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ベントナイトの変質による人工バリア特性の変化に関する実験的研究(III); 平成4年度報告書

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東 邦夫*

Higashi, Kunio*

人工バリアの中で埋め戻し材は、母岩とオーバーパックという、それぞれ硬いもの同士のあいだのクッションの役割をするもので、それにはベントナイトが考えられている。ベントナイトとは、主成分がモンモリロナイトといわれる層状結晶の粘土鉱物の粘土であり、低透水性、高イオン交換能力、高膨潤性、可塑性といった特徴を持っている。これらの性質により、上記の役割に加えて、廃棄物への地下水の浸透を制限し、また、放射性核種が漏れでた場合でも、それを吸着しその移行速度を遅くする等の重要な役割をする。そこで、多くの研究者によってベントナイトへの分配係数やベントナイト中での核種の拡散係数などが測定されてきた。本研究室においても、高畠によりトレーサーにトリチウム水 THOを用いた、圧密ベントナイト中の水の拡散係数の測定実験がなされた[3]。Cs+やSr2+等の陽イオンの拡散係数もトリチウム水の場合と同じ方法で他の研究者によって測定されている[4,5,6]。しかし、陽イオンの場合ベントナイトの特性からいって非常に長時間の拡散時間が必要なので、高畠が3Hで得たようなきれいなプロファイルはあまり得られていない。そこで、本研究では電気伝導度法を用いて、ベントナイト中での陽イオンの拡散係数の測定を行った。電気伝導度法は試料の電気伝導度とネルンストーアインシュタインの式から拡散係数を求める方法である。この方法は試料の電気的性質を調べるため、的確な実験方法と解析方法を用いれば、比較的容易に拡散係数を測定することができる。しかし、トレーサーを用いた実験と異なり、多くの異なるイオンが存在している場合、注目核種による影響を正確に評価することが非常に困難であるという欠点がある。本研究室で行った実験においてもそのことが報告されている[7]。ベントナイトは層間に交換性陽イオンとして、多くのNa+やCa2+などのイオンを持っているため、この方法をこのまま適用することは困難である。そこで、本研究ではベントナイト中の層間イオンを注目核種に置換したものをまず作成して、それを用いて電気伝導度法で拡散係数を測定した。また、ベントナイト中の層間イオンが変化することによる特性変化を、X線回析法を用いて、層間距離を測定することにより考察した。

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