定常モードでの特性試験を行った.結果は,計算による予測と非常によく一致し,開発したドラプキン型スピン・フリッパーが期待通り駆動していることが示された.


310503
JT-60Uにおけるダイバータ・リサイクリングのデータベース作成と解析
滝塚知典 ; 荒川和也* ; 清水勝宏 ; 林伸彦 ; 朝倉伸幸
JAERI-Research 2003-010; May 2003,57p.

 JT-60Uプラズマにおけるダイバータ・リサイクリングに関するデータベースを作成した.このデータベースにより,電子密度や加熱パワー等の主プラズマパラメータに対するプラズマ中の中性粒子フラックスやダイバータ板へのイオンフラックスの挙動を調べることができる.データベース解析の結果,リサイクリングで増幅されるダイバータ板イオンフラックスは,電子密度の増加に対し非線形的に増加する.この密度に対する平均的依存性からの広がりは非常に大きく,その主原因は,ダイバータ板・第一壁の状態を含むダイバータプラズマの複雑な物理特性に基づいているが,加熱パワーにはほとんど無関係である.低密度時の低リサイクリング・ダイバータプラズマから高密度時の高リサイクリング・ダイバータプラズマへの遷移が分岐的に生じることが確認できた.その遷移密度は加熱パワーのほぼ1/4乗に比例している.


310504
計算シミュレーション手法に基づく体外計測法の高度化に関する研究
木名瀬栄
JAERI-Research 2003-011; May 2003,104p.

 本研究では,計算シミュレーションによる体外計測装置の数学的校正手法を開発した.これにより,被検者について多種多様な人体形状,放射能分布を模擬することが可能となり,体外計測装置による体内放射能評価を高精度化することができる.数学的校正手法の拡張として,計算シミュレーションによる体外計測装置の計数効率曲線を評価する方法を開発し,計数効率における散乱線の影響を定量的に明らかにするとともに,体外計測装置校正にかかわる体格依存性補正法を開発し,体表面積を補正因子とした体格依存性補正式を提案した.また,本研究では,体外計測装置による体内放射能評価の不確かさについて解析し,体内放射能評価の不確かさにおいて,体内放射能分布による体外計測装置計数効率の変動, 計測装置による測定の統計誤差が大きく影響することを示した.さらに,半導体検出器による体外計測装置の高精度化について検討を行い,ゲルマニウム半導体検出器のピーク効率曲線の評価法,ゲルマニウム半導体検出器とNaI(Tl)シンチレーション検出器のそれぞれの長所をいかした体外計測装置,ゲルマニウム半導体検出器を用いた全身カウンタの具体的設計案を提案し,数学的校正手法の有効性を示した.


310576
中性子散乱実験用マイクロストリップガスチェンバーの開発; エンコードボードの開発とシミュレーション
正岡聖* ; 中村龍也 ; 山岸秀志 ; 曽山和彦
JAERI-Research 2003-012; Jun.2003,14p.

 大強度陽子加速器施設での中性子散乱実験用の高速・高効率・高位置分解能の2次元中性子検出器として,マイクロストリップガスチェンバー(Micro-strip Gas Chamber: MSGC)の開発を行っている.今回FPGA(Field-Programmable Gate Array)を搭載したエンコードボードを開発した.FPGAは,そのロジックをプログラミングすることによって,MSGCからの信号をデジタル処理することができ,プロトンとトリトンが形成するトラックの情報を読み出すことができる.したがって,我々は,一連のデータ処理システムを使って近似的にトラックの中点を中性子核反応位置として表示する方法で位置情報を得ることができる.実際の中性子照射実験を想定してシミュレーションを行った結果,現在のデータ処理システムで1.6mm以下の位置分解能が得られることがわかった.


310800
核燃料再処理環境中におけるジルコニウムの応力腐食割れに関する研究
加藤千明
JAERI-Research 2003-013; Aug.2003,143p.

 本論文は核燃料再処理環境中におけるジルコニウムの応力腐食割れ(SCC)に関する研究成果をまとめたもので,全文7章から成っている.1章では背景及び目的を述べた.2章では試験装置を説明した.3章では沸騰伝熱面においては硝酸の酸化力が高まり沸騰伝熱面においてSCCが生じる可能性を示した.4章ではSSRT試験からSCC感受性は硝酸濃度と温度により大きくなり,切り欠き部でSCC感受性が大きくなることを示した.また,SCC感受性は結晶配向性に影響され,圧延方向と割れ進展面が一致する面で大きくなることを示した.5章では,溶接部のSCC感受性に関して(0002)面の存在量が多いHAZ/母材境界部にてSCC感受性は高くなることを示した.6章では,硝酸の高い酸化力発生機構に関して考察し,沸騰伝熱面における酸化還元電位の上昇は,沸騰バブル相にNO2等のガス状窒素酸化物成分が移行し溶液から絶えず排除されることでHNO2の熱分解が加速されることにより生じることを明らかにした.7章では,総括を述べた.


