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SIMS analysis of lead isotopes in the primary ore body of the Koongarra deposit, Australia; Behavior of lead in the alteration of uranium minerals

SIMSによるオーストラリア・クンガラ一次鉱床の鉛同位体分析; ウラン鉱物の変質過程における鉛の挙動

磯部 博志; 日高 洋*; 大貫 敏彦

Isobe, Hiroshi; Hidaka, Hiroshi*; Onuki, Toshihiko

ウランや鉛は、地球化学的条件により移行挙動が左右され、鉛の同位体分析によってその移行についての年代学的な情報が得られる。本研究では、クンガラ一次鉱床の試料についてSIMSによる鉛同位体分析を行った。一次鉱床のウラニナイトとウラニル鉱物の鉛同位体組成は一致し、その年代は約11億年である。ウラニナイトの年代は正しいと思われるが、ウラニル鉱物の年代は化学組成からは約2千万年以内と推定される。これは、一次鉱床領域全体で鉛は閉じているが、ウランの壊変による損傷と再結晶過程でウラニル鉱物は常に鉛を交換していることを示している。一方、鉱床外部の硫化鉱物は形成時の鉛同位体組成を保存している。11億年以降鉱床からの鉛の供給がなかったとすると、その前後約1億年間に鉱床から移動した鉛が硫化鉱物を形成した可能性がある。鉛の移行挙動は約11億年前に大きく変化したものと思われる。

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