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高レベル廃液固化体の放射線損傷に関する調査

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古屋 廣高*; 佐藤 正知*

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高レベル放射性廃液固化体内での原子核崩壊によって生じる固化体の照射効果については70年代半ばになって欧米各国で研究が開始され,現在,急速にデータが蓄積されつつある現況である。本報告では,最新の文献を含めこれらを調査し検討した。照射効果については次の7点が検討の対象とされている,1)照射による体積変化,2)蓄積エネルギーとその放出挙動,3)浸出率への影響,4)結晶相の非晶質化と割れの問題,5)$$alpha$$崩壊によるヘリウム蓄積と応力発生,6)機械的性質への影響,7)崩壊による原子価変化と化学的特性への影響。各種崩壊による照射効果への寄与については,$$alpha$$崩壊からの損傷形成による効果がその大半を占めることが明らかになった。そこで各国とも,短半減期$$alpha$$崩壊核種を固化体に溶解させ内部照射する,所謂,加速試験を最も信頼できる方法として採用している。この方法は,強い$$alpha$$線と$$gamma$$線を放出する為,代替法も検討され重イオン照射,中性子照射,核分裂破片による方法など検討されている。加速試験による上記7点について各国で実験的に検討した結果につき以下に示す。1)については最大$$pm$$1%程度,2)についてはデータに差もあるが蓄積エネルギーの放出は,ゆるやかで温度の急上昇などの問題はない,3)浸出率のデータは誤差をともなうが,照射試料と非照射試料で特に差は認められないが,最大2倍程度のデータもある,4)結晶化させた固化体については析出結晶相によって割れが生じた,この点については今後とも検討の必要があると思われる,5)については生成ヘリウムは拡散係数も小さく,ほぼ固化体内に蓄積される,固化体内での圧力や,万一の温度上昇などでプレナム内にヘリウムが放出したときの圧力等計算された。6)破壊後の粒度分布測定がなされ,照射,非照射試料について差は認められなかった。7)現在までほとんど研究されていないが,問題となり得ることはないと考えられている。以上が現在までの結果の要約であるが,照射効果の研究はまだ開始されたばかりであり,今後の研究の進展が期待される。特に我が国においては固化体の照射効果についての実験的検討は皆無である。加速試験を行なう場合,$$alpha$$集積線量が飽和値に達するまで照射開始後2年程度は必要であり,この方面での早急な対策が望まれる。(2000.12.15 Z --$$>$$ T)

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