310902
Study on shielding design method of radiation streaming in a Tokamak-type DT fusion reactor based on Monte Carlo calculation
佐藤聡
JAERI-Research 2003-014; Sep.2003,223p.

 トカマク型DT核融合炉には,さまざまな形状のスリットやダクトが存在する.スリットやダクトからの放射線ストリーミングによってブランケットや真空容器再溶接部のヘリウム生成量,超伝導トロイダルコイルの核的応答は増大する.本研究では,各種ストリーミングに対して,スリットやダクト形状,遮蔽体形状,遮蔽体組成,ホウ素濃度等に対するヘリウム生成量や核発熱率等のパラメータ依存性を3次元モンテカルロ法により系統的に評価し,これらのパラメータの関数として評価近似式を開発した.また,真空容器を貫通する大口径ダクトからの放射線ストリーミングによるダクト周囲の崩壊γ線線量率を評価するために,崩壊γ線モンテカルロ計算を用いた評価手法を開発した.即発γ線スペクトルを崩壊γ線スペクトルに置き換えることにより,崩壊γ線モンテカルロ計算を行った.計算時間を大幅に短縮させるために,有効な分散低減手法を開発した.本手法を用いてITERダクト貫通部に対する遮蔽計算を行い,本手法の有効性を実証した.


310620
Formulating analytic expressions for atomic collision cross sections
多幡達夫* ; 久保博孝 ; 左高正雄
JAERI-Research 2003-015; Aug.2003,23p.

 原子衝突断面積を入射粒子エネルギーの関数として解析的に表す式を作成する方法について述べる.適切な関数形の選び方と調節パラメータの最適化の問題を取り上げる.データの外挿を可能にするため,合理的な漸近形を持つ関数を使用することが重要である.この点で,修正型Green-McNeal公式が,各種の原子衝突断面積に対し有用であることがわかった.イオン化過程に対しては,修正型Lotz公式がしばしば良好な適合を示した.解析的表式中の調節パラメータの最適化には,最小二乗方法のためのALESQコードが便利であった.


310801
ストロンチウム−セリウム酸化物セラミックス中のトリチウムの存在状態及びその除去特性(協力研究)
中村博文 ; 西正孝 ; 森田健治*
JAERI-Research 2003-016; Aug.2003,32p.

 核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として,核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム−セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し,酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した.その結果,Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは,主として水酸基の状態で存在しているため,その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした.また,トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し,その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより,トリチウム除去機構について検討した.その結果,空気曝露によるトリチウム除去率は小さく,そのほとんどが,試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした.また,酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた.以上の結果,酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし,トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た.


310903
Development of a high-energy, ultrabroadband Ti:sapphire ring regenerative amplifier
山川考一
JAERI-Research 2003-017; Sep.2003,9p.

 われわれは,繰り返し数10Hz,出力エネルギー20mJ以上を発生する広帯域リング型チタンサファイア再生増幅器を開発した.チャープパルス増幅法と再生パルス整形技術により,出力エネルギー10mJ以上の2波長フェムト秒レーザー光(波長間隔120nm)の発生に成功した.


310802
イオン駆動透過法によるニッケル中のトリチウムと重水素の拡散及び表面再結合に関する同位体効果の測定と評価(協力研究)
中村博文 ; 西正孝 ; 杉崎昌和*
JAERI-Research 2003-018; Sep.2003,32p.

 核融合炉の安全評価上必要な材料中のトリチウム輸送挙動の評価は,トリチウム輸送物性値,もしくは,軽水素,重水素輸送特性の同位体効果理論によるトリチウムへの外挿値により評価される.しかしながら,トリチウム輸送物性値の測定例は稀少であり,また,同位体効果理論の外挿性についてもトリチウムデータの稀少さゆえに完全に確証されておらず,材料中トリチウム挙動予測に不確実性が存在する.そこで本研究では,この材料中におけるトリチウムの輸送特性を評価するために,イオン駆動透過法を用いて,水素透過挙動がよく知られたニッケルに対するトリチウムの拡散係数及び表面再結合係数を測定し,全く同じ条件で実施した重水素の結果との比較により拡散と表面再結合のトリチウム−重水素間の同位体効果を評価した.その結果,拡散係数の同位体間効果に関しては,古典拡散理論から予測される同位体効果を示さず,トリチウムが重水素よりも大きな拡散係数を持つこと及び拡散の活性化エネルギーがトリチウムの方が小さいという傾向を得た.これらの結果は,振動温度を従来報告値より若干高く仮定することにより,既存の修正拡散モデルで説明可能であることを明らかにした.さらに,表面再結合に関する同位体効果に関しても,修正溶解モデルにより同様に説明可能なことを示した.


