研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
2004年


320404
バイオインフォマティクス整備; データベース及びアプリケーションWeb実行システム
木村英雄 ; 酒井智*
JAERI-Data/Code 2004-001; Mar.2004,32p.

 現在,生物学の研究は,ゲノムと呼ばれる遺伝子のセットを用いて生命全体の働きを明らかにしていく段階に入っている.数千に及ぶ遺伝子がもたらす生命の全体像を明らかにするには,遺伝子の相互作用から生み出される莫大な情報を解析しなくてはならない.今までの実験による解析方法では,この量の情報解析を現実的な時間で行うのは不可能である.そこで注目されているのが,コンピュータによる解析である.バイオインフォマティクスと呼ばれる分野は,生物学と情報学とが融合した新しい分野であり,今急速に発展している.本書では,バイオインフォマティクス分野の支援としてITBL利用推進室が行っている,データベースの整備,及びWeb経由でアプリケーションを実行するためのシステム(アプリケーション実行Webシステム)について報告する.


320318
Physics and numerical methods of OPTMAN; A Coupled-channels method based on soft-rotator model for a description of collective nuclear structure and excitations
Soukhovitskij, E. Sh.* ; Morogovskij, G. B.* ; 千葉敏 ; 岩本修 ; 深堀智生
JAERI-Data/Code 2004-002; Mar.2004,32p.

 軟回転体模型ハミルトニアンに基づくチャンネル結合光学模型によって原子核の集団励起構造と反応断面積を記述する計算コードOPTMANにおける最新の理論と数値計算アルゴリズムの解説を行う.本研究は,国際科学技術センター(ISTCモスクワ)のプロジェクトB-521として,日本のサポートの下で行われている.本プロジェクトによりOPTMANにおける数値計算アルゴリズムは完全に改訂され,またユーザーフレンドリーなインターフェースが設けられた.


320319
わが国における浅地中埋設処分深度に分布する岩石の透水係数に関するデータ
萩原茂* ; 坂本義昭* ; 武部愼一 ; 中山真一
JAERI-Data/Code 2004-003; Mar.2004,159p.

 RI・研究所等廃棄物の処分場は,放射能濃度に応じて地表付近から地下利用に対して十分余裕を持った深度及び地下深部に設置される.処分場を建設する際には,対象となる地盤の物性やその場の応力状態に応じて,レイアウトや施工方法の最適化が図られるが,地下環境では地下水が存在するため,地下水中に放射性核種が漏洩する地下水シナリオが想定されている.このシナリオに沿って長期的な地下水の動きを見積もるための指標として動水勾配や透水係数が重要であるが,土木分野では一般に透水係数が用いられる.地中埋設処分ではこれまでに東濃・釜石鉱山において取得したデータを含む地下1,000m程度までの岩石の透水係数データ約1,500件が示されているが,地下浅所のデータが十分でなかったため,本報では,公開文献等から収集した深度250m程度以浅の地盤の透水係数4,474件をわが国の地質時代区分,地質構造区分に基づいて,結晶質岩,堆積岩,第四紀層を含む5グループ26種の詳細な岩種に区分し,整理した.


320320
わが国における浅地中埋設処分深度に分布する岩石の力学特性に関するデータ
萩原茂* ; 坂本義昭* ; 武部愼一 ; 中山真一
JAERI-Data/Code 2004-004; Mar.2004,167p.

 RI・研究所等廃棄物の処分場は,放射能濃度に応じて地表付近から地下利用に対して十分余裕を持った深度及び地下深部に設置される.処分場を建設する際には,対象となる地盤の物性やその場の応力状態に応じて,レイアウトや施工方法の最適化が図られる.このため,地盤の安定性の評価に用いる地盤工学的なデータが必要となり,これまでに東濃・釜石鉱山において取得したデータを含む地下1,000m程度までの岩石の物理・力学試験データ約2,000件が示されている.本報では,既存データで整備が不十分であった深度250m程度までの地盤の力学特性のうち,土木分野で指標として一般に用いられる一軸圧縮強さ及び超音波伝播速度を対象に,わが国の地質時代区分,地質構造区分に基づいて,結晶質岩,堆積岩,第四紀層を含む5グループ26種の詳細な岩種に区分し,公開文献等から非火山性堆積岩を主体に約5,700件余のデータを収集,整理した.


