研究開発報告書類


JAERI-Data/Code
2005年1月〜9月


330246
HTTR水素製造システム動特性解析コードN-HYPACの開発(受託研究)
前田幸政* ; 西原哲夫 ; 大橋弘史 ; 佐藤博之* ; 稲垣嘉之
JAERI-Data/Code 2005-001; Mar.2005,149p.

 HTTR水素製造システムの特性評価等を行うために,解析コードN-HYPACの開発を行った.本解析コードでは,HTTR水素製造システムの静定状態(通常運転時)及び動的状態(起動,停止及び異常時等の過渡変化時)における熱物質収支(ヘリウムガス,プロセスガス,構造物等の温度分布,ヘリウムガス及びプロセスガスの質量,圧力分布等)及び制御系の特性を解析することが可能である.これまで,中間熱交換器以降の2次ヘリウム系と水素製造システムの解析ができるように整備を行った.本報告書は,動特性解析コードN-HYPACの解析フロー,構成機器のモデル,基本計算方程式,取扱い方法及び試解析についてまとめたものである.


330247
Programs OPTMAN and SHEMMAN, 8; 2004
Soukhovitskij, E. Sh.* ; 千葉敏 ; 岩本修 ; 柴田恵一 ; 深堀智生 ; Morogovskij, G. B.*
JAERI-Data/Code 2005-002; Mar.2005,78p.

 軟回転体模型ハミルトニアンに基づくチャンネル結合光学模型によって原子核の集団励起構造と反応断面積を記述する計算コードOPTMANにおいて用いられている理論,数値計算手法と入出力フォーマットの説明を行う.同時に軟回転体模型によって原子核ハミルトニアンのパラメータを求めるコードSHEMMANの説明も行う.本研究は,国際科学技術センター(ISTCモスクワ)のプロジェクトB-521として,日本のサポートの下で行われている.本プロジェクトによりOPTMANにおける数値計算アルゴリズムは完全に改訂され,またユーザーフレンドリーなインターフェースが設けられた.


330481
TAC/BLOOSTコードの検証(受託研究)
高松邦吉 ; 中川繁昭
JAERI-Data/Code 2005-003; Jun.2005,31p.

 高温工学試験研究炉(HTTR)では,安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており,冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても,原子炉出力は安定状態に落ち着き,炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している.本研究では,循環機停止試験の試験データを用いて,動特性解析コードTAC/BLOOSTコードの検証を行った.TAC/BLOOSTコードは,原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき,1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる.検証の結果,解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり,TAC/BLOOSTコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた.


330679
Program POD; A Computer code to calculate nuclear elastic scattering cross sections with the optical model and neutron inelastic scattering cross sections by the distorted-wave Born approximation
市原晃 ; 国枝賢* ; 千葉敏 ; 岩本修 ; 柴田恵一 ; 中川庸雄 ; 深堀智生 ; 片倉純一
JAERI-Data/Code 2005-004; Jul.2005,54p.

 中性子または軽元素イオンと標的核との衝突における弾性散乱の角度微分断面積及び偏極分解能を,光学模型を用いて計算するプログラム(POD)を開発した.この計算プログラムは歪曲波Born近似を用いて中性子に対する非弾性散乱の角度微分断面積を計算することも可能である.これらの模型では,標的核が作る平均場を表現するためのパラメータ(光学ポテンシャルパラメータ)が最も重要な入力値である.本プログラムでは既存のパラメータを用いて,あるいは利用者が直接入力することによって計算を行うことが可能である.本レポートでは,計算方法及び入力データの説明を行い,幾つかの出力例を示す.


330775
Program POD-P; A Computer code to calculate cross sections for neutron-induced preequilibrium nuclear reactions
国枝賢* ; 市原晃
JAERI-Data/Code 2005-005; Sep.2005,33p.

 中性子誘起による前平衡核反応で放出される粒子の,エネルギー及び角度分布断面積を計算するためのコードPOD-Pを開発した.エネルギー微分断面積は古典的な一成分型の励起子模型により計算される.複合粒子放出に対しては半経験的な励起子模型も用いる.また二重微分断面積は励起子模型と角度分布経験式を併用して導出される.計算方法及び入力データの説明を行い,入出力例を示した.


330902
原子炉事故時放射線影響解析で用いるための内部被曝線量係数
波戸 真治*; 本間 俊充
JAERI-Data/Code 2005-006; Sep.2005,549p.

  日本原子力研究所が開発した確率論的事故影響評価(レベル3PSA)コードOSCAARでは、国際放射線防護委員会(ICRP)の刊行物Publication 30に基づく内部被曝線量換算係数を使用して公衆の被曝線量を評価してきた。ICRPはPublication 56で幾つかの放射性同位体に関して年齢依存の体内動態モデルを示し、それ以降、新しい呼吸気道モデル,その他の放射性同位体に関する年齢依存の体内動態モデル及び尿と糞への排泄モデルを示してきた。ICRPはたくさんの放射性核種に対する年齢依存の内部被曝線量係数をICRP刊行物に示してきたが、吸入及び経口摂取に関する預託実効線量係数だけをそれら刊行物に与えていた。OSCAARは公衆の早期の健康影響及び晩発性の健康影響を評価しているので、さまざまな積分時間に対する組織や器官の内部被曝線量係数が必要となる。本報告書は、これら新しいICRPモデルに基づき、OSCAARで使用するために開発したコードDSYSについて述べるとともに、OSCAARの計算で使用する54核種の内部被曝線量係数を与える。


330776
確率論的破壊力学解析コードPASCAL-SC及びPASCAL-EQの使用手引き
伊藤裕人* ; 鬼沢邦雄 ; 柴田勝之*
JAERI-Data/Code 2005-007; Sep.2005,118p.