310904
Feasibility study of the water cherenkov detector as a D-T fusion power monitor in the system using neutron activation of flowing water; First experimental phase
Verzilov, Y. M.* ; 落合謙太郎 ; 西谷健夫
JAERI-Research 2003-019; Sep.2003,25p.

 流水を用いた中性子モニター法は16O(n,p)16N反応に基づいている.本研究ではシンチレーションγ線検出器を用いたITERの中性子モニターシステムを著しく改善するための新しい手法を提案する.基本的概念は核融合炉の真空容器近傍の水中で生成される16Nからのβ粒子によるチェレンコフ光を光ファイバーで外部に引き出し,光検出器で計測するものである.その原理実証実験を2段階に分けて実施する.まず第1次実験では,よく遮蔽された測定室において照射された水からのチェレンコフ光の測定できることを確認する.第2段階では,水を中性子源近傍に設置し,照射下のチェレンコフ光を光ファイバーで伝送して測定する.第1次実験は原研FNSで実施し,第1次実験の目的のためにチェレンコフ光検出器をよく遮蔽された測定室に設置した.FNS加速器は直流モードで運転し,中性子発生率は約2×1011n/s,水ループの流速は約1m/sであった.測定された信号はエネルギースペクトルと減衰時間から,16Nのβ粒子によるチェレンコフ光によるものであると確認した.本研究により,水チェレンコフ検出器は,計数効率が高く,さらにシンチレーション検出器を必要としない簡便な手法であるため,16Nの検出器として有用であることを示した.


310803
Re-evaluation of neutron nuclear data for 129I and 143Nd
中川庸雄 ; 長谷川明
JAERI-Research 2003-020; Sep.2003,46p.

 JENDL-3.3に格納されている129Iと143Ndの核データを,他の評価済みデータや実験データと比較して検討した.特に,中性子捕獲断面積に対しては新しい実験データがどちらの核種にもある.理論計算に使用するパラメータをこれらの実験データを再現するように調整し,統計模型による計算を行った.また,分離共鳴パラメータを修正し,熱中性子エネルギーにおける実験データをよく再現するようにした.評価の結果をENDF-6フォーマットで編集した.


310905
Evaluations of medium-heavy nuclide data for JENDL-3.3
柴田恵一 ; 浅見哲夫* ; 渡部隆* ; 渡辺幸信* ; 山室信弘* ; 井頭政之* ; 北沢日出男*
JAERI-Research 2003-021; Sep.2003,49p.

 JENDL-3.3のために中重核領域の中性子核データ評価を行った.この仕事は,前版JENDL-3.2の欠点を解消するために行われた.最新の測定値及び理論計算値を考慮して,評価済データの精度向上に努めた.同位体データとの不一致を解消するために,JENDL-3.3では炭素,バナジウム以外天然元素データは作成しなかった.


310906
金属元素の蒸留の研究; ジュラルミンの元素分別
赤岡克昭 ; 丸山庸一郎
JAERI-Research 2003-022; Oct.2003,16p.

 超々ジュラルミン(アルミニウム合金7075:Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu-0.25Cr)の蒸留特性の測定と数値解析を行った.実験では378.7mgのジュラルミンを抵抗加熱蒸発装置により200℃/hourの昇温速度で1500℃まで加熱し,蒸発させ,四重極質量分析計でイオン電流を記録することにより蒸発特性を測定した.シミュレーションはRaoultの法則をLangmuirの式に適用し,Runge-Kutta法を用いて解析した.その結果,蒸留の特性は実験とシミュレーションがよく一致し,蒸留によりジュラルミンをAl, Cu, CrとZn, Mgの2つの群に分離できることを明らかにした.これらの結果,蒸留による元素分別を用いた放射性廃棄物の減量が可能であることを示された.