320405
放射線誘発DNA損傷生成過程のシミュレーション計算結果の可視化
増子献児* ; 渡邊立子 ; 久米悦雄
JAERI-Data/Code 2004-005; Mar.2004,72p.

 低線量・低線量率被ばくの影響の程度を定量することは,放射線のリスクを評価するうえで重要である.放射線リスク評価を放射線影響のメカニズムに基づいて行うために,放射線照射から生物に影響が生じるまでの一連の過程を解明することを目的とした研究が行われてきている.この中で,放射線の微視的飛跡構造のモンテカルロ法によるコンピュータシミュレーションに基づくDNA損傷生成過程の研究が行われてきた.このようなシミュレーション結果を可視化(画像化)することにより,DNA損傷生成過程を経時的に空間的に確認することができるうえ,直接観測が困難なミクロなスケールの現象の具体的なイメージを与えることが可能になるため,マクロに観測している現象の理解を深めることもできる.本報告書は,放射線の生物影響の評価に不可欠な,放射線の飛跡構造(エネルギー付与構造),ラジカル反応・拡散の様子,DNA構造モデルなど,モンテカルロシミュレーション結果の可視化画像をまとめたデータ集である.


320321
放射線管理用排気・排水データベースシステムの開発
菊地正光 ; 滝光成 ; 久米悦雄 ; 小林秀雄* ; 山田稔穂* ; 山口武憲
JAERI-Data/Code 2004-006; Mar.2004,146p.

 東海研究所においては,放射性物質の排気排水管理を必要とする約40の施設が存在している.これら施設における放射性物質の排気排水にかかわる管理は,法令等に基づき施設ごとに実施しているが,国等への報告では,施設ごとに行われている測定結果を取りまとめ,東海研究所として報告を行う必要がある.そのため,排気排水にかかわるデータベースを作成してデータの一元管理を行うとともに,国等への報告に必要となる基礎的資料を作成する本システムを開発した.


320253
FEMAG/OFMCコードを使用したフェライト鋼によるリップル補正磁場中の高速イオン損失計算
浦田一宏* ; 篠原孝司 ; 鈴木正信* ; 鎌田功*
JAERI-Data/Code 2004-007; Mar.2004,45p.

 トカマク型核融合装置では,離散的トロイダル磁場コイル(TFC)のつくるトロイダル磁場にリップルが存在して高速イオンの損失を招き,真空容器の損傷につながる.近年,強磁性体を用いてリップル損失を低減する手法が提案され,低放射化,高熱伝導率特性を併せ持った低放射化フェライト鋼の核融合炉への導入が検討されている.しかし実際の装置では,他機器との干渉のため,リップル低減に効果的なトロイダル対称性を持ったフェライトの設置が困難となる場合がある.また損失境界である第一壁形状がトロイダル対称性を持たない場合がある.このような理由から実機に即したリップル補正磁場中の高速イオン損失計算を行うためには,トロイダル非対称性を取り扱えることが望ましい.そこで,フェライト鋼によるリップル補正磁場を計算するFEMAG(FErrite generating MAGnetic field)コードの開発を進め,トロイダル非対称の場合でも全トーラス磁場の計算を高速で行えるようにした.さらにこの磁場データを基礎として,高速イオン損失を計算する軌道追跡モンテカルロコードOFMC(Orbit Following Monte Carlo)をトロイダル非対称性が取り扱えるように改良した.FEMAG/OFMCコードの使用方法,JFT-2M装置による実験結果の解析評価とトカマク国内重点化装置の設計検討への適用について報告する.


330981
バイオインフォマティクス整備; タンパク質立体構造予測システム構築
木村 英雄; 酒井 智*
JAERI-Data/Code 2004-008; Feb.2004,41p.

  アミノ酸配列からのタンパク質立体構造予測は非常に難しい問題であり、多くの研究者がこの難題について研究している。その難しさの原因は大きく分けて2つある。1つは、可能性のある立体構造を探索することの難しさであり、もう1つは、タンパク質の天然状態を安定に保っている相互作用エネルギーを精度よく計算することの難しさである。この問題を解くことを目的としたタンパク質立体構造予測システムを、神戸大学,奈良先端科学技術大学院大学,日本原子力研究所の3機関で開発している。これは、モンテカルロ法を用いたタンパク質立体構造予測解析をGrid環境上で実行することで、精度の高い立体構造を求めるシステムである。また、本システムは、Web画面よりジョブの投入,ジョブの実行状況確認,解析結果の確認を行うことができ、ユーザの利便性についても考慮したシステムとなっている。このシステムで行うタンパク質立体構造予測解析は、神戸大学で行っている解析を対象とする。そして、奈良先端科学技術大学院大学がGrid環境の構築を行い、日本原子力研究所が解析結果の管理、及び表示を行うシステムを構築する。本報告書は、日本原子力研究所で構築している解析結果の管理、及び表示を行うシステムについて報告する。


