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Anomalous magnetic moment of $$^9$$C and shell quenching in exotic nuclei

$$^9$$Cの異常磁気モーメントとエキゾチック核におけるシェルの消失

宇都野 穣   

Utsuno, Yutaka

$$^9$$Cの磁気モーメントは、鏡像核の$$^9$$Liの磁気モーメントと、安定核ではよく成り立っているアイソスピン対称性を考慮に入れると、核力の一般的性質からは全く理解できないほどの大きなスピン期待値を与えることが知られているが、その異常性のメカニズムはこれまで不明であった。この論文は、著者らが提唱してきた、不安定核における殻構造の変化の一般的性質によりこの異常磁気モーメントのメカニズムを説明できることを示したものである。具体的には、Z=4,5,6同位体におけるN=8のシェルギャップを実験値と殻模型による計算値とを比較することにより、Z=3ではN=8のシェルギャップが非常に狭いことが示される。このことから、$$^9$$Liではp殻で支配された通常状態と、$$sd$$殻に2中性子励起した侵入者状態が接近することが予言される。$$^9$$Cではトーマス-エルマン効果が付け加えられることより、さらにシェルギャップが縮まり、この2つの状態の混合が大きくなる。その結果、$$^9$$Liと$$^9$$Cでは基底状態の波動関数が大きく異なり、実験で測定された異常な磁気モーメントが理解される。この成果は、単にエキゾチックな現象を説明したのみならず、不安定核における殻構造のダイナミックな変化が普遍的であることをも示し、不安定核研究一般に大きな影響を与えうるものである。

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パーセンタイル:70.39

分野:Physics, Nuclear

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