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大型炉心の核的結合に関する検討

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中島 文明*

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FBR炉心の大型化に伴う、核的結合の問題についてまとめた。核的結合の弱い炉心では相対的に外乱に対する感度が大きく、場所依存性が強いことから、大型炉心の核特性を模擬した臨界実験の測定、その結果の実機への反映、実機の設計等でそれぞれその影響を念頭にいれておくことが必要である。(i)臨界実験の反応度測定では検出器の検出器効率の変化を考慮することで正しい出力変化を求めて反応度を測っていることを紹介した。(ii)基準体系に対し外乱が与えられた場合の摂動を表す方法として、基準体系の固有値関数を用いて表す方法がある。これを用いて、ZPPR-18、-19炉心の炉内装荷の64個の核分裂計数管データを使って外乱と中性子束分布の歪みについて検討した。そして固有値間隔と中性子束分布の歪みの関係、中性子束分布の歪みと固有値関数の関係を実験的に確認すると共に、実験データより固有値間隔を評価する手法を考案し、良好な結果を得た。(iii)この、固有値関数(モード)による方法を使って、従来観察されている反応率分布等のC/Eの空間依存性について検討をした。そして、ある特定のモードとC/Eの分布が深く関係していること、固有値間隔はその変化を扱ううえで有効であることなどを示した。核データ誤差がC/Eに及ぼす影響について、モードによる摂動解析と一般化摂動論に基づく感度解析とを比較しながら検討した。これにより、核データ誤差が中性子束分布を変化させた効果が測定反応率の断面積誤差よりもC/Eに影響が大きいこと、従来指摘されているU238保護等の誤差がC/Eに大きく影響していることを示した。また、C/Eの分布が今までと異なるZPPR-18、-19炉心の反応率分布について感度解析を実施し、核データ誤差がその主要因と考えると今までのJUPITER計画のC/E結果と整合がよく取れることを示した。(iv)これらの実験データを実機に反映する場合、固有値間隔、関数の一致度と核データに誤差を持つ核種の分布の一致が重要であり、一般化摂動論に基づくアジャストメント法が核的結合の弱い炉心では有効になると思われる。またこれら一連の検討を通して、核的結合の弱い炉心を扱うとき、固有値関数を念頭にいれた炉心応答の考え方は非常に物理的イメージが掴みやすく、その固有値間隔は感度(応答量)の大きさとよく対応していると思われた。

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