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フェニルアラニン水溶液への重イオン照射効果,2

Irrdiation effect of 207-MeV C ion on phenylalamine aqueous solution

田口 光正; Xu, Y.; 小林 泰彦; 森山 正洋*; 平塚 浩士*

Taguchi, Mitsumasa; Xu, Y.; Kobayashi, Yasuhiko; Moriyama, Masahiro*; Hiratsuka, Hiroshi*

L-フェニルアラニンを超純水に濃度13mMで溶解させ、Heガスで飽和し207MeV Cイオンを照射した。HPLC測定したところ、フェニルアラニン自身、さらにp-,m-,o-チロシンのシグナルが観測された。クロマトグラム上のピーク面積からチロシンの生成量を求めたところ、チロシン生成のG値は$$gamma$$線、イオン照射ともに0.30$$pm$$0.03と見積もられた。つまり無酸素状態では、$$gamma$$線でもCイオンでもOHラジカルは同程度生成したと考えられる。次にN$$_{2}$$Oガスを飽和した試料に放射線照射し、同じくチロシンの生成量を調べた。N$$_{2}$$Oは水和電子を素早くスキャベンジしほぼ同量のOHラジカルを生成する。そこでチロシン生成のG値とOHラジカル、水和電子のG値とは次の関係式が成り立つ; G(Tyr)=f$$times$$G$$_{total}$$(OH)$$doteq$$f$$times$$(G(OH)+G(e$$_{aq}^{-}$$))。fは生成した全OHラジカルのうちチロシン生成で消費される割合を示す。N$$_{2}$$O飽和した試料へ$$gamma$$線及びCイオン照射した場合、チロシン生成のG値は0.58$$pm$$0.04及び0.39$$pm$$0.02と見積もられた。$$gamma$$線照射した場合のOHラジカル及び水和電子のG値は2.8及び2.7であることから、fは0.105と求められた。この値を用いることによりCイオン照射での水和電子のG値は0.9(0.39=0.105$$times$$(2.8$$pm$$G(e$$_{aq}^{-}$$)))と見積もられた。

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