330053
ITBL棟における可視化環境とその利用
安原裕子*
JAERI-Data/Code 2004-009; Dec.2004,31p.

 コンピュータで科学技術計算を行った結果出力されるデータを視覚化する可視化技術は,計算科学のうえで非常に重要な技術の一つであり,近年さまざまな可視化ソフトウェアが数多く開発され,利用されている.計算環境の大規模化,高性能化に伴い,データ容量は年々大きくなり,より複雑な現象を扱うことが多くなってきている.数値のみのデータではなく,3次元表示や立体表示を行うことで,現象をより直感的に把握することができ,また理解も深まることから,さらなる研究の発展が期待されている.日本原子力研究所(以下,原研と略す)関西研究所にある,ITBL棟のビジュアリゼーション室には,3面スクリーンのVR(Virtual Reality)システムを始め,簡易VRシステム,Mixed Realityシステム,alchemyといった装置群が設置されており,メガネやヘッドマウントディスプレイを装着することで,簡単にVirtual Realityの世界を体験することが可能である.本報告書では,上記の可視化環境の紹介と,それらの利用状況,今後の課題等について報告を行う.


320483
排気筒から放出される放射性雲の等濃度分布図及び放射性雲からの等空気カーマ率分布図,3
橘晴夫 ; 菊地正光 ; 関田勉 ; 山口武憲 ; 大枝幹拓* ; 黒澤直弘*
JAERI-Data/Code 2004-010
JAERI-Data/Code 2004-010-appendix(CD-ROM)
; Jun.2004,19p.

 本報告は,ICRP(国際放射線防護委員会)1990年勧告の取り入れによる原子力関係法令の改正や原子力安全委員会の各指針の改定に基づき,以前刊行した「排気筒から放出される放射性雲の等濃度分布図及び放射性雲からの等γ線量率分布図,2」(JAERI-M 90-206)の改訂版として作成したものである.本改訂版での変更箇所は,空気吸収線量率を空気カーマ率に変更し,放射能濃度及び空気カーマ率の分布図をCD-ROMに収録した.このCD-ROMから必要とする分布図をパーソナルコンピュータで印刷したり,電子地図等へ張り付けることができる.


320665
最新の評価済み核データに基づくMVP中性子断面積ライブラリーの作成
森貴正 ; 長家康展 ; 奥村啓介 ; 金子邦男*
JAERI-Data/Code 2004-011; Jul.2004,119p.

 ENDF形式で表現された評価済み核データファイルを処理して,連続エネルギーモンテカルロコードMVPの中性子断面積ライブラリーを作成するコードシステムLICEMの第2版を開発した.本コードシステムは最新のENDF-6形式の核データを処理することができ,MVPコードの任意温度計算機能に対応したMVPライブラリーの作成機能を有している.本コードシステムを用いて,世界3大評価済み核データファイル(JENDL, ENDF/B, JEFF)の最新ファイルを処理して,MVP中性子断面積ライブラリーを作成した.本報告には,MVP中性子断面積ライブラリーの形式,ライブラリー作成コードシステム及びその使用法と作成されたMVP中性子断面積ライブラリーについて記述されている.


320793
高温ガス冷却炉・格子燃焼特性解析コード「DELIGHT-8」(共同研究)
野尻直喜 ; 藤本望 ; 毛利智聡 ; 小幡宏幸*
JAERI-Data/Code 2004-012; Oct.2004,65p.

 「DELIGHT」は,炉心計算等に必要な群定数を作成する高温ガス冷却炉用格子燃焼特性解析コードである.円環状または球状の高温ガス炉燃料を対象に衝突確率法による格子計算を行う.高温ガス炉燃料特有の被覆燃料粒子による燃料格子の二重非均質性を考慮した燃焼計算が可能なことが特徴として挙げられる.今回,従来のDELIGHTコードをより燃焼度の高い炉心の解析に対応させることを目的に,核データライブラリのJENDL-3.3への更新,燃焼チェーンを詳細化する等の改良を行った.また,可燃性毒物(BP)格子計算モデルにおいて,BP棒周辺の物質領域を多領域化し,BP格子計算の計算精度の向上を図った.本報は,改良DELIGHTコード(DELIGHT-8)の改良点と使用方法について説明するものである.