310979
レーザー結晶の直接接合法に関する研究; 接合型YVO4イットリウムオルソバナデートレーザー結晶の評価
杉山僚 ; 奈良康永
JAERI-Research 2003-023; Nov.2003,14p.

 高ピーク出力レーザーに用いられているNd:YVO4結晶に母結晶のYVO4を接合して,熱除去特性の優れた集積型レーザー結晶の作成を行った.YVO4結晶の接合法において,これまでの化学処理に代わる新たなドライエッチング処理を適用した.さらに,熱化学反応によって析出するバナジウム酸化物を抑制するための熱処理温度の最適化が必要であった.接合後の結晶については,光学特性並びにレーザー発振特性を評価するとともに,TEM(透過型電子顕微鏡)による拡大観察を行った.その結果,集積化型Nd:YVO4結晶は良好な熱伝達特性を有し,通常の結晶で引き起こされるような熱破壊を生じることなく,出力増加できることを明らかにした.


310980
Tritium permeation evaluation through vertical target of divertor based on recent tritium transport properties
中村博文 ; 西正孝
JAERI-Research 2003-024; Nov.2003,24p.

 ITERダイバータ部におけるトリチウムの冷却水への透過量の再評価を行った.本評価は,ITERの設計緒元を用い,著者らが近年の実験研究で得てきたタングステンや銅における水素同位体の輸送物性値(拡散係数,トラップ因子,表面再結合係数等)を用いて行ったものである.比較のためにこれまでの評価で用いられてきたタングステンや銅等の輸送物性値を用いた評価も同様に実施した.ダイバータは,アーマ材領域とアーマ材が存在しないスリット領域に分類し,それぞれの領域について評価した.解析の結果,著者らの新知見に基づくトリチウム透過の評価値は,従来の輸送物性値の報告値を使用した結果よりもダイバータ供用期間末期において1桁以上低い値となった.また,新知見によるトリチウム透過はダイバータタイルのスリット領域からの透過が支配的となる可能性を見いだした.このような冷却水への少ないトリチウム透過量は,冷却水の直接排水の可能性をも示唆するように,現行のITERの運転期間中におけるダイバータ冷却水中トリチウム濃度の評価値が十分な安全裕度を有していることを確認するものである.


310981
HTTR出力上昇試験における燃料及び核分裂生成物挙動の検討,2; 30MWまでの結果
植田祥平 ; 江森恒一 ; 飛田勉* ; 高橋昌史* ; 黒羽操* ; 石井太郎* ; 沢和弘
JAERI-Research 2003-025; Nov.2003,59p.

 高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した.HTTRの燃料性能を評価するため,原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した.その結果,1次冷却材中放射能濃度は103Bq/cm3以下であり,Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm3以下であった.88Kr放出率(R/B)値は,原子炉出力60%以下において約2×10-9,定格30MW出力時において約7×10-9であった.事前解析による88Kr放出率の予測値は,測定値とよく一致し,希ガスの放出機構が,燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し,反跳から拡散へと変化することが示された.


310982
Evaluations of heavy nuclide data for JENDL-3.3
河野俊彦* ; 松延廣幸* ; 村田徹* ; 瑞慶覧篤* ; 中島豊* ; 川合將義* ; 岩本修 ; 柴田恵一 ; 中川庸雄 ; 大澤孝明* ; 馬場護* ; 吉田正* ; 石川眞*
JAERI-Research 2003-026; Dec.2003,53p.

 原子力技術開発において重要なウラン,プルトニウム,トリウムの同位体に対する中性子核データの新たな評価を行った.この評価値は日本の評価核データライブラリであるJENDL-3.3の一部となる.この評価の主たる目的は,前ヴァージョンに対して報告されていた幾つかの問題点の解決,データの精度向上,主要核種に対する共分散の評価,である.JENDL-3.2に格納されている種々の核データを検討し,その多くについて再評価を行うか,もしくはより信頼できる数値に置き直した.JENDL-3.3の重核データに対して種々のベンチマークテストが行われ,臨界性予測精度は以前のJENDLよりも向上していることが報告された.


320001
JT-60Uにおける蓄積エネルギー実時間帰還制御システムの開発と高性能放電への応用
及川聡洋 ; 土屋勝彦 ; 栗原研一 ; 川俣陽一 ; 福田武司* ; 藤田隆明 ; 赤坂博美 ; 米川出 ; 閨谷譲
JAERI-Research 2003-027; Dec.2003,19p.

