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粗面付き狭隘流路内液膜流挙動に影響する乱流の効果

Liquid film flow behavior in narrow channels with roughness affected by turbulent effect

高瀬 和之; 吉田 啓之  ; 小瀬 裕男*

Takase, Kazuyuki; Yoshida, Hiroyuki; Ose, Yasuo*

軽水炉の燃料集合体内には燃料棒やスペーサが設置され、それらの後流では乱れの促進が考えられる。特に、液膜流時には気相と液相の相対速度に依存して気液界面に発生するせん断力によって液膜中に大きな乱れが形成され、その結果、界面形状が不安定になることが理論的,実験的に明らかになっている。このような界面不安定現象を考慮して、原子炉熱設計に液膜の平均厚さ,熱伝導率等を反映させるためには、液膜内部の流動状態を正確に把握する必要がある。そこで、本研究では、低減速軽水炉で想定される突起付狭隘流路内の液膜流を対象として、改良VOF法と乱流モデルを組合せた二相流解析を行い、突起後流に発生する渦が液膜流に及ぼす影響を数値的に調べた。使用した乱流モデルは、2方程式k-$$varepsilon$$モデル,レイノルズ応力モデル及びラージエディシミュレーションである。各モデルによる予測結果で最も大きな違いは、突起後方に形成される循環流の様相と乱れによって液膜から生成される液滴挙動の2つであった。特に、後者はラージエディシミュレーションの結果に顕著であった。今後は、二相流直接解析への適用を目的として界面挙動を高精度で予測できる二相乱流モデルの開発を行う考えである。また、実験による検証データの取得を併せて実施する考えである。

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