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TRU核種等の地球化学的挙動に関する調査研究, II; 概要

Research on the geochemical behaviors of TRU nuclides

田坂 広志*; 河田 陽介*

Tsaka, Hiroshi*; Kawata, Yousuke*

高レベル廃棄物の地層処分において,母岩の地球化学と人工バリアシステムが損失した後に形成される化学的雰囲気が持つTRU核種の溶解度や易動性を抑制する化学バリアとしての機能を地球化学モデル-MINTEQ-を用い検討した。地層処分場条件について化学的な観点から検討し,凝灰岩(母岩),ベントナイト(緩衝材),鋳鉄(容器),ホウケイ酸ガラス(固化体)からなる仮想的地層処分施設を参照として想定した。この仮想施設について起こり得る化学反応について検討するとともに,参照処分場についてMINTEQの解析のために必要な入力データとして,温度,圧力,地下水化学および水理・熱・鉱物学的特徴をまとめた。MINTEQによる解析においては,地下水の化学的状況がUとPuの化学種分化と溶解度に及ぼす影響を感度解析的に試算した。pHとアルカリ度の変化はUの化学種を分化させたが,Puでは殆ど変化が見られなかった。しかし,Puの熱力学データを再検討する必要があり,この結果の妥当性については判断が下せない。さらに,地下水とベントナイトの反応について解析した。ここで,ベントナイトは含鉄モンモリロナイトを仮定したが,この溶解とヘマタイトとカルサイトの沈澱により,地下水のEhが大きく減少し,pHが高くなった。続いて,この地下水と鉄および銅製の容器との反応について解析した。加えて,緩衝材と母岩中で生成された鉄酸化物に対するガラス固化体から溶解したUとPuの吸着反応について解析した。この解析に使用したUとPuの分配係数の妥当性は今後検討する必要があるが,緩衡材中での収着に関する感度解析結果では,pHと収着材の量がUとPuの収着量に大きな変化を与えることが明らかになった。検討の結果,TRU核種の熱力学データ等を一層充実させる必要があるものの,地球化学モデルによる人工バリアの化学バリア性能の評価は有効であり,人工バリアを選択する際に,このような観点の評価も活用すべきであることが判明した。

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