 軽水炉構造機器の健全性に関する研究の一環として,確率論的破壊力学解析コードであるPASCAL-SC及びPASCAL-EQを開発した.これら両コードは,安全上重要な配管溶接部の破損確率をモンテカルロ法により評価するものである.PASCAL-SCは経年劣化事象として応力腐食割れ(SCC)を対象とし,またPASCAL-EQは地震荷重等による疲労き裂進展を対象としたコードである.これらのコードは,破壊力学の最新の知見や計算機性能向上を踏まえ,非定常な地震荷重によるき裂進展が評価可能であると同時に,応力拡大係数や破断判定法に最近の破壊力学的知見が盛り込まれている.また,GUIによる入力データ作成,解析(計算)実行,解析結果のグラフ描画が可能であり,操作性の向上も図られている.本報告書は,PASCAL-SC及びPASCAL-EQの使用方法と解析理論及び手法をまとめたものである.


330777
断層モデルによる地震動予測手法を用いた地震ハザード評価コードSHEAT-FMの使用手引き
杉野英治* ; 鬼沢邦雄 ; 鈴木雅秀
JAERI-Data/Code 2005-008; Sep.2005,95p.

 経年変化を考慮した機器の地震時構造信頼性評価手法を確立するため,プラントサイトの地震動発生確率及び,その発生確率レベルに応じた地震動波形を得ることを目的に,断層モデルによる地震動予測手法を用いた地震ハザード評価コードSHEAT-FM(Seismic Hazard Evaluation for Assessing the Threat to a facility site; Fault Model)を開発した.本評価コードでは,断層モデルによる地震動予測手法に加え,中小地震の観測記録から得られたサイト固有の位相特性や,活断層の活動間隔や最新活動からの経過時間を考慮した地震発生過程モデルなどの,地震工学分野における最新知見を導入することで,地震ハザード評価の精度向上を図っている.本報告書は,SHEAT-FMコードの使用法などをまとめた使用手引きである.主な内容として,SHEAT-FMコードによる地震ハザード評価の概要,入力データの仕様,モデルサイトを対象とした使用例,システム情報及び実行方法についてそれぞれ示す.

330903
原子力災害時の一時集合に要する移動距離分布の推定
佐藤 宗平; 梅本 通孝*; 本間 俊充
JAERI-Data/Code 2005-009; Sep.2005,114p.

  原研では、これまで実施してきた確率論的安全評価(PSA)研究,シビアアクシデント研究,防護対策最適化手法研究などの成果をもとに、より一層合理的な緊急時防護対策のあり方を検討している。万が一、原子力発電施設において事故が発生した場合、早期防護対策が実施されるが、各種対策を効果的に実施するためには事前の準備や計画が肝要であり、特に迅速な避難の実施により大幅な被ばくの低減が見込まれる。避難による被ばく低減効果をPSAを利用した手法で解析するため、早期防護対策の時間にかかわるパラメータの不確実さを検討した。本研究では、特に避難に要する時間を検討するため、原子力災害時の一時集合に要する移動距離分布の推定手法を開発し、「集合場所参集に要する移動距離」を推定した。当分析では、各県の地域防災計画に記された実際の避難に用いられる集合場所情報を利用し、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)内の住民を対象とした。この手法を全国商用原子力発電所16サイトに適用し、各サイトにおける「集合場所参集に要する移動距離」を検討した。本報告書には、原子力災害時の一時集合に要する距離分布の推定手法の概要を述べ、分析に用いたデータ及び結果を記載した。また、当手法の問題点及び今後の応用可能性についての検討結果にも言及した。

330904
大規模データの可視化処理速度調査
星 芳幸*; 久米 悦雄
JAERI-Data/Code 2005-010; Sep.2005,48p.

  近年の科学技術計算は、計算機の高速化と記憶容量の増大により計算規模が飛躍的に拡大し、そこから得られる計算結果も膨大なものになってきている。これに伴い、この膨大な数値データを理解するためのポスト処理、すなわち可視化処理が非常に重要な役割を担うようになっている。一方、可視化を行うための画像処理用計算機においては、この大規模データの可視化処理はまだ大きな負荷となっているのが現状である。このため、原研既設の画像処理用計算機を対象に、汎用可視化ソフトウェアを用いて大規模データを処理する際のハードウェアごとの描画速度の調査を実施した。本報告は、この調査結果に基づき、可視化データの規模と使用すべき計算機について、その利用指針をまとめたものである。


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