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地層中の有機物とアクチニドの相互作用に関する研究(V)

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杤山 修*

Tochiyama, Osamu*

自然界における有機分解縮合生成物(フミン物質)とアクチノイドとの相互作用を定量的に評価するには、その高分子電解質性と、組成および構造の不均一性の相互作用に及ぼす影響を明らかにする必要がある。そこでこれらの性質のうち、高分子電解質性のみを独立して評価するために、構造が既知で組成が均一である高分子弱酸としてポリアクリル酸を選び、その酸解離およびNp(V)との相互作用を調べた。酸塩基滴定の結果によれば、高分子弱酸の解離においては、見かけのプロトン会合定数(酸解離定数の逆数)は、解離度が大きくなる程大きくなり、またイオン強度が高くなるほど小さくなる。この結果に基づき、解離度とpH、イオン強度との関係を記述するモデルを確立した。次に、ポリアクリル酸とNp(V)との相互作用を、TTAと1,10-フェナントロリンを用いる溶媒抽出法により検討した。この結果、見かけの錯生成定数は、フミン酸とNp(V)の相互作用について報告されている値に近いものであり、ポリアクリル酸の平均分子量の違いにはほとんど依存せず、pHまたは解離度の増加と共に増大し、イオン強度の増加と共に減少することを確認した。

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