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ガラス表面変質層内の元素拡散に関する研究(IV)

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地層処分の人工バリアの一つであるガラス固化体からの放射性核種の長期的な放出量を予測することは性能評価上,不可欠である。NaおよびCsなどの可溶性元素の放出量はその浸出挙動に依存しており,長期的な浸出挙動に関する情報を必要としている。今年度はガラス固化体からのCsの浸出挙動とNa,Bの浸出挙動の違いに関する基礎的知見を得ることを目的として,トレーサー法とイオンビームスパッタセクショニング法を併用し,模擬ガラス固化体中の22Naの拡散係数を温度範囲428K-574Kにおいて測定した。その結果,22Naの拡散は次のようなアレニウスの式で表された。DNa=2.7$$times$$10(-4)exp(-(113+-4)k.Jmo1-1/RT)m2S-1この式より,模擬ガラス固化体中の22Naの拡散のための活性化エネルギーは113kJmol-1で,振動数項は2.7$$times$$10-4m2S-1と評価された。22Naと昨年度,測定された137Csの拡散係数を拡散温度574Kで比較すると,22Naの拡散係数は137Csのそれより約10桁大きい値を示すことがわかった。Nernst-Planckの式を適用し,模擬ガラス固化体中の自己拡散係数DNaとDcsから評価した相互拡散係数の比DH30+,Na/DH3o+,Csと,浸出試験から求めた相互拡散係数の比を比較してみると,12桁の相異があった。従って,浸出挙動が拡散律速によると仮定すると,Nernst-Planckの式を用いて白己拡散係数から相互拡散係数を評価することは困難であると結論された。一方,Darken一Manningの式を適用し,模擬ガラス固化体中の自己拡散係数DNaとDcsから相互拡散係数DH3O+,NaとDH3O+,Csを評価したところ,その値は浸出試験から評価した相互拡散係数と両元素ともに1桁の精度で一致した。さらに,この比DH30+,Na/DH30,csも浸出試験から評価した相互拡散係数の比と1桁の精度でよい一致を示した。以上のことから,Darken-Manningの式を適用することにより,乾いたガラス中での自己拡散係数から浸出試験における相互拡散係数を予測できる可能性を示した。

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