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表層土壌圏における核種動態等に関する研究(1)

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放射性廃棄物処分の安全評価に関しては、シナリオ解析に基づきモデル化が行われ、気孔を有する均一媒体や、亀裂を含む地層について、核種収着過程を含む移流分散の式により安全解析が行われてきた。表層土壌圏では、10%に達するフミン物質が存在する場合があり、安全解析上無視できない可能性がある。フミン物質存在下では、核種は錯体を形成したり、擬似コロイドとして地下水とともに移動したり、そのサイズによっては、濾過効果により土壌に取り込まれる可能性もある。また、フミン酸のイオン交換容量は、土壌の主要な構成鉱物の一つであるカオリナイトに比べ、約100倍も大きいとの報告もある。本研究では、天然有機物の主要成分の一つであるフミン酸の核種移行に与える影響を明らかにするため、表層土壌の主成分鉱物に対するSrの収着挙動に与えるフミン酸の影響を検討している。その一環として、今年度はAldrich社製のフミン酸を用いて、フミン酸のプロトン交換容量、Srのフミン酸錯体の安定度定数に関する研究を行った。フミン酸の水素イオン交換容量として、4.72$$pm$$0.17meq/g、Sr(II)フミン酸錯体の安定度定数として、log$$beta$$m=3.6を得た。さらに、収着挙動に関するフミン酸の影響について、従来の研究2件を紹介した。

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