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シビアアクシデントの伝熱流動現象における素過程に関する研究; 狭隘流路での沸騰熱伝達, 原子力基礎研究 H10-027-4 (委託研究)

Research on the fundamental process of thermal-hydraulic behaviors in severe accident; Boiling heat transfer in a narrow channel, JAERI's nuclear research promotion program, H10-027-4 (Contract research)

神永 文人*

Kaminaga, Fumito*

シビアアクシデント時の伝熱現象における1つの素過程として、溶融炉心の長期の冷却特性に対して重要な事象である狭隘流路内の低流量条件下での沸騰熱伝達の解明を行った。自然循環条件下での実験と解析の結果、水を使用した結果とエタノールの一部の結果では、沸騰熱伝達に対する管径の影響が明確に現れ、細い管ほどまた圧力が高いほど熱伝達率が増加し、その値はプール沸騰の場合と比べかなり大きくなることが示された。また流動様式が環状流に遷移し、液膜の蒸発熱伝達が支配的であると仮定して解析すると、熱伝達を良く評価できることが示された。強制循環条件下での実験と解析の結果、ウエーバ数が伝熱様式に重要な影響があることが示された。ウエーバ数が0.15より小さい循環条件(質量流束62kg/m$$^{2}$$s以上)では、従来の強制循環での沸騰熱伝達とほぼ類似の特性を持つ。また、今回の実験範囲である低質量流束条件であっても、細管であるため対流熱伝達率は大きくなる。そのため、低熱流束領域では対流の効果が大きくなり、見かけ上、沸騰熱伝達が促進される。この場合、限界熱流束は甲藤のL領域相関で予測できる。一方、ウエーバ数が0.2より大きい循環条件(質量流束53kg/m$$^{2}$$s以下)では、沸騰熱伝達はより促進され、その促進は熱伝達様式が環状流での液膜蒸発熱伝達に遷移するためであることが示された。ただ、限界熱流束は甲藤のL領域相関式よりかなり小さくなる。その原因は、ウエーバ数が大きいため、液膜が伝熱面から剥離しやすくなり、小さな流量変動で、位置的,時間的にドライな状態が伝熱面に形成されやすくなるためである。したがって、低流量での狭隘流路内沸騰熱伝達評価には、実際に流路を流れる流量の考慮が最も重要であることが示唆された。

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