 JT-60UにおいてMHD安定性制御を目的としてプラズマ蓄積エネルギーの実時間帰還制御を開発した.プラズマ蓄積エネルギー検出に統計処理法を用いることにより,JT-60Uの幅広いプラズマパラメータ領域におけるオーミックモード,Lモード,Hモード,高ポロイダルβモード,負磁気シアモードといったさまざまな閉じ込めモードに対して単一の統計処理係数セットで蓄積エネルギーの高精度実時間検出が可能となった.NB入射電力の調節により蓄積エネルギーの実績値をプレプログラムされた参照波形に正確に追従させることに成功した.負磁気シアモードにおいては内部輸送障壁形成の再現性が向上し,規格化ベータ値を安定領域に維持することでMHD安定性を制御することができる.これにより,負磁気シアモードにおいてDT換算核融合増倍率0.5を0.8秒間維持することに成功した.


320077
Study of non-inductive current drive using high energy neutral beam injection on JT-60U
及川聡洋
JAERI-Research 2003-028; Jan.2004,134p.

 負イオン中性粒子ビーム(N-NB)による電流駆動の研究を行った.動的Stark効果偏光計を用い,N-NB駆動電流を広範囲な電子温度領域にわたって計測した.NB電流駆動はビームエネルギーと電子温度とともに増加するという理論予測を検証した.プラズマ電流1.5MAにおいて高閉じ込め,高ベータ,完全電流駆動,NBの電流駆動効率の最高値1.55×1019〜Am-2W-1を同時達成した.これらの結果は将来の核融合炉におけるNB電流駆動性能の予測性にさらなる信頼を与えた.一方,MHD不安定性によりNB電流駆動が減少することも判明した.ビーム駆動型不安定性によりN-NB高速イオンが輸送され駆動電流が7%減少した.新古典テアリングモードについては,中性子発生率と高速イオン圧力の計測値と理論値の比較から,磁場揺動の増加とともに高速イオン損失が増大すること,粒子のエネルギーが高い程より大きな輸送をうけることを明らかにした.


320002
FCAを用いた岩石型燃料に添加する共鳴吸収物質のドップラー効果測定
安藤真樹 ; 中野佳洋 ; 岡嶋成晃 ; 川崎憲二*
JAERI-Research 2003-029; Dec.2003,72p.

 ROX燃料に添加する共鳴物質としてエルビウム(Er),タングステン(W),トリウム(ThO2)に着目し,これら物質のドップラー効果に対する計算予測精度の検証を行うことを目的とし,FCAを用いて実験を行った.実験は,高速炉体系(XX-2)と中速スペクトル体系(XXI-1D2)において,800℃までのサンプル加熱反応度価値測定法により行った.解析では,核データにJENDL-3.2を用い,FCA標準解析手法を基本計算とし実験値と計算値を比較した.また,SRACシステムを用いた解析を行い,SRACによる計算の予測精度の傾向を調べるとともに,基本計算の解析結果と比較した.輸送補正を施した基本計算の解析の結果,XX-2炉心では全般的に過小評価となり,XXI-1D2炉心では計算値は実験誤差の範囲内で実験値とほぼ一致した.SRACシステムによる解析の結果,ErサンプルではSRACの方が3%〜10%小さい計算値を与え,Wサンプルでは,SRACの方が2%〜5%大きな計算値を与えることがわかった.またThO2サンプルでは,XX-2炉心ではSRAC解析>基本計算であるのに対して,XXI-1D2炉心ではその逆となった.


320078
Ionization dynamics of a xenon atom in super-strong laser fields
山川考一 ; 赤羽温 ; 福田祐仁* ; 青山誠 ; 井上典洋* ; 上田英樹* ; 内海隆行*
JAERI-Research 2003-030; Dec.2003,14p.

 波長800nm,パルス幅20fsのレーザー光を集光強度1013W/cm2から1018W/cm2の範囲でキセノン原子に照射し,そのイオン化過程におけるダイナミクスについて研究を行った.レーザー照射強度に対するキセノン1価から20価イオンまでのイオン化収率を測定し,トンネルイオン化モデルとの比較を行った結果,(1)低価数イオンにおける予想外なイオン化収率の向上,(2)遮蔽効果による外殻と内殻電子群の非相互作用,(3)相対論レーザー強度及び数サイクルパルスによる多電子同時イオン化の抑制,等が明らかとなった.これらの新しい発見は,このような高強度場において多電子原子がどのように振る舞うかを知るうえで,新しい知見を与えるものである.


320402
多層膜による中性子散漫散乱解析コードの開発
曽山和彦 ; Cao, B.*
JAERI-Research 2003-031; Mar.2004,42p.

