研究開発報告書類


JAERIレポート
2005年1月〜9月


330240
Nuclear Decay Data for Dosimetry Calculation; Revised data of ICRP Publication 38
遠藤章 ; 山口恭弘 ; Eckerman, K. F.*
JAERI-1347; Feb.2005,114p.

 医学,環境,放射線防護等の分野において,人体の被ばく線量計算上必要とされる1034核種について,新しい崩壊データを編集した.崩壊データは,2003年版の評価済み核構造データファイルENSDF(Evaluated Nuclear Structure Data File),最新の原子質量データベースNUBASE2003/AME2003を用いて編集された.各核種のENSDFについて,放出される放射線のエネルギー及び放出率を計算するうえで重要となるレベルスキーム,規格化定数等の評価及び修正を行った.このENSDFから,EDISTR04コードを用いて,放射性核種の崩壊,それに続く原子の緩和過程から放出される放射線のエネルギー及び放出率を算定した.EDISTR04は,ICRP Publication 38(ICRP38)の編集に用いられたEDISTRコードをもとに開発されたコードであり,最新の原子データを取り込み,X線,Auger電子等に対する計算方法について改良がなされている.編集されたデータについて,種々の実験データや評価済みデータライブラリとの比較を行い,その信頼性を評価した.DECDC2と呼ばれるこのデータファイルは,現在,線量計算に使用されているICRP38に置き換わるものであり,今後,さまざまな分野における線量計算に幅広く利用される.


330479
MVP/GMVP 2; General purpose Monte Carlo codes for neutron and photon transport calculations based on continuous energy and multigroup methods
長家康展 ; 奥村啓介 ; 森貴正 ; 中川正幸*
JAERI-1348; Jun.2005,388p.

 高速かつ高精度な中性子・光子輸送モンテカルロ計算を実現するため,2つのベクトルモンテカルロコードMVPとGMVPが日本原子力研究所において開発されている.MVPは連続エネルギー法,GMVPは多群法に基づいている.これらのコードはベクトル計算機上において,既存のスカラーコードに比べて10倍以上の高速化を実現している.両コードは正確な物理モデル,詳細な幾何形状表現法,分散低減法等,実用コードとして十分な機能を有している.これらコードの第1版は1994年に公開され,これまで広範囲にわたって改良及び新機能の追加がなされてきた.主な改良点と新機能は(1)ENDF-6形式のファイル6を用いて表現された散乱モデルへの対応,(2)時間依存タリー,(3)ポイントワイズ応答関数を用いた反応率計算,(4)柔軟な線源の指定,(5)任意温度における連続エネルギー計算,(6)固有値問題における分散のバイアス評価,(7)点検出器及び面検出器評価法,(8)確率論的幾何形状モデル,(9)炉雑音解析機能等である.本報告書では2つのコードで用いられている物理モデル,幾何形状表現法,新たな機能及びそれらの使用法が記載されている.


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