330245
AVS/ITBLの数値環境システムでの利用手引書
鈴木喜雄 ; 松本伸子* ; 山岸信寛* ; 荒川拓也* ; 倉石英明*
JAERI-Data/Code 2004-013; Feb.2005,163p.

 日本原子力研究所計算科学技術推進センターでは,e-Japan重点計画の一つであるITBL(Information-Technology Based Laboratory)計画を推進している.ITBL計画の目的は,大学や研究機関に分散された計算機・プログラム・データ等の知的資源を共有し,研究者間の共同研究を支援するための仮想研究環境の構築である.AVS/ITBLは,このITBL環境において効率的に可視化が行えることを目指して開発している可視化ツールである.本可視化ツールは,ITBL基盤ソフトウェア上のツールとして実装しており,AVS/Expressと連携して動作する.AVS/ITBLの主な機能として,ITBL環境において遠隔地にある計算データを直接的に可視化可能なAVSクライアントによる可視化機能,Webブラウザで可視化画像を表示可能なWebクライアントによる可視化機能,複数の利用者が協調して可視化を行うことが可能な可視化コラボレーション機能,及びシコマンドラインからの実行によりバッチ的に可視化を行うことが可能なバッチ可視化機能がある.本書では,ITBL計画におけるアプリケーションの一つである数値環境システムでのこれら機能の利用手引について記述しており,操作概要について詳細に記述を行っている.


320900
Atmosphere-soil-vegetation model including CO2 exchange processes; SOLVEG2
永井晴康
JAERI-Data/Code 2004-014; Nov.2004,92p.

 大気と陸面間の熱,水及びCO2交換を研究するために,新しい大気−土壌−植生モデルSOLVEG2(SOLVEGバージョン2)の開発を行った.モデルは,大気,土壌,植生それぞれについての1次元多層サブモデルからなる.また,モデルは,植生層内の日射及び長波放射の伝達,及び大気,土壌,植生間のCO2交換を計算する精緻な過程も含んでいる.本モデルは,3次元の大気モデルと結合して計算を行う機能も有する.本報告は,大気モデルMM5との結合機能も含めて,SOLVEG2の詳細を記述する.


320901
JENDL-3.3に基づくORIGEN2用断面積ライブラリセット; ORLIBJ33
片倉純一 ; 片岡理治* ; 須山賢也 ; 神智之* ; 大木繁夫*
JAERI-Data/Code 2004-015; Nov.2004,115p.

 ORIGEN2コード用の断面積データライブラリORLIBJ33を最新の評価済核データライブラリJENDL-3.3をもとに作成した.作成したライブラリは,軽水炉であるPWR, BWR及びそれらのMOX燃料用のライブラリと高速炉用ライブラリである.軽水炉用ライブラリについては,JENDL-3.2に基づく旧ライブラリとの比較及び実燃料の破壊試験の測定値との比較を行った.高速炉用ライブラリについても,旧ライブラリを用いた計算結果との比較を行い燃焼計算への影響を把握した.


330054
高速炉核特性計算コードシステムEXPARAM
飯島進* ; 加藤雄一* ; 高崎謙一* ; 岡嶋成晃
JAERI-Data/Code 2004-016; Dec.2004,91p.

 高速炉臨界実験装置FCAを用いた実験を,統一のとれた流れに従って解析することを目的に,高速炉核特性計算コードシステム"EXPARAM"を開発した.EXPARAMは,原研及び米国の研究機関でここに開発されてきた計算コードに手を加え,計算手法の統一を図りさらに計算コード間のデータの受け渡しを系統的に行えるように整備した計算コードシステムである.群定数と拡散理論及び輸送理論に基づく体系計算コード及び摂動計算コードにより,臨界性に関する実効増倍率,出力特性や増殖性能に関する反応率や反応率比及び反応度効果に関するドップラー係数やナトリウムボイド係数を計算する.さらに動特性に関連する物理量として即発中性子寿命及び実効遅発中性子割合を計算する.EXPARAMを整備したUNIX環境では,ダイレクトアクセスファイルにより計算コード間のデータの受け渡しを行う.


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