 中性子多層膜ミラーからの散漫散乱を解析・評価するため,DWBA理論に基づくシミュレーションコードの開発を行った.本コードは,ロッキングスキャン,検出器スキャン,オフセットスキャンの3種類の走査タイプを想定した解析モードを有している.さらにNi/Ti多層膜ミラーに関して,JRR-3でのロッキングスキャンによる実験とモデルについての理論計算との比較,検討を行い,良い一致を見た.


320403
高空間分解能中性子ズーミング管検出器の特性
曽山和彦 ; 松林政仁 ; 正岡聖* ; 中村龍也 ; 松村達也* ; 木下勝之*
JAERI-Research 2003-032; Mar.2004,22p.

 中性子ズーミング管検出器を試作し,空間分解能に関する評価実験を行った.当該検出器は,X線透過型光電面検出器を応用したもので,光電面,電磁収束拡大電子レンズ,CCD撮像素子から構成され,光電面は,中性子による像を得るため,Gd薄膜をCsI薄膜と組合せて使用している.システム空間分解能に関する実験の結果,25μmの空間分解能が得られた.この空間分解能は,観察試料と光電面(Gd薄膜-CsI薄膜)の距離に依存し,この距離を短くすることでさらなる高空間分解能化が図られることがわかった.


320079
Behavior of irradiated BWR fuel under reactivity-initiated-accident conditions; Results of tests FK-1, -2 and -3
杉山智之 ; 中村武彦 ; 草ヶ谷和幸* ; 笹島栄夫 ; 永瀬文久 ; 更田豊志
JAERI-Research 2003-033; Jan.2004,76p.

 低温起動時の反応度事故(RIA)条件下における燃料挙動を明らかにするため,燃焼度41〜45GWd/tUの沸騰水型原子炉(BWR)燃料のパルス照射実験を原子炉安全性研究炉(NSRR)において実施した.試験燃料棒は福島第一原子力発電所三号機で用いられたBWR8×8BJ(STEP I)型セグメント燃料棒を短尺加工したもので,NSRRにおいて約20ms以内の短時間に293〜607J/g(70〜145cal/g)の熱量が与えられた.その際,燃料棒被覆管はペレット・被覆管機械的相互作用により高速に変形したが,被覆管の延性が十分高く破損には至らなかった.被覆管周方向の塑性歪は最大部で1.5%に達した.被覆管温度は局所的に最大約600℃に達しており,X線回折測定の結果はパルス照射時の温度上昇により被覆管照射欠陥が回復したことを示していた.パルス照射による核分裂生成ガスの放出割合は,ピーク燃料エンタルピ及び定常運転条件に依存して,3.1%〜8.2%の値であった.


320080
Measurement of radioactivity induced by GeV-protons and spallation neutrons using AGS accelerator
春日井好己 ; 甲斐哲也 ; 前川藤夫 ; 中島宏 ; 高田弘 ; 今野力 ; 沼尻正晴* ; 猪野隆* ; 高橋一智*
JAERI-Research 2003-034; Jan.2004,115p.

 ブルックヘブン国立研究所のAGS(Alternative Gradient Synchrotron)加速器を使って,2.83, 24GeVの陽子及びそれら陽子が水銀ターゲットに入射し発生する核破砕中性子による誘導放射能の測定実験を行った.ホウ素,炭素,アルミ,鉄,銅,ニオブ,酸化水銀,鉛,ビスマス,アクリル,SUS316,Inconel-625及びInconel-718の試料を水銀ターゲットの周りで照射した.照射後,冷却時間2時間から200日において,それぞれの試料の放射能をHPGe検出器で測定した.測定したγ線スペクトルから90以上の放射性核種を同定し,それらの放射能データを得た.このレポートは,これらの実験手順,データ処理及び測定結果をまとめたものである.


320161
フレネルゾーンプレートを用いたナノスケールX線レーザービームの生成
永島圭介 ; 加道雅孝 ; 錦野将元*
JAERI-Research 2003-035; Feb.2004,10p.

 コヒーレントX線を用いた利用研究とそのための光学技術開発は,今後期待されている新しい研究分野である.日本原子力研究所では,世界で初めて空間的にフルコヒーレントの軟X線レーザーを開発することに成功した.このX線レーザーをフレネルゾーンプレートで集光して超高強度のナノX線ビームを生成する実験装置を製作した.数値計算によって詳細な集光特性を評価した結果,およそ5×1014W/cm2のX線強度が得られることがわかった.


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