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化学形態を考慮したヨウ素の移行挙動研究(IV)

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本研究は、放射性ヨウ素を含む廃棄物を安全に処分するための最終処分法を確立することを目的としている。一般に、ヨウ素のようなアニオンは、地下水環境下においては吸着され難く、カチオン性核種のように天然バリアーによる拡散遅延効果が期待しがたい。そこで、本研究では、人工バリアーとしてヨウ素吸着材の検討を行っている。本年度は、候補材として天然鉱物のシン砂、人工の銀チオ尿素添着モンモリロナイトおよび無機イオン交換体の3種類について、その吸着特性や吸着機構を検討した。また、漏洩防止という観点から疎水性のヨウ素固定化材についても検討した。その結果は次のようにまとめられる。1.シン砂の吸着機構1. 吸着温度が上昇しても吸着量が減少しないことから物理吸着ではない。また、共存イオン効果もないことから、イオン交換による吸着でもないと判断された。2. 平衡吸着量は、10-5mol/g程度であり、この吸着量はシン砂に含まれるHgSに比べて極めて少なく、また、ヨウ素がHgS試薬と反応しないこと及び元素分析の結果から判断すると、ヨウ素のシン砂への吸着はHg2Sのような一価の水銀化合物が反応して不溶性のHg2I2を生成するためと推定された。3. 地下水環境下においても、シン砂のヨウ素分配比(Rd)は、低濃度ならば約10,000であり、ヨウ素吸着材として十分に機能することが立証された。2.銀チオ尿素添着モンモリロナイトの吸着機構1. 元素分析やIR測定の結果、吸着材の調製に使用した銀チオ尿素錯体は、3分子のチオ尿素が銀にS配位していることが確認された。2. 本吸着材の吸着機構は、モンモリロナイトに取り込まれた銀チオ尿素錯体がヨウ素を吸着、またはチオ尿素が流出することによって生じる銀の加水分解種がヨウ素を吸着していると考えられた。3.無機イオン交換体の吸着特性本年度調製したハイドロタルサイト系の中で、Mg/Bi系の化合物が高いヨウ素吸着能を示した。ただし、地下水環境下では、共存イオンの影響を受けて、吸着率が低下する傾向があった。4.疎水性ヨウ素固定化材の特性接触角を粉末法で測定した結果、非常に濡れにくいことは確認されたが、水に接触した面からは、通常のヨウ化銀の溶解度にしたがって溶出が起こると推定された。

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